4 / 43
第4話 第一獣人は王子様
しおりを挟む
(な、なんてこと…!)
マリアンヌはふらふらと立ち上がると、導かれるように獣耳へと近づいて行く。
生垣の下にはちょうど人一人がすっぽり収まるほどの空間があるようだ。マリアンヌは逸る気持ちを抑えながら、鼻息荒く生垣を覗き込んだ。
「っ!!!!」
そこには一人の獣人の青年がすやすやと気持ち良さそうに眠っていた。濃いグレーの三角耳に、耳と同じ色の髪。長いまつ毛にすらりと通った鼻筋をしており、それはそれは美しい青年であった。
(なんて素敵な獣人さんなの…!尖ったお耳が魅力的過ぎるわ…はぁ、はぁ…ちょっと、ちょーっとだけ触るぐらい、許される…わよね?)
寝不足で正常に回らない頭で悶々と欲望と葛藤する。だが、元々少ししか持ち合わせていない理性は呆気なく敗北し、マリアンヌは震える手を夢にまで見たもふもふへと伸ばした。あと少し、あと少しでずっと焦がれ続けた獣人さんに触れられる。見るからにふわふわで毛並みのいいお耳はさぞかし触り心地がいいのだろう。
マリアンヌの目は緊張と興奮、そして寝不足のため赤く血走っている。マリアンヌの震える指先が、獣耳の産毛を掠めたその瞬間、気持ち良さそうに眠っていた青年がカッと目を見開いて飛び起きた。素早くマリアンヌの手は拘束されてしまい、臨戦態勢を取った青年の鋭い眼光に睨みつけられる。その目は金色に煌めいており、まるで警戒心を露わにする猫のように細められている。
「お前は誰だ」
「っ」
(き、きゃーーーーっ!!!獣人さんに、獣人さんに触れられているわ…っ!!)
我が身の危機よりも興奮が勝ったマリアンヌの脳内はカーニバルである。感無量過ぎて胸が詰まり、うまく言葉が紡げない。はぁはぁと呼吸だけが荒くなっていき、ますます青年は訝しげに眉間に皺を寄せる。
この時、マリアンヌの興奮は絶頂に達していた。更に、一日中泳ぎ通してきた疲労と寝不足によりとうとうマリアンヌの視界はぐわんぐわんと歪み始めてきた。素敵な獣人さんのご尊顔までダブって見え始める。
(ああ、せっかく獣人さんに会えたんだもの…何か、何か言わなくちゃ…)
意識が朦朧とし、もはやマリアンヌは冷静な判断がつかなくなっていた。
「あなた、私と結婚してくださらない?」
「はぁ!?って、おい!」
マリアンヌはそう言い残すと、意識を手放した。
ぐらりと倒れ込んだ身体を青年が慌てて受け止める。腕の中に収まったマリアンヌはすぅすぅと規則正しい寝息を立てている。気持ち良さそうに眠るマリアンヌはまるで警戒心がなく、青年は毒気を抜かれる心地がした。だが、流石に年頃の女性を公園に捨て置くわけにもいかず、青年は煩わしそうに頭を掻いた。
「…面倒くせぇ」
青年は深い溜息を吐くと、ひょいとマリアンヌを抱えて公園に面した豪奢な宮殿へと足を向けた。
◇◇◇
「う…」
意識を取り戻したマリアンヌの視界に映るのは見知らぬ天井。今横になっているのはベッドだろうか。豪華な天蓋付きで、雲に包まれているかのようにふわふわな寝心地だ。
さて、ここはどこで何故自分はこんな豪華なベッドで横になっているのか。ぼーっとする頭で記憶の糸を辿る。
(ええっと…獣王国に着いて、公園で休憩していたら素敵なもふもふを見つけて…)
「はっ!!獣人さん!?」
「きゃっ!」
倒れる直前の出来事を思い出したマリアンヌは、ガバッと勢いよく身体を起こした。そうだ、あの見目麗しい青年はどこに行ったのだろう。ああ、もっとゆっくりとお話がしたかった。
マリアンヌは部屋の中を見回した。鹿の角や象牙が壁に飾られており、落ち着きのある調度品が上品に部屋を彩っている。この部屋にあの青年の姿はないようだ。
「ん?今、『きゃっ』って…誰かいるの?」
そういえば何だか可愛い声がしたはず、とマリアンヌはベッドから身を乗り出した。
「まあっ!!」
