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邂逅
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「それからというもの、父は上皇にぴったりくっつくように仕えて、身を粉にして働いたわ。……あくどいこともそれなりにやっていたみたい。ある時、父は上皇に一人で来るように呼ばれたの。これは父から聞いた話だから、全て私の想像でできている。だから、今までみたいに、はっきりと見えるわけではないけど、我慢して、ね」
どろん。
彼の薄暗い傾いた視界に、ぼんやりと道鏡らしき人物と、上皇らしき人物が対峙しているのが映った。顔すらよく見えない。頬杖をついて、何やら上皇はご立腹のようだ。
「なに。藤原仲……いや、藤原恵美押勝か。そやつが反乱を企てているだと。道鏡、それは本当なのか」
「はい。私の眼は人間の心を見通すことができます。奴の邪な野心は今のうちに砕いておくべきかと」
「我らはどうするべきじゃ」
「奴の狙いは貴方様です。先手を打ちましょう。上皇様という、立場のお力を利用するのです」
「どうすればよい」
「御璽と駅鈴を、主上から取り返しましょう。そうすれば、奴らは帝に仇なす賊軍も同じ。必ずや味方も大きく増えましょうぞ」
「む……しかし……。やはり大炊(おおい、淳仁天皇)を避けることはできぬか」
上皇はたいそう頭を悩ませているようだった。
「これはどういう状況なのですか」
彼は横にいる女に問うた。
「これは俗にいう、恵美押勝の乱ってやつね。あれだけ早く上皇側が動けたのも、父の助言があってこそよ。さて、こんな霞んだ世界ばかり見ても面白くないでしょう。まあ、教科書的にはとりあえず上皇側が乱を平定……ということ。明くる年の正月、乱での功労者を呼んで宴が催された。その現場に“飛ぶ”わよ」
「今回は現場にいたのですね」
「ええ。小姓に化けたわ」
女は少し得意げに答えた。
しゅるん。
なるほど宴の真最中であった。
貴族達が賑やかに酒を振る舞い合う中、道鏡は難しい顔をしている。
「お父様は何やら考え事を……」
「父はね、今人の心を読んでいるの。誰が裏切り者かわからない。疑心暗鬼な上皇のためよ。そういえば、もう呼称を変えなくちゃ、ね。今は天平宝字九年。称徳天皇はすでに即位しているわ。彼女はいま陛下よ」
こうした元号を言われても、ピンとこないのが彼である。とにかく気にしないことにした。
「まあ。見ていなさい。じきに“彼”が来る頃ね」
「えっ」
彼は思わず声を上げた。あまりにも、あまりにも自分によく似た男が、そこにいるのだから。
その男は、どうも自信がなさそうに、周囲にへこへこと頭を下げながら端の席についた。このような場に、もしかすると慣れていないのかもしれない。困った時に右手を顳顬にあてるところも、実にそっくりだ。
「驚いた?」
女は笑いながら言った。
「あの男は和気清麻呂。そう、あなたの……」
その時、彼は婆やのことを思い出した。女が言い終わる前に、
「もしかして……」
と声が漏れてしまった。
「お察しの通り。あなたの直接のご先祖さま。ふふ、初の邂逅ね……。当たり前か……」
女は笑いが止まらない様子だ。そうこうしているうちに、全員が酒宴の場に集結したようだった。
「皆のもの。先の乱では、よく奮戦してくれた。都の方はまだまだ落ち着かぬ状況だが、今日だけは忘れて、大いに酒に興じよ。朕から皆へのせめてものねぎらいじゃ」
帝の号令と共に、酒が振る舞われ、豪華絢爛たる宴がはじまった。その豪勢さは、思わず距離を置きたくなるほどだった。溢れんばかりの魚たちは、一匹も人間と目を合わせてはいない。
道鏡はというと、相変わらず難しい顔をして、ひそひそと帝と話している。
「もっと近くへ行ってもよいですか?」
