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第六話 バイト先の同僚
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「よし」
阿智村から戻り、バイトの日がやって来た。
今日の俺は、自分自身にとあるミッションを課している。
シフト表を睨み付ける俺。その視線の先にはとある人物の名前。今日、同じ時間帯にシフトに入っていることはもう何回も確認したことだ。
間宮圭一。大学は違うが同じ2年生の人の良い同僚だ。シフトが被ることが多く、俺との連携もうまく取れていて一緒にシフトに入っているととても動きやすくて助かっている。そして、いつも帰り際に何か言おうとするところを遮るように帰ってしまう。俺が。
今日こそは、メッセージアプリのIDを聞く。
それが今日のミッション。出かける約束ができたら120億点だ。
『ん、バイトの時間? 頑張ってねー』
「おう、留守番頼むわ」
『任せてー! テレビつけて行ってよね』
「ったく。音量は絞るからな」
『おけよー』
カメラに触れると、小鳥遊が声をかけてくれた。今日の俺には正直ありがたい。少し緊張が解れた気がする。テレビぐらい安いもんだ。部屋から出れなくてつまらないだろうから、それぐらいは協力する。
「じゃ、行ってくる」
『行ってらっしゃーい』
カメラを置く前にそっとファインダーを覗くと、すでに小鳥遊はベッドに寝そべってテレビに見入っていた。年頃の娘が男のベッドで寝るな。
はあ、とため息をつきながらカメラをローテーブルの上に置いて、俺は戦場へと向かった。
バイト先は洒落たカフェで、俺はそこで大人びた黒いエプロンを腰に巻いて澄まし顔でウェイターに勤しんでいる。
大学1年の時からだからもう1年半は世話になっている。間宮は少し遅れて1年の夏前から働いているので、もう1年も一緒に仕事をしていることになる。それなのに連絡先すら知らないなんて……と今更ながら自分に呆れ果てる。どれだけ他人との関わりを避けて生きてきたかが如実に表れているよな。
「おっ、お疲れ!」
「お、おう。お疲れ」
やや緊張した面持ちでロッカールームに足を踏み入れると、ちょうど制服に着替え終わって袖口のボタンを留めていた間宮が顔を上げて爽やかな笑顔を向けてきた。ややその爽やかさに圧倒されつつも挨拶を返して自分のロッカーを開ける。
間宮は地毛だという焦茶の髪で、これまた生まれつきだというややウェーブがかった天パをしている。良い感じにふんわり決まっていてよく似合っている。背は俺と変わらないぐらい。大学ではフットサルのサークルに入っていると前に他の同僚と話しているのを小耳に挟んだ。
爽やかで、子犬のように人懐っこくて、誰からも可愛がられるタイプ。俺にないものをたくさん持っている奴。誰とでもすぐに打ち解ける。愛想の悪い俺にだって分け隔てなく接してくれる。改めて考えるととんでもなくいい奴だな。
さて、どうやって話しかけるか……
気合は十分入れてきたのだが、実のところノープランだった。馬鹿か。とにかく急いで着替えを済ませる。
連絡先を聞くなら今か? いや、もたもたしていたら時間に遅れて間宮まで店長に叱られる。やっぱり、仕事終わりだな。
手早く着替えを済ませてバタンとロッカーを閉める。すでに着替えを済ませていたはずの間宮はパイプ椅子に座ってこちらを見ていた。
「ん?」
「お、着替えた? 行こうか」
「……おう」
もしかして待ってくれていたのか? そういえば、いつも時間が被れば間宮は俺を待ってくれていたような気がする。
「……ありがとな」
並んで店頭に向かいながら、ボソッと呟くように礼を言うと、間宮は驚いたように目を見開いて、
「どういたしまして!」
と笑った。やっぱりこいつは爽やかだ。
◇◇◇
夏休みなのでしっかり閉店前まで働いて、店長や厨房の面々より一足先に仕事を終えた俺たちは、着替えるためにロッカールームに戻っていた。ホールにラストまで入っていたのは俺たち二人だけなので、自ずと室内は二人きり。これはチャンスでは?
