屋台の夜から暮らす猫

猫の侍

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夜に死ぬ鬼

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シャワーを浴びている間に
幼馴染がマリを温めてくれた

彼女の行動に
2人とも言葉が出ない
気まずい空気とは
このことだ…

「なんであんな事…」

かすれた声で幼馴染が呟く。

「なんか様子がおかしかったね。」

答えが見つかりそうにない…

そういえばマリが見つかった事を
屋台のおじさんに伝えないと…

「そろそろマリを連れて帰るね」

「うん、彼女の事で何かあったら連絡する。分かったことあったら教えてくれ。」

「分かったよ」

そう言って私は神社に向かった。
時刻は16時を過ぎた頃だろうか
千里屋台の殆どが片付けられていた。

「おじさーん!猫見つかったよ」

神社に着くとおじさんが待っていた。

「友達が猫を連れてやしき池に投げたんだよ… そこを運良く見つけて…」

「やしき池?あぁあの夜な夜な動物の悲鳴が聞こえるって噂のか…」

「何か知っている?」

「あそこは夜に死ぬ鬼って書いてやしき池だ」

「お屋敷が近くにあったからやしき池じゃないの?」

「話してなかったが。災いは何で起きると思う?」

「どういうこと?」

「災いの元があるんだ。それがやしき池。あそこは死んだ動物や遊び半分で動物を沈める池だったんだ。大昔の話だけどな。そこの怨念が災いをもたらす。そう言われてる。」

「そんな怖いところなのあの池…」

「それを鎮めるためのこの神社だ。」
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