彼も興味を持ち始めたようだった。足早に近づく。道鏡は帝の耳元で、こう呟いていた。
「私は重祚には反対したはずです……。お考えを変えるおつもりはございませんか……」
「もう決まったことじゃ……。あのまま、大炊を野ざらしにするわけにはいかなかったじゃろうが。それにおぬし、約束を忘れたか。私は自由に生きるのじゃ。誰にも振り回されずにな。まだ、やれていないことが山ほど……」
「陛下。御言葉ですが、これほど急ぐ必要は……」
「ええい。うるさい。ならばいっそのこと、おぬしが帝につくがよかろうに」
「そのようなことは口にせぬことです。陛下」
「はっはっ。狐が帝とは、おもしろき国よのう」
「冗談がすぎますぞ……。私とて……」
「はっ。嘘じゃ嘘じゃ。……戻れ」
帝の最後の語気は、妙に強いものだった。
「はっ……」
道鏡は疲れ切った顔をしていた。
「父は、陛下の心身を心から心配していたのよ。このころから、陛下の言動は前より一層酷いものになった。父も無理していたのね」
道鏡は心を読むという「仕事」に戻ったようだった。しかし、なにやら表情が変わった。疲れに加わって、驚き、焦りが目に見えてわかった。
「一体どうしたのです?」
「この場で、父は初めて出会ったのよ。“心が読めない相手”にね……」
「それはどういう……」
「どういうって……。言葉の通りよ。動揺しているわね。それは無理もないわ。だって、こっちは狐よ。その能力が効かないってことは、まずあり得ない」
「そういうものですか」
「その相手こそ……」
「その相手こそ?」
「和気清麻呂だった、ということよ。あんな頼りなさそうな若造が……。笑っちゃうわね。おっと、これは失礼ね。のちに彼は……」
清麻呂は酒を注ぐのに必死そうだった。下がった目尻は嘘をつかない。
「見てて。もうすぐ父が私に面白いことを言うわ」
彼は耳を澄ました。
「おい、小丸よ……。あの、向こうにいる男の、心は読めるか」
「心を……?お父様、まだわたしは……」
「声が大きい!読めるか、と尋ねておる。頷くか、首を横に振るかして答えよ」
小丸は首を横に振った。
「ふふ……。この時父は、なにを考えたのでしょうね。子どもにしか感じ取ることのできない“何か”だろうかと思ったのかしら。この日から父は、彼を警戒し始めたのは確かよ。まあ、私は子どもだったから、こう必死な父を見るのは、ちょっと面白かったけれど」
宴のあと、道鏡は清麻呂に声をかけた。
「これはこれは、清麻呂殿ではないか。今日の宴はいかがでしたかな」
「いや……その……。こういう場は実は初めてでございまして……」
おどおどとした様子で、とても清麻呂は貴族に見えなかった。
「なるほどなるほど。貴殿にとっては、初めての叙勲でございましたね」
「私の一族は……朝廷内で大変立場が弱いものですから……」
「まあまあ、そうおっしゃらず。貴殿には、何か特別な大きい力を感じまする……」
「大きい力……?道鏡様にこれほど言っていただけるのは大変名誉なことです……。しかし、私めには何の力もございませぬ。……かたじけない。私は急ぎますので。では、失礼」
道鏡は別れ際、小声で呟いた。
「ちっ。なにも吐かなかったか。我が力が及ばぬのはこれが初めてよ……。軟弱者にも見えたが……もう少し奴を観察せねばなるまい」
その光景を間近にして、彼は歴史の不思議を思った。あの男が自分の先祖という実感は湧きそうもない。女の作り話ということもあり得る。しかし、どうも今までの様子を見るに、事実らしい。
偶々目についた、近くにある木の柱を、さすってみる。いやに冷たい。なぜだろう。そうだ、季節のせいだ。今は正月の時期。どうも繰り返して“飛ぶ”と、感覚が鈍ってくる。無理もないことであろう。古代の四季を実際に知るものはどこにもいない。
長い、長い渡り廊下から外を見ると、白い毛布が屋根が降り積もっている。貴族たちはそれに情緒など感じる暇もない。彼だけが、その視線を以てして、静かな対話を実現した。
