199 / 462
第2章エクスプレス グランドプロローグ
プレストーリー 滅びの島のロンサムプリンセス/涙と妖精と猫耳少女
しおりを挟む
「ハイヘイズってなに?」
ローラがぼそりとつぶやいた言葉にラフマニは視線を向けてきた。彼としては不用意に漏らした言葉なのだろう。気まずそうに沈黙するがそのままはぐらかすような事はしない。彼もまた、この街には不似合いなくらいに素直で誠実な少年であった。
「昔のことを思い出すからあんまり話したくないんだけど――、まぁ、わかりやすく言えば違法外国人の遺棄された『戸籍』の無い子供のことさ。保護してくれる親がはじめから居ないか、見捨てられたか、大抵はろくな生まれ方はしてないんだ。世の中から消えても誰も困らない。困らないからこそ、たちの悪い連中には餌食にするにはちょうどいいんだ。組織の最下層に組み込まれたり、とっ捕まって加工されたり改造されたりして商品にされちまったり、病気になっても助けてくれるヤツラは誰も居ないから野垂れ死ぬこともある。それでも――、それでもさ――」
ラフマニの脚が不意に止まる。そして、天を仰いで頭上の満月に視線を向ける。
「この世に生まれたからには生きていたいんだよ」
雪は止んでいたが夜も遅くなり気温はさらに冷えようとしている。自らの生い立ちを明かすたびに、ラフマニの喉から漏れる吐息は真っ白なシルエットで天に向けて漂っていた。
「だれもはじめから死にたいと思って生まれてくるはずないだろ?」
歩みを止めたラフマニは視線をおとすとローラの顔を見つめてくる。そして、憂いを帯びた声で問いかけてくるのだ。
「ローラ、お前はどうだ?」
それはローラにとって生まれて初めて問われる言葉だった。考えもしなかった、そんな事を思案する必要があったことはただの一度もなかった。ただ、創造主であるディンキーの意思のままに動いていればよかったのだ。なぜなら彼女はまさに『マリオネット』なのだから。
だが、ローラは朧気ながら自らについて気づき始めていた。創造主ディンキーがすでにこの世に居ないからこそ、自らを縛る見えない糸が失われたということに。糸の切れたマリオネットは自らのアイデンティティに揺れていたのだ。
「私は――その――」
生きるか死ぬか、何のためにこの世に生まれてきたのか――、植え付けられたプログラムでは得られない自分自身でしか生み出せない正解のない答えのようなものだ。
何故、生きる?
何故、動く?
何故、逃げる?
何故、感じる?
命じる人は?
所有する人は?
果たすべき使命は?
背負うべき役割は?
お前は誰? 私は誰? 私は何? 私は何処へ向かう?
私は――、私は――、私は――
思考のループが堂々巡りを産み始めていた。テロリストの宿命と役割から解き放たれたというその事実――、それはローラをローラ自身として成立させていた全ての理が為す術無く壊れ去ったということでもあるのだ。
私は何者なのだろう? ローラはその言葉にたどり着いてしまったのだ。
「う――、うぅ――」
涙が溢れてくる。止めどなく、ただ流れてくる。
「おい? おい、ローラ?」
ラフマニが問いかけるもローラの涙は止まらない。自らが『からっぽ』だと言う現実に気づいてしまったのだから。両手で顔を覆うも、それでもなお涙はあふれた。
「ごめ――、ごめん――」
ラフマニはそれでもローラを守ろうとしていた。戸惑いつつ言葉を探しながら、自らの羽織ったマント代わりの布を広げて、その下にローラを招き入れる。そして、彼女の肩をしっかりと抱いてやる。
「泣きたいだけ泣けよ」
その言葉にすがりつくように、ローラはラフマニに抱きつきすがりついていた。ラフマニはそれを拒まなかった。
