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インド洋作戦始動
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大本営政府連絡会議
「これからインド攻略作戦の作戦についての会議を開始する。」
東条英機議長の言葉で会議が開始される。
「参謀部総長。まずは陸軍の説明をお願いする。」
「は。陸軍としては南方作戦にまわしていた戦力をインドに回します。勿論ビルマの
部隊も一部回すことになるでしょう。ビルマ作戦は現在でも前線で激しい戦闘が起
きていますが、間もなくマンダレーを占領できるでしょう。」
「そのためビルマ作戦は間もなく終了するでしょう。ビルマを封鎖すれば援蒋ルート
を断つことができるのだと思っていましたが、どうやら、空輸ルートが別にあるら
しく完全に封鎖することが出来ません。その為、インドを攻略し、完全に援蒋ルー
トを断ちます。」
「その作戦にはインド国民軍も使用します。更にインド人の部隊は我々に味方するよ
うに頼めば、一定数の味方を集められるでしょう。その理由で我々はインドを攻略
することは比較的容易だと思われます。」
「では軍令部長。海軍の説明をお願いする。」
「は。こちらとしては陸軍の援助として空母4隻を主体とした艦隊をインド洋に派遣
します。その艦隊で制海権を獲得し、上陸支援を行います。」
「具体的には米艦隊を壊滅させた航空部隊で英艦隊を壊滅させます。そして、上陸船
団を我が艦隊で護衛。セイロン島を陥落させます。」
「陸軍としてはその提案に反対です。海軍の護衛があるとしても、セイロン島までは
遠い。非常に危険といえるでしょう。」
「上陸の前に海軍で制海権を事前に獲得し、輸送船団も最新の駆逐艦で護衛します。
充分に上陸作戦は可能だと思われます。」
「陸軍としてはセイロン島ではなく東部インド攻略を優先すべきだと思われます。わ
ざわざセイロン島を落とす必要はないと思われます。」
「海軍としてはセイロン島を落とし、補給線を断つことを優先するべきだと思われま
す。」
「インド攻略は前述の通り簡単に落とすことが出来ると思われます。その為セイロン
島は放置で良いと思われます。」
その後陸海の間で大論争となり政府側が止めてことになったが、結局万全を期すべき
という海軍の意見が通り、セイロン島攻略作戦が実行されることとなった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
軍令部
太平洋の次はインド洋か・・・
決定した資料に目を通す。
一航戦を第二航空艦隊に合流させて、残りの第一航空艦隊をインド洋に派遣か。
ここで通商破壊を行えれば同盟国の支援にもなる。
そしてセイロン島の上陸作戦。
これはかなり厳しいものとなるかもしれない。
制海権を取ったとしても厳重警戒で進まなければいけない。
かなりの負担となる。
しかし、ここを占領することが出来れば確かにここを起点に連合国の補給線を断てる
だろう。
そのうえセイロン島は英海軍の拠点であろう。
ここを占領をするべきなのは確かである。
その為に、赤城を除いた第一航空艦隊をベンガル湾に入らせる。
派遣した第一航空艦隊でセイロン島を空襲し、英艦隊を殲滅する。
それと同時並行で赤城と新型駆逐艦隊で護衛しながら上陸船団をセイロン島に上陸さ
せる。
潜水艦の襲撃が来たとしても対潜装備を積んだ駆逐艦によって撃沈することができる
だろう。
しかし、本当に上手くいくかは分からない。
加賀の被弾のように予想外の被害が出る可能性がある。
「・・・最大限の警戒を呼びかけ、結局我々は無事に作戦を終了することを祈るしか
ないな。」
「そうですね。」
近くにいた参謀が言葉を返す。
「まあ、我々の戦力があれば問題無いでしょう。」
「油断するな。奴らもインドを防衛するために艦隊を増強しているだろう。だから、
最大限の警戒が必要だろう。」
「それもそうですね。」
そんなに心配する必要はないのでは?と言ってきそうな顔をしながら、資料に目を通
し始めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
セイロン島近海 空母 蒼龍
今度はこの艦が第一航空艦隊旗艦となるのか。
赤城が輸送船団護衛についたため、この蒼龍が旗艦となった。
そして、攻撃隊第一波の発艦時間を迎える。
「発艦準備完了です。」
「発艦させろ。」
護衛の零戦から順番に上がっていく。
彼らはマーシャル沖海戦での戦闘を経験し、もはや熟練を超えた搭乗員が存在する。
その搭乗員達によってこの艦隊は支えられている。
彼らは我が海軍の財産であると自信をもっていえる。
彼らならきっと大丈夫だろう。
確信する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はぁ。」
4月にマーシャル沖海戦があってからほとんど休めないまま次はセイロン島である。
家族にもほとんど顔を見せることは出来なかった。
しかし、それは自分以外にも言える。
今は戦時。
そんなことを言っている暇は無いのだ。
「・・・一刻も早く帝國の勝利で戦争が終わることを祈ることしか出来ないのか。」
今日も今から敵と戦う身ながら、それを祈り、セイロン島に向かって飛行している。
そう思っていると細々と粒がこちらに向かって飛んでくる。
そして、やがてそれは戦闘機の形になっていく。
「戦闘が始まるのか・・・」
若干ある後ろめたい気持ちとともに何機目か分からない獲物を狩りに行くのだった。
当たり前ではあるが、英軍は植民地の飛行隊にまともな訓練をさせるほど暇はないよ
うで次々と赤い円を青い線が囲む印がついた機体が落ちていく。
日の丸のついた機体が落ちているのは見えない。
自分自身もそんなことを思いながら敵機を落とす。
全くもって慈悲は無い。
「落とせぇ・・・落とせ」
