107 / 109
第二部 パーティに捨てられた泣き虫魔法使いは、ダンジョンの階層主に溺愛される
102. ずっと一緒に
しおりを挟む
ウォンが戻ってから、エレイン達は地上での出来事の詳細を聞いた。
「もう、シンがダンジョンに関わることはないだろう」
そう言ったウォンの表情はどこか寂しげであった。
ウォンはその日以来、狐の面を付けることをやめた。そして一人称が『私』になった。エレインはウォンが素顔を晒すことを素直に喜び、これまで通りこまめに75階層に遊びに行っている。
ダンジョンは何事もなかったかのように平常運転である。ボロボロになった70階層も、いつものように自然修復された。
◇◇◇
あれから1ヶ月が経った頃、70階層にビルド達が挑みに来た。彼らの様子から、あの日の記憶は残っていないと分かったが、ホムラは真っ向から挑戦を受け、いつも以上に戦いを楽しんでいたようだ。
「本当に色んなことがありましたねえ」
「そうだね」
「もうハイエルフの力は馴染んだのですか?」
「うん、もう自分の魔力と混ざり合ったみたい」
ホムラがビルド達の挑戦を受けている頃、ボスの間の裏にはリリスが遊びに来ていた。リリスはエレインの姿が変わっても変わらずに親しく接してくれている。たまに尖った耳を触られることもあるが、エレインはくすぐったくて仕方がなかった。
「ハイエルフの魔力を得たということは、エレインも長生きするのでしょうね」
「そうなのかな。少しでも長くみんなと一緒に過ごせるなら、嬉しいな」
ホムラやアグニ達、ダンジョンに住まう魔物はダンジョンが存在し続ける限り生き続ける。寿命があるエレインとはいつか別れの日が来る。心のどこかでずっと考えないようにして来たことだが、ハイエルフの力が彼らとの時間を長らえてくれるだろう。
リリスは少し寂しそうに笑みを浮かべた後、鞄から小さな包紙を取り出した。
「はい、こちら頼まれていたものです」
「わぁ!ありがとう!」
リリスから包みを受け取り、エレインは嬉しそうに胸に抱いた。
「本当にあなた達は…ご馳走様です」
「え?なにが?」
エレインの様子を呆れたように眺めつつ、何やらリリスは意味深なことを言った。リリスの言わんとすることがよく分からずにエレインは首を傾げた。
「ふふ、すぐに分かりますよ」
◇◇◇
その日の夜、早々にアグニがベッドに潜り込み寝入った後、エレインとホムラはソファで並んで座りながらお茶を飲んでいた。
「あの、ホムラさん…渡したいものがあるんです」
「あ?何だよ」
エレインがモジモジと切り出すと、ホムラは飲んでいたカップをテーブルに置き、エレインに向き合ってくれる。
エレインは僅かに頬を染めながら、昼間リリスから受け取った包紙をホムラに手渡した。
ホムラはその包紙を見て、少し目を見開いたあと、「開けていいか?」とエレインの了承を得てから丁寧に包みを開いた。
「これは…」
ホムラが取り出したのは、魔石のペンダントだった。
「えへへ…前にプレゼントしたのは壊れちゃいましたから」
恥ずかしそうに頭を掻くエレイン。何故なら、前回と違って今回の魔石はーーー
「薄紫に、少し金色が混じってんな」
ホムラが魔石を光に翳すと、薄紫の中に僅かに金色の光が反射した。
自分の瞳の色と同じペンダントをホムラに付けて欲しい、そうリリスに切り出した時はそらはもう思い切り揶揄われてしまった。それでもリリスは快く引き受けてくれた。本当に良き友人である。
ホムラは嬉しそうにしつつも、どこか気まずそうにしている。
エレインはどうしたのかと首を傾げた。
「あー…実はな、その…ほらよ」
ホムラが視線を外して懐から取り出したのは、先程見たものと同じ包紙。
エレインは目を瞬きながらそれを受け取り、ゆっくりと開封した。
「っ!これ…」
包みから取り出したのは、緋色の魔石があしらわれたペンダントだった。
「綺麗…ホムラさんの瞳と同じ色…?」
エレインはホムラの顔の横に腕を伸ばしてペンダントとホムラの瞳を見比べた。どちらも美しい緋色で思わず見入ってしまう。
