屋台の夜から暮らす猫

猫の侍

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運命の人間

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そもそも運命の猫とは
一体なんなのか

一本糸通りでは
お祭りの片付けが行われている。

猫じゃらしゲームのおじさんに
聞くしかない。

「おじさん!昨日の猫、起きたら居なくなってた。そもそも運命の猫ってなに?」

「猫が居なくなったって?そりゃ本当か⁉︎」

何やら慌てた顔をしてどこかに電話をかけている。

「もしもし、俺だよ。昨日の猫、釣ったお嬢ちゃんがどこかにやっちまったらしいんだ…」

何やら揉めた後に電話を切った。
相当焦った様子。

「お嬢ちゃんちょっと付いてきてもらえる?」
 
「えっ… 」

「話はあとだ。神社行くぞ。」

言われるがままだった。

神社に着くとそこには
昨日声をかけてくれた
老夫婦がいた。

「ほっほっほ、なんだ看板娘かい、昨日猫を釣ったのは?」

優しいような怖いような声で
私に近づいてきた。

「そ、そうです…」

「こんなやつが本当に運命の人間なのかよ?神様もどうかしてるぜ」
 
老夫婦は屋台のおじさんと知り合いのようだ

「看板娘や、運命の猫について知りたいかい?いや、知ってもらわなければならん。猫も必ず見つけ出さなければならん。」

「それはどういう事ですか?」

運命の猫に運命の人間
頭の中はごちゃごちゃだ。
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