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護衛
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太平洋
大発輸送の護衛の為に我々も飛び立つ。
金星エンジンに命が灯る。
6番を抱え大発を攻撃する敵船を沈めるが我々の仕事である。
敵船は高速なことからまともな防弾装備は積んでいないと思われる。
実際に20ミリを打ち込んで爆散したのでそれはほぼ間違いないと思われる。
「さて、離陸成功っと。」
戦場の空だとしてもいつも通りの空である。
この空を見る為に兵士になったようなものである。
今の所異常は見られない。
異常が無いなら、これからはしばらく直線に飛び続けるだけである。
しかし、それが自分の最も好きな時間である。
青々としている大空を自分の乗っている白い機体が駆けるのだ。
その景色が好きだ。
うっとりとしているといつの間にか時間が過ぎてしまう。
まあ、なんかあった時にボヤボヤするなと怒鳴られるのだが。
しかし、何でこの魅力に気付かないのだろう?
頭の中が戦闘で一杯なのか・・・
そんなことを考えていると大発との合流地点に到達する。
下に大発が蟻のように連なっている。
そして、その周りを駆逐艦が護衛している。
その護衛をかいくぐって大発の方へ来る蟻が見えた。
「全機攻撃態勢に入れ!」
小隊長の指示により降下を開始する。
目視できる敵は12隻。
それぞれの目標に向けて降下している。
「喰らえ!」
20ミリと12.7ミリの発射レバーを引く。
防弾装備も無い訳ではないだろう。
しかし、この大口径弾の防弾までは考えられていなかったのだろう。
次々と火が上がる。
俺達だけの攻撃だけではない。
大発に積まれている37ミリ戦車砲なども砲弾を放っている。
その攻撃もあるだろう。
ただし、その中でも大発は燃えていく。
1隻、2隻とその数は増えていく。
全ての大発に武装があるわけではないのである。
海軍でやっと開発が開始された敵PTボートの対抗馬は出来ていない為、我々と武装
の積んでいる大発だけでどうにかするしかない。
とりあいず敵の攻撃は終わったようだ。
燃えている大発は10隻程度。
また被害が出てしまった。
代わりにこちらも奴らのPTボートを燃やしてやったが。
前線への補給が滞っている為一刻も早く対抗馬を用意してほしいものだが。
これでは補給が届かなくなり敵の上陸に対応出来なくなる危険性もある。
それは上層部も分かっているはずだ。
その上で更に早くしてほしいものなのだが。
まあ、研究者が努力するのを応援するぐらいしか我々のできることは無いか・・・
そんな自分の無力さを再認識するのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー-
陸海合同航空技術研究所
今までの零戦から大きく改修した零戦32型は試験配備した前線からの評判は概ね良
好だった。
航続距離が更に低くなり戦闘出来る時間が短くなった為一部からは批判が出てしまっ
たが。
敵が集団戦を仕掛けて来るようになり、高高度性能が低い零戦に対して一撃離脱をし
てくるようにもなった。
ペロ八と舐めていたP38が猛威を振るっている。
もはやペロ八と言えるものではない。
マーシャル沖の虐殺はどっかに行ってしまったのだろうか。
しかし、高高度性能は過給機つけるぐらいしか対策出来なかった。
まあ、これで良くなるとは限らないが。
また搭載されたエンジンは18気筒化して、大馬力エンジンとなっている。
これに搭載する為エンジンの制作は急ピッチで進んだ。
そして、翼端を切り詰めた。
その為横転性能が上がり、速度が上昇した。
また、急降下性能も上がっている。
そんなこんなで完成した零戦32型は最初こそ不具合が多発していたが、一つ一つ解
決して今はかなり良い評価が出ている。
代わりに十七試艦上戦闘機の開発は完全に中止された。
まあ、この機体があればとりあいずは問題無いだろう。
しかし、それでも後継機の開発も進めなければいけないのだが。
十四試局地戦闘機の開発も進めなければいけない。
今も開発が進み、初飛行したのだが、異常な振動が発生することが判明した為、その
解決策を見つけるのに人員を割いている。
これがある為採用は暫く後になるだろう。
「はぁ。」
「そっちはどうだ?」
「やはり振動が厄介だ。原因がよく分からん。」
「そうか。」
その後まもなく片方の原因の一つが発見されたが、まだ原因があるとされ、原因解明
に当たることになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
空母 炎龍
「これが新型の零戦か・・・」
零戦32型を前に見据えながら言う。
翼端が切り詰められて、見た目が変わっている。
この機体は21型から更に性能が上がっている。
しかし、更に航続距離が下がり、戦闘出来る時間が減ったのは残念だが。
まあ、高性能の代償だろう。
急降下性能が上がったのもありがたい。
今までは急降下して逃げる敵機を多少追えるようになるのは助かる。
早速乗り込んでみる。
長ったらしい説明を聞きながらこの瞬間を待っていた。
早速発艦演習に移り、発艦する。
速度を出し、空母から飛び立つ。
機体が上昇していく。
とりあいず横転を試してみる。
21型よりも良くなった。
しかも、速度が上がっている。
というかエンジン換装により
全体的に性能が上がっている。
それと過給機がついて高高度性能が上がったのも助かる。
まあこれで米軍機と互角以上に戦えるだろう。
まあ、これが全ての部隊に配備されるのは先だろうが。
大発輸送の護衛の為に我々も飛び立つ。
金星エンジンに命が灯る。
6番を抱え大発を攻撃する敵船を沈めるが我々の仕事である。
敵船は高速なことからまともな防弾装備は積んでいないと思われる。
実際に20ミリを打ち込んで爆散したのでそれはほぼ間違いないと思われる。
「さて、離陸成功っと。」
戦場の空だとしてもいつも通りの空である。
この空を見る為に兵士になったようなものである。
今の所異常は見られない。
異常が無いなら、これからはしばらく直線に飛び続けるだけである。
しかし、それが自分の最も好きな時間である。
青々としている大空を自分の乗っている白い機体が駆けるのだ。
その景色が好きだ。
うっとりとしているといつの間にか時間が過ぎてしまう。
まあ、なんかあった時にボヤボヤするなと怒鳴られるのだが。
しかし、何でこの魅力に気付かないのだろう?