「この街に、この島に、流れ着いてくる奴に幸せな奴なんて居ないんだ。気が済むまで泣いていいよ」
ラフマニはローラを抱き寄せた。雪が降り止んだ星空の下、互いの体温を交換するように隙間なく抱き合っていた。そしてラフマニはローラに対して抱いた思いを告げる。
「俺が守ってやるからさ」
「うん――」
2人は抱き合ったままメインストリートから離れていく。人気の少ない倉庫街の様なエリアへと脚を向ける。そこは東京アバディーンの外れのエリア、この島のどこにも己の居場所を見つけられなかった者が流れ着く場所だった。
ここは東京アバディーン――
社会の流れから切り離され、力関係だけがモノを言う場所。
そこは『ならず者の楽園』と呼ばれる街である。
@ @ @
6羽の羽根つき妖精が、そのデッドエンドタウンの空を飛んでいた。極彩色の光を放ちながらその街の様々な場所を飛んでいる。そして、その妖精たちを使役しているのは三つ揃えのスーツ姿にステッキにシルクハットと言う出で立ちをした猫耳の少女だ。真っ白い素肌にプラチナブロンドが輝いている。そして、それはひときわ高いとある雑居ビルの頂きに佇んでいた。
「うっわぁ~~ 熱いんだぁ」
とあるビルの頂き、屋上の端に腰掛けて猫耳少女は眼下を見下ろしている。そこにはラフマニとローラの姿がある。
「あ、これってリア充ってやつ? なにさ! 人間じゃないくせにぃ! ぷんすか!」
猫耳少女は手足をパタパタさせてご立腹である。ラフマニたちを不満気に眺めていたのだが、異変が起きたことに気づいた。
「あれれ? なにあれ? 怪我して真っ赤っ赤、――っと、どう見てもフツーじゃないよねぇ」
口元に指をあてて思案しているが回線を通じてクラウンに呼びかけた。
〔クラウン様――、おーい!〕
少し待てば返事はすぐに帰ってくる。
〔なんです? イオタ?〕
イオタという名の猫耳少女は耳をピクピク動かしながら答え返す。
〔んっとね、例のお姫様のところに怪我人だよー、随分殴られたらしくて血だらけー〕
〔それはいけませんね――〕
無線音声が途切れるが、その続きはイオタの背後からすぐに聞こえた。
「なにかトラブルのようですねぇ」
「うわ! びっくりした!」
「驚くことはないでしょ。赤の他人じゃないんだし」
どこから現れたのか、クラウンはイオタの背後に立っていた。その隣には化けガエルのイプシロンも一緒だ。
「あやや、怪我してる。誰かに襲われてる。もしかしてあの男の子のトモダチ?」
「トモダチと言うより仲間でしょうねぇ。たしか、似たような境遇の子の浮浪児たちが集まって暮らしているはずです。ここはそう言う街ですから。」
「じゃぁじゃぁ、他の子供たちも危ないかもぉ」
「でしょうねぇ。襲われたのがあの子だけとは思えませんし」
クラウンの言葉にイオタは振り向きながら問いかけた。
「どうする? クラウン様ぁ?」
「そうですねぇ。ゼータを向かわせましょう」
クラウンは回線越しにゼータに呼びかけた。
〔聞こえていますね? ゼータ、あの少年たちのアジトを探しなさい。もし襲撃されていたら先回り攻撃しても構いません。われわれもすぐに向かいます〕
ゼータは基本的にしゃべらない。無線回線の向こうからは返事は帰ってこなかったが、指示を的確に理解しているはずだ。デッドエンドタウンの空を極彩色の光が軌跡を描きながら街の深部へと舞い降りていく。
「では参りましょう」
クラウンがビルの頂きから飛び降りるとすぐにその姿は虚空へと消える。そして、イプシロンとイオタも後に続く。彼らの姿は闇夜へとかき消えていく。まるで実体がないかのように――
ローラがぼそりとつぶやいた言葉にラフマニは視線を向けてきた。彼としては不用意に漏らした言葉なのだろう。気まずそうに沈黙するがそのままはぐらかすような事はしない。彼もまた、この街には不似合いなくらいに素直で誠実な少年であった。
「昔のことを思い出すからあんまり話したくないんだけど――、まぁ、わかりやすく言えば違法外国人の遺棄された『戸籍』の無い子供のことさ。保護してくれる親がはじめから居ないか、見捨てられたか、大抵はろくな生まれ方はしてないんだ。世の中から消えても誰も困らない。困らないからこそ、たちの悪い連中には餌食にするにはちょうどいいんだ。組織の最下層に組み込まれたり、とっ捕まって加工されたり改造されたりして商品にされちまったり、病気になっても助けてくれるヤツラは誰も居ないから野垂れ死ぬこともある。それでも――、それでもさ――」
ラフマニの脚が不意に止まる。そして、天を仰いで頭上の満月に視線を向ける。
「この世に生まれたからには生きていたいんだよ」
雪は止んでいたが夜も遅くなり気温はさらに冷えようとしている。自らの生い立ちを明かすたびに、ラフマニの喉から漏れる吐息は真っ白なシルエットで天に向けて漂っていた。
「だれもはじめから死にたいと思って生まれてくるはずないだろ?」
歩みを止めたラフマニは視線をおとすとローラの顔を見つめてくる。そして、憂いを帯びた声で問いかけてくるのだ。
「ローラ、お前はどうだ?」
それはローラにとって生まれて初めて問われる言葉だった。考えもしなかった、そんな事を思案する必要があったことはただの一度もなかった。ただ、創造主であるディンキーの意思のままに動いていればよかったのだ。なぜなら彼女はまさに『マリオネット』なのだから。
だが、ローラは朧気ながら自らについて気づき始めていた。創造主ディンキーがすでにこの世に居ないからこそ、自らを縛る見えない糸が失われたということに。糸の切れたマリオネットは自らのアイデンティティに揺れていたのだ。
「私は――その――」
生きるか死ぬか、何のためにこの世に生まれてきたのか――、植え付けられたプログラムでは得られない自分自身でしか生み出せない正解のない答えのようなものだ。
何故、生きる?
何故、動く?
何故、逃げる?
何故、感じる?
命じる人は?
所有する人は?
果たすべき使命は?
背負うべき役割は?
お前は誰? 私は誰? 私は何? 私は何処へ向かう?
私は――、私は――、私は――
思考のループが堂々巡りを産み始めていた。テロリストの宿命と役割から解き放たれたというその事実――、それはローラをローラ自身として成立させていた全ての理が為す術無く壊れ去ったということでもあるのだ。
私は何者なのだろう? ローラはその言葉にたどり着いてしまったのだ。
「う――、うぅ――」
涙が溢れてくる。止めどなく、ただ流れてくる。
「おい? おい、ローラ?」
ラフマニが問いかけるもローラの涙は止まらない。自らが『からっぽ』だと言う現実に気づいてしまったのだから。両手で顔を覆うも、それでもなお涙はあふれた。
「ごめ――、ごめん――」
ラフマニはそれでもローラを守ろうとしていた。戸惑いつつ言葉を探しながら、自らの羽織ったマント代わりの布を広げて、その下にローラを招き入れる。そして、彼女の肩をしっかりと抱いてやる。
「泣きたいだけ泣けよ」
その言葉にすがりつくように、ローラはラフマニに抱きつきすがりついていた。ラフマニはそれを拒まなかった。
「この街に、この島に、流れ着いてくる奴に幸せな奴なんて居ないんだ。気が済むまで泣いていいよ」
ラフマニはローラを抱き寄せた。雪が降り止んだ星空の下、互いの体温を交換するように隙間なく抱き合っていた。そしてラフマニはローラに対して抱いた思いを告げる。