「そっか、えへへ、嬉しいです」
リリスがニヤニヤしていたのはそういうことか。エレインとホムラはそれぞれリリスに同じ依頼をしていたのだ。
以前のものは自分の瞳の色の魔石。今回は相手の瞳の色の魔石。ホムラもエレインと同じ想いで選んでくれたのかと思うと、胸がきゅうっと締め付けられる。
「ほら、付けてやるよ」
ホムラは目元を赤らめたまま、エレインの手からペンダントを取り上げると、優しくエレインに付けてくれた。
「私も、付けていいですか?」
胸元で煌めく緋色を嬉しそうに撫でながら、エレインもホムラにペンダントを付けてやる。
ホムラの首元で薄紫の魔石が輝く。どこにいても一緒だと、これからもずっと一緒だと、そう証明するように。
「ホムラさん、私に居場所をくれてありがとうございます」
そう言って微笑むと、ホムラも笑みを返してくれる。それだけで胸が満たされる。
「俺はお前がいるから頑張れる。きっとこれからももっと強くなれる」
「ホムラさん…」
「守り守られる存在がいるってのはいいもんだな」
「はい」
ホムラが熱を孕んだ瞳でエレインを見つめる。
「エレイン」
「はい」
「愛してる」
「っ!わ、わわわ私も、ああ愛…愛し…」
「ぶはっ、キョドりすぎだろ」
真っ直ぐに見つめられて囁かれた言葉に、応えたくても恥ずかしくて思わず舌がもたついてしまった。真っ赤に染まった頬を押さえようとしたが、その役割はホムラの手に奪われてしまった。
「エレイン」
甘く優しく名前を囁かれ、蕩けてしまいそうなほど美しい緋色の瞳が近付いてくる。
「ホムラさん…」
エレインは静かに瞼を閉じてホムラを受け止めた。優しく、存在を確かめるように重ねられた唇。
呼吸をするために僅かに離れた隙に、「愛してます」と囁くと、ホムラによって後頭部と腰を思い切り抱き寄せられて更に激しく口付けられた。
愛しい大切な優しい鬼神。
これからもずっとあなたの側にーーー
ーーーーー
最後まで読んでくださりありがとうございました!
こちらで本作は完結となります。
もしよろしければご感想などいただけると嬉しいです(^^)
またゆっくり後書きを書きたいと思います!
それではまた!
「もう、シンがダンジョンに関わることはないだろう」
そう言ったウォンの表情はどこか寂しげであった。
ウォンはその日以来、狐の面を付けることをやめた。そして一人称が『私』になった。エレインはウォンが素顔を晒すことを素直に喜び、これまで通りこまめに75階層に遊びに行っている。
ダンジョンは何事もなかったかのように平常運転である。ボロボロになった70階層も、いつものように自然修復された。
◇◇◇
あれから1ヶ月が経った頃、70階層にビルド達が挑みに来た。彼らの様子から、あの日の記憶は残っていないと分かったが、ホムラは真っ向から挑戦を受け、いつも以上に戦いを楽しんでいたようだ。
「本当に色んなことがありましたねえ」
「そうだね」
「もうハイエルフの力は馴染んだのですか?」
「うん、もう自分の魔力と混ざり合ったみたい」
ホムラがビルド達の挑戦を受けている頃、ボスの間の裏にはリリスが遊びに来ていた。リリスはエレインの姿が変わっても変わらずに親しく接してくれている。たまに尖った耳を触られることもあるが、エレインはくすぐったくて仕方がなかった。
「ハイエルフの魔力を得たということは、エレインも長生きするのでしょうね」
「そうなのかな。少しでも長くみんなと一緒に過ごせるなら、嬉しいな」
ホムラやアグニ達、ダンジョンに住まう魔物はダンジョンが存在し続ける限り生き続ける。寿命があるエレインとはいつか別れの日が来る。心のどこかでずっと考えないようにして来たことだが、ハイエルフの力が彼らとの時間を長らえてくれるだろう。
リリスは少し寂しそうに笑みを浮かべた後、鞄から小さな包紙を取り出した。
「はい、こちら頼まれていたものです」
「わぁ!ありがとう!」
リリスから包みを受け取り、エレインは嬉しそうに胸に抱いた。
