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第25話 お互いの呼び方
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「んふふふふ~」
「さっきからずっとその調子だな。気持ち悪いぞ」
「だって仕方がないでしょう?んふふ~」
日はすっかり傾き帰りの馬車の中、マリアンヌは緩み切った頬を両手で支えながら悦びに満ち満ちた表情をしていた。
結論から言うと、本日の初等部訪問は大成功だった。
ラルフの指導を受けた生徒たちは底なしの体力でトラックを走り回っていた。ラルフも何やかんやで子供が好きなのか、子供たちとラルフの戯れる姿はそれはもう愛らしいもので、マリアンヌは眼福すぎて昇天するかと思った。
運動祭のリレーの選手も無事に固まり、本番に向けてみんなやる気十分だった。
その中でも、マリアンヌがとても嬉しかった出来事が二つ。
まずは、今後も不定期に初等部の水泳指導をしてほしいと申し入れられたこと。
イザベラのクラス以外にも四クラスある初等部の各先生が、早速マリアンヌの評判を聞きつけて是非我がクラスもと嘆願してきたのだ。もちろん可愛い獣人の子供たちに教えることはやぶさかではないマリアンヌは、二つ返事で承諾した。今日一緒に泳いだ生徒たちにも、「また来てね~!」「一生懸命練習するから今度勝負だ!」と言ってもらえて本当に嬉しかった。
そしてもう一つ。
イーサンとエイダンとマシューの三人が、帰り際のマリアンヌを呼び止め、謝罪をしてきたのだ。
今日一日マリアンヌと過ごし、自分達の考えを改めたのだと反省していた。ペタリと耳を垂らして目に涙を滲ませながら反省する姿はマリアンヌの心をくすぐり、思わず三人まとめて抱きしめてしまったが、三人は顔を真っ赤にしながらも嬉しそうに笑ってくれた。
これからは大人の言うことを鵜呑みにするのではなく、自らの目で見たものを信じるようにすると息巻いていた。そして、彼らはきょうの出来事を家族に話すと言った。魚人に偏見を持つ親のようだが、彼らの生き生きとした話を聞いて、少しでも考えが改まるといいな、と思うマリアンヌであった。
マリアンヌはこうした一歩の積み重ねが、いつか獣人と魚人の垣根を無くすことに繋がると信じていた。
ちなみに、王子殿下のラルフに隠し事はできないと、イザベラがプールでの出来事をラルフに報告してしまい、イーサンたち三人はラルフの拳骨を脳天に喰らっていた。これに懲りてもうあのような行動には移らないことを祈るばかりだ。
今日一日を通して、本当に子供は純真無垢だと改めて感じたマリアンヌ。そして、彼らはとても柔軟で危うくもあり、これから価値観を形成していく段階であることもよく分かった。
「ふふ、王子殿下。やっぱりお互いを知ることはとても大切ですわね」
「ああ、そうだな」
ラルフも同じことを感じたのだろう、マリアンヌの言葉に優しい笑みを返してくれた。そして、一転して少し視線を泳がせた後、唇を尖らせながらこんなことを言った。
「ところで……お前、その呼び方いつまで続けるつもりなんだ?」
「え?」
なぜか不貞腐れた顔をしているラルフに、マリアンヌは首を傾げる。ラルフはこの国の王子殿下。そのことに変わりはないし、呼び方としては間違っていないと思うのだが、何か気に食わないのだろうか。
「……………よそよそしいんだよ。ラルフでいい」
キョトンと目を瞬くマリアンヌから視線を逸らしつつ、ラルフはボソッと呟くように言った。
「………えっ!?」
思わず驚きの声をあげてしまったが、ラルフはチラリとマリアンヌを一瞥すると、何も言わずに窓の外に視線を投げてしまった。
馬車の窓からは西日が差し込み、ラルフの顔はオレンジ色に染まっている。だが、その頬に朱が差しているのは決してマリアンヌの見間違いではなかろう。
(えっ!?なに!?可愛いっ…殿下はどれほど可愛いことを仰っているのか理解されているのかしら!?)