「俺が守ってやるからさ」
「うん――」
2人は抱き合ったままメインストリートから離れていく。人気の少ない倉庫街の様なエリアへと脚を向ける。そこは東京アバディーンの外れのエリア、この島のどこにも己の居場所を見つけられなかった者が流れ着く場所だった。
ここは東京アバディーン――
社会の流れから切り離され、力関係だけがモノを言う場所。
そこは『ならず者の楽園』と呼ばれる街である。
@ @ @
6羽の羽根つき妖精が、そのデッドエンドタウンの空を飛んでいた。極彩色の光を放ちながらその街の様々な場所を飛んでいる。そして、その妖精たちを使役しているのは三つ揃えのスーツ姿にステッキにシルクハットと言う出で立ちをした猫耳の少女だ。真っ白い素肌にプラチナブロンドが輝いている。そして、それはひときわ高いとある雑居ビルの頂きに佇んでいた。
「うっわぁ~~ 熱いんだぁ」
とあるビルの頂き、屋上の端に腰掛けて猫耳少女は眼下を見下ろしている。そこにはラフマニとローラの姿がある。
「あ、これってリア充ってやつ? なにさ! 人間じゃないくせにぃ! ぷんすか!」
猫耳少女は手足をパタパタさせてご立腹である。ラフマニたちを不満気に眺めていたのだが、異変が起きたことに気づいた。
「あれれ? なにあれ? 怪我して真っ赤っ赤、――っと、どう見てもフツーじゃないよねぇ」
口元に指をあてて思案しているが回線を通じてクラウンに呼びかけた。
〔クラウン様――、おーい!〕
少し待てば返事はすぐに帰ってくる。
〔なんです? イオタ?〕
イオタという名の猫耳少女は耳をピクピク動かしながら答え返す。
〔んっとね、例のお姫様のところに怪我人だよー、随分殴られたらしくて血だらけー〕
〔それはいけませんね――〕
無線音声が途切れるが、その続きはイオタの背後からすぐに聞こえた。
「なにかトラブルのようですねぇ」
「うわ! びっくりした!」
「驚くことはないでしょ。赤の他人じゃないんだし」
どこから現れたのか、クラウンはイオタの背後に立っていた。その隣には化けガエルのイプシロンも一緒だ。
「あやや、怪我してる。誰かに襲われてる。もしかしてあの男の子のトモダチ?」
「トモダチと言うより仲間でしょうねぇ。たしか、似たような境遇の子の浮浪児たちが集まって暮らしているはずです。ここはそう言う街ですから。」
「じゃぁじゃぁ、他の子供たちも危ないかもぉ」
「でしょうねぇ。襲われたのがあの子だけとは思えませんし」
クラウンの言葉にイオタは振り向きながら問いかけた。
「どうする? クラウン様ぁ?」
「そうですねぇ。ゼータを向かわせましょう」
クラウンは回線越しにゼータに呼びかけた。
〔聞こえていますね? ゼータ、あの少年たちのアジトを探しなさい。もし襲撃されていたら先回り攻撃しても構いません。われわれもすぐに向かいます〕
ゼータは基本的にしゃべらない。無線回線の向こうからは返事は帰ってこなかったが、指示を的確に理解しているはずだ。デッドエンドタウンの空を極彩色の光が軌跡を描きながら街の深部へと舞い降りていく。
「では参りましょう」
クラウンがビルの頂きから飛び降りるとすぐにその姿は虚空へと消える。そして、イプシロンとイオタも後に続く。彼らの姿は闇夜へとかき消えていく。まるで実体がないかのように――
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
女神様から同情された結果こうなった
回復師
ファンタジー
どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。
和菓子屋たぬきつね
ゆきかさね
キャラ文芸
1期 少女と白狐の悪魔が和菓子屋で働く話です。 2018年4月に完結しました。
2期 死んだ女と禿鷲の悪魔の話です。 2018年10月に完結しました。
3期 妻を亡くした男性と二匹の猫の話です。 2022年6月に完結しました。
4期 魔女と口の悪い悪魔の話です。 連載中です。
刀一本で戦場を駆け巡る俺は無課金侍
tukumo
キャラ文芸
パラレルワールドの戦国乱世、山本伊三郎は数多の戦場に乱入しては刀一差しに上は着流し下は褌一丁に草履で金目の物と食糧をかっさらって生活していた
山本を見掛ける者達は口揃えて彼を
『無課金プレイヤー(侍)』と呼んだ
拝み屋少年と悪魔憑きの少女
うさみかずと
キャラ文芸
高野山から家出同然で上京してきた高校一年生の佐伯真魚(さえきまお)は、真言宗の開祖空海の名を継ぐ僧侶であり、アルバイトの他に幼少からの修行により習得した力で拝み屋を営んでいる。
その仕事を終えた後、深夜の駅前で金髪碧眼の少女と出会った。
悪魔祓いと名乗る彼女には六体の悪魔が憑いていて、佐伯は無理だと呆れる彼女を救うことを宣言する。
東武スカイツリーラインを舞台に仏の道を説く佐伯真魚(空海)と悪魔祓いのアンネ・ミッシェルが学園の怪異や謎を解決しながら、家族になるまでの物語
【第1章完】ゲツアサ!~インディーズ戦隊、メジャーへの道~
阿弥陀乃トンマージ
キャラ文芸
『戦隊ヒーロー飽和時代』、滋賀県生まれの天津凛は京都への短大進学をきっかけに、高校時代出来なかった挑戦を始めようと考えていた。
しかし、その挑戦はいきなり出鼻をくじかれ……そんな中、彼女は新たな道を見つける。
その道はライバルは多く、抜きんでるのは簡単なことではない。それでも彼女は仲間たちとともに、メジャーデビューを目指す、『戦隊ヒーロー』として!
社畜がひとり美女に囲まれなぜか戦場に~ヘタレの望まぬ成り上がり~
のらしろ
ライト文芸
都内のメーカーに勤務する蒼草秀長が、台風が接近する悪天候の中、お客様のいる北海道に出張することになった。
移動中の飛行機において、日頃の疲れから睡魔に襲われ爆睡し、次に気がついたときには、前線に向かう輸送機の中だった。
そこは、半世紀に渡り2つの大国が戦争を続けている異世界に直前に亡くなったボイラー修理工のグラスに魂だけが転移した。
グラスは周りから『ノラシロ』少尉と揶揄される、不出来な士官として前線に送られる途中だった。
蒼草秀長自身も魂の転移した先のグラスも共に争いごとが大嫌いな、しかも、血を見るのが嫌いというか、血を見て冷静でいられないおおよそ軍人の適正を全く欠いた人間であり、一人の士官として一人の軍人として、この厳しい世界で生きていけるのか甚だ疑問だ。
彼を乗せた輸送機が敵側兵士も多数いるジャングルで墜落する。
平和な日本から戦国さながらの厳しいこの異世界で、ノラシロ少尉ことヘタレ代表の蒼草秀長改めグラスが、はみ出しものの仲間とともに仕出かす騒動数々。
果たして彼は、過酷なこの異世界で生きていけるのだろか
主人公が、敵味方を問わず、殺さずに戦争をしていく残酷シーンの少ない戦記物です。
もしも、記憶力日本一の男が美少女中学生の弟子を持ったら
青キング
キャラ文芸
記憶力日本一の称号を持つ蟹江陽太は、記憶力の大会にて自身の持つ日本記録を塗り替えた。偶然その瞬間を見届けていた一人の少女が、後日に彼の元へ現れ弟子入りを志願する。 少女の登場によりメモリースポーツ界とそれぞれの人間関係が動き出す。
記憶力日本一の青年+彼に憧れた天才少女、のマイナースポーツ小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる