日は沈まず

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比律賓死闘

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今回もかなり過激な部分が存在しています。苦手な方はご遠慮ください。

フィリピン バターン半島

マニラは銀輪のおかげもあり、すぐに陥落させることが出来た。

しかし、バターン半島に大量の敵兵力が集中していることが偵察兵からの情報から
判明した。

しかも、その偵察兵たちはほぼ全滅した。

生き残った偵察兵からの情報によると防衛線が貼られてるようで、多くの犠牲を出
すことになるだろう。

この防衛線を突破するために航空支援を要請し、ありったけの砲を集めて第一砲兵
隊を編成した。

そして、準備砲撃が開始される。

地面が揺れる。

爆発音もここまで響く。

その砲撃は連日続いた。

我々は僅かに突撃してくる兵を迎撃するだけなので楽である。

しかし、米軍からしたらたまったものではないだろう。

そして、爆撃機隊が到着した。

さらにこの爆撃により、米軍は完全に崩壊した。

そして、ついに3月1日総攻撃が開始された。

「突撃ぃ!!」

突撃を知らせるラッパと共に叫び声が数か所から聞こえる。

自分はとにかく走る

「この手で敵兵をぶっ殺してやる!」

今の我々はまるで獲物に襲い掛かる虎である。

しかし、敵兵も負けていない。

敵の発砲音が聞こえている。

前線の兵が次々とやられている。

その攻撃を防ぐために我々は匍匐前進を余儀なくされた。

「くそ!砲撃の死に損ないが!」

敵兵は明らかに減っただろう。

しかし、逃げ場所を失った敵兵は必死に抵抗する。

敵兵が弾を我々に浴びせてくる。

頭上を弾が通過する。

我々は必死に見える敵兵を攻撃する。

そして、味方の支援砲撃が始まる。

今度は艦砲射撃である。

戦艦長門、陸奥の砲撃も混じっていた。

マレーに行ったばかりだというのにご苦労である。

敵兵が次々と吹き飛んでいく。

さすが41cm砲である。

しかし、周辺の敵兵を殲滅したと思われたため前進していると潜伏していた敵u兵に
味方を殺される。

それが繰り返された。

確実に前進していったが少しずつ犠牲が増えていった。

自分も足に負傷を負った。

しかし、幸い軽傷だった。

野戦病院に行くほどの傷ではなく、止血して戦場に戻るのだった。

そして、我が軍は全兵力の約5パーセントを失ったが、ついに米軍が降伏した。

約7万人の敵兵が捕虜になったということだった。

かなり予想以上の数だが労働力になるだろう。

捕虜の強制労働は禁止だが、まあ他の国でも行われているし、ちゃんと人道的な扱
いをすればよいだろう。

まあ先に治療が明らかに必要だが。

しかし、まだコンヒドール島やビサヤ島、ミンダナオ島を攻略しなければいけない

戦闘は終わらない。

・・・がこの双方にとって地獄の戦闘は終わりである。

破壊された風景を見てみる。

どこも穴が開いている。

ここで今まで戦闘していたのだ。

自分は上官の命令に従って敵兵を殺していただけである。

上官に逆らうことはできない。

・・・いや逆らう力を持っていないのだ。

この戦争はいつまで続くのだろうか。

せめて今できるのは、早く戦争が終わることを祈ることだけである。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「脱出してください司令官!」

確かにこのままではフィリピンは落ちるであろう。

しかし、

「私は救援が来ると信じている。」

「しかし・・・」

分かっている。

救援が来ないことなど分かっている。

「大統領からも脱出の命令が出ているのですよ。」

そう、オーストラリアに向かい、オーストラリアの防衛をするようにチャーチル首
相からも要請が来ているのだ。

オーストラリアで援軍を連れてきてフィリピンに戻り反撃するか・・・

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

魚雷艇に乗り込む。

味方に送られる。

これから非常に危険な魚雷艇の旅が始まる。

今までで一番危険な目に合うだろう。

しかし、ここで戦死は絶対に許されない。

オーストラリアで反撃の用意をしなければならないのだ。

これに関してはジャップどもと接敵しないことを祈らなければいけない。

必ず戻ってくる・・・フィリピンに。

この屈辱は忘れない。

その後なんとかミンダナオ島に到着。

B17に乗り込みオーストラリアに向かう。

今度も助かった。

そして、列車に乗り込んでアデレード駅に向かう。

報道陣が集まっている。

そして、私は宣言する。

「私はアメリカ大統領から、日本の戦線を突破してコレヒドールからオーストラリ
 アに行けと命じられた。その目的は、私の了解するところでは、日本に対するア
 メリカの攻勢を準備することで、その最大の目的はフィリピンの救援にある。私
 はやってきたが、

 I shall return
(必ずや私は戻るだろう)」

しかし、現実は非情であった。

オーストラリア軍の戦力が弱すぎるのである。

これではフィリピン救援どころか、日本軍が侵攻してきたら防衛できるか怪しいレ
ベルである。

フィリピンは現時点では救えない。

「神よ哀れみたまえ。」

もはやそう言う他なかった。
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