サッとTシャツとジーンズに履き替えてウェストバッグを斜めにかける。中からスマホを取り出して電源を入れた。
「うっわ、すげー!」
「どわっ!」
「あっ、ごめん! チラッと見えちゃって」
さてどうやって切り出そうかと思い悩んでいると、不意に後ろに人の気配を感じて思わず大きな声を上げてしまった。
ドッドッと早鐘を鳴らす心臓を落ち着かせながら間宮の視線の先を辿ると、俺のスマホのホーム画面。そこには先日撮影した星たちが瞬いている。カメラの写真データをスマホに送って待ち受けにしたのだ。どうやらその写真が間宮の目に留まったらしい。
「あー……見る? 何枚かあるけど」
「え、いいの? 見たい見たい」
スマホのロックを解除してアルバムを開く。そこには五島列島の写真と、阿智村の写真が収められている。撮影データを全て転送してみたのだ。
「うっわ! え、もしかして早乙女くんって写真撮る人?」
間宮の目は尊敬の色を宿してキラキラと輝いている。
うっ、と陽の気に当てられて後退りそうになるのをグッと堪える。なんて眩しい笑顔なんだ。
「うん。って言っても、この夏にカメラを買ったばっかでさ、練習がてらあちこち撮りに行ってるところ」
「へぇええ! すっげ! うっわ、海綺麗すぎるだろ。どこ?」
「長崎の五島列島ってとこ」
「へぇええええ!」
俺たちはパイプ椅子を出して並んで腰掛けた。間宮は興味津々といった顔であれやこれやと質問してくる。不思議と嫌ではなかったので、俺は写真の場所や写真を撮った時の状況なんかを問われるがままに答えていった。もちろんカメラに憑いた幽霊のことは内緒だけど。
「ありがと。また写真増えたら見せてよ」
「おう」
間宮の褒め言葉は直球すぎて正直照れる。照れ隠しにそっけない返事をしてしまうが、間宮は気にした様子はない。
ん? これってもしかしてチャンスか?
「あー……あのさ、もしよかったら、なんだけど……ID、教えてくれない? 気に入った写真があれば送るし」
うん、我ながら下手くそすぎる。写真を口実に連絡先を聞くとかどこの男子高校生だよ。
ほら、間宮もびっくりして目が丸くなっているじゃないか。
「もちろん! うわー嬉しい。俺、ずっと早乙女くんともっと仲良くなりたいって思ってたんだ」
またもや間宮のストレートな言葉が俺に特大ダメージを与える。素直すぎる。いい奴すぎんか?
「そ、そっか。えーっと……QRコード出せばいい?」
「おっけ、読み取るね」
そして慣れないID交換を無事に終え、俺のスマホに間宮の連絡先が登録された。ちょっと感動。
「さっきの星の写真、よかったらもらってもいい? 気に入っちゃった」
「ん、いいよ。これ?」
「うん、それそれ」
えっと、画像を送るのは……これか。
普段最小限しか使わないので少々手こずりつつも無事にご要望の写真を送ることに成功した。すごい達成感だな。
心なしか間宮も嬉しそうにしている。犬だったらブンブン尻尾を振っているんだろうな。
「早乙女くんはさ」
「――悠馬」
「え?」
「……名字長いし、名前でいい」
照れ臭すぎて、無意識に唇が突き出る。間宮の表情がパァァッと明るくなるのが分かって、ますます恥ずかしくなる。いや、だから。素直すぎるんだって。
「分かった! 俺のことも圭一でいいよ。悠馬はさ、休みの日はいつも何してるの? ってかさ、俺一人暮らしなんだけど、悠馬もだよな? 飯行かん? もうちょっと話したいんだけど」
「いいよ」
「っしゃ! ラーメン食いたい。美味い店知ってるんだー」
「マジ? 腹減ってきたわ」
俺たちはガタッとパイプ椅子を畳んで壁に立てかけてから、二人揃って店を出た。圭一のおすすめだというラーメン屋に向かいながら空を仰ぐ。都会でも意外と星は見える。でも、やっぱり空は狭い。
思い切って一歩踏み出してよかったな。
隣で「今日は何ラーメンにしよっかなぁ」とウキウキ揺れている圭一を横目に、俺は密かに笑みを漏らした。
阿智村から戻り、バイトの日がやって来た。
今日の俺は、自分自身にとあるミッションを課している。
シフト表を睨み付ける俺。その視線の先にはとある人物の名前。今日、同じ時間帯にシフトに入っていることはもう何回も確認したことだ。
間宮圭一。大学は違うが同じ2年生の人の良い同僚だ。シフトが被ることが多く、俺との連携もうまく取れていて一緒にシフトに入っているととても動きやすくて助かっている。そして、いつも帰り際に何か言おうとするところを遮るように帰ってしまう。俺が。
今日こそは、メッセージアプリのIDを聞く。
それが今日のミッション。出かける約束ができたら120億点だ。
『ん、バイトの時間? 頑張ってねー』
「おう、留守番頼むわ」
『任せてー! テレビつけて行ってよね』
「ったく。音量は絞るからな」
『おけよー』
カメラに触れると、小鳥遊が声をかけてくれた。今日の俺には正直ありがたい。少し緊張が解れた気がする。テレビぐらい安いもんだ。部屋から出れなくてつまらないだろうから、それぐらいは協力する。
「じゃ、行ってくる」
『行ってらっしゃーい』
カメラを置く前にそっとファインダーを覗くと、すでに小鳥遊はベッドに寝そべってテレビに見入っていた。年頃の娘が男のベッドで寝るな。
はあ、とため息をつきながらカメラをローテーブルの上に置いて、俺は戦場へと向かった。
バイト先は洒落たカフェで、俺はそこで大人びた黒いエプロンを腰に巻いて澄まし顔でウェイターに勤しんでいる。
大学1年の時からだからもう1年半は世話になっている。間宮は少し遅れて1年の夏前から働いているので、もう1年も一緒に仕事をしていることになる。それなのに連絡先すら知らないなんて……と今更ながら自分に呆れ果てる。どれだけ他人との関わりを避けて生きてきたかが如実に表れているよな。
「おっ、お疲れ!」
「お、おう。お疲れ」
やや緊張した面持ちでロッカールームに足を踏み入れると、ちょうど制服に着替え終わって袖口のボタンを留めていた間宮が顔を上げて爽やかな笑顔を向けてきた。ややその爽やかさに圧倒されつつも挨拶を返して自分のロッカーを開ける。
間宮は地毛だという焦茶の髪で、これまた生まれつきだというややウェーブがかった天パをしている。良い感じにふんわり決まっていてよく似合っている。背は俺と変わらないぐらい。大学ではフットサルのサークルに入っていると前に他の同僚と話しているのを小耳に挟んだ。
爽やかで、子犬のように人懐っこくて、誰からも可愛がられるタイプ。俺にないものをたくさん持っている奴。誰とでもすぐに打ち解ける。愛想の悪い俺にだって分け隔てなく接してくれる。改めて考えるととんでもなくいい奴だな。
さて、どうやって話しかけるか……
気合は十分入れてきたのだが、実のところノープランだった。馬鹿か。とにかく急いで着替えを済ませる。
連絡先を聞くなら今か? いや、もたもたしていたら時間に遅れて間宮まで店長に叱られる。やっぱり、仕事終わりだな。
手早く着替えを済ませてバタンとロッカーを閉める。すでに着替えを済ませていたはずの間宮はパイプ椅子に座ってこちらを見ていた。
「ん?」
「お、着替えた? 行こうか」
「……おう」
もしかして待ってくれていたのか? そういえば、いつも時間が被れば間宮は俺を待ってくれていたような気がする。
「……ありがとな」
並んで店頭に向かいながら、ボソッと呟くように礼を言うと、間宮は驚いたように目を見開いて、
「どういたしまして!」
と笑った。やっぱりこいつは爽やかだ。
◇◇◇
夏休みなのでしっかり閉店前まで働いて、店長や厨房の面々より一足先に仕事を終えた俺たちは、着替えるためにロッカールームに戻っていた。ホールにラストまで入っていたのは俺たち二人だけなので、自ずと室内は二人きり。これはチャンスでは?
サッとTシャツとジーンズに履き替えてウェストバッグを斜めにかける。中からスマホを取り出して電源を入れた。
「うっわ、すげー!」
「どわっ!」
「あっ、ごめん! チラッと見えちゃって」
さてどうやって切り出そうかと思い悩んでいると、不意に後ろに人の気配を感じて思わず大きな声を上げてしまった。
ドッドッと早鐘を鳴らす心臓を落ち着かせながら間宮の視線の先を辿ると、俺のスマホのホーム画面。そこには先日撮影した星たちが瞬いている。カメラの写真データをスマホに送って待ち受けにしたのだ。どうやらその写真が間宮の目に留まったらしい。
「あー……見る? 何枚かあるけど」
「え、いいの? 見たい見たい」
スマホのロックを解除してアルバムを開く。そこには五島列島の写真と、阿智村の写真が収められている。撮影データを全て転送してみたのだ。
「うっわ! え、もしかして早乙女くんって写真撮る人?」
間宮の目は尊敬の色を宿してキラキラと輝いている。
うっ、と陽の気に当てられて後退りそうになるのをグッと堪える。なんて眩しい笑顔なんだ。
「うん。って言っても、この夏にカメラを買ったばっかでさ、練習がてらあちこち撮りに行ってるところ」
「へぇええ! すっげ! うっわ、海綺麗すぎるだろ。どこ?」
「長崎の五島列島ってとこ」
「へぇええええ!」
俺たちはパイプ椅子を出して並んで腰掛けた。間宮は興味津々といった顔であれやこれやと質問してくる。不思議と嫌ではなかったので、俺は写真の場所や写真を撮った時の状況なんかを問われるがままに答えていった。もちろんカメラに憑いた幽霊のことは内緒だけど。
「ありがと。また写真増えたら見せてよ」
「おう」
間宮の褒め言葉は直球すぎて正直照れる。照れ隠しにそっけない返事をしてしまうが、間宮は気にした様子はない。
ん? これってもしかしてチャンスか?
「あー……あのさ、もしよかったら、なんだけど……ID、教えてくれない? 気に入った写真があれば送るし」
うん、我ながら下手くそすぎる。写真を口実に連絡先を聞くとかどこの男子高校生だよ。
ほら、間宮もびっくりして目が丸くなっているじゃないか。
「もちろん! うわー嬉しい。俺、ずっと早乙女くんともっと仲良くなりたいって思ってたんだ」
またもや間宮のストレートな言葉が俺に特大ダメージを与える。素直すぎる。いい奴すぎんか?
「そ、そっか。えーっと……QRコード出せばいい?」
「おっけ、読み取るね」
そして慣れないID交換を無事に終え、俺のスマホに間宮の連絡先が登録された。ちょっと感動。
「さっきの星の写真、よかったらもらってもいい? 気に入っちゃった」
「ん、いいよ。これ?」
「うん、それそれ」
えっと、画像を送るのは……これか。
普段最小限しか使わないので少々手こずりつつも無事にご要望の写真を送ることに成功した。すごい達成感だな。
心なしか間宮も嬉しそうにしている。犬だったらブンブン尻尾を振っているんだろうな。
「早乙女くんはさ」
「――悠馬」
「え?」
「……名字長いし、名前でいい」
照れ臭すぎて、無意識に唇が突き出る。間宮の表情がパァァッと明るくなるのが分かって、ますます恥ずかしくなる。いや、だから。素直すぎるんだって。
「分かった! 俺のことも圭一でいいよ。悠馬はさ、休みの日はいつも何してるの? ってかさ、俺一人暮らしなんだけど、悠馬もだよな? 飯行かん? もうちょっと話したいんだけど」
「いいよ」
「っしゃ! ラーメン食いたい。美味い店知ってるんだー」
「マジ? 腹減ってきたわ」
俺たちはガタッとパイプ椅子を畳んで壁に立てかけてから、二人揃って店を出た。圭一のおすすめだというラーメン屋に向かいながら空を仰ぐ。都会でも意外と星は見える。でも、やっぱり空は狭い。
思い切って一歩踏み出してよかったな。
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