目の前で照れてそっぽを向く獣人の王子。その姿にキュンっと胸が締め付けられる。マリアンヌもつられて頬がじんわりと熱くなってきた。
「…こほん。で、では…ら、ラルフ…様?」
「………ああ、それでいい」
「っ!!」
恐る恐る名前を呼ぶと、視線をマリアンヌに移したラルフが今までで一番優しい眼差しで微笑みかけてくれた。マリアンヌはその眩しさを受け止めきれずに目を逸らしかけたが、ぐっと持ち堪えて反撃した。
「で、では!ラルフ様も私のことは、マリアンヌとお呼びください。いつまでもお前呼ばわりでは寂しいですもの。あっ、もちろん親しみを込めてマリンちゃん、と呼んでいただいてもかまいませんよ?」
「はぁっ!?呼ぶわけねぇだろ!ばーか、調子に乗るなよ」
「まぁっ!」
ラルフに悪態をつかれて頬をぷぅっと膨らますマリアンヌであるが、ラルフが照れ隠しでそう言っていることは流石にもう分かる。本当に素直じゃなくて可愛い人だわと思った。
程なくして、無事に馬車が王宮へと辿り着いた。
御者が素早く馬車の扉を開けてくれ、まずはラルフがするりと馬車から抜け出した。マリアンヌも後に続こうと立ち上がり、扉をくぐると…
「ほら、足元気をつけろよ……マリアンヌ」
「っ!」
そっぽを向いたままマリアンヌに手を差し伸べるラルフの姿があった。
小さな声であったが、初めて名前を呼ばれたマリアンヌは大きく目を見開いた。
「~~~!いつまでボーッとしてるんだ、早くしろ」
「わっ、す、すみません…ありがとうございます」
マリアンヌがぽけっと立ち尽くしていると、痺れを切らしたラルフがグイッとマリアンヌの手を引いて馬車から下ろしてくれた。マリアンヌが無事に地面に降り立ったことを確認すると、その熱い手はするりと離れていってしまった。ラルフはそのままスタスタとマリアンヌの前を歩いて行ってしまい、慌てて後を追う。ラルフの首は赤く、耳もピクピクと僅かに動いている。
何だか身体の奥深くから愛おしさが込み上げて、胸が詰まる思いがした。
(………この王子様は私のことを萌え死にさせるつもりなのかしら)
ラルフの姿は、夕日に照らされて金色の輪郭を浮かび上がらせており、その美しい濃いグレーの髪もキラキラと輝いて見えた。
(~~あぁ、無性にラルフ様の耳をもふもふ触り倒したい衝動に駆られるわ…!もふもふしたいのはいつもだけど!)
――マリアンヌがこのむずむずとした胸の疼きの正体を自覚するのは、まだまだ先の話である。
「さっきからずっとその調子だな。気持ち悪いぞ」
「だって仕方がないでしょう?んふふ~」
日はすっかり傾き帰りの馬車の中、マリアンヌは緩み切った頬を両手で支えながら悦びに満ち満ちた表情をしていた。
結論から言うと、本日の初等部訪問は大成功だった。
ラルフの指導を受けた生徒たちは底なしの体力でトラックを走り回っていた。ラルフも何やかんやで子供が好きなのか、子供たちとラルフの戯れる姿はそれはもう愛らしいもので、マリアンヌは眼福すぎて昇天するかと思った。
運動祭のリレーの選手も無事に固まり、本番に向けてみんなやる気十分だった。
その中でも、マリアンヌがとても嬉しかった出来事が二つ。
まずは、今後も不定期に初等部の水泳指導をしてほしいと申し入れられたこと。
イザベラのクラス以外にも四クラスある初等部の各先生が、早速マリアンヌの評判を聞きつけて是非我がクラスもと嘆願してきたのだ。もちろん可愛い獣人の子供たちに教えることはやぶさかではないマリアンヌは、二つ返事で承諾した。今日一緒に泳いだ生徒たちにも、「また来てね~!」「一生懸命練習するから今度勝負だ!」と言ってもらえて本当に嬉しかった。
そしてもう一つ。
イーサンとエイダンとマシューの三人が、帰り際のマリアンヌを呼び止め、謝罪をしてきたのだ。
今日一日マリアンヌと過ごし、自分達の考えを改めたのだと反省していた。ペタリと耳を垂らして目に涙を滲ませながら反省する姿はマリアンヌの心をくすぐり、思わず三人まとめて抱きしめてしまったが、三人は顔を真っ赤にしながらも嬉しそうに笑ってくれた。
これからは大人の言うことを鵜呑みにするのではなく、自らの目で見たものを信じるようにすると息巻いていた。そして、彼らはきょうの出来事を家族に話すと言った。魚人に偏見を持つ親のようだが、彼らの生き生きとした話を聞いて、少しでも考えが改まるといいな、と思うマリアンヌであった。
