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第43話 明るい未来【完】
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「うふ、うふふふっ」
「あら、シェリルったら、そんな可愛い顔をしてどうしたの?」
ラルフからプロポーズを受けて、早くも一ヶ月が経過した。
マリアンヌはすっかり元気になったシェリルとのお茶会を楽しんでいる。が、いつもと違ってその隣にはピタリとラルフが寄り添っている。ラルフは案外独占欲が強いらしく、予定が空いているとこうしてついてくるようになった。
困ったように眉を下げつつも、ほんのり頬を染めるマリアンヌと、何食わぬ顔をしてテーブルの下でマリアンヌの手を離さないラルフ。そんな二人を前にして、シェリルの頬はゆるゆるに緩んでいた。
「だって…!マリンちゃんが正式にお兄様の婚約者になったんですもの!嬉しくてたまらないのっ!」
「まぁ、シェリルったら…私もあなたみたいな可愛い義妹ができるなんて本当に幸せ者だわぁ」
そう、あの日ラルフは早速マリアンヌを引き連れて両親の元へと向かった。レナード王もカミラも最初は驚いていたが、すぐに顔を見合わせて大笑いした。
『ははは!やはりこうなったか。マリアンヌに惹かれるなと言われる方が難しいだろうな。余はマリアンヌがラルフの伴侶となってはくれぬかと思っておったのでな、嬉しいぞ。すぐに婚約の手続きを進めよう』
『そうじゃな。妾も二人の婚約に異論はない。ようやくラルフも誰かを愛し、求めるようになったのじゃな…感慨深いのう』
あっさりと二人に認められたマリアンヌは、数日後に海に潜った。両親に婚約の報告をするためである。
相手は獣王国の王子であり、次期国王。その伴侶となるのだ。今後の両国との関係についても改めて話しておきたかったし、海賊たちのその後についても知りたかった。
久々に放浪姫が帰ったとあり、海王国はてんやわんやの大騒ぎとなった。国王のトリスタンはおいおいと泣きながらマリアンヌを迎えたものの、婚約について述べると泡を吹いて倒れてしまった。オリビアが呆れて介抱しながら、マリアンヌに「おめでとう」と優しい笑顔で述べてくれて、マリアンヌの胸には熱いものが込み上げた。
意識を取り出したトリスタンは、ぼろぼろ大粒の涙を流しながらもマリアンヌを祝福してくれて、兄妹たちも大喜びで三日三晩宴が続いた。無事に婚約の承諾を得れてホッと胸を撫で下ろしたマリアンヌは、久しぶりの故郷を楽しんだ。
宴の最中、隅っこで幼馴染のアンドレがしくしく泣きながらお酒を煽っていたため、近付こうとしたのだが、周囲の人にやんわりと止められてしまった。
海賊たちについては、身柄は獣王国に引き渡される手筈になっているらしい。今は海底の監獄に捉えられており、巨大な深海動物たちの目に怯えながら縮こまっているという。
彼らは自分たちの居場所を見出すために踠き苦しみ、最終的に悪の道に足を踏み入れてしまった。彼らの存在は今の世界の縮図のようで、マリアンヌは種族に関わらず快適に過ごすことができる、そんな国作りをラルフと共にしていきたいと改めて誓った。
結婚の日取りや式についてはまだまだこれからで、近々ラルフを連れて海王国に挨拶に行くことになっている。特殊な空気の膜でラルフを包み込むことで、海中でも呼吸ができるようになり、水圧にも耐えられるようになる。
マリアンヌはラルフに故郷を案内できることが嬉しくて、今からウキウキ心が弾んでいる。
今日までのことを思い返して、自然と笑みが溢れるマリアンヌに、そうだ!と思い出したようにシェリルが身を乗り出した。
「あ、そうそう。ここだけの話なんだけど、お母様、昔から人魚姫が大好きなのよ?小さい頃は毎日読み聞かせをしてくれて、だから私も人魚姫が大好きになったの!」
「まあっ!カミラ様が…」
そういえば、初めて会った日に『魚人のことをどう思っているのか』と尋ねようとした時、仄かに頬を染めて言い淀んでいた。
「だからね、言葉には出さないけど、マリンちゃんがお兄様のお嫁さんになってくれることがとっても嬉しいみたい!」
「そう……本当に私は幸せ者ね」
ラルフとマリアンヌの婚約は、既に国中に知らされている。獣人の国に魚人の姫が嫁ぐなんて、という反対意見は、驚くことに出なかった。それもこれまでマリアンヌが街中を散策して獣王国民との交流を深めていたからに他ならない。
街を歩くたびに祝福され、花を贈られ、マリアンヌの胸には幸せが満ち満ちていた。
◇◇◇
シェリルとのお茶会がお開きとなり、マリアンヌはラルフに連れられて、以前訪れた小高い丘にやってきた。
時間帯もちょうど同じ頃で、見渡す街は茜色に染まっている。
「相変わらず言葉を失うほどの美しさですわ」
「ああ、そうだな」
以前と違うのは、マリアンヌとラルフの関係。
寄り添い合う二人の影は一つに溶け合っている。
