155 / 462
第1章ルーキーPartⅢ『天空のコロッセオ』
第27話 天空のコロッセオⅧ/―鋼の心臓―
しおりを挟む
そして――
残る戦いは一つだけとなった。
マリーが倒れ、
アンジェが倒れ
ローラが逃走し、
ジュリアが破壊され、
ガルディノが霧散し、
コナンはその魔剣を断ち折られた。
最後に残された者、それはアトラスのその拳を砕いたアイツだった。それは現時点において、アトラスにしか太刀打ちできない相手である。
そして、彼もまたアトラスを待っていたのである。
@ @ @
第4ブロック階層の西側エリア。対峙するのはアトラスとベルトコーネ。
かつて南本牧の埠頭で向かい合い、互いの拳を破壊し合った同士である。
黒いレザー仕立てのバイカーズジャケットの上下を纏い、白髪オールバックの白人系。その全身を見てもコナンと異なり人工物めいた要素はその外見からは感じられない。ただ、その全身のそこかしこにベルト状の拘束具が存在している。今でこそ拘束は解かれているが、何らかの状況の時にはそれが作動してベルトコーネを拘束するのは確かである。
西側の外周ビルの間際、ベルトコーネは立ち尽くし、じっと眼前を見据えている。その視線の先には一人のアンドロイドが居る。
――特攻装警第1号機アトラス――
全身、特殊チタン合金で出来た最高強度の鋼の警察官である。
アトラスは身につけていたフライトジャケットを脱ぎだすと、それを片手で投げ放った。視線はベルトコーネからは離さない。ただ、一直線に眼前を見るのみだ。
二人の間に言葉はない。
ベルトコーネの視線が語る。
――来い――
アトラスの歩みが語る。
――お前を倒す――
ベルトコーネもまた両手を軽く開いて握りしめてを繰り返すと、骨が軋むかのような力を込めて握りしめる。構えはとらず両腕を自然に下へと下げている。いわゆる無為の構えだ。
対するアトラスは両腕を下へと下げているがいつでも構えを取れるように両腕に力が込められている。さしずめリングの中央へと向かうボクサーの如しである。
構えをとらず待ち構えるベルトコーネに対して、一撃の威力を狙って拳を固めるアトラス。
全く異なる2人は切っ先を先んじたのは、先に歩み始めたアトラスである。はじめはゆっくりと、そして徐々に足早に。少しづつ歩みを早め勢いを付けると両の拳にすべての力を込めて、弓の弦を引き絞るかのように両の拳を己の眼前で構える。
迷いは一切ない。ただ純粋に立ちはだかる敵を撃破する――、その一点においてのみアトラスは駆け抜け、その勢いを殺さぬままにベルトコーネの懐の間合いへと飛び込んでいく。
アトラスは理解していた。
ベルトコーネは飛び道具を持たない。純粋に己のパワーのみで戦うスタイルだ。
そうであるならベルトコーネの戦闘スタイルはアトラスと同等であるはずだ。
ベルトコーネには40フィートコンテナを一撃で破壊し、巨大な鋼材をダーツのように投げ放つ馬鹿げたようなパワーが有る。かたや、アトラスはパワーこそベルトコーネに劣るものの、そのボディの頑強さこそが何者にも勝る武器だった。
小細工は弄しない。弄する必要すらない。
ただ、その拳撃あるのみだ。
互いの間合いが2mを切った時だ。先手を打って攻撃したのはアトラスである。
飛び込みの勢いを殺さぬまま、右の拳でジャブを繰り出しベルトコーネの顔面を狙う。
ベルトコーネが右へとボディーをスウェーさせてかわすと、アトラスは左の拳をフック気味にベルトコーネの頭部を側面から狙う。
そのアトラスの拳を弾こうと、ベルトコーネの右腕が真下から跳ね上げられるように動き、アトラスの左手首を掴みにかかる。
手首を掴まれぬ様に踏みとどまるアトラスは右手で掌底をつくると、それをベルトコーネの脇腹へと打ち込んでいく。それを牽制するのはベルトコーネの左膝。
左の手首を掴まれずに済むと、アトラスも左膝の蹴りを繰り出して、ベルトコーネの胴体を狙う。
