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第2章エクスプレス サイドB①魔窟の洋上楼閣都市/グラウザー編
Part12 SOLVER―解き明かす者―/意地と迂闊
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その銃口はベルトコーネの後頭部を狙い定めていた。
引かれた2つの引き金は44マグナムと10ミリオート弾を解き放った。そして、ワイヤーで拘束されているベルトコーネの後頭部へと弾丸がゼロ距離射撃で叩き込まれるのだ。
それは確証だった。グラウザーが撃った弾丸がダメージを与えているのだ。センチュリーが放った弾が効果を発揮しないはずが無い――、そうセンチュリーは確信していたのだ。
だが、現実は常に想像通りに進むとは限らない。
――ガキィィイン!!――
鉛弾が弾かれる。まるで目に見えない鋼鉄の防壁でもそびえているかのように、2種の弾丸は火花を散らして弾かれたのである。それはまさに異様な光景だった。
「なっ?!」
思わず絶句するセンチュリーに、ゆっくりと視線を振り向けてきたのはベルトコーネである。センチュリーの特殊ツールが放ったワイヤーに全身を拘束されつつも、マイクロマシンワイヤーを軋ませながら不気味な怒れる視線をセンチュリーへと向けてきたのだ。
その視線に射抜かれるように、センチュリーは思わず後ずさった。センチュリーは気づいていなかったが、それは明らかに怯えと恐れの現れであった。
「ちぃっ!」
10mほどの距離を取り、改めて2つの銃口をならべて狙いすます。しかしそれはもはや警告にはなっていない。それを示すかのようにベルトコーネの口から地の底から響くような声で、警句の言葉が発せられたのだ。
「それだけか?」
ベルトコーネの両腕がワイヤーに抵抗し始めた。頑強であり強靭という言葉を具現化したかのような白銀の微細鋼線だが、それですらもベルトコーネの狂える魔拳を止めることは不可能だった。
そもそも、センチュリー専用ツールであるアクセルワイヤーは。高強度金属とカーボン系単分子素材で作られた直径1ミリの高硬度マイクロマシンをカーボンフラーレンワイヤーで連結したものである。一つ一つの単位のマイクロマシンは3本のマイクロアクチュエーターユニットを持ち、カーボンフラーレンワイヤーを芯材として直列に連結している。そして3本のマイクロアクチュエーターが伸縮可動することでアクセルケーブルを単なる紐状のムチではなく、高強度ハイパワーな〝極細触手〟として機能させる事ができるのである。
刺突、巻き付き、拘束、圧縮、切断、打撃――考えうるあらゆる運用が可能なマルチツールなのだ。
それ故に、拘束対象を単なる単分子ワイヤーで縛り上げた時よりも、対象物に自ら巻き付き、さらにアクチュエーターが稼働して巻き付いた時の形状と稼働角度を自ら固定することができるアクセルケーブルは、より強固に、より精密に、そしてより頑丈に、対象物を捕えることが可能なはずなのだ。
――キンッ! キ、キッ! キン! キン!――
だが、今まさに、まるでピアノで高音域のキーを叩いたかのような音が鳴り響いている。アクセルケーブルを構成する金属製マイクロマシンアクチュエーターがベルトコーネの桁外れな腕力により離断しはじめているのだ。
「うっ、うそだろう?」
両手を釣り上げられY字のポーズに固定されていたベルトコーネだったが、それは拘束状態でありながら、その体躯の各所でまるで〝体内からハンマーで叩いているかの様に〟不気味な剛力を発し、徐々にであるが確実にワイヤーを破壊しつつあった。
甲高い音が鳴り響いていた。それはまさしくセンチュリーが絶対の信頼を置くハイテクツールが奏でる悲鳴である。
「くそっ!!」
センチュリーは内心焦りを覚えながらも更に引き金を引いた。今度は1発づつなどと言う甘いものではない。弾倉に残された弾丸を洗いざらい叩き込む。44マグナムと10ミリオート、ベルトコーネの後頭部へと打ち込みつつ両かかとのダッシュホイールを回転させてベルトコーネの側面から回り込みつつ前方へと位置する。そして敵の頭部へと照準を合わせながら十数発の弾丸を洗いざらいブチ込んだのだ。
――どうだ!――
現状でできる最大の攻撃だった。だが――
「こんな鉛弾がどうかしたか?」
極めて退屈そうにけだるげにベルトコーネがつぶやく。
「これで攻撃手段が打ち止めならこちらからやらせてもらうぞ」
そう呟いたと同時に、センチュリーは信じられない光景を目のあたりにすることとなる。
「ッ!!」
気合一閃、ベルトコーネがいきんだ瞬間、彼を拘束していた微細金属ワイヤーは一気に崩壊する事となった。
――バキィン! ビキィイイン! キンッキンッギィイイン!――
それは引きちぎられた言うよりも――