「マリアンヌ、俺と共にこの国を明るく導いて行こう」
「ええ、微力ながらお力添えいたしますわ」
ラルフの言葉にニコリと微笑んで答えれば、ラルフも朗らかな笑みを返してくれる。
「ラルフ様、私たちの子供はどんな子が生まれるのでしょうね?」
「げほっ!げほっ!こ、こここ子供!?」
穏やかな空気が流れる中、マリアンヌが投下した特大の爆弾にラルフが盛大に吹き出した。ボッと夕日に負けないほど顔が真っ赤に染まって狼狽えている。
「ええ、獣人と魚人が交わった前例はあまりないですし…私としてはもふもふのお耳を持って生まれてくれたら最高ですが、一緒に海を競争するのも楽しそうですし…」
数年後の未来を思い、頬を緩めるマリアンヌの肩をラルフが強く抱き寄せる。
「……マリアンヌとの子なら、獣人の血を強く継ごうが、魚人の血を強く継ごうが愛しいことに変わりはない。獣人と魚人の和睦の象徴として、きっとみんなに愛されるだろうな」
「ふふ、子供たちが生きやすい未来を一緒に作っていきましょうね」
「ああ」
マリアンヌがラルフを見上げれば、そこには一際輝く金色の瞳。何よりも美しいその瞳には、幸せいっぱいのマリアンヌが映し出されている。
この瞳に映る未来が、明るく、賑やかで、今よりもっとずっと幸福に満ちていますように――
そう思いながら、マリアンヌはそっと瞳を閉じた。
【おしまい】
――――――
最後まで読んでくださりありがとうございます!!
これにて本作は終幕とさせていただきます。
不定期に気ままに書き綴ってきたため、当初と作品の雰囲気が違っていないか心配な作者です(^^;;滝汗
1話の投稿が去年の7月…??随分間が空いてしまいまして本当に申し訳ありませんでした…
終盤は駆け足になりましたが、プロットを組み直しつつも何とか完結まで走り切れて一安心しております。
自由奔放で常識が通用しないハッピーガールのマリアンヌ。そんな彼女に翻弄されながらも次期国王として国の今後を見据えるヒーローラルフ(苦労人気質)。
もう少し丁寧に二人の気持ちの変化を描いていきたかった想いもありつつ、何より無事に二人が結ばれてよかった…!←えっ
感想やおつかれー!などコメントいただけますととても喜びます。
新作はしっかり完結まで書き切ってから投稿開始しますので今しばらくお待ちください!もう8万字ほど書いておりますゆえ…!(終わらない)
こんな作者ですが今後ともよろしくお願いします♡
「あら、シェリルったら、そんな可愛い顔をしてどうしたの?」
ラルフからプロポーズを受けて、早くも一ヶ月が経過した。
マリアンヌはすっかり元気になったシェリルとのお茶会を楽しんでいる。が、いつもと違ってその隣にはピタリとラルフが寄り添っている。ラルフは案外独占欲が強いらしく、予定が空いているとこうしてついてくるようになった。
困ったように眉を下げつつも、ほんのり頬を染めるマリアンヌと、何食わぬ顔をしてテーブルの下でマリアンヌの手を離さないラルフ。そんな二人を前にして、シェリルの頬はゆるゆるに緩んでいた。
「だって…!マリンちゃんが正式にお兄様の婚約者になったんですもの!嬉しくてたまらないのっ!」
「まぁ、シェリルったら…私もあなたみたいな可愛い義妹ができるなんて本当に幸せ者だわぁ」
そう、あの日ラルフは早速マリアンヌを引き連れて両親の元へと向かった。レナード王もカミラも最初は驚いていたが、すぐに顔を見合わせて大笑いした。
『ははは!やはりこうなったか。マリアンヌに惹かれるなと言われる方が難しいだろうな。余はマリアンヌがラルフの伴侶となってはくれぬかと思っておったのでな、嬉しいぞ。すぐに婚約の手続きを進めよう』
『そうじゃな。妾も二人の婚約に異論はない。ようやくラルフも誰かを愛し、求めるようになったのじゃな…感慨深いのう』
あっさりと二人に認められたマリアンヌは、数日後に海に潜った。両親に婚約の報告をするためである。
相手は獣王国の王子であり、次期国王。その伴侶となるのだ。今後の両国との関係についても改めて話しておきたかったし、海賊たちのその後についても知りたかった。
久々に放浪姫が帰ったとあり、海王国はてんやわんやの大騒ぎとなった。国王のトリスタンはおいおいと泣きながらマリアンヌを迎えたものの、婚約について述べると泡を吹いて倒れてしまった。オリビアが呆れて介抱しながら、マリアンヌに「おめでとう」と優しい笑顔で述べてくれて、マリアンヌの胸には熱いものが込み上げた。
意識を取り出したトリスタンは、ぼろぼろ大粒の涙を流しながらもマリアンヌを祝福してくれて、兄妹たちも大喜びで三日三晩宴が続いた。無事に婚約の承諾を得れてホッと胸を撫で下ろしたマリアンヌは、久しぶりの故郷を楽しんだ。
宴の最中、隅っこで幼馴染のアンドレがしくしく泣きながらお酒を煽っていたため、近付こうとしたのだが、周囲の人にやんわりと止められてしまった。
海賊たちについては、身柄は獣王国に引き渡される手筈になっているらしい。今は海底の監獄に捉えられており、巨大な深海動物たちの目に怯えながら縮こまっているという。
彼らは自分たちの居場所を見出すために踠き苦しみ、最終的に悪の道に足を踏み入れてしまった。彼らの存在は今の世界の縮図のようで、マリアンヌは種族に関わらず快適に過ごすことができる、そんな国作りをラルフと共にしていきたいと改めて誓った。
結婚の日取りや式についてはまだまだこれからで、近々ラルフを連れて海王国に挨拶に行くことになっている。特殊な空気の膜でラルフを包み込むことで、海中でも呼吸ができるようになり、水圧にも耐えられるようになる。
マリアンヌはラルフに故郷を案内できることが嬉しくて、今からウキウキ心が弾んでいる。
今日までのことを思い返して、自然と笑みが溢れるマリアンヌに、そうだ!と思い出したようにシェリルが身を乗り出した。
「あ、そうそう。ここだけの話なんだけど、お母様、昔から人魚姫が大好きなのよ?小さい頃は毎日読み聞かせをしてくれて、だから私も人魚姫が大好きになったの!」
「まあっ!カミラ様が…」
そういえば、初めて会った日に『魚人のことをどう思っているのか』と尋ねようとした時、仄かに頬を染めて言い淀んでいた。
「だからね、言葉には出さないけど、マリンちゃんがお兄様のお嫁さんになってくれることがとっても嬉しいみたい!」
「そう……本当に私は幸せ者ね」
ラルフとマリアンヌの婚約は、既に国中に知らされている。獣人の国に魚人の姫が嫁ぐなんて、という反対意見は、驚くことに出なかった。それもこれまでマリアンヌが街中を散策して獣王国民との交流を深めていたからに他ならない。
街を歩くたびに祝福され、花を贈られ、マリアンヌの胸には幸せが満ち満ちていた。
◇◇◇
シェリルとのお茶会がお開きとなり、マリアンヌはラルフに連れられて、以前訪れた小高い丘にやってきた。
時間帯もちょうど同じ頃で、見渡す街は茜色に染まっている。
「相変わらず言葉を失うほどの美しさですわ」
「ああ、そうだな」
以前と違うのは、マリアンヌとラルフの関係。
寄り添い合う二人の影は一つに溶け合っている。
「マリアンヌ、俺と共にこの国を明るく導いて行こう」
「ええ、微力ながらお力添えいたしますわ」
ラルフの言葉にニコリと微笑んで答えれば、ラルフも朗らかな笑みを返してくれる。
「ラルフ様、私たちの子供はどんな子が生まれるのでしょうね?」
「げほっ!げほっ!こ、こここ子供!?」
穏やかな空気が流れる中、マリアンヌが投下した特大の爆弾にラルフが盛大に吹き出した。ボッと夕日に負けないほど顔が真っ赤に染まって狼狽えている。
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数年後の未来を思い、頬を緩めるマリアンヌの肩をラルフが強く抱き寄せる。
「……マリアンヌとの子なら、獣人の血を強く継ごうが、魚人の血を強く継ごうが愛しいことに変わりはない。獣人と魚人の和睦の象徴として、きっとみんなに愛されるだろうな」
「ふふ、子供たちが生きやすい未来を一緒に作っていきましょうね」
「ああ」
マリアンヌがラルフを見上げれば、そこには一際輝く金色の瞳。何よりも美しいその瞳には、幸せいっぱいのマリアンヌが映し出されている。
この瞳に映る未来が、明るく、賑やかで、今よりもっとずっと幸福に満ちていますように――
そう思いながら、マリアンヌはそっと瞳を閉じた。
【おしまい】
――――――
最後まで読んでくださりありがとうございます!!
これにて本作は終幕とさせていただきます。
不定期に気ままに書き綴ってきたため、当初と作品の雰囲気が違っていないか心配な作者です(^^;;滝汗
1話の投稿が去年の7月…??随分間が空いてしまいまして本当に申し訳ありませんでした…
終盤は駆け足になりましたが、プロットを組み直しつつも何とか完結まで走り切れて一安心しております。
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新作はしっかり完結まで書き切ってから投稿開始しますので今しばらくお待ちください!もう8万字ほど書いておりますゆえ…!(終わらない)
こんな作者ですが今後ともよろしくお願いします♡
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私も結婚後の話や子どもとか気になりますが 次回の作品を楽しみにしてます
最後までお付き合いくださりありがとうございます(*´꒳`*)
振り返れば色々ありましたね…
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次回作(予定)は過去一糖度が高いので楽しんでいただけると嬉しいです\\\\٩( 'ω' )و ////
お疲れ様でした!(^○^)
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