結果、互いの膝頭がぶつかり合い、2人は弾き返されるかのように後方へと退き飛び、4m程の間合いを取ることとなる。
アトラスもベルトコーネも、互いをじっと視線で射抜くかのように睨み合った。
否、睨むというより、攻撃の機会をじっと待ち、限界まで牽制しあっている。
アトラスの左手が手刀を作り、右手は拳を作り腰だめに構えられる。
対するベルトコーネは左半身を後ろに、右半身を前にして、右手を曲げ気味にして構えると左手は腰の裏で拳を作っていた。アトラスはその姿を冷静に見つめながら思う。
――やはり、一撃の一つ一つが重い――
一つだけ明確に解ることがある。このままのやり取りを続けていても、あの南本牧の再現になるだろう。ならば己に課した戒めを解くより他は無い。
――アレを使うなら今だ――
そう判断するアトラスは、この日のために己自身のために仕掛けておいたものを発動させる覚悟を決めた。これは試合ではない。戦いにルールは無いのだ。それは警察として生まれた身の上だと覚悟を決めた時からに当の昔に解っていたことなのだ。
そして――
アトラスはこの日のために己の体内に用意したその装置を起動させる。もはや迷いはなかった。
【 体内主動力レギュレーターリミッター解除 】
【 超電導バッテリーモードから 】
【 マイクロ核融合モードへ移行 】
【 1:炉内圧力 】
【 2:磁力係数 】
【 3:ヘリウム3濃度 ――共に上昇 】
アトラスはアンドロイドである。それも、特攻装警の中では、最も初期に作られた原理試作機だ。構造もシンプルで多彩な機能を持っているわけではない。そのため、様々な現場で機能不足から苦渋を味わうことは日常茶飯事だ。
だが――
だからこそ。アトラスは努力を惜しまない。己を信じ、己を成長させることに迷いが無い。そして、その努力のための手段にも迷いも遠慮も有りはしなかった。
アトラスの体内、その胸部のあたりから甲高いノイズが響いていた。耳障りな、頭に響くような、継続的なノイズ音だ。それは当然、ベルトコーネにも聞こえていた。突如聞こえてきたその音に、無表情な彼も戸惑いを感じずにはいられなかった。
「何だ?」
無口で感情を顔に現さないベルトコーネが、聞き慣れない音に珍しく言葉をともなって怪訝そうにその異音の源に視線を向けていた。
「なんの真似だ」
構えた拳はそのままに、相対する敵が仕掛けてくる行為のその意図を解しかねている。未知の不安は怖れとなり、恐れはベルトコーネの挙動の一部に垣間見えていた。表情から余裕が薄れる。アトラスを見つめていた視線に強い敵意が浮かび始めていた。
だが、アトラスは両手の拳を緩めて腕を下げると全身から力を抜いた。体の緊張を解き、攻撃のモーションを全て消し去ってしまう。いわゆる『無為の構え』だ。両足を緩く開いて立ち、その左目の視線をベルトコーネへと投げかけながらアトラスは穏やかに答える。
「別に特別なことじゃないさ」
そして、右半身と右足を静かに前へ進ませながら、右の手刀を日本刀を突きつけるかの如く突き出す。
「メイン動力を普段の物から、こういう時に使う特別製に載せ替えただけだ」
アトラスがそう語れば、彼の体内から発せられていた甲高いノイズはピークに達したかのようにはっきりと音で聞こえるほどに甲高く大きくなっていた。ベルトコーネにもそれが敵であるアトラスにとってこの時の為に用意しておいた〝奥の手〟であると感じずには居られなかった。
「ほう?」
ベルトコーネも構えた。右半身を前にして右腕をやや下気味に腰の前辺りにで横に構え、左手を胸の前で構える――、いわゆるボクシングのデトロイトスタイルだ。両足にも力を込め、いつでも飛び出せるように準備は抜かりはなかった。
同じくして、アトラスの認識の中にその情報が飛び込んでくる。そして、その時は来た。
【 1:炉内圧力 】
