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第24話 獣王国立学園初等部⑥
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マリアンヌの特別水泳教室は、小一時間ほど続いた。
この短時間で、生徒たちはみんな各々水中での立ち回りを身につけたようでマリアンヌは満足げにしている。
ダニエルはすっかり水中歩行をマスターし、めきめきとその腕を上げていた。運動祭の目玉種目への出場に闘志を燃やしている。
そして、もう一人の競泳代表は学級委員長のレベッカとなった。レベッカはエミューの加護を受けており、走るのが得意らしいが、安定した泳力を見せて代表入りを果たした。本人もやる気十分で、ダニエルと共に優勝を目指すと息巻いている。
こうして急遽開催された水泳の授業はお開きとなり、休憩を挟んだ後、一同はグラウンドに集まった。
「さあ皆さん!今度は徒競走の特訓をしましょう。ラルフ殿下が見本を見せてくださいます。よく見える位置に広がって」
グラウンドもプール同様に非常に広大であった。トラック一周が四百メートルあるらしい。
そのスタート地点でラルフが軽く準備運動をしている。軽やかにぴょんぴょん跳ねたり、屈伸をしたりして足の筋肉をほぐしている。
「殿下ー!頑張ってくださいー!」
「ラルフ様がんばってー!」
「ラルフ王子ー!かっこいいー!」
「王子殿下~!素敵!結婚してください!」
マリアンヌはようやく王国一の俊足であるラルフが本気で走る姿を見られるとあって、生徒に混じって黄色い歓声をあげていた。マリアンヌの声は無事にラルフに届いていたようで、ラルフは遠目でも分かるほど呆れた顔をしている。離れているので声は聞こえなかったが、唇の動きを読む限り、「あ ほ か」と一蹴されてしまったようだ。ちぇっ。
冗談めかしたマリアンヌであるが、今は少しいつもと違った胸の高鳴りを感じていた。
ラルフがスタート地点に向かう前に、マリアンヌはこんなことを言われていたのだ。
『俺もこの国の王子らしく威厳ある姿を見せないとな。お前には負けてられねぇ。俺の勇姿をその目によーく刻み込んでおけよ』
そしてあろうことか、ラルフはニヤッと口角を上げると、マリアンヌの眉間を指でコツンと突いたのだ。
きっとラルフは気持ちが高揚していたに違いない。普段ではあり得ない行動に、マリアンヌは「はわわわわ」と慌てふためいてしまった。普段はイケイケゴーゴーのマリアンヌであるが、実は押しには弱かった。その様子に、ラルフは可笑そうに笑いながら、上機嫌でスタート地点へと向かっていった。
マリアンヌは火照った頬と、小突かれた額を押さえながらその姿を見送った。
自信にあふれ、得意げなラルフの姿はとても魅力的で、マリアンヌは素直にカッコいいなとみれてしまったのだった。
ラルフは準備運動を終えたのか、スタート地点に立つと両手を地面についた。足を前後に開いて腰を落とし、深く息を吐き出す。
ピリッと空気が張り詰め、先ほどまでの声援はピタリと止んだ。生徒たちは皆食い入るようにラルフを見つめている。もちろんマリアンヌもだ。自然と両手を胸の前で組んで、祈るようにラルフを見つめる。
ラルフが腰を上げ、グッと足の筋肉に力を込めたかと思うと、弾丸のように飛び出した。前傾姿勢で風の抵抗を受け流し、あっという間にトップスピードに達したようだ。一歩が大きく、まるで空を飛んでいるかのように軽やかに駆けていく。既にトラックの半周付近を走り抜けている。
生徒たちはみんなワァッと歓声をあげて口々にラルフに声援を送っている。だが、マリアンヌは呼吸をするのも忘れてラルフの姿に見入ってしまった。
(すごい…まるで風になっているかのようだわ)
初めて獣人の走りを目の当たりにし、マリアンヌの胸はドキドキと高鳴っていた。獣人は運動能力に長けており、とりわけ足が速いとはいろんな本に書かれていたが、いざ目にするとマリアンヌの想像を遥かに上回っていた。思わず圧倒されるほどの迫力だ。
周囲の音が遠くなるほど集中してラルフの姿に見入っていたが、気がつけばもうゴールは間近で、ラルフは力を抜いてやや失速してからゴールを切った。
「すごい!速い速い!」
「相変わらずかっこいー!」
「教えて教えて!どうすればそんなに速く走れるの?」
息ひとつ切らさず、平然と戻ってきたラルフはあっという間に生徒たちに取り囲まれとしまった。「落ち着けって」と困ったようにラルフが笑っている。生徒たちを見る目は穏やかで、生徒たちからも心から慕われていることがひしひしと伝わってくる。
わちゃわちゃと戯れる愛しの獣人たちの姿に、尊いわあ~と内心でうっとりしていると、不意にラルフが視線を上げて、真っ直ぐにマリアンヌを見つめてきた。どうしたのかと首を傾げると、ラルフは「どうだ?凄かっただろう」と言わんばかりにニヤリと笑みを浮かべて得意げな顔をした。
(~~んもう!凄かったです!思わず見惚れるほど!)
マリアンヌは両手で作った拳をぶんぶん振りながら激しく頷いてラルフにその感動を伝えようとした。ラルフはマリアンヌの様子にブハッと吹き出すと、可笑そうに肩を震わせた。
「殿下ー!何笑ってるのー?早く走ろ!」
「ああ、悪い。俺はスパルタだぞ?着いてこれるか?」
「がんばるー!」
ラルフは生徒たちに手を引かれながら、再びスタート地点へと向かっていった。生徒たちに囲まれ、上機嫌なラルフは一人一人フォームの確認をおこなっている。生徒たちも素直にラルフの助言に従い、みんなロケットのようにトラックに飛び出していく。ラルフほどではないが、流石獣人の子。びゅんびゅんと風を切って驚くべき速さで駆け抜けていく。
マリアンヌは未だ高鳴る鼓動を抑えながら、目の前の平和な光景を見つめていた。
この短時間で、生徒たちはみんな各々水中での立ち回りを身につけたようでマリアンヌは満足げにしている。
ダニエルはすっかり水中歩行をマスターし、めきめきとその腕を上げていた。運動祭の目玉種目への出場に闘志を燃やしている。
そして、もう一人の競泳代表は学級委員長のレベッカとなった。レベッカはエミューの加護を受けており、走るのが得意らしいが、安定した泳力を見せて代表入りを果たした。本人もやる気十分で、ダニエルと共に優勝を目指すと息巻いている。
こうして急遽開催された水泳の授業はお開きとなり、休憩を挟んだ後、一同はグラウンドに集まった。
「さあ皆さん!今度は徒競走の特訓をしましょう。ラルフ殿下が見本を見せてくださいます。よく見える位置に広がって」
グラウンドもプール同様に非常に広大であった。トラック一周が四百メートルあるらしい。
そのスタート地点でラルフが軽く準備運動をしている。軽やかにぴょんぴょん跳ねたり、屈伸をしたりして足の筋肉をほぐしている。
「殿下ー!頑張ってくださいー!」
「ラルフ様がんばってー!」
「ラルフ王子ー!かっこいいー!」
「王子殿下~!素敵!結婚してください!」
マリアンヌはようやく王国一の俊足であるラルフが本気で走る姿を見られるとあって、生徒に混じって黄色い歓声をあげていた。マリアンヌの声は無事にラルフに届いていたようで、ラルフは遠目でも分かるほど呆れた顔をしている。離れているので声は聞こえなかったが、唇の動きを読む限り、「あ ほ か」と一蹴されてしまったようだ。ちぇっ。
冗談めかしたマリアンヌであるが、今は少しいつもと違った胸の高鳴りを感じていた。
ラルフがスタート地点に向かう前に、マリアンヌはこんなことを言われていたのだ。
『俺もこの国の王子らしく威厳ある姿を見せないとな。お前には負けてられねぇ。俺の勇姿をその目によーく刻み込んでおけよ』
そしてあろうことか、ラルフはニヤッと口角を上げると、マリアンヌの眉間を指でコツンと突いたのだ。
きっとラルフは気持ちが高揚していたに違いない。普段ではあり得ない行動に、マリアンヌは「はわわわわ」と慌てふためいてしまった。普段はイケイケゴーゴーのマリアンヌであるが、実は押しには弱かった。その様子に、ラルフは可笑そうに笑いながら、上機嫌でスタート地点へと向かっていった。
マリアンヌは火照った頬と、小突かれた額を押さえながらその姿を見送った。
自信にあふれ、得意げなラルフの姿はとても魅力的で、マリアンヌは素直にカッコいいなとみれてしまったのだった。
ラルフは準備運動を終えたのか、スタート地点に立つと両手を地面についた。足を前後に開いて腰を落とし、深く息を吐き出す。
ピリッと空気が張り詰め、先ほどまでの声援はピタリと止んだ。生徒たちは皆食い入るようにラルフを見つめている。もちろんマリアンヌもだ。自然と両手を胸の前で組んで、祈るようにラルフを見つめる。
ラルフが腰を上げ、グッと足の筋肉に力を込めたかと思うと、弾丸のように飛び出した。前傾姿勢で風の抵抗を受け流し、あっという間にトップスピードに達したようだ。一歩が大きく、まるで空を飛んでいるかのように軽やかに駆けていく。既にトラックの半周付近を走り抜けている。
生徒たちはみんなワァッと歓声をあげて口々にラルフに声援を送っている。だが、マリアンヌは呼吸をするのも忘れてラルフの姿に見入ってしまった。
(すごい…まるで風になっているかのようだわ)
初めて獣人の走りを目の当たりにし、マリアンヌの胸はドキドキと高鳴っていた。獣人は運動能力に長けており、とりわけ足が速いとはいろんな本に書かれていたが、いざ目にするとマリアンヌの想像を遥かに上回っていた。思わず圧倒されるほどの迫力だ。
周囲の音が遠くなるほど集中してラルフの姿に見入っていたが、気がつけばもうゴールは間近で、ラルフは力を抜いてやや失速してからゴールを切った。
「すごい!速い速い!」
「相変わらずかっこいー!」
「教えて教えて!どうすればそんなに速く走れるの?」
息ひとつ切らさず、平然と戻ってきたラルフはあっという間に生徒たちに取り囲まれとしまった。「落ち着けって」と困ったようにラルフが笑っている。生徒たちを見る目は穏やかで、生徒たちからも心から慕われていることがひしひしと伝わってくる。
わちゃわちゃと戯れる愛しの獣人たちの姿に、尊いわあ~と内心でうっとりしていると、不意にラルフが視線を上げて、真っ直ぐにマリアンヌを見つめてきた。どうしたのかと首を傾げると、ラルフは「どうだ?凄かっただろう」と言わんばかりにニヤリと笑みを浮かべて得意げな顔をした。
(~~んもう!凄かったです!思わず見惚れるほど!)
マリアンヌは両手で作った拳をぶんぶん振りながら激しく頷いてラルフにその感動を伝えようとした。ラルフはマリアンヌの様子にブハッと吹き出すと、可笑そうに肩を震わせた。
「殿下ー!何笑ってるのー?早く走ろ!」
「ああ、悪い。俺はスパルタだぞ?着いてこれるか?」
「がんばるー!」
ラルフは生徒たちに手を引かれながら、再びスタート地点へと向かっていった。生徒たちに囲まれ、上機嫌なラルフは一人一人フォームの確認をおこなっている。生徒たちも素直にラルフの助言に従い、みんなロケットのようにトラックに飛び出していく。ラルフほどではないが、流石獣人の子。びゅんびゅんと風を切って驚くべき速さで駆け抜けていく。
マリアンヌは未だ高鳴る鼓動を抑えながら、目の前の平和な光景を見つめていた。
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