さっきまで戦闘に後ろめたい気持ちを持っていたことなど忘れて、敵機を撃墜するこ
とに熱中してしまうのだった。
「これからインド攻略作戦の作戦についての会議を開始する。」
東条英機議長の言葉で会議が開始される。
「参謀部総長。まずは陸軍の説明をお願いする。」
「は。陸軍としては南方作戦にまわしていた戦力をインドに回します。勿論ビルマの
部隊も一部回すことになるでしょう。ビルマ作戦は現在でも前線で激しい戦闘が起
きていますが、間もなくマンダレーを占領できるでしょう。」
「そのためビルマ作戦は間もなく終了するでしょう。ビルマを封鎖すれば援蒋ルート
を断つことができるのだと思っていましたが、どうやら、空輸ルートが別にあるら
しく完全に封鎖することが出来ません。その為、インドを攻略し、完全に援蒋ルー
トを断ちます。」
「その作戦にはインド国民軍も使用します。更にインド人の部隊は我々に味方するよ
うに頼めば、一定数の味方を集められるでしょう。その理由で我々はインドを攻略
することは比較的容易だと思われます。」
「では軍令部長。海軍の説明をお願いする。」
「は。こちらとしては陸軍の援助として空母4隻を主体とした艦隊をインド洋に派遣
します。その艦隊で制海権を獲得し、上陸支援を行います。」
「具体的には米艦隊を壊滅させた航空部隊で英艦隊を壊滅させます。そして、上陸船
団を我が艦隊で護衛。セイロン島を陥落させます。」
「陸軍としてはその提案に反対です。海軍の護衛があるとしても、セイロン島までは
遠い。非常に危険といえるでしょう。」
「上陸の前に海軍で制海権を事前に獲得し、輸送船団も最新の駆逐艦で護衛します。
充分に上陸作戦は可能だと思われます。」
「陸軍としてはセイロン島ではなく東部インド攻略を優先すべきだと思われます。わ
ざわざセイロン島を落とす必要はないと思われます。」
「海軍としてはセイロン島を落とし、補給線を断つことを優先するべきだと思われま
す。」
「インド攻略は前述の通り簡単に落とすことが出来ると思われます。その為セイロン
島は放置で良いと思われます。」
その後陸海の間で大論争となり政府側が止めてことになったが、結局万全を期すべき
という海軍の意見が通り、セイロン島攻略作戦が実行されることとなった。
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軍令部
太平洋の次はインド洋か・・・
決定した資料に目を通す。
一航戦を第二航空艦隊に合流させて、残りの第一航空艦隊をインド洋に派遣か。
ここで通商破壊を行えれば同盟国の支援にもなる。
そしてセイロン島の上陸作戦。
これはかなり厳しいものとなるかもしれない。
制海権を取ったとしても厳重警戒で進まなければいけない。
かなりの負担となる。
しかし、ここを占領することが出来れば確かにここを起点に連合国の補給線を断てる
だろう。
そのうえセイロン島は英海軍の拠点であろう。
ここを占領をするべきなのは確かである。
その為に、赤城を除いた第一航空艦隊をベンガル湾に入らせる。
派遣した第一航空艦隊でセイロン島を空襲し、英艦隊を殲滅する。
それと同時並行で赤城と新型駆逐艦隊で護衛しながら上陸船団をセイロン島に上陸さ
せる。
潜水艦の襲撃が来たとしても対潜装備を積んだ駆逐艦によって撃沈することができる
だろう。
しかし、本当に上手くいくかは分からない。
加賀の被弾のように予想外の被害が出る可能性がある。
「・・・最大限の警戒を呼びかけ、結局我々は無事に作戦を終了することを祈るしか
ないな。」
「そうですね。」
近くにいた参謀が言葉を返す。
「まあ、我々の戦力があれば問題無いでしょう。」
「油断するな。奴らもインドを防衛するために艦隊を増強しているだろう。だから、
最大限の警戒が必要だろう。」
「それもそうですね。」
そんなに心配する必要はないのでは?と言ってきそうな顔をしながら、資料に目を通
し始めた。
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セイロン島近海 空母 蒼龍
今度はこの艦が第一航空艦隊旗艦となるのか。
赤城が輸送船団護衛についたため、この蒼龍が旗艦となった。
そして、攻撃隊第一波の発艦時間を迎える。
「発艦準備完了です。」
「発艦させろ。」
護衛の零戦から順番に上がっていく。
彼らはマーシャル沖海戦での戦闘を経験し、もはや熟練を超えた搭乗員が存在する。
その搭乗員達によってこの艦隊は支えられている。
彼らは我が海軍の財産であると自信をもっていえる。
彼らならきっと大丈夫だろう。
確信する。
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「はぁ。」
4月にマーシャル沖海戦があってからほとんど休めないまま次はセイロン島である。
家族にもほとんど顔を見せることは出来なかった。
しかし、それは自分以外にも言える。
今は戦時。
そんなことを言っている暇は無いのだ。
「・・・一刻も早く帝國の勝利で戦争が終わることを祈ることしか出来ないのか。」
今日も今から敵と戦う身ながら、それを祈り、セイロン島に向かって飛行している。
そう思っていると細々と粒がこちらに向かって飛んでくる。
そして、やがてそれは戦闘機の形になっていく。
「戦闘が始まるのか・・・」
若干ある後ろめたい気持ちとともに何機目か分からない獲物を狩りに行くのだった。
当たり前ではあるが、英軍は植民地の飛行隊にまともな訓練をさせるほど暇はないよ
うで次々と赤い円を青い線が囲む印がついた機体が落ちていく。
日の丸のついた機体が落ちているのは見えない。
自分自身もそんなことを思いながら敵機を落とす。
全くもって慈悲は無い。
「落とせぇ・・・落とせ」
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