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19.胡乱な客
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「嘘はついてないよ? 見たことあるのは確かだし」
「何かの勘違いかもしれないじゃないですか!」
「いるともいないとも明言してませんのね」
雅樂は感心したように横から相槌を打つ。
「まあ、それはあなたが判断してください、みたいな?」
「その辺りちょっとマズいんですよ。仕込みじゃないか、って疑ってる人も結構いて」
「仕込みじゃねーし」
乙女は軽く言ったが、萩森は深刻な様子を崩さなかった。
「ただヤラセを疑われてるだけなら、まだいいんですけど、あの動画に映ってる幽霊? みたいなのって、小さい女の子の姿でしょう?」
「あ、一応あの動画見てるんだね」
「そりゃそうですよ」
萩森は意外そうに応じたが、気分を害した様子はない。
「子供ってのがちょっと問題あるみたいで……あの動画、夜中の二時ぐらいだから〝子供に夜中あんなことをさせるのはどうなのか?〟とか〝労働基準法に違反してる〟みたいな声もチラホラあるんです」
「あ、ああ~」
乙女は、変に間延びした声を上げた。
「まあ……その、労基とかは大丈夫でしょ。幽霊なんだし」
「ええ~……それで押し通すんですか……」
萩森は最早呆れた様子を隠そうともしない。
「……念の為に伺いたいんですが、あの女の子って本当に武音さんの仕込みじゃないんですよね?」
「違う違う。そんなわけないじゃん。天然モノだよ、アレは」
ヘラヘラ笑っている乙女を、萩森は胡散臭そうに見ている。
「……おかしいと思ったんですよ。彼らと一緒に動画に映ったりしてるし」
「あの学生二人の話? いや、サービスだよ」
乙女の言葉に反応することなく、萩森は語り続けた。
「学生さん達、動画をネットに投稿することには乗り気じゃなかったように見えたんですけど……その日の内にアップロードしてましたよね。武音さん、何かしてませんか?」
「してないっす」
しばらく、じっと乙女を見つめていたが、『わかりました』
と、ひとこと言って萩森は折れた。
「あの幽霊の女の子、武音さんの周辺を探っても何も出て来ませんよね?」
「出てこないよ。あのコに関してはむしろあたしが知りたいくらいだもん」
「……わかりました。信用します」
深くため息をつき、萩森は言う。
「今日は役所のほうでやらなきゃいけないことあるんで、もう失礼します。あの、今度から何かする時は絶対事前に相談してくださいね」
念を押しながら、萩森は長い坂を降りていった。
「何かの勘違いかもしれないじゃないですか!」
「いるともいないとも明言してませんのね」
雅樂は感心したように横から相槌を打つ。
「まあ、それはあなたが判断してください、みたいな?」
「その辺りちょっとマズいんですよ。仕込みじゃないか、って疑ってる人も結構いて」
「仕込みじゃねーし」
乙女は軽く言ったが、萩森は深刻な様子を崩さなかった。
「ただヤラセを疑われてるだけなら、まだいいんですけど、あの動画に映ってる幽霊? みたいなのって、小さい女の子の姿でしょう?」
「あ、一応あの動画見てるんだね」
「そりゃそうですよ」
萩森は意外そうに応じたが、気分を害した様子はない。
「子供ってのがちょっと問題あるみたいで……あの動画、夜中の二時ぐらいだから〝子供に夜中あんなことをさせるのはどうなのか?〟とか〝労働基準法に違反してる〟みたいな声もチラホラあるんです」
「あ、ああ~」
乙女は、変に間延びした声を上げた。
「まあ……その、労基とかは大丈夫でしょ。幽霊なんだし」
「ええ~……それで押し通すんですか……」
萩森は最早呆れた様子を隠そうともしない。
「……念の為に伺いたいんですが、あの女の子って本当に武音さんの仕込みじゃないんですよね?」
「違う違う。そんなわけないじゃん。天然モノだよ、アレは」
ヘラヘラ笑っている乙女を、萩森は胡散臭そうに見ている。
「……おかしいと思ったんですよ。彼らと一緒に動画に映ったりしてるし」
「あの学生二人の話? いや、サービスだよ」
乙女の言葉に反応することなく、萩森は語り続けた。
「学生さん達、動画をネットに投稿することには乗り気じゃなかったように見えたんですけど……その日の内にアップロードしてましたよね。武音さん、何かしてませんか?」
「してないっす」
しばらく、じっと乙女を見つめていたが、『わかりました』
と、ひとこと言って萩森は折れた。
「あの幽霊の女の子、武音さんの周辺を探っても何も出て来ませんよね?」
「出てこないよ。あのコに関してはむしろあたしが知りたいくらいだもん」
「……わかりました。信用します」
深くため息をつき、萩森は言う。
「今日は役所のほうでやらなきゃいけないことあるんで、もう失礼します。あの、今度から何かする時は絶対事前に相談してくださいね」
念を押しながら、萩森は長い坂を降りていった。
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