マリアンヌはこうした一歩の積み重ねが、いつか獣人と魚人の垣根を無くすことに繋がると信じていた。
ちなみに、王子殿下のラルフに隠し事はできないと、イザベラがプールでの出来事をラルフに報告してしまい、イーサンたち三人はラルフの拳骨を脳天に喰らっていた。これに懲りてもうあのような行動には移らないことを祈るばかりだ。
今日一日を通して、本当に子供は純真無垢だと改めて感じたマリアンヌ。そして、彼らはとても柔軟で危うくもあり、これから価値観を形成していく段階であることもよく分かった。
「ふふ、王子殿下。やっぱりお互いを知ることはとても大切ですわね」
「ああ、そうだな」
ラルフも同じことを感じたのだろう、マリアンヌの言葉に優しい笑みを返してくれた。そして、一転して少し視線を泳がせた後、唇を尖らせながらこんなことを言った。
「ところで……お前、その呼び方いつまで続けるつもりなんだ?」
「え?」
なぜか不貞腐れた顔をしているラルフに、マリアンヌは首を傾げる。ラルフはこの国の王子殿下。そのことに変わりはないし、呼び方としては間違っていないと思うのだが、何か気に食わないのだろうか。
「……………よそよそしいんだよ。ラルフでいい」
キョトンと目を瞬くマリアンヌから視線を逸らしつつ、ラルフはボソッと呟くように言った。
「………えっ!?」
思わず驚きの声をあげてしまったが、ラルフはチラリとマリアンヌを一瞥すると、何も言わずに窓の外に視線を投げてしまった。
馬車の窓からは西日が差し込み、ラルフの顔はオレンジ色に染まっている。だが、その頬に朱が差しているのは決してマリアンヌの見間違いではなかろう。
(えっ!?なに!?可愛いっ…殿下はどれほど可愛いことを仰っているのか理解されているのかしら!?)
目の前で照れてそっぽを向く獣人の王子。その姿にキュンっと胸が締め付けられる。マリアンヌもつられて頬がじんわりと熱くなってきた。
「…こほん。で、では…ら、ラルフ…様?」
「………ああ、それでいい」
「っ!!」
恐る恐る名前を呼ぶと、視線をマリアンヌに移したラルフが今までで一番優しい眼差しで微笑みかけてくれた。マリアンヌはその眩しさを受け止めきれずに目を逸らしかけたが、ぐっと持ち堪えて反撃した。
「で、では!ラルフ様も私のことは、マリアンヌとお呼びください。いつまでもお前呼ばわりでは寂しいですもの。あっ、もちろん親しみを込めてマリンちゃん、と呼んでいただいてもかまいませんよ?」
「はぁっ!?呼ぶわけねぇだろ!ばーか、調子に乗るなよ」
「まぁっ!」
ラルフに悪態をつかれて頬をぷぅっと膨らますマリアンヌであるが、ラルフが照れ隠しでそう言っていることは流石にもう分かる。本当に素直じゃなくて可愛い人だわと思った。
程なくして、無事に馬車が王宮へと辿り着いた。
御者が素早く馬車の扉を開けてくれ、まずはラルフがするりと馬車から抜け出した。マリアンヌも後に続こうと立ち上がり、扉をくぐると…
「ほら、足元気をつけろよ……マリアンヌ」
「っ!」
そっぽを向いたままマリアンヌに手を差し伸べるラルフの姿があった。
小さな声であったが、初めて名前を呼ばれたマリアンヌは大きく目を見開いた。
「~~~!いつまでボーッとしてるんだ、早くしろ」
「わっ、す、すみません…ありがとうございます」
マリアンヌがぽけっと立ち尽くしていると、痺れを切らしたラルフがグイッとマリアンヌの手を引いて馬車から下ろしてくれた。マリアンヌが無事に地面に降り立ったことを確認すると、その熱い手はするりと離れていってしまった。ラルフはそのままスタスタとマリアンヌの前を歩いて行ってしまい、慌てて後を追う。ラルフの首は赤く、耳もピクピクと僅かに動いている。
何だか身体の奥深くから愛おしさが込み上げて、胸が詰まる思いがした。
(………この王子様は私のことを萌え死にさせるつもりなのかしら)
ラルフの姿は、夕日に照らされて金色の輪郭を浮かび上がらせており、その美しい濃いグレーの髪もキラキラと輝いて見えた。
(~~あぁ、無性にラルフ様の耳をもふもふ触り倒したい衝動に駆られるわ…!もふもふしたいのはいつもだけど!)
――マリアンヌがこのむずむずとした胸の疼きの正体を自覚するのは、まだまだ先の話である。
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