日は沈まず

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新しい攻撃手段と真珠湾

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陸海航空技術研究所 3科(航空機担当)

「畜生!」

「どうしました?研究所長?」

「試作艦上攻撃機の開発要求がきた。」

はぁ?こちらは奮龍の開発で手一杯なんだぞ💢

「・・・要求は?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

だいたいの要求は97式艦攻をベースに奮龍を搭載して最高速度400キロ程度で飛
行し、ある程度の防弾装備を備え、航続距離も97式艦爆と同程度で12.7ミリ翼
内機銃1基と12.7ミリ回転銃座搭載の複座の艦攻だった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「・・・複座なら軽量化できますね。それに速度性能は97式艦攻よりも低い・・・
 航続距離もほぼ同じ・・・」

「意外と無茶な要求はしてきませんでしたね。」

その後意外に早く開発は進んだ。

やはり比較的要求性能が低く97式艦攻をベースにすることを指示されたからである。

しかし、複座にしたことで後席の搭乗員の仕事は大幅に増えた。

また、エンジンは三菱製の火星に決まった。

理由はトルクを重視しても、1500馬力をたたき出す高出力エンジンだからである。

そして、防弾装備もしっかりと装備されている。

12.7ミリ弾だとわからないが、7ミリ程度の弾だと十分な防御力がある。

そして完成した。

奮龍操作の装置も後部座席に取り付けられてる。

奮龍のための艦上攻撃機と言っても過言ではなかった。

しかし、実際に試験飛行を行うと1トンを超える搭載物のバランスなどの問題でなか
なか安定した飛行を実現するのに時間がかかった。

そしてようやく完成した時には1941年になっていた。

しかし、完成度は高かった。

1940年に正式採用された奮龍を取り付けて飛行しても、特に問題はなくなった

この艦攻は変わった見た目をしていた。

太く長い機体に砲弾に羽が生えたような奮龍を装備していた。

今までの艦攻とは全く違うものが出来上がった。

この艦攻は一式艦上攻撃機という名前が付けられた。

同時期に開発された一式陸上攻撃機と名前が酷似していたので、若干混乱が起きたが
ほぼ問題はなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

軍令部

「・・・・・・」

「どうしました?山本長官。」

「第四艦隊事件で発覚した防御力の強化は完了した。またその演習で別に発覚した空
 母戦での犠牲の多さも奮龍搭載の一式艦攻の配備によって解決に向かう、が・・」

「流石に軍事拡張をしすぎたようだ。英米から目をつけられている。最近は石油をは
 じめとした資源に経済制裁がかけられている。」

「いっそのこと英米と戦端を開いた方が・・・」

「馬鹿野郎!!」

「いくら軍備拡張しているとはいえ相手は化け物だ。戦っても勝ち目はほぼない。」

「しかし、輸入ができなくなると国の維持ができなくなります。帝國臣民を守ること
 ができなくなりますよ!!」

「・・・・・・」

確かにそれも正論である。

だが、我が帝國と英米では力が違いすぎる。

まるで子供と大人である。

いくら工業力を恐慌の時に強化し、犬猿の仲であった陸軍と協力して技術を発展させ
ても、大陸の権益を手に入れても、米英に対して不利なのは変わりない。

「・・・真珠湾を艦載機で奇襲するか?」

一瞬空気が凍りつく。

「無理です・・・」

「出来たとしてもアメリカに与えるダメージは一時的になるだろう。しかもだそのダ
 メージも不確定。さらにアメリカを奇襲したら相手に開戦の口実を与えて、強く敵
 視されるだろう。アメリカの国民性では。」

永野軍令部総長が言う

確かに一理ある。

「やはり以前からの漸減作戦の方がいいだろう。いままで立案していたうえに、それ
 なら確実に被害を与えられる。」

「・・・・・・」

もはや言い返すことができなかった。

「しかし、今の作戦では不十分な部分もあります。これからは本格的に作戦を練って
 いきましょうまあこの作戦が使われないことを祈りますけど。」

というわけで作戦の立案を進めることになった。







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