【R18】エンドレス~ペド達の娯楽~

永遠のエデン

文字の大きさ
上 下
55 / 105

55

しおりを挟む


 ユニオールの首都・リユニオンに着いたどー!

 道中は魔物と遭遇する事もなく、国境超えもギルドカードのおかげで問題なくパス。平和なものだった。……揺り返しが怖いくらい平和だったんだが、これマジで大丈夫なのか?

「何をビクビクしていますの? 不審者と間違われても文句言えませんわよ」

 と、言われましても……。お前はこの何も問題の無い現状に思うところは無いのか? 平和すぎるんだぞ!?

「貴方こそ何を仰っているのか……。平和ならそれに越したことはないでしょうに」
「とりあえず魔物エンカウント率が異常すぎるんだよ! 無ぇよ二週間、昼どころか夜さえ遭遇しないとか!」

 普通は魔物避けの香とか焚かないと野宿とか無理って本で読んだぞ! いくらダンマスのダンジョンを宿にしてるからって襲撃が一度も無いとかおかしいだろ!

 ……レベル上げてぇのに獲物が来ない。待ちの姿勢がイカンのか? 攻めの姿勢で行かないと駄目なのか? 討伐依頼の時みたいに。

「絶対に何か巻き込まれるフラグだこれ……」
「単に私達に魔物が恐れをなしただけではありませんの?」
「駆け出しのくせになんでそう自信満々なんだ……このお嬢様は!」

 俺らのレベルどんくらいだと思ってんだ? 少なくとも俺のレベルはまだ20にも行ってないぞ。ゴブリンの巣潰しは戦闘訓練には適してたんだが、レベル上げにはそれほど役立たなかった件ェ……。まあ、某RPGでいうところのスライムだもんな。

 それにしてもエンカウント無しの原因を……原因を誰か教えてくれ――


 スキル『威圧』発動中。(発動者:神山龍司)
 発動者のレベルプラス5以下の害意ある魔物や獣を近寄らせない様にする。自動発動スキルのため、オフにするには『まりょく』が10以上必要。


 なんか森羅さんのお陰でアッサリ解決……この二週間悶々としてた俺の気苦労って一体……?

 いつの間にか新たなスキルをゲットしていたらしい。最近、ステータスのスキル欄見てなかったから気付かなかった……。それにしても俺って、気配遮断といいこの威圧といい、非戦闘スキル多くない? 戦うなって事なん?





 冒険者ギルドは首都にあるだけあって、めっちゃ広い役所のような場所だった。

 一階が総合受付カウンター。二階が図書室。三階より上は関係者以外立ち入り禁止の詳細不明スペースな四階建て。お約束の酒場はとなりに併設されていた。ほかにも訓練場とか学習塾まである。広い街なので支部とかもあるらしい。都心の冒険者ギルド、まじですごいな。

 俺たちはとりあえず、受けられそうな依頼が無いか探すために総合カウンターへ向かった。
「いらっしゃいませ! 本日は依頼をお探しですか?」

 にこやか営業スマイル! すげえ、某ファーストフード店もビックリなマニュアル対応だ! ファンタジー世界なのに!!

「あの……?」

 驚愕のあまり俺が動かなくなったので、戸惑う受付嬢。

「彼は無視して良いですわ。何か初心者向けの依頼はあって?」

 俺の代わりにシータが手続きを進めた。なんだかんだいって彼女の度胸は俺以上なのだ。

「あ、はいっ。それでしたらこちらになります」

 受付嬢が取り出したのは、やたら重量感のある分厚いファイル。流石におののくシータさん。俺もちょっと引いた。|初心者向け依頼(おつかい)だけでも、こんなにあるのかよ! 軽く人が殺せるぞ、これ!?

「……ぶ、分厚いんですのね」
「何しろ大きな街ですから!」

 雑用が多いんですね、わかります。でもって処理速度が追いついてないのな。この街、近場にダンジョンがあるから、みんなそっちに流れるんだろうなー。雑用よりは実入りがいいっぽいし。

「とりあえず俺は荷運び系かねぇ。こんな大きな街には草刈りとか需要なさそうだ」
「いやにこだわりますわね、草刈り」
「そらまー、はじめて受けて成功させた依頼だからな。思い入れもあるさ」

 あと報酬が割とオイシイんだよなー。みんなやりたくねーけど、いつかはやらなきゃいけない系だから。

「――草刈りをご所望……なんですか!?」

 ――ん? どうしたんだ受付嬢さんよ。なんか目がキラキラし始めてるが。え、なにその意外な反応。

「――貴方が神か!!」

 カウンターから乗り出し、俺の手をガシッと掴む受付嬢。目がらんらんとしていてヤベぇ。

 ――というか…………………はい? いや確かに俺、神さまですけど。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

お兄ちゃんはお医者さん!?

すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。 如月 陽菜(きさらぎ ひな) 病院が苦手。 如月 陽菜の主治医。25歳。 高橋 翔平(たかはし しょうへい) 内科医の医師。 ※このお話に出てくるものは 現実とは何の関係もございません。 ※治療法、病名など ほぼ知識なしで書かせて頂きました。 お楽しみください♪♪

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

処理中です...