川崎マフィア 〜こちら、HAPPINESS CLUB〜

ニコラテトラ

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龍星本山編

七話 名前を入力してください。

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「くそっ、いくら片付けてもキリがねぇ。」

ある日の夕方、俺達マフィア部隊は今まで見たことのない数のに囲まれていた。

「そんな文句を言っても数は減りませんよ。手を動かしてください。

二日前に復帰した清嶺地先輩はつい最近まで片腕が無かったとは思えないほど速いスピードでを片付けていく。

「あーーもう!こんな時にフェデーレさんや野畑さんはなんでいないんだよ!?」

「前者は海外出張中で後者は買い出しですよ。」

「俺も買い出しがよかったぁー。」

そんな会話を続けているとついに被害者が出る。

「皆、すまん、、、。先に逝くぜ、、。」

目の前で倒れるベルガモット。

「おい、おい、どうしたんだよベルガモット。ベルガモットォォォ!!!!」

ベルガモットの体を抱き抱え空に叫んだ。

安らかな顔して眠りやがって、心配すんな後は俺達に任せろ。


「はいはーい。追加ですよぉ~。」

そういって柊が大量の書類を持ってくる。

「おい!起きろ馬鹿!寝るな!」

ベルガモットの顔をバシバシと叩いてみるが彼女は目をぎゅーっと瞑って開こうとしない。

えー。茶番が長くなってしまったが、はい。書類仕事中です。

くら寿司襲撃事件から1週間が経ち、一度は手配書まで出されていた俺たちであったが運よく顔がバレなかったことと、赤城の手回しによってどうにかなった。

しかし、件のくら寿司にはもう行けなくなってしまったわけである。あんな店もう行かねーよボケ。

マフィア部隊の普段の仕事は町内のパトロールや店の経理などの書類仕事であるようで、政府からの命令や依頼が来たときだけ戦闘を行うらしい。

そんな俺らは敵こと書類軍団と戦っているのだが、人間相手をしている方が楽だとも錯覚できるほどに地獄である。

「そんなことやってないで早く仕事を終わらしてください。あなた達のせいでこんなに増えてるんですよ。」

「いや、先輩。一人でも戦力は多い方が良いですよ。だから蘇生を続けます。」

その後も蘇生を試みたが、、、

いくらビンタを喰らわしても寝たふりを続けるベルガモット。

そこまでして働きたくないのかコイツは。

「卍原くん。ベルちゃんの意志は固いから諦めよっか。」

檸檬さんがいつも通りの笑顔で諭してくるが、そういう彼女もだいぶ参っているようだ。

蜜柑さんに至ってはコソコソとスマホゲームを始めている。

さっさと終わらせてベルガモットの邪魔するかぁー。

大体2時間ほど経過した頃、、、

「んんーっ終わったぁー!」

「大変でしたねぇ~。」

「皆さんお疲れ様です。卍原くん、新人なんですから飲み物を買ってきてください。」

「先輩、それパワハラっすよー。てか、多すぎやないですか?」

「どこぞの馬鹿二人組が混乱に乗じて盗みを働くからですよ。」

「なんて酷い輩なんだ。先輩捕まえに行きましょう!」

「貴方の情報を警察に提供すれば謝礼金がもらえるかもしれませんね。」

そういってスマホを触り出す清嶺地先輩。

「主犯格はコイツで俺は人質なんで俺は悪くないっす。」

「おい!取り分は5:5って言ってたろ!?俺に罪をなすりつけんなら、あと3万、、いや4万寄こせ!!!」

突如、ベルガモットが起き上がり喚きだす。

なんて愚かな娘なんだ。自分の人生を4万で売るなんて、、、。コイツ金払ったら簡単にヤらせてくれそうな気がすんな。

「おはようベルちゃん。貴方の机見てみて!」

「おはよう姉貴。ってなんでやってくれてねーんだよ!?」

コイツ、、、。まじでサボる気満々かよ。

ベルガモットの机には今にも倒れてきそうなほどの書類が積まれていた。

コイツ終わたな。

「やっほーみんなー!」

ドアを開けて入ってきたのは野畑。
買い出し長くね?

「何やってたんですか?」

「今からー卍原クンのコードネームを決めまーす!!どんどんパフパフーーー!!」

おぉ!ついに来たか!

「僕が遅くなったのはコレを作っていたからです!ジャジャーン!」

そうして野畑が取り出したのは、くじ箱

「くじで卍原くんのコードネーム決めるんですか?候補を見せてください。」

「ストーップだよ。清嶺地チャン。クジは皆で作るんだ。」

「なるほど。」

「みんなで候補を決めてそこから選ぶってことだね!」

「正解!だけど、それだけじゃ面白くないから2枚選んでそれらを組み合わせた物をコードネームにしようと思うんだ。」

「ちょっと待ってください!?」

「なんだい卍原クン?」

「コードネームってそんな感じで決められるんですか?皆さん神話とか物語が由来してましたよね!?」

「それはね、つい1年くらい前までは名前決めのジョナサンっていう名前決め係がいたんだけど、死んじゃった。」

「いや、ジョナサン頑張れよ!?せめて後1年生きてくれよ!!!」

「君、たまに無茶苦茶なこというよね~。
よし!今からくじ配るから、好きな名前を書いてくれ!」

こうしてくじ引き大会が始まったわけだが、これ、しくじったら俺終わりでは?
二つの言葉を組み合わせるとすると下手な言葉は書けない。

どうする?安直にボマーとかにするか?いや待て、これでもう一つが爆殺狂とかだったら爆殺狂ボマーとかいう頭の悪い名前になってしまう。

3分ほど考えた結果。

よし、ノーベルにしよう。これなら爆弾にも由来があるし何が来てもダサくはならんだろ。

「みんな書けたかなー!?」

「書けた人から箱に入れてくれ!」

続々と箱にくじを入れていく信頼できない仲間達。特にベルガモットと清嶺地先輩はロクな言葉を書いていないだろう。

最後に俺がくじを入れて、くじ引きが始まる。

「まず、、一つ目はーー?」

「ジャジャン! “ゲン○ルー“!!!」

「「ブッ!!」」

これはマズイ。非常にマズイ。某ハンターかけるハンターしちゃう漫画の人じゃないか。

ネタバレや著作権諸々で消されてしまう。

「そして2つ目はーー?」

このまま続けるのかよ!?

「ジャジャン! “早く新巻出せ“!!!」

絶対これ同じやつが2枚出しただろ!?

「てことで、合わせて“ゲ○スルー早く新巻だせ“でいいかな?」

「まじで、ヤバいっすよそれ、、、。俺達、終わっちゃいますよ。それにゲ○スルーに続きは書けませんよ!?」

「確かに、これは長すぎるなぁー。もう一回引き直すか。」

野畑がくじを元に戻し箱を振る。

いや、それじゃ解決になってないんですけど。

再びくじが引かれる。

「まず、一つ目! “田中“!!!」

終わった。

全て終わりだ。世界の終わりだ。

清嶺地先輩がニヤつきながらこっちをみてくる。その乳もぎ取ってやろうか。

「そして!二つ目はー!  “アルハゼン“!!!」

「おっ!俺が書いたやつじゃねーか!」

ベルガモットが書類仕事から顔を上げ、少し嬉しそうな声を上げる。

「テメェ、クソアマァァ!なんで?なんでなんだよ!?どこにアルハゼン要素があるんだよ!?」

「なんとなく。」

「なんとなくで俺のマフィア人生終わったんですがぁ!?」

「じゃあ二つ合わせて、“アルハゼン田中“ってことで。」

「え?まじで言ってんの?流石に嘘だろ?おい野畑ぁ!?」

「そんなに嫌かい?でも、みんなは満足外だけど?」

「それで決定でいいですよ。」

「うん!なんか知的っwww的で良いwwwと思うよ。wwwww」

「異論なし。」

「良いと思いますよぉー。」クスッ

「ギャハハ!!アルハゼン田中ってアルハゼン田中って、売れない芸人かよーーー!!!!」

「てことで可決ー!そして送信!?」

「おいテメェラァァァ!!??ヤメロォーーー!!!!」

こうして、俺のコードネームはアルハゼン田中に決まった。
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