日は沈まず

ミリタリー好きの人

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迎撃と反撃

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遂に攻撃開始命令が出た。

どうやら中央の主力は壊滅してしまったようだ。

信じられない。

我が海軍の精鋭正規部隊がジャップどもの戦闘機に負けるなど。

死んでいった味方の仇を討たなければ・・・

連合艦隊を沈めてやる!

しかし、最も恐れていたことが起きる。

「・・・あれは敵戦闘機。」

「各員に告ぐ。接敵を回避せよ。」

急いで降下する。

しかし、敵も降下してくる。

遂に弾が飛んでくる。

急いで機体を滑らせる。

付近を曳光弾が走る。

次々と少数の護衛の戦闘機も含めて、撃ち落とされる。

しかし、それを気にしている暇は全くない。

そして周りに味方機はいなくなっていた。

何度も敵弾を躱し続ける。

そして、遂に見えた。

「あれが・・・連合艦隊・・・」

しかし、それが見えた瞬間に機体に火がつく。

「糞がぁ!!死ね!!ジャップ!!」

翼が捥げ、機体が錐揉み回転する。

機が急降下する。

そして、この機は夕日の海の赤に呑まれていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「危なかったな。」

一機だけが我々の弾幕を躱し続け、遂には目視で確認できるほど接近してきた。

しかし、ギリギリ何とか撃墜することができた。

もう少しで、本当に攻撃されるところだった。

しかし、とりあいず大丈夫そうだ。

左右両方の攻撃隊を全機撃墜することが出来た。

しかも、今度は被撃墜は零だった。

あの艦爆が我々にとって危険な所まで接近してきたこと以外は完璧であった。

流石に夜間に発艦してくることはないだろう。

そんな危険なことを戦力が半壊している今はできないのは当たり前である。

そのうちに我々は被弾機を修理する。

かなり被弾が酷い機も一定数あり、破棄されたのもあるのだが、整備士の必死な修理
により、破棄された機を13機に抑えることが出来た。

そして、未帰還機の7機と着艦失敗の2機と合わせると喪失機は22機である。

敵機の200機程の被害に比べれば10分の1の被害である。

そして、日が昇る。

段々と周りが明るくなっていく。

今の我々を表すようである。

そして、遂にあれを準備する。

「Z旗を掲揚せよ。」

そして、Z旗が上がる。

歓声が上がる。

日が昇るとともに、こちらでもZ旗を上げたら良いのではという意見が上がり、それ
が採用された。

ちなみに連合艦隊旗艦の大和では最初からZ旗が上がっていた。その為重要な海戦で
上げるという慣習による掲揚ではない。

純粋に士気を上げるための掲揚である。

現在我々の士気は最高である。

「いやぁ、やはりZ旗の効果は凄いですね。」

「本当だな・・・」

これ程までとは思わなかった。

乗艦しているもの全員が飛行甲板に集まっている。

そして、その全員がZ旗に目線を向けている。

「作戦を伝える。」

「まずは制空隊を発艦させて、敵迎撃機を撃墜。そのあと戦闘機、攻撃機、雷撃機で
 構成される攻撃隊を発艦させて、まずは敵空母の護衛。つまり敵駆逐艦、巡洋艦、
 戦艦を優先して叩く。」

「制空隊は発艦準備!!」

そして、制空隊の発艦準備が進められる。

見える者の顔全てが輝いている。

数分後発艦準備が完了する。

「よし、発艦させろ。」

遂に我々の番だ。

敵艦隊を潰せ。

死ぬなよ。

心の底から願うのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「発艦!」

機が翔鶴の飛行甲板を滑る。

艦の端が見えてくる。

そして機体が浮かび上がる。

そして、上空で指示を出し、編隊を構成する。

無線で連絡が来る。

小隊長のの指示が的確に届き、すぐに編隊が編成される。

編隊を編成した我々は敵艦隊に向かう。

そして、敵部隊が見えている。

が・・・もう既に大半は味方の零戦に攻撃されていて、中には落ちている敵機も見え
る。

しかし、流石に完全に被害なしで通してくれるわけではないようである。

F4Fが突撃してくる。

今の攻撃で4機が被弾し、うち2機はどうやら防弾装備が装備されていない急所に命
中し、母艦に緊急帰艦した。

しかし、それ以外はこれといった被害は無かった。

護衛の戦闘機も数機のみ撃墜されたものの、ほとんど被害は無かったようだ。

「ほとんど問題無いな。」

更に敵艦隊に接近する。

何度か敵戦闘機隊と遭遇する。

その度に味方の護衛によって蹴散らされる。

制空隊によってほとんどの敵は見えるまでに落ちているようで、攻撃してきた敵機は
ほぼなかった。

敵艦隊に近づいていると思うと心が高ぶる。

「迎撃も出来ない雑魚が。」

遂に敵艦隊が見える。

「敵艦隊発見!」

そんな疑問を持ちながら敵艦隊に接近する。

心臓が激しく揺れる。

心臓とともに対空砲火で機体が揺れる。

しかし、まだ当たらない。

そして、艦影が近づく。

そして、流石に対空砲が命中するようになってくる。

いくら防弾装備を付けているとはいえ、対空砲を食らっては一溜りもない。

炸裂が近くなってきて音も大きくなってくる。

思わず頭を引っ込めてしまう。

味方機が落ちていく。

「糞!」

ついに無線が来る。

「誘導弾発射!」

小隊長から攻撃命令が出る。

無線での誘導のため、奮龍を一度に発射出来る数は限られている。

その為、一度に発射するのは12発とされている。

12発の奮龍が放たれる。

12機の一式艦攻が浮かび上がる。

そして、速やかに旋回する。

目標は敵駆逐艦群である。

後ろの偵察手が必死に操作する。

数秒後後ろの左側の駆逐艦群から炎が上がる。

直ぐに加賀の攻撃機と交代する。

その後蒼龍、瑞鶴、赤城、飛龍の攻撃機が来る。

燃える米艦隊の煙がここからでも見えるので、誘導の必要は全くないだろう。

その後各艦からの雷撃機も到着したようだ。

後から聞いた話によると、雷撃機隊はあっという間に十五隻の戦艦に対して次々と魚
雷を命中させて、魚雷を一隻に対して短時間で複数発を片方に集中して命中させたた
め、次々に米戦艦が傾いていき沈んだようだ。

雷撃機隊も凄いのだと実感した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あれは・・・もう既に酷いな。」

空母以外の艦からは火が上がっている。

いくつかの艦が既に沈没していて、辛うじて洋上にある艦も対空砲火はほぼ止まって
いる。

遂に我々の出番である。

空母に接近する。

ほぼ被害はない。

味方機が既に道を作ってくれた。

それでも攻撃されていない空母からの最後の抵抗と思われる対空砲火が我々を襲う。

「誘導弾を発射せよ。」

小隊長機から命令が出る。

奮龍を切り離す。

奮龍のエンジンから火が見える。

「当たれぇ!」

撃沈はしないようにという命令がでていたため、奮龍を発射したのは5機だけである。

それぞれ目標の空母に向かっていく。

一機が落下し、1機が海に突撃し、命中したのは3機だった。

しかし、それで良いようだ。

「全機帰投せよ。」

というわけで、我々は帰投する。

よく考えていることはわからないが、上の命令には従った方がよいので素直に従い帰投する。
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