ベッドの脇にペタリとへたり込んでいたのは、茶色いふわふわした丸い耳に丸い尻尾を有したメイドであった。突然マリアンヌが飛び起きたため、驚かせてしまったのだろう、ペタリと耳が垂れており何とも可愛らしい。
「とっても愛らしいあなたはどなたかしら?」
「あっ、失礼しました!私はメイドのテディと申します。よろしくお願いいたします」
マリアンヌが頬を緩ませて話しかけると、テディと名乗ったメイドは慌てて立ち上がるとぺこりと頭を下げた。耳と同じく茶色い髪はふわりとしたボブに切り揃えられており、瞳もくりくり丸くて魅力的だ。
「よろしくね。ところでそのふわふわのお耳…素敵ね。ちょっと触らせていただいてもよろしくて?」
「へっ!?い、いけません…!」
どさくさに紛れて欲望を伝えてみたが呆気なく拒否されてしまった。だが、カァッと頬を赤く染めたテディが可愛過ぎたのでマリアンヌは眼福であった。グフ、グフフと涎を垂らすマリアンヌに引き気味のテディであるが、ハッと何かを思い出したのか、再びペコリと頭を下げると慌てて部屋を出ていってしまった。
「あぁっ、もっとお話がしたかったわ…」
思わず空に手を伸ばしたマリアンヌであるが、恐らくこの屋敷の主人に自分が目覚めたことを知らせにいったのだろうと推測した。
そして、そんなマリアンヌの予想は的中した。
しばらくして、勢いよく部屋の扉が開け放たれて誰かが部屋に入ってきたのだ。
「ふん、ようやく起きたのか変態女」
「あっ!あなたは…!んん?変態女とは誰のことでしょうか?」
ずかずかとマリアンヌが座るベッドの傍までやって来たのは、公園で出会った見目麗しい獣人の青年であった。青年は見下ろすようにマリアンヌを睨みつけている。
マリアンヌは青年と再び会えた喜びに打ちひしがれるが、彼の口から紡がれた言葉に目を瞬いた。
「お前だお前!いきなり求婚してくるなんて変態以外の何者でもないだろう」
「はぁ…求婚?誰が誰にでしょう?」
「なっ…お前、覚えていないのか!?」
身に覚えがないマリアンヌは顎に指を当てて首を傾げるばかりだが、青年は信じられないと金色に煌めく目を見開いた。
「お前が気を失う前に俺に結婚してくれと言ったんだろう!」
「まぁっ、初対面でいきなり結婚だなんて…そのお申し入れ、喜んでお受けいたしますわ」
「違う!」
青年の言葉に、ほんのり染まった頬を両手で押さえてモジモジと身体をくねらせるマリアンヌ。青年はマリアンヌの反応に頭を抱えている。そして呆れたように溜息をついた。
「全く。お前、どこから来たんだ?その様子だと、俺のことを知らないようだな」
「ええ…申し訳ございません。長く海底におりましたので地上のことには少々疎いかもしれません」
「海底、だと?お前まさか…」
「ええ、ご挨拶が遅れました。私はシーウッド海王国から参りました、マリアンヌ・セイレーンと申します。この度は助けていただきありがとうございました」
ベッドに座ったままで恐縮だが、マリアンヌは深々と感謝を伝えるために頭を下げた。マリアンヌが魚人と悟ったのか、青年は何か考え込むように顎に手を当てている。そんな憂いを帯びた表情も素敵だとマリアンヌはうっとりと青年に見惚れる。
「ふむ…そうか、それならこれまでの非常識な言動も説明が…いや、つかないな」
何やら失礼なことを呟いている気もするが、マリアンヌは気にしない。気にする暇があるなら目の前の麗しい獣人をこの目に焼き付けておきたい。
青年は意を決したように顔を上げてマリアンヌを見据えた。憧れの獣人に見つめられている、それだけでマリアンヌの鼓動は高鳴った。
「まあいい、知らないのならば名乗るまでだ。俺の名前はラルフ・ザビンバーグ。ザバン獣王国の第一王子だ」
「まぁ、王子様でしたか~……え?」
獣人の青年、ラルフの言葉に、マリアンヌは次第に目を見開いていく。
