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戸惑い
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「お久しぶりですわね」
眠るつもりなど無かったのだが、咄嗟に動揺を隠してこの森の主と対面する。
「そうだね。ここにいるということは思い出したんだね?」
精霊様が面白そうにニヤリと笑う
「ええ、思い出してしまいましたわ。でもそのおかげで私の大事な人を守ることができました。
ところで精霊様、急ぎなのですが、この方を完全に治してもらうことはできますか?」
私は光魔法が使えるはずだが、ハウンドさんを完治まで持っていくことはできなかった。
「たしかに、早く治療した方が良さそうだ。ちょっと見せてごらん。」
彼の傷口を見た精霊様は、何か納得したご様子で、あっという間にハウンドさんを回復させた。
「ぅ、うん、あれここは?」
ハウンドさんは意識が戻ったようだ。
「ハウンドさん!良かった! 光魔法がかかったはずなのだけど、一向に目を覚まさないから心配したわ」
ハウンドさんは大きく目を見開いて、何かを言おうとしたように見えたが、次に口を開いたのは精霊様だった。
「そのことだが、テレーサ。前に、魔力は魂に結び付けられるという話をしたね?
だから、君も風魔法と光魔法両方が使える。だけど、前の君は自身に光魔法の素質があることを知らなかった。つまり、演習をしていない魔法の、光魔法のレベルは地に等しい。それでその男の傷を完全に治療することは叶わなかったんだろう。どの道ここにきたのは正解だよ。」
「そうですか、確かに私光魔法なんて使ったことがなかったわ。それで威力が弱かったのね。あの、本当にありがとうございました、精霊様。」
精霊様には感謝してもしきれない。どうやってご恩を返そうか。そう考えているとハウンドさんがむくっと立ち上がった。
「あの、僕全く状況が掴めてないのですが……
テレーサちゃんが光の巫女ってこと?
あと、その人は?」
そうだった。私は急いで事の顛末を話すことにした。
「テレーサちゃんまずは僕を助けてくれてありがとう。
でもちょっと待って、あのテレーサちゃんがかのモンタニア国のお嬢様だったって事!?それで、2つの魔法も使えて、この方は精霊様だって?」
ハウンドさんは卒倒しそうな勢いだった。
まあそりゃそうよね… 私も今さっき記憶が戻ってまだ受け止めきれてないもの。
「そうなの…私もさっき記憶が戻ったばかりで……
正直混乱しているわ。
ハウンドさん、こんな私でもまた好きになってくれる?」
本音を言うとすごく不安だった。こんなに抱えているものが多い私のことを好きでいてくれるのかと。
「何を言ってるの! 僕はどんなテレーサちゃんでも大好きだよ! どんな未来でも君と一緒に歩みたい。」
真剣な瞳のハウンドさんに私はまた惚れ直した。
「ありがとう。私も大好きよ!」
感動して抱き合っていると、精霊様がおほんと咳をした。
「お熱いところ悪いんだけど、僕のことも忘れないでほしいな。
それと君は前世のことで何かすれ違いがあるようだから、その真実だけ教えてあげる。」
「あの、どういうことで」
瞬間私の頭の中に流れ込んできたのはかつてのお父様の姿だった。
眠るつもりなど無かったのだが、咄嗟に動揺を隠してこの森の主と対面する。
「そうだね。ここにいるということは思い出したんだね?」
精霊様が面白そうにニヤリと笑う
「ええ、思い出してしまいましたわ。でもそのおかげで私の大事な人を守ることができました。
ところで精霊様、急ぎなのですが、この方を完全に治してもらうことはできますか?」
私は光魔法が使えるはずだが、ハウンドさんを完治まで持っていくことはできなかった。
「たしかに、早く治療した方が良さそうだ。ちょっと見せてごらん。」
彼の傷口を見た精霊様は、何か納得したご様子で、あっという間にハウンドさんを回復させた。
「ぅ、うん、あれここは?」
ハウンドさんは意識が戻ったようだ。
「ハウンドさん!良かった! 光魔法がかかったはずなのだけど、一向に目を覚まさないから心配したわ」
ハウンドさんは大きく目を見開いて、何かを言おうとしたように見えたが、次に口を開いたのは精霊様だった。
「そのことだが、テレーサ。前に、魔力は魂に結び付けられるという話をしたね?
だから、君も風魔法と光魔法両方が使える。だけど、前の君は自身に光魔法の素質があることを知らなかった。つまり、演習をしていない魔法の、光魔法のレベルは地に等しい。それでその男の傷を完全に治療することは叶わなかったんだろう。どの道ここにきたのは正解だよ。」
「そうですか、確かに私光魔法なんて使ったことがなかったわ。それで威力が弱かったのね。あの、本当にありがとうございました、精霊様。」
精霊様には感謝してもしきれない。どうやってご恩を返そうか。そう考えているとハウンドさんがむくっと立ち上がった。
「あの、僕全く状況が掴めてないのですが……
テレーサちゃんが光の巫女ってこと?
あと、その人は?」
そうだった。私は急いで事の顛末を話すことにした。
「テレーサちゃんまずは僕を助けてくれてありがとう。
でもちょっと待って、あのテレーサちゃんがかのモンタニア国のお嬢様だったって事!?それで、2つの魔法も使えて、この方は精霊様だって?」
ハウンドさんは卒倒しそうな勢いだった。
まあそりゃそうよね… 私も今さっき記憶が戻ってまだ受け止めきれてないもの。
「そうなの…私もさっき記憶が戻ったばかりで……
正直混乱しているわ。
ハウンドさん、こんな私でもまた好きになってくれる?」
本音を言うとすごく不安だった。こんなに抱えているものが多い私のことを好きでいてくれるのかと。
「何を言ってるの! 僕はどんなテレーサちゃんでも大好きだよ! どんな未来でも君と一緒に歩みたい。」
真剣な瞳のハウンドさんに私はまた惚れ直した。
「ありがとう。私も大好きよ!」
感動して抱き合っていると、精霊様がおほんと咳をした。
「お熱いところ悪いんだけど、僕のことも忘れないでほしいな。
それと君は前世のことで何かすれ違いがあるようだから、その真実だけ教えてあげる。」
「あの、どういうことで」
瞬間私の頭の中に流れ込んできたのはかつてのお父様の姿だった。
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