「本当にあなた達は…ご馳走様です」
「え?なにが?」
エレインの様子を呆れたように眺めつつ、何やらリリスは意味深なことを言った。リリスの言わんとすることがよく分からずにエレインは首を傾げた。
「ふふ、すぐに分かりますよ」
◇◇◇
その日の夜、早々にアグニがベッドに潜り込み寝入った後、エレインとホムラはソファで並んで座りながらお茶を飲んでいた。
「あの、ホムラさん…渡したいものがあるんです」
「あ?何だよ」
エレインがモジモジと切り出すと、ホムラは飲んでいたカップをテーブルに置き、エレインに向き合ってくれる。
エレインは僅かに頬を染めながら、昼間リリスから受け取った包紙をホムラに手渡した。
ホムラはその包紙を見て、少し目を見開いたあと、「開けていいか?」とエレインの了承を得てから丁寧に包みを開いた。
「これは…」
ホムラが取り出したのは、魔石のペンダントだった。
「えへへ…前にプレゼントしたのは壊れちゃいましたから」
恥ずかしそうに頭を掻くエレイン。何故なら、前回と違って今回の魔石はーーー
「薄紫に、少し金色が混じってんな」
ホムラが魔石を光に翳すと、薄紫の中に僅かに金色の光が反射した。
自分の瞳の色と同じペンダントをホムラに付けて欲しい、そうリリスに切り出した時はそらはもう思い切り揶揄われてしまった。それでもリリスは快く引き受けてくれた。本当に良き友人である。
ホムラは嬉しそうにしつつも、どこか気まずそうにしている。
エレインはどうしたのかと首を傾げた。
「あー…実はな、その…ほらよ」
ホムラが視線を外して懐から取り出したのは、先程見たものと同じ包紙。
エレインは目を瞬きながらそれを受け取り、ゆっくりと開封した。
「っ!これ…」
包みから取り出したのは、緋色の魔石があしらわれたペンダントだった。
「綺麗…ホムラさんの瞳と同じ色…?」
エレインはホムラの顔の横に腕を伸ばしてペンダントとホムラの瞳を見比べた。どちらも美しい緋色で思わず見入ってしまう。
「そっか、えへへ、嬉しいです」
リリスがニヤニヤしていたのはそういうことか。エレインとホムラはそれぞれリリスに同じ依頼をしていたのだ。
以前のものは自分の瞳の色の魔石。今回は相手の瞳の色の魔石。ホムラもエレインと同じ想いで選んでくれたのかと思うと、胸がきゅうっと締め付けられる。
「ほら、付けてやるよ」
ホムラは目元を赤らめたまま、エレインの手からペンダントを取り上げると、優しくエレインに付けてくれた。
「私も、付けていいですか?」
胸元で煌めく緋色を嬉しそうに撫でながら、エレインもホムラにペンダントを付けてやる。
ホムラの首元で薄紫の魔石が輝く。どこにいても一緒だと、これからもずっと一緒だと、そう証明するように。
「ホムラさん、私に居場所をくれてありがとうございます」
そう言って微笑むと、ホムラも笑みを返してくれる。それだけで胸が満たされる。
「俺はお前がいるから頑張れる。きっとこれからももっと強くなれる」
「ホムラさん…」
「守り守られる存在がいるってのはいいもんだな」
「はい」
ホムラが熱を孕んだ瞳でエレインを見つめる。
「エレイン」
「はい」
「愛してる」
「っ!わ、わわわ私も、ああ愛…愛し…」
「ぶはっ、キョドりすぎだろ」
真っ直ぐに見つめられて囁かれた言葉に、応えたくても恥ずかしくて思わず舌がもたついてしまった。真っ赤に染まった頬を押さえようとしたが、その役割はホムラの手に奪われてしまった。
「エレイン」
甘く優しく名前を囁かれ、蕩けてしまいそうなほど美しい緋色の瞳が近付いてくる。
「ホムラさん…」
エレインは静かに瞼を閉じてホムラを受け止めた。優しく、存在を確かめるように重ねられた唇。
呼吸をするために僅かに離れた隙に、「愛してます」と囁くと、ホムラによって後頭部と腰を思い切り抱き寄せられて更に激しく口付けられた。
愛しい大切な優しい鬼神。
これからもずっとあなたの側にーーー
ーーーーー
最後まで読んでくださりありがとうございました!