【 2:磁力係数 】
【 3:ヘリウム3濃度 】
【 ――上記3条件。臨界点突破 】
互いに引き絞られた弓のように射放たれるときを待っていた。その先を制してアトラスが告げる。
「お前のために〝心臓〟を入れ替えた」
そして、右膝を引き上げるのと同時に左足を踏みしめる。次の瞬間、鋼鉄の弾丸の如く、アトラスの身体は飛び出していく。
「超電導バッテリーから〝核融合炉心〟にな!」
引き上げた右足が台地を踏みしめるのと同時に“それ”は発動した。
【 強化型タンデムミラー型 】
【 マイクロ核融合炉心 】
【 ――点火―― 】
アトラスのチタン外殻の胸部の中、収められたパルス駆動の核融合炉心は脈動する心臓のように作動を開始した。
ヘリウム3から精製される超高温の灼熱プラズマはHMD発電ユニットへと誘導されて膨大な電力を生み出していく。そして、それはアトラスの全身へと行き渡り電動性の人工筋肉へと絶大なパワーを与えるのだ。
残る戦いは一つだけとなった。
マリーが倒れ、
アンジェが倒れ
ローラが逃走し、
ジュリアが破壊され、
ガルディノが霧散し、
コナンはその魔剣を断ち折られた。
最後に残された者、それはアトラスのその拳を砕いたアイツだった。それは現時点において、アトラスにしか太刀打ちできない相手である。
そして、彼もまたアトラスを待っていたのである。
@ @ @
第4ブロック階層の西側エリア。対峙するのはアトラスとベルトコーネ。
かつて南本牧の埠頭で向かい合い、互いの拳を破壊し合った同士である。
黒いレザー仕立てのバイカーズジャケットの上下を纏い、白髪オールバックの白人系。その全身を見てもコナンと異なり人工物めいた要素はその外見からは感じられない。ただ、その全身のそこかしこにベルト状の拘束具が存在している。今でこそ拘束は解かれているが、何らかの状況の時にはそれが作動してベルトコーネを拘束するのは確かである。
西側の外周ビルの間際、ベルトコーネは立ち尽くし、じっと眼前を見据えている。その視線の先には一人のアンドロイドが居る。
――特攻装警第1号機アトラス――
全身、特殊チタン合金で出来た最高強度の鋼の警察官である。
アトラスは身につけていたフライトジャケットを脱ぎだすと、それを片手で投げ放った。視線はベルトコーネからは離さない。ただ、一直線に眼前を見るのみだ。
二人の間に言葉はない。
ベルトコーネの視線が語る。
――来い――
アトラスの歩みが語る。
――お前を倒す――
ベルトコーネもまた両手を軽く開いて握りしめてを繰り返すと、骨が軋むかのような力を込めて握りしめる。構えはとらず両腕を自然に下へと下げている。いわゆる無為の構えだ。
対するアトラスは両腕を下へと下げているがいつでも構えを取れるように両腕に力が込められている。さしずめリングの中央へと向かうボクサーの如しである。
構えをとらず待ち構えるベルトコーネに対して、一撃の威力を狙って拳を固めるアトラス。
全く異なる2人は切っ先を先んじたのは、先に歩み始めたアトラスである。はじめはゆっくりと、そして徐々に足早に。少しづつ歩みを早め勢いを付けると両の拳にすべての力を込めて、弓の弦を引き絞るかのように両の拳を己の眼前で構える。
迷いは一切ない。ただ純粋に立ちはだかる敵を撃破する――、その一点においてのみアトラスは駆け抜け、その勢いを殺さぬままにベルトコーネの懐の間合いへと飛び込んでいく。
アトラスは理解していた。
ベルトコーネは飛び道具を持たない。純粋に己のパワーのみで戦うスタイルだ。
そうであるならベルトコーネの戦闘スタイルはアトラスと同等であるはずだ。
ベルトコーネには40フィートコンテナを一撃で破壊し、巨大な鋼材をダーツのように投げ放つ馬鹿げたようなパワーが有る。かたや、アトラスはパワーこそベルトコーネに劣るものの、そのボディの頑強さこそが何者にも勝る武器だった。