「アクセルケーブルが――、吹き飛びやがった?!」
――まさに微塵せしめられたかの様な光景であった。
アクセルケーブルの拘束から解き放たれ、ベルトコーネは再び地上へと降り立った。そして地面へとしっかりと両の足で立ちすくむと、その両腕の豪拳を硬く硬く握りしめる。そしてその拳は振りかぶられ今まさに眼前のセンチュリー目がけて振り下ろされようとしていた。
「残弾ゼロ、弾丸は効かねぇ! 武器も防具も無ぇ! それなら!」
センチュリーはとっさに拳銃を隠しホルスターへと戻すと更に数mほど引き下がり、自らも拳を固め直した。強く強く掌を握り込み五指が揺らぐ隙を消し去る。彼もまたその拳で幾多もの困難な任務を乗り越えてきた猛者である。経験の数ならアトラスに並ぶとも劣らないものがある。その強烈な自負がセンチュリーをやってはならない〝賭け〟へと臨ませてしまったのである。
【 特攻装警第3号機センチュリー 】
【 戦闘機能総括制御プログラム 】
【 】
【 武装兵装起動 】
【 起動対象:右腕イプシロンロッド 】
【 第1プロセス 】
【 >超高圧キャパシターコンデンサー 】
【 チャージスタート 】
右の前腕部の内部骨格部に仕込まれた超電導シリンダー、橈骨と尺骨の位置に備わったそれは瞬間的に大電流を送り込むことで数十トンの破壊的な打撃力を発揮する事が可能だ。装備すれば誰でも扱えると言うわけではないが、センチュリーの様に格闘技武術に精通したものなら、イプシロンロッドが発するパワーを的確に発揮することが可能なはずなのだ。
しかし――
【 >超高圧キャパシターコンデンサー 】
【 充填完了まであと7秒 】
超高圧キャパシターコンデンサーは背面の肩甲骨の辺りに備わっている。コンデンサー充填にかかる時間は数秒から十数秒――、センチュリーはその焦りからか、キャパシターコンデンサーへのエネルギー充填の完了を待たずにその拳を繰り出してしまったのである。
「やってやらぁ!! 来やがれ! 殺戮キチガイのうすらデカ!」
センチュリーは再びその左足を踏み出して踏みしめる。そして自らの身体をベルトコーネに向けて向かい合わせると右拳を肩の位置まで引き絞って狙いを定める。下半身の軸を回転させて右足を踏みしめる。
そのセンチュリーの真正面で、ベルトコーネもその拳を振りかぶった。
互いが互いに、その拳を撃鉄のように引き絞り、今まさに引くに引けない決闘のように銃口を向けあっているのだ。
そして――、センチュリーはその拳を解き放った。ベルトコーネの拳を打ち砕くことを願いながら。運命の瞬間はすぐそこまで近づいていたのである。
引かれた2つの引き金は44マグナムと10ミリオート弾を解き放った。そして、ワイヤーで拘束されているベルトコーネの後頭部へと弾丸がゼロ距離射撃で叩き込まれるのだ。
それは確証だった。グラウザーが撃った弾丸がダメージを与えているのだ。センチュリーが放った弾が効果を発揮しないはずが無い――、そうセンチュリーは確信していたのだ。
だが、現実は常に想像通りに進むとは限らない。
――ガキィィイン!!――
鉛弾が弾かれる。まるで目に見えない鋼鉄の防壁でもそびえているかのように、2種の弾丸は火花を散らして弾かれたのである。それはまさに異様な光景だった。
「なっ?!」
思わず絶句するセンチュリーに、ゆっくりと視線を振り向けてきたのはベルトコーネである。センチュリーの特殊ツールが放ったワイヤーに全身を拘束されつつも、マイクロマシンワイヤーを軋ませながら不気味な怒れる視線をセンチュリーへと向けてきたのだ。
その視線に射抜かれるように、センチュリーは思わず後ずさった。センチュリーは気づいていなかったが、それは明らかに怯えと恐れの現れであった。
「ちぃっ!」
10mほどの距離を取り、改めて2つの銃口をならべて狙いすます。しかしそれはもはや警告にはなっていない。それを示すかのようにベルトコーネの口から地の底から響くような声で、警句の言葉が発せられたのだ。
「それだけか?」
ベルトコーネの両腕がワイヤーに抵抗し始めた。頑強であり強靭という言葉を具現化したかのような白銀の微細鋼線だが、それですらもベルトコーネの狂える魔拳を止めることは不可能だった。
そもそも、センチュリー専用ツールであるアクセルワイヤーは。高強度金属とカーボン系単分子素材で作られた直径1ミリの高硬度マイクロマシンをカーボンフラーレンワイヤーで連結したものである。一つ一つの単位のマイクロマシンは3本のマイクロアクチュエーターユニットを持ち、カーボンフラーレンワイヤーを芯材として直列に連結している。そして3本のマイクロアクチュエーターが伸縮可動することでアクセルケーブルを単なる紐状のムチではなく、高強度ハイパワーな〝極細触手〟として機能させる事ができるのである。
刺突、巻き付き、拘束、圧縮、切断、打撃――考えうるあらゆる運用が可能なマルチツールなのだ。
それ故に、拘束対象を単なる単分子ワイヤーで縛り上げた時よりも、対象物に自ら巻き付き、さらにアクチュエーターが稼働して巻き付いた時の形状と稼働角度を自ら固定することができるアクセルケーブルは、より強固に、より精密に、そしてより頑丈に、対象物を捕えることが可能なはずなのだ。
――キンッ! キ、キッ! キン! キン!――
だが、今まさに、まるでピアノで高音域のキーを叩いたかのような音が鳴り響いている。アクセルケーブルを構成する金属製マイクロマシンアクチュエーターがベルトコーネの桁外れな腕力により離断しはじめているのだ。
「うっ、うそだろう?」
両手を釣り上げられY字のポーズに固定されていたベルトコーネだったが、それは拘束状態でありながら、その体躯の各所でまるで〝体内からハンマーで叩いているかの様に〟不気味な剛力を発し、徐々にであるが確実にワイヤーを破壊しつつあった。
甲高い音が鳴り響いていた。それはまさしくセンチュリーが絶対の信頼を置くハイテクツールが奏でる悲鳴である。
「くそっ!!」
センチュリーは内心焦りを覚えながらも更に引き金を引いた。今度は1発づつなどと言う甘いものではない。弾倉に残された弾丸を洗いざらい叩き込む。44マグナムと10ミリオート、ベルトコーネの後頭部へと打ち込みつつ両かかとのダッシュホイールを回転させてベルトコーネの側面から回り込みつつ前方へと位置する。そして敵の頭部へと照準を合わせながら十数発の弾丸を洗いざらいブチ込んだのだ。
――どうだ!――
現状でできる最大の攻撃だった。だが――
「こんな鉛弾がどうかしたか?」
極めて退屈そうにけだるげにベルトコーネがつぶやく。
「これで攻撃手段が打ち止めならこちらからやらせてもらうぞ」
そう呟いたと同時に、センチュリーは信じられない光景を目のあたりにすることとなる。
「ッ!!」
気合一閃、ベルトコーネがいきんだ瞬間、彼を拘束していた微細金属ワイヤーは一気に崩壊する事となった。
――バキィン! ビキィイイン! キンッキンッギィイイン!――
それは引きちぎられた言うよりも――
「アクセルケーブルが――、吹き飛びやがった?!」
――まさに微塵せしめられたかの様な光景であった。
アクセルケーブルの拘束から解き放たれ、ベルトコーネは再び地上へと降り立った。そして地面へとしっかりと両の足で立ちすくむと、その両腕の豪拳を硬く硬く握りしめる。そしてその拳は振りかぶられ今まさに眼前のセンチュリー目がけて振り下ろされようとしていた。
「残弾ゼロ、弾丸は効かねぇ! 武器も防具も無ぇ! それなら!」
センチュリーはとっさに拳銃を隠しホルスターへと戻すと更に数mほど引き下がり、自らも拳を固め直した。強く強く掌を握り込み五指が揺らぐ隙を消し去る。彼もまたその拳で幾多もの困難な任務を乗り越えてきた猛者である。経験の数ならアトラスに並ぶとも劣らないものがある。その強烈な自負がセンチュリーをやってはならない〝賭け〟へと臨ませてしまったのである。
【 特攻装警第3号機センチュリー 】
【 戦闘機能総括制御プログラム 】
【 】
【 武装兵装起動 】
【 起動対象:右腕イプシロンロッド 】
【 第1プロセス 】
【 >超高圧キャパシターコンデンサー 】
【 チャージスタート 】
右の前腕部の内部骨格部に仕込まれた超電導シリンダー、橈骨と尺骨の位置に備わったそれは瞬間的に大電流を送り込むことで数十トンの破壊的な打撃力を発揮する事が可能だ。装備すれば誰でも扱えると言うわけではないが、センチュリーの様に格闘技武術に精通したものなら、イプシロンロッドが発するパワーを的確に発揮することが可能なはずなのだ。
しかし――
【 >超高圧キャパシターコンデンサー 】
【 充填完了まであと7秒 】
超高圧キャパシターコンデンサーは背面の肩甲骨の辺りに備わっている。コンデンサー充填にかかる時間は数秒から十数秒――、センチュリーはその焦りからか、キャパシターコンデンサーへのエネルギー充填の完了を待たずにその拳を繰り出してしまったのである。
「やってやらぁ!! 来やがれ! 殺戮キチガイのうすらデカ!」
センチュリーは再びその左足を踏み出して踏みしめる。そして自らの身体をベルトコーネに向けて向かい合わせると右拳を肩の位置まで引き絞って狙いを定める。下半身の軸を回転させて右足を踏みしめる。
そのセンチュリーの真正面で、ベルトコーネもその拳を振りかぶった。
互いが互いに、その拳を撃鉄のように引き絞り、今まさに引くに引けない決闘のように銃口を向けあっているのだ。
そして――、センチュリーはその拳を解き放った。ベルトコーネの拳を打ち砕くことを願いながら。運命の瞬間はすぐそこまで近づいていたのである。
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