こちらで本作は完結となります。
もしよろしければご感想などいただけると嬉しいです(^^)
またゆっくり後書きを書きたいと思います!
それではまた!
0
お気に入りに追加
294
あなたにおすすめの小説

生まれる世界を間違えた俺は女神様に異世界召喚されました【リメイク版】
雪乃カナ
ファンタジー
世界が退屈でしかなかった1人の少年〝稗月倖真〟──彼は生まれつきチート級の身体能力と力を持っていた。だが同時に生まれた現代世界ではその力を持て余す退屈な日々を送っていた。
そんなある日いつものように孤児院の自室で起床し「退屈だな」と、呟いたその瞬間、突如現れた〝光の渦〟に吸い込まれてしまう!
気づくと辺りは白く光る見た事の無い部屋に!?
するとそこに女神アルテナが現れて「取り敢えず異世界で魔王を倒してきてもらえませんか♪」と頼まれる。
だが、異世界に着くと前途多難なことばかり、思わず「おい、アルテナ、聞いてないぞ!」と、叫びたくなるような事態も発覚したり──
でも、何はともあれ、女神様に異世界召喚されることになり、生まれた世界では持て余したチート級の力を使い、異世界へと魔王を倒しに行く主人公の、異世界ファンタジー物語!!
本当の仲間ではないと勇者パーティから追放されたので、銀髪ケモミミ美少女と異世界でスローライフします。
なつめ猫
ファンタジー
田中一馬は、40歳のIT会社の社員として働いていた。
しかし、異世界ガルドランドに魔王を倒す勇者として召喚されてしまい容姿が17歳まで若返ってしまう。
探しにきた兵士に連れられ王城で、同郷の人間とパーティを組むことになる。
だが【勇者】の称号を持っていなかった一馬は、お荷物扱いにされてしまう。
――ただアイテムボックスのスキルを持っていた事もあり勇者パーティの荷物持ちでパーティに参加することになるが……。
Sランク冒険者となった事で、田中一馬は仲間に殺されかける。
Sランク冒険者に与えられるアイテムボックスの袋。
それを手に入れるまで田中一馬は利用されていたのだった。
失意の内に意識を失った一馬の脳裏に
――チュートリアルが完了しました。
と、いうシステムメッセージが流れる。
それは、田中一馬が40歳まで独身のまま人生の半分を注ぎこんで鍛え上げたアルドガルド・オンラインの最強セーブデータを手に入れた瞬間であった!

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始!
2024/2/21小説本編完結!
旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です
※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。
※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。
生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。
伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。
勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。
代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。
リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。
ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。
タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。
タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。
そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。
なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。
レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。
いつか彼は血をも超えていくーー。
さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。
一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。
彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。
コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ!
・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持
・12/28 ハイファンランキング 3位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる