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大西洋決戦
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イギリス海軍空母 イラストリアス
「遂にやってきたか・・・」
哨戒中の潜水艦により敵大艦隊発見の一報が入った。
イタリア海軍ではあるまい。
既に何度か地中海に強硬突入した潜水艦部隊が敵艦隊を発見し、攻撃を仕掛けている
が、攻撃が成功したという報は無い。
代わりに来るのは、被弾と攻撃失敗の報告である。
その報もあまり多くは無い。
敵艦隊発見の連絡の後、消息不明になっている艦の方が圧倒的に多い。
恐らく・・・・・・
もともと厳しいかと思っていたが・・・
やはり我々が連合艦隊を食い止めなければいけないということだろう。
食い止めるべき敵艦隊は恐らく無傷であろう。
きっと敵と戦えば・・・無事で済むわけが無い。
そんな絶望的な状況でも戦わなければいけないのだ。
敵が大西洋の制海権を取れば本土が危ない。
それが現実となった暁には国民が敵軍の危機に晒される。
そんなことはあってはならない。
それを防ぐために決戦の地へと向かう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
空母 飛龍
イタリアでの補給を終え、ジブラルタル海峡を通過した。
ここから先は敵海軍の哨戒範囲となるだろう。
・・・今まで以上に警戒しなければいけない。
敵潜水艦に今まで以上に襲ってくる可能性が高く、敵主力もいよいよ迎撃して来るだ
ろう。
現在も彩雲で敵部隊を探索中である。
地中海で襲われた緊張が復活する。
平和であれば綺麗な海なのだが。
戦中の為、いつ青い海に鉄の魚が襲ってきてもおかしくないのだ。
それを思うと心臓が激しく鳴るのを止められなくなる。
しかし、山口少将は流石であった。
落ち着いた雰囲気で二航戦の指揮を執り、敵の襲来に備えている。
・・・落ち着いた雰囲気ではあるのだが、同時に人殺し多聞という渾名に相応しい雰
囲気である。
不用意に話しかけたりしたら殺されそうだ。
まあ幸い、馬は合うのだが。
「緊急入電!彩雲が敵艦隊を発見!距離約700km!」
更に心臓の鼓動が高まる。
だが、心配は無い。
我々の熟練の航空隊がきっと敵艦隊に引導を渡してくれるだろう。
そう自分に言い聞かせ、攻撃の指示を出すのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
零戦板谷飛行隊長機
彩雲からの続報が来た。
接近し目視での偵察を行ったようだ。
恐らく敵機の追尾があり危険だっただろう。
それに関しては感謝しなければならないだろう。
送られてきた情報は空母らしきもの10隻。
恐らく半分以上は護衛空母だろう。
稼働可能な敵空母は3隻だったはずだろう。
となると艦載機は我々より少ないだろう。
ただ、油断は全く出来ない。
そう自分に言い聞かせるのだが、やはり慢心が生まれているのがわかる。
武者震いが止まらない。
そして遂に敵機が見えてくる。
どうせ練度は大して高くないはずだ。
数は思っていた以上に多い。
恐らくほとんどの艦載機を我々に向けているのだろう。
それに対し我々は集団戦法も使うようになり、練度では圧倒的な差があるだろう。
そして敵機の形が良く分かる距離まで近づく。
各機が既に有利となる位置を取れている。
戦闘が始まる。
各機が敵の初弾を躱す。
被弾している様子は無い。
最低でも2機での戦闘を指導している。
それが出来るようになったのは無線電話の性能が上がった為である。
更に彩雲からの情報に基づき、有利な位置を取れたおかげでもある。
有利な位置を取っている各機が猛獣の如く敵機に襲い掛かる。
自分はあくまでも指揮が主である為戦闘にはほぼ直接関らない。
まあ、これも敵機を見張り、適切な指示を出す為なのだが。
今まで直接戦闘していたので少々退屈に感じてしまう。
いくらそれが合理的だとしても直接敵機と戦いたいと思ってしまった。
そんなことを思いながら敵と味方の様子を見ていたのだが、遂に自分の近くまで敵機
を近づいてきた。
これは排除しなければいけないので直接戦わなければいけない。
戦わなければいけないのだが、戦いたいので待ち望んでいた機会である。
心臓が認識出来るほどに鼓動が高まる。
「さあ、我々の獲物を狩る!」
僚機にそう伝えるのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
空母 赤城
最初の戦闘は終わった。
迎撃機はほぼ全ての敵機を撃墜し、残った敵機もボロボロで帰還した。
一方我々の損害は被撃墜機はほぼ無い。
そして、被弾したという報告もあまり無い。
完勝と言っていいだろう
練度の圧倒的な差と零戦32型の更新が終わり、機体の性能で大きな有利をつくれた
のが大きいだろう。
制空隊が制空権を確保することが出来たので、次は敵艦隊へ攻撃隊を送る。
勿論、既に攻撃可能範囲に敵艦隊は存在している。
攻撃隊に参加する者は既に準備を済ませ、攻撃命令を待つのみとなっている。
そして号令をかける。
「発進せよ!」
護衛する零戦が甲板を進み始める。
加賀、飛龍、炎龍、宝龍、龍驤からも同じように零戦が飛び立っていく。
その後、3分足らずで全ての機が発進し、あっという間に編隊を構成していき、数分
後、敵艦隊へ一路向かっていった。
「敵艦隊に止めを刺せ!」
僅かに見える編隊に向けて声をかける。
我々は確信している。
敵艦隊を必ずや潰してくれると。