「お、王子様~~~~~!?」
マリアンヌはふらふらと立ち上がると、導かれるように獣耳へと近づいて行く。
生垣の下にはちょうど人一人がすっぽり収まるほどの空間があるようだ。マリアンヌは逸る気持ちを抑えながら、鼻息荒く生垣を覗き込んだ。
「っ!!!!」
そこには一人の獣人の青年がすやすやと気持ち良さそうに眠っていた。濃いグレーの三角耳に、耳と同じ色の髪。長いまつ毛にすらりと通った鼻筋をしており、それはそれは美しい青年であった。
(なんて素敵な獣人さんなの…!尖ったお耳が魅力的過ぎるわ…はぁ、はぁ…ちょっと、ちょーっとだけ触るぐらい、許される…わよね?)
寝不足で正常に回らない頭で悶々と欲望と葛藤する。だが、元々少ししか持ち合わせていない理性は呆気なく敗北し、マリアンヌは震える手を夢にまで見たもふもふへと伸ばした。あと少し、あと少しでずっと焦がれ続けた獣人さんに触れられる。見るからにふわふわで毛並みのいいお耳はさぞかし触り心地がいいのだろう。
マリアンヌの目は緊張と興奮、そして寝不足のため赤く血走っている。マリアンヌの震える指先が、獣耳の産毛を掠めたその瞬間、気持ち良さそうに眠っていた青年がカッと目を見開いて飛び起きた。素早くマリアンヌの手は拘束されてしまい、臨戦態勢を取った青年の鋭い眼光に睨みつけられる。その目は金色に煌めいており、まるで警戒心を露わにする猫のように細められている。
「お前は誰だ」
「っ」
(き、きゃーーーーっ!!!獣人さんに、獣人さんに触れられているわ…っ!!)
我が身の危機よりも興奮が勝ったマリアンヌの脳内はカーニバルである。感無量過ぎて胸が詰まり、うまく言葉が紡げない。はぁはぁと呼吸だけが荒くなっていき、ますます青年は訝しげに眉間に皺を寄せる。
この時、マリアンヌの興奮は絶頂に達していた。更に、一日中泳ぎ通してきた疲労と寝不足によりとうとうマリアンヌの視界はぐわんぐわんと歪み始めてきた。素敵な獣人さんのご尊顔までダブって見え始める。
(ああ、せっかく獣人さんに会えたんだもの…何か、何か言わなくちゃ…)
意識が朦朧とし、もはやマリアンヌは冷静な判断がつかなくなっていた。
「あなた、私と結婚してくださらない?」
「はぁ!?って、おい!」
マリアンヌはそう言い残すと、意識を手放した。
ぐらりと倒れ込んだ身体を青年が慌てて受け止める。腕の中に収まったマリアンヌはすぅすぅと規則正しい寝息を立てている。気持ち良さそうに眠るマリアンヌはまるで警戒心がなく、青年は毒気を抜かれる心地がした。だが、流石に年頃の女性を公園に捨て置くわけにもいかず、青年は煩わしそうに頭を掻いた。
「…面倒くせぇ」
青年は深い溜息を吐くと、ひょいとマリアンヌを抱えて公園に面した豪奢な宮殿へと足を向けた。
◇◇◇
「う…」
意識を取り戻したマリアンヌの視界に映るのは見知らぬ天井。今横になっているのはベッドだろうか。豪華な天蓋付きで、雲に包まれているかのようにふわふわな寝心地だ。
さて、ここはどこで何故自分はこんな豪華なベッドで横になっているのか。ぼーっとする頭で記憶の糸を辿る。
(ええっと…獣王国に着いて、公園で休憩していたら素敵なもふもふを見つけて…)
「はっ!!獣人さん!?」
「きゃっ!」
倒れる直前の出来事を思い出したマリアンヌは、ガバッと勢いよく身体を起こした。そうだ、あの見目麗しい青年はどこに行ったのだろう。ああ、もっとゆっくりとお話がしたかった。
マリアンヌは部屋の中を見回した。鹿の角や象牙が壁に飾られており、落ち着きのある調度品が上品に部屋を彩っている。この部屋にあの青年の姿はないようだ。
「ん?今、『きゃっ』って…誰かいるの?」
そういえば何だか可愛い声がしたはず、とマリアンヌはベッドから身を乗り出した。
「まあっ!!」
