日は沈まず

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太平洋艦隊抜錨

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太平洋艦隊司令部

「・・・・・・」

我々はフィリピンを失い、航空戦力は壊滅に追い込まれた。

しかも、奴らはオランダ領東インド、イギリス領ボルネオ、イギリス領マラヤなどの資源地帯を攻撃し、占領された。

味方のに中ではハワイを強襲してくるという噂があったが、流石にそんな無茶はしてこなかったようだ。

高度に整備された飛行場。

その飛行場に配備された最新鋭の戦闘機。

それらを守る太平洋艦隊。

間違いなくここを攻撃してきても、返り討ちにできるだろう。

流石にそこを艦砲射撃だろうが、艦載機による空襲だろうが行うことは不可能である。

いくらジャップでもここを攻撃して反撃されるほど馬鹿ではなかったようだ。

さて、太平洋艦隊はどこをまずは攻略するか。

順番に攻略していけば、追い詰めていけるだろう。

その第一歩として、マーシャルを攻略するのがよいだろう。

ここは艦隊の泊地に向いている。

しかも、ここには日本の航空戦力が存在する。

ここを無視していくと、日本の航空戦力の被害を受ける可能性が高い。

まあ、それでも返り討ちにできると思うのだが。

それでもやはり、一応という言葉もあるように前線の泊地を用意したい。

というわけで、具体的な作戦を立案した。

どうやら、彼らは資源地帯が目的らしく、攻勢は停止している。

しかし、戦力に余裕があるのなら我々の島を攻略してくるかと思ったが、そんなことは無かった。

いや、出来ないのか。

東洋のちっぽけな島国が広い領域を支配することが出来た。

しかし、その広い領域を管理するのは限界があるだろう。

その領域を守るので手一杯でそれ以上進撃できないのだろう。

もしくは、我々の艦隊を恐れ、備えているのか?

いや、だからと言って我々が退く訳がない。

むしろ、決戦なら望むところだ。

備えられたといっても所詮ジャップ。

負けるわけない。

それにもはや防衛が限界なだけであろう。

自分に言い聞かせる。

その作戦はマーシャル諸島を奇襲して、敵航空戦力を壊滅させる。

これはジャップの奴らがフィリピンで我々の航空戦力を壊滅させた。

ジャップが出来て我々が出来ないわけがない。

そして、それで敵連合艦隊をおびき寄せて壊滅させる。

何としてもこの作戦を成功させる。

遂に我々の見せ場がやってきた。

ジャップを殺してやる。

「cast off.(もやいを解け)」

空母五隻を主体とした

敵連合艦隊を沈めてやる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ハワイ沖 伊6

「敵艦隊に異常は見られるか?」

「現在確認中です。」

「!?」

「敵艦隊に動き!出港し始めています!」

「しかも、また偵察機が来ています!」

またか・・・

「急速潜航!」

「打電しろ。敵艦隊抜錨!戦力は空母五隻等を主体とした大艦隊!」

これから艦隊決戦が行われるのだろうか。

いや、行われるだろう。

帝國の荒廃この一戦にあり・・・か。

この戦いは今までの海戦の中で最も大きな海戦になるのは、用意に想像できる。

敵空母五隻と連合艦隊空母六隻が衝突するのだ。

戦力では有利だろうが、ほとんどその差はない。

この戦いで負ける可能性も否定はできない。

頼んだぞ連合艦隊。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

連合艦隊旗艦 戦艦大和

「間もなく南方作戦は完了する。」

「蘭印作戦はこのままいけば、ジャワ島を陥落させられる。ビルマ作戦も激戦が繰り
 広げられているが、優勢。」

「・・・だがハワイを哨戒中の潜水艦が、太平洋艦隊が抜錨したことを確認した。
 遂に米海軍と本格的に衝突することになる。」

ざわめきが広がる。

遂にか、絶対に勝たなければ、そんな声が聞こえる。

「我々はこの戦いに勝たなければならない。」

「搭乗員はその為に血の滲むような訓練を行ってきました。」

「ああ。」

「その訓練を生かさなければ。」

「我々は先の海戦で喪失したり、修理不可能となった艦攻と艦爆を補充した。準備万
 端だ。しかも、潜水艦の哨戒線を作成した。迎撃態勢も万全。米艦隊は飛んで火に
 いる夏の虫だな。」

「確かにこれなら敵艦隊を壊滅に追い込めるでしょう。」

「ですが、油断だけはしないようにしないとなりませんね。我々は勝利で気が緩んで
 います。」

参謀が冷静に言う。

確かに慢心ほど恐ろしいことはないかもしれない。

「その通りだな。」

艦隊放送を流す。

「我々連合艦隊はマーシャル沖に向かう。敵の攻撃に警戒せよ。前進微速!」

我ら連合艦隊はマーシャルに向かう。

この作戦が失敗し、連合艦隊が敗北したらそのまま日本も敗北してしまうだろう。

米海軍から帝國を守るために。

この戦いに勝たなければいけない。
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