頭の中が戦闘で一杯なのか・・・
そんなことを考えていると大発との合流地点に到達する。
下に大発が蟻のように連なっている。
そして、その周りを駆逐艦が護衛している。
その護衛をかいくぐって大発の方へ来る蟻が見えた。
「全機攻撃態勢に入れ!」
小隊長の指示により降下を開始する。
目視できる敵は12隻。
それぞれの目標に向けて降下している。
「喰らえ!」
20ミリと12.7ミリの発射レバーを引く。
防弾装備も無い訳ではないだろう。
しかし、この大口径弾の防弾までは考えられていなかったのだろう。
次々と火が上がる。
俺達だけの攻撃だけではない。
大発に積まれている37ミリ戦車砲なども砲弾を放っている。
その攻撃もあるだろう。
ただし、その中でも大発は燃えていく。
1隻、2隻とその数は増えていく。
全ての大発に武装があるわけではないのである。
海軍でやっと開発が開始された敵PTボートの対抗馬は出来ていない為、我々と武装
の積んでいる大発だけでどうにかするしかない。
とりあいず敵の攻撃は終わったようだ。
燃えている大発は10隻程度。
また被害が出てしまった。
代わりにこちらも奴らのPTボートを燃やしてやったが。
前線への補給が滞っている為一刻も早く対抗馬を用意してほしいものだが。
これでは補給が届かなくなり敵の上陸に対応出来なくなる危険性もある。
それは上層部も分かっているはずだ。
その上で更に早くしてほしいものなのだが。
まあ、研究者が努力するのを応援するぐらいしか我々のできることは無いか・・・
そんな自分の無力さを再認識するのだった。
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陸海合同航空技術研究所
今までの零戦から大きく改修した零戦32型は試験配備した前線からの評判は概ね良
好だった。
航続距離が更に低くなり戦闘出来る時間が短くなった為一部からは批判が出てしまっ
たが。
敵が集団戦を仕掛けて来るようになり、高高度性能が低い零戦に対して一撃離脱をし
てくるようにもなった。
ペロ八と舐めていたP38が猛威を振るっている。
もはやペロ八と言えるものではない。
マーシャル沖の虐殺はどっかに行ってしまったのだろうか。
しかし、高高度性能は過給機つけるぐらいしか対策出来なかった。
まあ、これで良くなるとは限らないが。
また搭載されたエンジンは18気筒化して、大馬力エンジンとなっている。
これに搭載する為エンジンの制作は急ピッチで進んだ。
そして、翼端を切り詰めた。
その為横転性能が上がり、速度が上昇した。
また、急降下性能も上がっている。
そんなこんなで完成した零戦32型は最初こそ不具合が多発していたが、一つ一つ解
決して今はかなり良い評価が出ている。
代わりに十七試艦上戦闘機の開発は完全に中止された。
まあ、この機体があればとりあいずは問題無いだろう。
しかし、それでも後継機の開発も進めなければいけないのだが。
十四試局地戦闘機の開発も進めなければいけない。
今も開発が進み、初飛行したのだが、異常な振動が発生することが判明した為、その
解決策を見つけるのに人員を割いている。
これがある為採用は暫く後になるだろう。
「はぁ。」
「そっちはどうだ?」
「やはり振動が厄介だ。原因がよく分からん。」
「そうか。」
その後まもなく片方の原因の一つが発見されたが、まだ原因があるとされ、原因解明
に当たることになった。
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空母 炎龍
「これが新型の零戦か・・・」
零戦32型を前に見据えながら言う。
翼端が切り詰められて、見た目が変わっている。
この機体は21型から更に性能が上がっている。
しかし、更に航続距離が下がり、戦闘出来る時間が減ったのは残念だが。
まあ、高性能の代償だろう。
急降下性能が上がったのもありがたい。
今までは急降下して逃げる敵機を多少追えるようになるのは助かる。
早速乗り込んでみる。
長ったらしい説明を聞きながらこの瞬間を待っていた。
早速発艦演習に移り、発艦する。
速度を出し、空母から飛び立つ。
機体が上昇していく。
とりあいず横転を試してみる。
21型よりも良くなった。
しかも、速度が上がっている。
というかエンジン換装により
全体的に性能が上がっている。
それと過給機がついて高高度性能が上がったのも助かる。
まあこれで米軍機と互角以上に戦えるだろう。
まあ、これが全ての部隊に配備されるのは先だろうが。
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