「なにしているの」
女に声をかけられ、彼ははっとして、我に帰った。
「ごめんなさい。ちょっとぼうっとしていました」
「次にあなたに見せるのは、“あの夜”ね……」
彼は右目を擦りながら、女の背中を追いかけた。
どろん。
彼の薄暗い傾いた視界に、ぼんやりと道鏡らしき人物と、上皇らしき人物が対峙しているのが映った。顔すらよく見えない。頬杖をついて、何やら上皇はご立腹のようだ。
「なに。藤原仲……いや、藤原恵美押勝か。そやつが反乱を企てているだと。道鏡、それは本当なのか」
「はい。私の眼は人間の心を見通すことができます。奴の邪な野心は今のうちに砕いておくべきかと」
「我らはどうするべきじゃ」
「奴の狙いは貴方様です。先手を打ちましょう。上皇様という、立場のお力を利用するのです」
「どうすればよい」
「御璽と駅鈴を、主上から取り返しましょう。そうすれば、奴らは帝に仇なす賊軍も同じ。必ずや味方も大きく増えましょうぞ」
「む……しかし……。やはり大炊(おおい、淳仁天皇)を避けることはできぬか」
上皇はたいそう頭を悩ませているようだった。
「これはどういう状況なのですか」
彼は横にいる女に問うた。
「これは俗にいう、恵美押勝の乱ってやつね。あれだけ早く上皇側が動けたのも、父の助言があってこそよ。さて、こんな霞んだ世界ばかり見ても面白くないでしょう。まあ、教科書的にはとりあえず上皇側が乱を平定……ということ。明くる年の正月、乱での功労者を呼んで宴が催された。その現場に“飛ぶ”わよ」
「今回は現場にいたのですね」
「ええ。小姓に化けたわ」
女は少し得意げに答えた。
しゅるん。
なるほど宴の真最中であった。
貴族達が賑やかに酒を振る舞い合う中、道鏡は難しい顔をしている。
「お父様は何やら考え事を……」
「父はね、今人の心を読んでいるの。誰が裏切り者かわからない。疑心暗鬼な上皇のためよ。そういえば、もう呼称を変えなくちゃ、ね。今は天平宝字九年。称徳天皇はすでに即位しているわ。彼女はいま陛下よ」
こうした元号を言われても、ピンとこないのが彼である。とにかく気にしないことにした。
「まあ。見ていなさい。じきに“彼”が来る頃ね」
「えっ」
彼は思わず声を上げた。あまりにも、あまりにも自分によく似た男が、そこにいるのだから。
その男は、どうも自信がなさそうに、周囲にへこへこと頭を下げながら端の席についた。このような場に、もしかすると慣れていないのかもしれない。困った時に右手を顳顬にあてるところも、実にそっくりだ。
「驚いた?」
女は笑いながら言った。
「あの男は和気清麻呂。そう、あなたの……」
その時、彼は婆やのことを思い出した。女が言い終わる前に、
「もしかして……」
と声が漏れてしまった。
「お察しの通り。あなたの直接のご先祖さま。ふふ、初の邂逅ね……。当たり前か……」
女は笑いが止まらない様子だ。そうこうしているうちに、全員が酒宴の場に集結したようだった。
「皆のもの。先の乱では、よく奮戦してくれた。都の方はまだまだ落ち着かぬ状況だが、今日だけは忘れて、大いに酒に興じよ。朕から皆へのせめてものねぎらいじゃ」
帝の号令と共に、酒が振る舞われ、豪華絢爛たる宴がはじまった。その豪勢さは、思わず距離を置きたくなるほどだった。溢れんばかりの魚たちは、一匹も人間と目を合わせてはいない。
道鏡はというと、相変わらず難しい顔をして、ひそひそと帝と話している。
「もっと近くへ行ってもよいですか?」
彼も興味を持ち始めたようだった。足早に近づく。道鏡は帝の耳元で、こう呟いていた。
「私は重祚には反対したはずです……。お考えを変えるおつもりはございませんか……」
