日は沈まず

ミリタリー好きの人

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帝國は止まらない

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中国戦線

「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。大本営、二月三日十
 六時発表。我が精鋭なる帝国陸海軍は本日十時ごろ濠太剌利連邦の首都キャンベラ
 を陥落せり。繰り返します・・・」

「海の向こうでも我が帝国陸軍は奮闘しているな!!」

「ああ。」

適当に相槌を打っておく。

一応長く知り合いなのだが、こいつ興奮すると五月蠅い。

「我々も頑張らなければな!」

「ああ。」

「おい。喋っている暇があったら進むぞ。」

班長殿が怒鳴る。

『は!』

班長殿がラジオを聞けと命令してきたのだからかなり理不尽ではないか?

まあ、そんなこと言った暁には殴られるで済めばいいといった感じである。

まあだからそれは心の中にしまっておく。

そして、出発する準備を行う。

直ぐに準備しなければブッ飛ばされる。

「班長殿。出発準備整いました。」

「おい。野村はどうした!」

「は!今準備完了しました。」

「ふん。出発!」

インド攻略が完了したため大陸打通作戦が立案され、開始した。

目的はインドシナ半島まで陸路をつなげるためである。

自分はこんな作戦ではなく敵臨時首都の重慶に進撃するべきだと思うのだが。

まあ、上も何か考えているだろう。

そんなことを考えながら中国大陸を駆ける。

「うん・・・?伏せろ!」

「どうしたのですか?班長殿。」

伏せてから尋ねる。

「静かにしろ・・・」

ざっざっざっという音が聞こえる。

「これは・・・敵兵?」

「備えろ・・・」

三八を足音が聞こえるほうに向ける。

「引き付けろ・・・」

「撃てぇ!」

敵兵に風穴を開ける。

近くの擲弾筒分隊も擲弾筒で援護射撃が行われている。

どん・・どん・・とかなりの速度で爆発が起きる。

しかし、威力は半径10メートル程と見た目の割に非常に高い。

その弾頭が2秒ごとに打ち出されるのだ。

第一次世界大戦の戦訓を生かして開発されたこの武器を我々は頼りにしている。

逃げ惑っている敵兵が見える。

隣では機関銃が火を噴き、混乱している敵兵を蜂の巣にしている。

「天皇陛下バンザーイ!!」

「おい。どうした!」

あの五月蠅い奴だ。

気が狂ったのか95式軍刀を持って突撃していく。

あんなので無事に居られるわけ・・・

しかし、予想外にも敵の弾は混乱していることもあり当たらない。

そして次々と斬り進んでいる。

下手したら味方の擲弾筒に当たってしまいそうだ。

敵は完全に逃げ始める。

抵抗はもはや無い。

そして奴が戻ってくる。

「あぶねぇことをするなよ・・・」

「ハハハ。でも10人ぐらい斬ってやったぞ!」

こいつ本当に頭のネジ数本外れていないか?

優勢とはいえ単身で敵部隊に突撃するなんて・・・

味方の射撃の邪魔にもなるのでもうやめてもらいたい。

まあ、これも自分の負け惜しみかもしれないが。

ただあいつが邪魔なのは事実なので本当にやめてほしい。

「おい。何をしている。早く追撃するぞ!」

『は。』

というわけで潰走している敵兵を追撃する。

我々も疲れているのだが。

班長殿は疲れを知らないようだ。

へとへとになりながらも班長殿を追いかける。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これは降伏以外に選択肢は無いだろう。

首都を移転したとしても、もはや抵抗することは出来無いだろう。

マッカーサーには悪いがしょうがない。

残念だが我々が生き残る為にはこれしかないだろう。

「・・・停戦協定を結びに行くぞ・・・」

「はい・・・」

既に停戦に応じる姿勢は見せている。

もう停戦協定を結ぶだけである。

「おい!!何をした!!」

マッカーサーが向かってくる。

「停戦協定を結ぶ方針を決めたのですが?」

「認めんぞ!そんなの。」

「認めないと言ってももうどうしようもないじゃないか!」

言い返す。

「我々はまだ全滅していない。」

「だとしてもこれ以上戦っても無駄に犠牲を増やすだけだ!」

言い合いはその後も平行線を辿った。

しかし、我々は埒が明かないと判断した。

「おい!こいつを捕らえろ!」

「は?」

近くにいたボディーガードがマッカーサーを捕らえる。

「おい・・・離せ・・・離せ!」

「ふう。これで邪魔をする者はいない・・・」

「休戦協定を結びに行くぞ。」

「・・・はい。」

というわけで日本軍のもとに向かう。

勿論降伏が嫌なのは私も同じである。

しかし、どうしようもないのである。

せめて対策していた北部からの上陸ならまだ対策していて、防衛体制が整っていたの
で戦うことが出来た。

しかし、奴らが来たのは東側からであった。

対策していない状態で戦力でも負けているような状態では勝てるわけもない。

マッカーサーはよく戦ったが、我々の敗北は決まっていたようなものだった。

それを覆すことは出来なかったのだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

軍令部

かなり頭が痛くなっている。

輸送船団にかなり被害が出ている。

原因は敵魚雷艇と潜水艦である。

特に敵魚雷艇は我々の輸送船に近づき、肉薄してきた。

その対策に大発での輸送に切り替えたのだが、今度は魚雷艇に砲を載せたものが猛威
をふるっている。

言うなら砲艇である。

その為の駆逐艦なのだが、相手の速度が高すぎる。

有効打を出せていない。

航空戦力で護衛もしているのだが、護衛の穴で攻撃されるとどうしようもない。

しかし、わざわざ空母を導入して護衛する訳にはいかない。

「どうすればいいのだ・・・」

「・・・一つ案があります。」

「何だ?」

「陸軍の依頼で作られたカロ艇という高速艇があります。それを元に我々も高速砲艇
 をつくるのはどうですか?」

「う~む。まあ目には目を歯には歯をか・・・」

速い高速艇に遅い砲艇には対抗出来ないだろう。

「開発指示を出すか・・・」

「では後で詳しく話し合って要求性能をまとめて開発指示をしてきましょう。」

「そうだな。」
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