全てを奪われた者

靴べら

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二度目の死!?

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さて、一悶着あったが今度こそスタート地点に来れただろう。俺の目の前には綺麗な青色の草原が広がっていた。あれ?ステータスを確認するのってどうすればいいんだ?まあテンプレをやってみよう。

「ステータス」

俺がそういう時目の前に半透明の板のようなものが現れる。

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名前:勇也  Lv.1

種族:ヒューマン

術技 なし

魔術 なし

敏捷性4 魔力0 体力2 攻撃力6 防御力8


SP0

アイテム

魔力水 天使の導き


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なんだこのクソみたいなステータスは。はぁ……本当に俺は魔法を使えないのか……?そう落胆しているとふとアイテム欄に入っていた二つのアイテムが目に止まる。

詳細を見るのはどうすればいいのだろうか……とりあえずアイテムをタップしてみよう。

【魔力水】

飲むと魔力値+10

「イヨッシャァァァァァ!!!!」

おっとついつい叫んでしまった。しかし叫ぶのも無理はないと思う。×じゃなくて+なのだ。これほど俺に向いてるアイテムはないだろう。

さて、もう一つの方も確認してみるか。

【天使の導き】

天使ミエルからの導き、もう一度タップすると繋がる。

俺は言われたまんまもう一度タップする。

「ん?あ、繋がりましたね。気づかれたようで何よりです。色々話を聞いて流石に不憫に思ったので……私からのプレゼントです。安心して下さいください。責任は全て上司たるこのアニマ様が取ってくださいます。ね?アニマ様?」

「は、はい……だからもうやめてぇ……」

ナニをされていたのだろうか。アニマはそのまんま倒れ声も出さない。いや、少しピクピクと動いているな。まああいつがどうなろうと俺の知ったことではない。そもそも誰に対して責任を取るんだ?あいつが最高責任者だろうに。

「それでは出来る限り死ぬことはないように頑張って下さい!失礼します。あ、また連絡を取りたければそちらのアイテムを使うことができますのでご活用ください。まあ基本的に繋がるのはアニマ様の方ですがね。」

どうやらあの天使さんはなかなか使え……いや、いい人のようだ。

まあもうあのアイテムにお世話になることはない。

俺はありがたくさっさと魔力水を飲む。魔力の欄をタップして説明を見るとどうやら自然回復するようだ。各魔術を取得するのにも魔力値を使うらしい。下級魔術で5ポイントだ。高くね?いや、俺の魔力が低すぎるからだろうか?

とりあえずファイヤーボールなるものを取得しておいた。一番使い勝手が良さそうだ。街中では使えないけど。

それぞれのステータスについて調べてみたけどどうやら體力は0になってもすぐに死ぬわけではないらしい。逆に體力がまだ殘っていても突発的な事故で死ぬこともあるんだとか……

そして後気になるのはSPだな。どれどれ?どうやらレベルを上げることで手に入るポイントらしい。主に術技、魔術を習得するための物だとか。

さて……一通りのかくにんは終わったが……何しようか。

「……!誰だ!?」

 ふと気配を感じて後ろを振り返る。するとそこには1匹のスライムがいた。

「【パラライズ】ってあれ?」

嘘だろ……?スライムにも勝ってるステータスが一つもないなんて……

「ほら、どっか行けよ。なんだ?俺を小馬鹿にしてるのか?」

俺はパラライズを解除してスライムを逃がそうとする。するとスライムは全身を震わせてこっちに寄ってきた。これは……拒否という形でいいのだろうか?

「……お前も一緒に来るのか?」

すると今度は全身を縦に震わせる。言語理解が出来ているのだろうか?

そんなことを思っているといきなり目の前に半透明のプレートが現れた。

【従魔契約をしますか?】YES/No

俺は迷わずYESを押す。これは魔法の範疇に入らないのか……?

《【召喚魔法】が解放されました。》

あ、魔法扱いなのね……

俺は召喚魔法の欄をタップする。

【召喚魔法】

従魔登録した魔物がどこにいても召喚できる(死亡している場合は契約は解除される。一体の召喚につき最低100ポイント。

横に従魔召喚の欄があったので押してみることにした。

《ポイントが足りません。必要ポイント1万》

だよな……って1万!?なんで!?スライムだぞ?もしかしてこの世界じゃスライムって強い部類の魔物なのか?

まあいいか……とりあえずはステータスだよな。

俺は従魔の欄にあったスライムをタップする。

《名前を決めてください》

書いてあったのはそれだけだった。名前をつけないと見れないタイプなのか?スライムだから単純にライムでいいか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前:ライム Lv.20

種族:スライム 

魔術 無属性

術技 捕食

特殊 反射

耐性 物理攻撃耐性 魔力攻撃耐性

生命力200 攻撃力250 魔力500 防御力350


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

うん、軒並み3桁……てかあれ?なんだか表示が少なくないか?まあいい……強くね?物理魔力両方耐性持ってるとかどうやって倒すんだよ……

「ライム行くぞ。」

俺はライムに声をかけて前に進んで行く。ライムはぴょんぴょん飛んで着いてきた。これあのクソ女神もといアニマより可愛くね?いや、可愛いのベクトルが違うな。あいつは女神だけあって顔だけはかなりいい。対してライムはペットのような感覚だ。そもそも土俵が違うのだから比べるの自体愚かだろう。

てか魔物凄いよってくるんだけど!?まあゴブリンばっかりだからパラライズ効くけどさ。動き止めた後にトドメを刺す手段がないんだよ……今は襲ってきた魔物全部パラライズで麻痺させてある。レベル2でも案外いけるものなんだな。

「ライム、こいつら食えるか?」

色々考えてたらふとライムには捕食とかいう技能があることを思い出した。

でもライムが食ったところで俺に経験値入んないと意味ないよな。一応契約してるわけだから経験値は入ってくるのか……?

俺は少し調べるためにステータスを呼び出し従魔契約の欄を押す。

【従魔契約】

魔物と契約する。契約した魔物が得た経験値の半分が自分に流れてくる。

経験値を分けることができるのか。それならなんも問題はないな。

「ライム、やってくれ。」

ん……?あれなんだ?

ライムがゴブリンどもを捕食している間に周りを見てみると遠くの方から謎の黒い物体が飛んで来ていた。

おいおい……あれやばいやつじゃねぇの?

「ライム!早く逃げるぞ!!食ってなくていいから早く!!」

しかしライムは動こうともしない。

「あ……これ死んだ。」

そう呟いた瞬間俺は業火に包まれた。
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