だが、敵艦隊は母国を守る為に必死に戦ってくるだろう。
気を付けてもらわなければ。
「遂にやってきたか・・・」
哨戒中の潜水艦により敵大艦隊発見の一報が入った。
イタリア海軍ではあるまい。
既に何度か地中海に強硬突入した潜水艦部隊が敵艦隊を発見し、攻撃を仕掛けている
が、攻撃が成功したという報は無い。
代わりに来るのは、被弾と攻撃失敗の報告である。
その報もあまり多くは無い。
敵艦隊発見の連絡の後、消息不明になっている艦の方が圧倒的に多い。
恐らく・・・・・・
もともと厳しいかと思っていたが・・・
やはり我々が連合艦隊を食い止めなければいけないということだろう。
食い止めるべき敵艦隊は恐らく無傷であろう。
きっと敵と戦えば・・・無事で済むわけが無い。
そんな絶望的な状況でも戦わなければいけないのだ。
敵が大西洋の制海権を取れば本土が危ない。
それが現実となった暁には国民が敵軍の危機に晒される。
そんなことはあってはならない。
それを防ぐために決戦の地へと向かう。
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空母 飛龍
イタリアでの補給を終え、ジブラルタル海峡を通過した。
ここから先は敵海軍の哨戒範囲となるだろう。
・・・今まで以上に警戒しなければいけない。
敵潜水艦に今まで以上に襲ってくる可能性が高く、敵主力もいよいよ迎撃して来るだ
ろう。
現在も彩雲で敵部隊を探索中である。
地中海で襲われた緊張が復活する。
平和であれば綺麗な海なのだが。
戦中の為、いつ青い海に鉄の魚が襲ってきてもおかしくないのだ。
それを思うと心臓が激しく鳴るのを止められなくなる。
しかし、山口少将は流石であった。
落ち着いた雰囲気で二航戦の指揮を執り、敵の襲来に備えている。
・・・落ち着いた雰囲気ではあるのだが、同時に人殺し多聞という渾名に相応しい雰
囲気である。
不用意に話しかけたりしたら殺されそうだ。
まあ幸い、馬は合うのだが。
「緊急入電!彩雲が敵艦隊を発見!距離約700km!」
更に心臓の鼓動が高まる。
だが、心配は無い。
我々の熟練の航空隊がきっと敵艦隊に引導を渡してくれるだろう。
そう自分に言い聞かせ、攻撃の指示を出すのだった。
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零戦板谷飛行隊長機
彩雲からの続報が来た。
接近し目視での偵察を行ったようだ。
恐らく敵機の追尾があり危険だっただろう。
それに関しては感謝しなければならないだろう。
送られてきた情報は空母らしきもの10隻。
恐らく半分以上は護衛空母だろう。
稼働可能な敵空母は3隻だったはずだろう。
となると艦載機は我々より少ないだろう。
ただ、油断は全く出来ない。
そう自分に言い聞かせるのだが、やはり慢心が生まれているのがわかる。
武者震いが止まらない。
そして遂に敵機が見えてくる。
どうせ練度は大して高くないはずだ。
数は思っていた以上に多い。
恐らくほとんどの艦載機を我々に向けているのだろう。
それに対し我々は集団戦法も使うようになり、練度では圧倒的な差があるだろう。
そして敵機の形が良く分かる距離まで近づく。
各機が既に有利となる位置を取れている。
戦闘が始まる。
各機が敵の初弾を躱す。
被弾している様子は無い。
最低でも2機での戦闘を指導している。
それが出来るようになったのは無線電話の性能が上がった為である。
更に彩雲からの情報に基づき、有利な位置を取れたおかげでもある。
有利な位置を取っている各機が猛獣の如く敵機に襲い掛かる。
自分はあくまでも指揮が主である為戦闘にはほぼ直接関らない。
まあ、これも敵機を見張り、適切な指示を出す為なのだが。
今まで直接戦闘していたので少々退屈に感じてしまう。
いくらそれが合理的だとしても直接敵機と戦いたいと思ってしまった。
そんなことを思いながら敵と味方の様子を見ていたのだが、遂に自分の近くまで敵機
を近づいてきた。
これは排除しなければいけないので直接戦わなければいけない。
戦わなければいけないのだが、戦いたいので待ち望んでいた機会である。
心臓が認識出来るほどに鼓動が高まる。
「さあ、我々の獲物を狩る!」
僚機にそう伝えるのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
空母 赤城
最初の戦闘は終わった。
迎撃機はほぼ全ての敵機を撃墜し、残った敵機もボロボロで帰還した。
一方我々の損害は被撃墜機はほぼ無い。
そして、被弾したという報告もあまり無い。
完勝と言っていいだろう
練度の圧倒的な差と零戦32型の更新が終わり、機体の性能で大きな有利をつくれた
のが大きいだろう。
制空隊が制空権を確保することが出来たので、次は敵艦隊へ攻撃隊を送る。
勿論、既に攻撃可能範囲に敵艦隊は存在している。
攻撃隊に参加する者は既に準備を済ませ、攻撃命令を待つのみとなっている。
そして号令をかける。
「発進せよ!」
護衛する零戦が甲板を進み始める。
加賀、飛龍、炎龍、宝龍、龍驤からも同じように零戦が飛び立っていく。
その後、3分足らずで全ての機が発進し、あっという間に編隊を構成していき、数分
後、敵艦隊へ一路向かっていった。
「敵艦隊に止めを刺せ!」
僅かに見える編隊に向けて声をかける。
我々は確信している。
敵艦隊を必ずや潰してくれると。
だが、敵艦隊は母国を守る為に必死に戦ってくるだろう。
気を付けてもらわなければ。
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