「もう決まったことじゃ……。あのまま、大炊を野ざらしにするわけにはいかなかったじゃろうが。それにおぬし、約束を忘れたか。私は自由に生きるのじゃ。誰にも振り回されずにな。まだ、やれていないことが山ほど……」
「陛下。御言葉ですが、これほど急ぐ必要は……」
「ええい。うるさい。ならばいっそのこと、おぬしが帝につくがよかろうに」
「そのようなことは口にせぬことです。陛下」
「はっはっ。狐が帝とは、おもしろき国よのう」
「冗談がすぎますぞ……。私とて……」
「はっ。嘘じゃ嘘じゃ。……戻れ」
帝の最後の語気は、妙に強いものだった。
「はっ……」
道鏡は疲れ切った顔をしていた。
「父は、陛下の心身を心から心配していたのよ。このころから、陛下の言動は前より一層酷いものになった。父も無理していたのね」
道鏡は心を読むという「仕事」に戻ったようだった。しかし、なにやら表情が変わった。疲れに加わって、驚き、焦りが目に見えてわかった。
「一体どうしたのです?」
「この場で、父は初めて出会ったのよ。“心が読めない相手”にね……」
「それはどういう……」
「どういうって……。言葉の通りよ。動揺しているわね。それは無理もないわ。だって、こっちは狐よ。その能力が効かないってことは、まずあり得ない」
「そういうものですか」
「その相手こそ……」
「その相手こそ?」
「和気清麻呂だった、ということよ。あんな頼りなさそうな若造が……。笑っちゃうわね。おっと、これは失礼ね。のちに彼は……」
清麻呂は酒を注ぐのに必死そうだった。下がった目尻は嘘をつかない。
「見てて。もうすぐ父が私に面白いことを言うわ」
彼は耳を澄ました。
「おい、小丸よ……。あの、向こうにいる男の、心は読めるか」
「心を……?お父様、まだわたしは……」
「声が大きい!読めるか、と尋ねておる。頷くか、首を横に振るかして答えよ」
小丸は首を横に振った。
「ふふ……。この時父は、なにを考えたのでしょうね。子どもにしか感じ取ることのできない“何か”だろうかと思ったのかしら。この日から父は、彼を警戒し始めたのは確かよ。まあ、私は子どもだったから、こう必死な父を見るのは、ちょっと面白かったけれど」
宴のあと、道鏡は清麻呂に声をかけた。
「これはこれは、清麻呂殿ではないか。今日の宴はいかがでしたかな」
「いや……その……。こういう場は実は初めてでございまして……」
おどおどとした様子で、とても清麻呂は貴族に見えなかった。
「なるほどなるほど。貴殿にとっては、初めての叙勲でございましたね」
「私の一族は……朝廷内で大変立場が弱いものですから……」
「まあまあ、そうおっしゃらず。貴殿には、何か特別な大きい力を感じまする……」
「大きい力……?道鏡様にこれほど言っていただけるのは大変名誉なことです……。しかし、私めには何の力もございませぬ。……かたじけない。私は急ぎますので。では、失礼」
道鏡は別れ際、小声で呟いた。
「ちっ。なにも吐かなかったか。我が力が及ばぬのはこれが初めてよ……。軟弱者にも見えたが……もう少し奴を観察せねばなるまい」
その光景を間近にして、彼は歴史の不思議を思った。あの男が自分の先祖という実感は湧きそうもない。女の作り話ということもあり得る。しかし、どうも今までの様子を見るに、事実らしい。
偶々目についた、近くにある木の柱を、さすってみる。いやに冷たい。なぜだろう。そうだ、季節のせいだ。今は正月の時期。どうも繰り返して“飛ぶ”と、感覚が鈍ってくる。無理もないことであろう。古代の四季を実際に知るものはどこにもいない。
長い、長い渡り廊下から外を見ると、白い毛布が屋根が降り積もっている。貴族たちはそれに情緒など感じる暇もない。彼だけが、その視線を以てして、静かな対話を実現した。
「なにしているの」
女に声をかけられ、彼ははっとして、我に帰った。
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