小細工は弄しない。弄する必要すらない。
ただ、その拳撃あるのみだ。
互いの間合いが2mを切った時だ。先手を打って攻撃したのはアトラスである。
飛び込みの勢いを殺さぬまま、右の拳でジャブを繰り出しベルトコーネの顔面を狙う。
ベルトコーネが右へとボディーをスウェーさせてかわすと、アトラスは左の拳をフック気味にベルトコーネの頭部を側面から狙う。
そのアトラスの拳を弾こうと、ベルトコーネの右腕が真下から跳ね上げられるように動き、アトラスの左手首を掴みにかかる。
手首を掴まれぬ様に踏みとどまるアトラスは右手で掌底をつくると、それをベルトコーネの脇腹へと打ち込んでいく。それを牽制するのはベルトコーネの左膝。
左の手首を掴まれずに済むと、アトラスも左膝の蹴りを繰り出して、ベルトコーネの胴体を狙う。
結果、互いの膝頭がぶつかり合い、2人は弾き返されるかのように後方へと退き飛び、4m程の間合いを取ることとなる。
アトラスもベルトコーネも、互いをじっと視線で射抜くかのように睨み合った。
否、睨むというより、攻撃の機会をじっと待ち、限界まで牽制しあっている。
アトラスの左手が手刀を作り、右手は拳を作り腰だめに構えられる。
対するベルトコーネは左半身を後ろに、右半身を前にして、右手を曲げ気味にして構えると左手は腰の裏で拳を作っていた。アトラスはその姿を冷静に見つめながら思う。
――やはり、一撃の一つ一つが重い――
一つだけ明確に解ることがある。このままのやり取りを続けていても、あの南本牧の再現になるだろう。ならば己に課した戒めを解くより他は無い。
――アレを使うなら今だ――
そう判断するアトラスは、この日のために己自身のために仕掛けておいたものを発動させる覚悟を決めた。これは試合ではない。戦いにルールは無いのだ。それは警察として生まれた身の上だと覚悟を決めた時からに当の昔に解っていたことなのだ。
そして――
アトラスはこの日のために己の体内に用意したその装置を起動させる。もはや迷いはなかった。
【 体内主動力レギュレーターリミッター解除 】
【 超電導バッテリーモードから 】
【 マイクロ核融合モードへ移行 】
【 1:炉内圧力 】
【 2:磁力係数 】
【 3:ヘリウム3濃度 ――共に上昇 】
アトラスはアンドロイドである。それも、特攻装警の中では、最も初期に作られた原理試作機だ。構造もシンプルで多彩な機能を持っているわけではない。そのため、様々な現場で機能不足から苦渋を味わうことは日常茶飯事だ。
だが――
だからこそ。アトラスは努力を惜しまない。己を信じ、己を成長させることに迷いが無い。そして、その努力のための手段にも迷いも遠慮も有りはしなかった。
アトラスの体内、その胸部のあたりから甲高いノイズが響いていた。耳障りな、頭に響くような、継続的なノイズ音だ。それは当然、ベルトコーネにも聞こえていた。突如聞こえてきたその音に、無表情な彼も戸惑いを感じずにはいられなかった。
「何だ?」
無口で感情を顔に現さないベルトコーネが、聞き慣れない音に珍しく言葉をともなって怪訝そうにその異音の源に視線を向けていた。
「なんの真似だ」
構えた拳はそのままに、相対する敵が仕掛けてくる行為のその意図を解しかねている。未知の不安は怖れとなり、恐れはベルトコーネの挙動の一部に垣間見えていた。表情から余裕が薄れる。アトラスを見つめていた視線に強い敵意が浮かび始めていた。
だが、アトラスは両手の拳を緩めて腕を下げると全身から力を抜いた。体の緊張を解き、攻撃のモーションを全て消し去ってしまう。いわゆる『無為の構え』だ。両足を緩く開いて立ち、その左目の視線をベルトコーネへと投げかけながらアトラスは穏やかに答える。
「別に特別なことじゃないさ」
そして、右半身と右足を静かに前へ進ませながら、右の手刀を日本刀を突きつけるかの如く突き出す。
「メイン動力を普段の物から、こういう時に使う特別製に載せ替えただけだ」
アトラスがそう語れば、彼の体内から発せられていた甲高いノイズはピークに達したかのようにはっきりと音で聞こえるほどに甲高く大きくなっていた。ベルトコーネにもそれが敵であるアトラスにとってこの時の為に用意しておいた〝奥の手〟であると感じずには居られなかった。
「ほう?」
ベルトコーネも構えた。右半身を前にして右腕をやや下気味に腰の前辺りにで横に構え、左手を胸の前で構える――、いわゆるボクシングのデトロイトスタイルだ。両足にも力を込め、いつでも飛び出せるように準備は抜かりはなかった。
同じくして、アトラスの認識の中にその情報が飛び込んでくる。そして、その時は来た。
【 1:炉内圧力 】
【 2:磁力係数 】
【 3:ヘリウム3濃度 】
【 ――上記3条件。臨界点突破 】
互いに引き絞られた弓のように射放たれるときを待っていた。その先を制してアトラスが告げる。
「お前のために〝心臓〟を入れ替えた」
そして、右膝を引き上げるのと同時に左足を踏みしめる。次の瞬間、鋼鉄の弾丸の如く、アトラスの身体は飛び出していく。
「超電導バッテリーから〝核融合炉心〟にな!」
引き上げた右足が台地を踏みしめるのと同時に“それ”は発動した。
【 強化型タンデムミラー型 】
【 マイクロ核融合炉心 】
【 ――点火―― 】
アトラスのチタン外殻の胸部の中、収められたパルス駆動の核融合炉心は脈動する心臓のように作動を開始した。
ヘリウム3から精製される超高温の灼熱プラズマはHMD発電ユニットへと誘導されて膨大な電力を生み出していく。そして、それはアトラスの全身へと行き渡り電動性の人工筋肉へと絶大なパワーを与えるのだ。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
アンドロイドちゃんねる
kurobusi
SF
文明が滅ぶよりはるか前。
ある一人の人物によって生み出された 金属とプラスチックそして人の願望から構築された存在。
アンドロイドさんの使命はただ一つ。
【マスターに寄り添い最大の利益をもたらすこと】
そんなアンドロイドさん達が互いの通信機能を用いてマスター由来の惚気話を取り留めなく話したり
未だにマスターが見つからない機体同士で愚痴を言い合ったり
機体の不調を相談し合ったりする そんなお話です
社畜がひとり美女に囲まれなぜか戦場に~ヘタレの望まぬ成り上がり~
のらしろ
ライト文芸
都内のメーカーに勤務する蒼草秀長が、台風が接近する悪天候の中、お客様のいる北海道に出張することになった。
移動中の飛行機において、日頃の疲れから睡魔に襲われ爆睡し、次に気がついたときには、前線に向かう輸送機の中だった。
そこは、半世紀に渡り2つの大国が戦争を続けている異世界に直前に亡くなったボイラー修理工のグラスに魂だけが転移した。
グラスは周りから『ノラシロ』少尉と揶揄される、不出来な士官として前線に送られる途中だった。
蒼草秀長自身も魂の転移した先のグラスも共に争いごとが大嫌いな、しかも、血を見るのが嫌いというか、血を見て冷静でいられないおおよそ軍人の適正を全く欠いた人間であり、一人の士官として一人の軍人として、この厳しい世界で生きていけるのか甚だ疑問だ。
彼を乗せた輸送機が敵側兵士も多数いるジャングルで墜落する。
平和な日本から戦国さながらの厳しいこの異世界で、ノラシロ少尉ことヘタレ代表の蒼草秀長改めグラスが、はみ出しものの仲間とともに仕出かす騒動数々。
果たして彼は、過酷なこの異世界で生きていけるのだろか
主人公が、敵味方を問わず、殺さずに戦争をしていく残酷シーンの少ない戦記物です。
刀一本で戦場を駆け巡る俺は無課金侍
tukumo
キャラ文芸
パラレルワールドの戦国乱世、山本伊三郎は数多の戦場に乱入しては刀一差しに上は着流し下は褌一丁に草履で金目の物と食糧をかっさらって生活していた
山本を見掛ける者達は口揃えて彼を
『無課金プレイヤー(侍)』と呼んだ
【完結】国を追われた巫女見習いは、隣国の後宮で二重に花開く
gari
キャラ文芸
☆たくさんの応援、ありがとうございました!☆ 植物を慈しむ巫女見習いの凛月には、二つの秘密がある。それは、『植物の心がわかること』『見目が変化すること』。
そんな凛月は、次期巫女を侮辱した罪を着せられ国外追放されてしまう。
心機一転、紹介状を手に向かったのは隣国の都。そこで偶然知り合ったのは、高官の峰風だった。
峰風の取次ぎで紹介先の人物との対面を果たすが、提案されたのは後宮内での二つの仕事。ある時は引きこもり後宮妃(欣怡)として巫女の務めを果たし、またある時は、少年宦官(子墨)として庭園管理の仕事をする、忙しくも楽しい二重生活が始まった。
仕事中に秘密の能力を活かし活躍したことで、子墨は女嫌いの峰風の助手に抜擢される。女であること・巫女であることを隠しつつ助手の仕事に邁進するが、これがきっかけとなり、宮廷内の様々な騒動に巻き込まれていく。
※ 一話の文字数を1,000~2,000文字程度で区切っているため、話数は多くなっています。
一部、話の繋がりの関係で3,000文字前後の物もあります。
メカメカパニックin桜が丘高校~⚙①天災科学者源外君の躁鬱
風まかせ三十郎
キャラ文芸
桜が丘高校の二年生にして天災(?)科学者の平賀源外。彼の実験と発明品が他の生徒に恐怖と破壊と殺戮をもたらし、高校を血と涙と笑いで染め上げる! そんな彼の傍若無人な暴走を止められるのは、幼馴染にして正統派科学者の同級生、織美江愛輝ただ一人だけだった。彼女は源外の悪魔の実験の犠牲者、桜井咲子を救うべく、己の研ぎ澄まされた知性と鍛え上げられた肉体を駆使して、狂気の科学者と化した源外と対峙するのであった。
属性 マンガオタ、アニオタ、特撮オタ、科学オタ、古典文学オタ、医学オタ、拳闘オタ、戦国オタ、お笑いオタ、その他。おっさんホイホイ。
(かなり以前に執筆した作品なので、時事ネタなどに多分に古いものが含まれていることをご了承ください)
※短編集②の方もご愛読していただければ幸いです。
私が異世界物を書く理由
京衛武百十
キャラ文芸
女流ラノベ作家<蒼井霧雨>は、非常に好き嫌いの分かれる作品を書くことで『知る人ぞ知る』作家だった。
そんな彼女の作品は、基本的には年上の女性と少年のラブロマンス物が多かったものの、時流に乗っていわゆる<異世界物>も多く生み出してきた。
これは、彼女、蒼井霧雨が異世界物を書く理由である。
筆者より
「ショタパパ ミハエルくん」が当初想定していた内容からそれまくった挙句、いろいろとっ散らかって収拾つかなくなってしまったので、あちらはあちらでこのまま好き放題するとして、こちらは改めて少しテーマを絞って書こうと思います。
基本的には<創作者の本音>をメインにしていく予定です。
もっとも、また暴走する可能性が高いですが。
なろうとカクヨムでも同時連載します。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
もしも、記憶力日本一の男が美少女中学生の弟子を持ったら
青キング
キャラ文芸
記憶力日本一の称号を持つ蟹江陽太は、記憶力の大会にて自身の持つ日本記録を塗り替えた。偶然その瞬間を見届けていた一人の少女が、後日に彼の元へ現れ弟子入りを志願する。 少女の登場によりメモリースポーツ界とそれぞれの人間関係が動き出す。
記憶力日本一の青年+彼に憧れた天才少女、のマイナースポーツ小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる