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王立海軍の終焉
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イギリス戦艦 ネルソン
水雷戦隊を始めとした多くの味方艦艇は今ドーバー海峡の底にある。
司令官のパウンド提督は乗艦していたキングジョージ5世とその乗組員と共に海に沈
んだ。
・・・砲撃戦が始まってすぐのことだった。
一つ異様な炸裂音が響いたと思えば、そこには大火災が起きたキングジョージ5世が
あった。
大きなキノコ雲が上がり、その後一瞬で海に消えていった。
日本軍のたった一撃で英国の誇る新鋭戦艦が沈められた。
同型艦のプリンス・オブ・ウェールズが日本軍の航空攻撃で開戦直後に沈められた時
はショックだったが、それと同じ程の衝撃だ。
残りは我が艦とデューク・オブ・ヨークと敵水雷戦隊などからの砲撃、空からの奮龍
魚雷での攻撃を回避したごく僅かな水雷戦隊のみである。
しかし我が艦は機関が損傷し、逃げることすらままならない。
デューク・オブ・ヨークも全速を出すことは出来ない。
母港に帰還することも無理だ。
だが水雷戦隊はまだ機関が動いている艦も中にはいる。
我々が戦艦を始めとした敵艦隊のヘイトを稼いでいる間に決死の突入で一部が敵部隊
を突破した。
後方の敵機動部隊は今防備が手薄な筈だ。
このまま肉薄雷撃させる。
元々数で勝っていることを生かした戦法だが、予想外に突破出来た数は少ない。
敵部隊から追跡されていないのは駆逐艦5隻、軽巡洋艦1隻、重巡洋艦1隻のみ。
だが、敵機動部隊に捨て身攻撃を仕掛けるのには充分な筈。
その為に我々は敵部隊に攻撃を続け、ヘイトを稼ぐ。
「撃てぇ!!」
艦首に集中配置された40、6cm砲3連装砲1基が火を噴く。
軍縮条約の中で建造された老艦にムチを打つ。
2基は敵の砲撃の後沈黙を守っている。
航空機での攻撃がまだ本艦に向いていないのが不幸中の幸いである。
だが、敵駆逐艦による肉薄雷撃により傾斜が加速している。
喰らっていない方の左舷に注水しているが、傾斜が止まらない。
もはや止めることは出来ない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
イギリス駆逐艦オファ
「死ぬかと思った・・・」
死地を掻い潜り何とか敵部隊を突破することが出来た。
敵艦隊はすぐそこにあるはずだ。
暗号で突入時刻は合わせている。
最悪単艦で突入することになってもチャンスは今しかない。
敵誘導弾の至近弾を食らったが損害軽微。
敵機動部隊を攻撃するのには何の問題も無い。
第二次攻撃を回避出来たのは運が良かっただけである。
いくつかの魚雷は喰らってもおかしく無かった。
だが艦長の見事な操艦により何とか回避することが出来た。
一番接近した魚雷はおそらく50ヤード以上接近していた。
次の攻撃が来る前に我々がやらなければ。
だがもはや攻撃が成功しないことは火を見るより明らかだ。
なぜかレーダーに映る艦が予想以上に多い。
水上部隊をほぼかき集めているのかと思っていたのだがどうやらこちらにも艦が残っ
ていたようだ。
「考えが甘かっただろうか・・・」
そんな絶望の中敵戦艦による砲撃が着弾し、意識が艦の衝撃で吹き飛ばされた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
イタリア戦艦 リットリオ
散々やられっぱなしのイギリス海軍にようやく仕返しをする時が来た。
敵は駆逐艦3隻軽巡1隻のみ。
相手に不足ありだが仕方無い。
こいつらだけでも復讐する。
第二射が放たれる。
一射目のように二射目も敵駆逐艦に命中した。
SAP弾(半徹甲弾)は駆逐艦に対して効果があるはずである。
過貫通をする可能性がAP弾(徹甲弾)よりも低い。
敵の駆逐艦の攻撃手段は無いので一方的な虐殺である。
奴らは我々の手の中で踊らされている。
死を目前にした者達の狂ったダンスだ。
「さあ、踊れ踊れ。」
やがてダンスの動きは小さくなり、最後には止まってしまった。
それは王立海軍の終焉を表すように。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
空母 赤城
敵海軍はよく戦った。
絶望的な死地から我々を倒す為、王国の存亡をかけて死力で戦った。
勝てないと分かっていた戦いだというのにだ。
だが、彼らの必死さは勝てない戦いで勝利する一歩手前まで来ていた。
イタリア海軍以外の艦艇はここにはほぼ存在しない。
イタリア海軍が護衛を申しでなければ今私は海の中に沈んでいたかもしれない。
そんな戦士達には敬意を表さずにはいられない。
「今から敵兵を救助しに向かう!機関全速。」
かなりの動揺が広がる。
助けるのが今まで敵だった者だとしても彼らをそのまま死なせる訳にはいかない。
武士道精神に基づいて。
イタリア海軍にも呼びかけ、了承を得ている。
この海域に存在する全ての艦艇で救出作業に移る。
戦時中にこの行動はかなり危険なものではあるが、早くしなければ戦士の身体は大西
洋に沈んでしまうだろう。
幸い、もはや敵の戦力は瓦解し我々に歯向かってくることは無いだろう。
「さあ、次の戦いだ。」
敵の艦艇が沈んだ場所に向かう。
水雷戦隊を始めとした多くの味方艦艇は今ドーバー海峡の底にある。
司令官のパウンド提督は乗艦していたキングジョージ5世とその乗組員と共に海に沈
んだ。
・・・砲撃戦が始まってすぐのことだった。
一つ異様な炸裂音が響いたと思えば、そこには大火災が起きたキングジョージ5世が
あった。
大きなキノコ雲が上がり、その後一瞬で海に消えていった。
日本軍のたった一撃で英国の誇る新鋭戦艦が沈められた。
同型艦のプリンス・オブ・ウェールズが日本軍の航空攻撃で開戦直後に沈められた時
はショックだったが、それと同じ程の衝撃だ。
残りは我が艦とデューク・オブ・ヨークと敵水雷戦隊などからの砲撃、空からの奮龍
魚雷での攻撃を回避したごく僅かな水雷戦隊のみである。
しかし我が艦は機関が損傷し、逃げることすらままならない。
デューク・オブ・ヨークも全速を出すことは出来ない。
母港に帰還することも無理だ。
だが水雷戦隊はまだ機関が動いている艦も中にはいる。
我々が戦艦を始めとした敵艦隊のヘイトを稼いでいる間に決死の突入で一部が敵部隊
を突破した。
後方の敵機動部隊は今防備が手薄な筈だ。
このまま肉薄雷撃させる。
元々数で勝っていることを生かした戦法だが、予想外に突破出来た数は少ない。
敵部隊から追跡されていないのは駆逐艦5隻、軽巡洋艦1隻、重巡洋艦1隻のみ。
だが、敵機動部隊に捨て身攻撃を仕掛けるのには充分な筈。
その為に我々は敵部隊に攻撃を続け、ヘイトを稼ぐ。
「撃てぇ!!」
艦首に集中配置された40、6cm砲3連装砲1基が火を噴く。
軍縮条約の中で建造された老艦にムチを打つ。
2基は敵の砲撃の後沈黙を守っている。
航空機での攻撃がまだ本艦に向いていないのが不幸中の幸いである。
だが、敵駆逐艦による肉薄雷撃により傾斜が加速している。
喰らっていない方の左舷に注水しているが、傾斜が止まらない。
もはや止めることは出来ない。
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イギリス駆逐艦オファ
「死ぬかと思った・・・」
死地を掻い潜り何とか敵部隊を突破することが出来た。
敵艦隊はすぐそこにあるはずだ。
暗号で突入時刻は合わせている。
最悪単艦で突入することになってもチャンスは今しかない。
敵誘導弾の至近弾を食らったが損害軽微。
敵機動部隊を攻撃するのには何の問題も無い。
第二次攻撃を回避出来たのは運が良かっただけである。
いくつかの魚雷は喰らってもおかしく無かった。
だが艦長の見事な操艦により何とか回避することが出来た。
一番接近した魚雷はおそらく50ヤード以上接近していた。
次の攻撃が来る前に我々がやらなければ。
だがもはや攻撃が成功しないことは火を見るより明らかだ。
なぜかレーダーに映る艦が予想以上に多い。
水上部隊をほぼかき集めているのかと思っていたのだがどうやらこちらにも艦が残っ
ていたようだ。
「考えが甘かっただろうか・・・」
そんな絶望の中敵戦艦による砲撃が着弾し、意識が艦の衝撃で吹き飛ばされた。
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イタリア戦艦 リットリオ
散々やられっぱなしのイギリス海軍にようやく仕返しをする時が来た。
敵は駆逐艦3隻軽巡1隻のみ。
相手に不足ありだが仕方無い。
こいつらだけでも復讐する。
第二射が放たれる。
一射目のように二射目も敵駆逐艦に命中した。
SAP弾(半徹甲弾)は駆逐艦に対して効果があるはずである。
過貫通をする可能性がAP弾(徹甲弾)よりも低い。
敵の駆逐艦の攻撃手段は無いので一方的な虐殺である。
奴らは我々の手の中で踊らされている。
死を目前にした者達の狂ったダンスだ。
「さあ、踊れ踊れ。」
やがてダンスの動きは小さくなり、最後には止まってしまった。
それは王立海軍の終焉を表すように。
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空母 赤城
敵海軍はよく戦った。
絶望的な死地から我々を倒す為、王国の存亡をかけて死力で戦った。
勝てないと分かっていた戦いだというのにだ。
だが、彼らの必死さは勝てない戦いで勝利する一歩手前まで来ていた。
イタリア海軍以外の艦艇はここにはほぼ存在しない。
イタリア海軍が護衛を申しでなければ今私は海の中に沈んでいたかもしれない。
そんな戦士達には敬意を表さずにはいられない。
「今から敵兵を救助しに向かう!機関全速。」
かなりの動揺が広がる。
助けるのが今まで敵だった者だとしても彼らをそのまま死なせる訳にはいかない。
武士道精神に基づいて。
イタリア海軍にも呼びかけ、了承を得ている。
この海域に存在する全ての艦艇で救出作業に移る。
戦時中にこの行動はかなり危険なものではあるが、早くしなければ戦士の身体は大西
洋に沈んでしまうだろう。
幸い、もはや敵の戦力は瓦解し我々に歯向かってくることは無いだろう。
「さあ、次の戦いだ。」
敵の艦艇が沈んだ場所に向かう。
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