ベッドの脇にペタリとへたり込んでいたのは、茶色いふわふわした丸い耳に丸い尻尾を有したメイドであった。突然マリアンヌが飛び起きたため、驚かせてしまったのだろう、ペタリと耳が垂れており何とも可愛らしい。
「とっても愛らしいあなたはどなたかしら?」
「あっ、失礼しました!私はメイドのテディと申します。よろしくお願いいたします」
マリアンヌが頬を緩ませて話しかけると、テディと名乗ったメイドは慌てて立ち上がるとぺこりと頭を下げた。耳と同じく茶色い髪はふわりとしたボブに切り揃えられており、瞳もくりくり丸くて魅力的だ。
「よろしくね。ところでそのふわふわのお耳…素敵ね。ちょっと触らせていただいてもよろしくて?」
「へっ!?い、いけません…!」
どさくさに紛れて欲望を伝えてみたが呆気なく拒否されてしまった。だが、カァッと頬を赤く染めたテディが可愛過ぎたのでマリアンヌは眼福であった。グフ、グフフと涎を垂らすマリアンヌに引き気味のテディであるが、ハッと何かを思い出したのか、再びペコリと頭を下げると慌てて部屋を出ていってしまった。
「あぁっ、もっとお話がしたかったわ…」
思わず空に手を伸ばしたマリアンヌであるが、恐らくこの屋敷の主人に自分が目覚めたことを知らせにいったのだろうと推測した。
そして、そんなマリアンヌの予想は的中した。
しばらくして、勢いよく部屋の扉が開け放たれて誰かが部屋に入ってきたのだ。
「ふん、ようやく起きたのか変態女」
「あっ!あなたは…!んん?変態女とは誰のことでしょうか?」
ずかずかとマリアンヌが座るベッドの傍までやって来たのは、公園で出会った見目麗しい獣人の青年であった。青年は見下ろすようにマリアンヌを睨みつけている。
マリアンヌは青年と再び会えた喜びに打ちひしがれるが、彼の口から紡がれた言葉に目を瞬いた。
「お前だお前!いきなり求婚してくるなんて変態以外の何者でもないだろう」
「はぁ…求婚?誰が誰にでしょう?」
「なっ…お前、覚えていないのか!?」
身に覚えがないマリアンヌは顎に指を当てて首を傾げるばかりだが、青年は信じられないと金色に煌めく目を見開いた。
「お前が気を失う前に俺に結婚してくれと言ったんだろう!」
「まぁっ、初対面でいきなり結婚だなんて…そのお申し入れ、喜んでお受けいたしますわ」
「違う!」
青年の言葉に、ほんのり染まった頬を両手で押さえてモジモジと身体をくねらせるマリアンヌ。青年はマリアンヌの反応に頭を抱えている。そして呆れたように溜息をついた。
「全く。お前、どこから来たんだ?その様子だと、俺のことを知らないようだな」
「ええ…申し訳ございません。長く海底におりましたので地上のことには少々疎いかもしれません」
「海底、だと?お前まさか…」
「ええ、ご挨拶が遅れました。私はシーウッド海王国から参りました、マリアンヌ・セイレーンと申します。この度は助けていただきありがとうございました」
ベッドに座ったままで恐縮だが、マリアンヌは深々と感謝を伝えるために頭を下げた。マリアンヌが魚人と悟ったのか、青年は何か考え込むように顎に手を当てている。そんな憂いを帯びた表情も素敵だとマリアンヌはうっとりと青年に見惚れる。
「ふむ…そうか、それならこれまでの非常識な言動も説明が…いや、つかないな」
何やら失礼なことを呟いている気もするが、マリアンヌは気にしない。気にする暇があるなら目の前の麗しい獣人をこの目に焼き付けておきたい。
青年は意を決したように顔を上げてマリアンヌを見据えた。憧れの獣人に見つめられている、それだけでマリアンヌの鼓動は高鳴った。
「まあいい、知らないのならば名乗るまでだ。俺の名前はラルフ・ザビンバーグ。ザバン獣王国の第一王子だ」
「まぁ、王子様でしたか~……え?」
獣人の青年、ラルフの言葉に、マリアンヌは次第に目を見開いていく。
「お、王子様~~~~~!?」
10
お気に入りに追加
119
あなたにおすすめの小説

わかったわ、私が代役になればいいのね?[完]
風龍佳乃
恋愛
ブェールズ侯爵家に生まれたリディー。
しかしリディーは
「双子が産まれると家門が分裂する」
そんな言い伝えがありブェールズ夫婦は
妹のリディーをすぐにシュエル伯爵家の
養女として送り出したのだった。
リディーは13歳の時
姉のリディアーナが病に倒れたと
聞かされ初めて自分の生い立ちを知る。
そしてリディアーナは皇太子殿下の
婚約者候補だと知らされて葛藤する。
リディーは皇太子殿下からの依頼を
受けて姉に成り代わり
身代わりとしてリディアーナを演じる
事を選んだリディーに試練が待っていた。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】
僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。
※他サイトでも投稿中

【完結】婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜
平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。
だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。
流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!?
魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。
そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…?
完結済全6話

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。
松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。
そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。
しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。


冷遇されている令嬢に転生したけど図太く生きていたら聖女に成り上がりました
富士山のぼり
恋愛
何処にでもいる普通のOLである私は事故にあって異世界に転生した。
転生先は入り婿の駄目な父親と後妻である母とその娘にいびられている令嬢だった。
でも現代日本育ちの図太い神経で平然と生きていたらいつの間にか聖女と呼ばれるようになっていた。
別にそんな事望んでなかったんだけど……。
「そんな口の利き方を私にしていいと思っている訳? 後悔するわよ。」
「下らない事はいい加減にしなさい。後悔する事になるのはあなたよ。」
強気で物事にあまり動じない系女子の異世界転生話。
※小説家になろうの方にも掲載しています。あちらが修正版です。

婚約破棄はまだですか?─豊穣をもたらす伝説の公爵令嬢に転生したけど、王太子がなかなか婚約破棄してこない
nanahi
恋愛
火事のあと、私は王太子の婚約者:シンシア・ウォーレンに転生した。王国に豊穣をもたらすという伝説の黒髪黒眼の公爵令嬢だ。王太子は婚約者の私がいながら、男爵令嬢ケリーを愛していた。「王太子から婚約破棄されるパターンね」…私はつらい前世から解放された喜びから、破棄を進んで受け入れようと自由に振る舞っていた。ところが王太子はなかなか破棄を告げてこなくて…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる