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15.幕が上がる
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「そのかわり、今後待宵屋敷の中に誰も入れないで。あなた以外」
「いや、そりゃ無理だよ。萩森さんだって、しょっちゅうここ来てるでしょ? あの男の人」
「ああ、そうね……昼間に来るのは別にいいわ。泊めたりしないで、ってこと」
「泊める……うーん。どうかな」
今度は乙女が考える番だった。
「あの、あたし今ここ住んでるけどさ。ぶっちゃけ、あんまり権限ないんだ。ある程度の意見は出来るんだけど」
ミラは難しい顔をして聞いている。
「ここって今、市の持ち物なんだよ。公共物っていうか。どういえば伝わるかなあ……」
「わかるわ。お役所の物ってことよね? あの、あなたと一緒の部屋にいる二人もお役所の人なんでしょ」
「あ、そうそう! そういうことなんだよ。だからお役所がここを宿泊出来る建物にする、って決めちゃったら、どうしようもないの」
乙女としては、将来的に待宵屋敷を宿泊施設にするのもアリだな、と考えていたのでこういう事を言ったのである。嘘ではない。
ただ、ミラがどうしても嫌がるのであれば、一緒にミラの気が済むように考えてやるつもりではあった。
……のだが、
「……わかった。じゃあ、私とお友達になって」
ミラはあっさりと自らの要望を翻した。
「と、友達……?」
「そう」
一気にグレードが下がったので、聞き間違いかと思い問い返したのだが、合っていたようである。
「うんまあ……いいよ。友達になるくらい」
「ほんと?!」
ミラは目尻を下げ、乙女に顔を近づける。
「いいの? 私のいう〝友達〟って〝本当の友達〟だよ?」
「別にいいよ。本当だろうがなんだろうが」
乙女の答えを聞き、ミラはにんまりと笑った。……いつのまにか宙に浮き、ますます顔が近づいている。もうちょっとで、鼻の頭が触れそうだった。
「じゃああらためて……私はミラ。よろしく」
「あたしは武音乙女。こっちこそよろしくな」
ミラはクスクスと笑いながら、より高いところに行き、距離を取る。
「〝本当の友達〟は、ずーっと一緒の友達、だから。ね?」
念を押すように言うと、掻き消えるようミラは姿を消してしまった。
『あれ? これもしかしてなんかマズいやつかな?』
ふと、乙女は持ち前のカンで不吉な予兆を感じたが、取りあえず今は心の底にしまっておくことにした。
「いや、そりゃ無理だよ。萩森さんだって、しょっちゅうここ来てるでしょ? あの男の人」
「ああ、そうね……昼間に来るのは別にいいわ。泊めたりしないで、ってこと」
「泊める……うーん。どうかな」
今度は乙女が考える番だった。
「あの、あたし今ここ住んでるけどさ。ぶっちゃけ、あんまり権限ないんだ。ある程度の意見は出来るんだけど」
ミラは難しい顔をして聞いている。
「ここって今、市の持ち物なんだよ。公共物っていうか。どういえば伝わるかなあ……」
「わかるわ。お役所の物ってことよね? あの、あなたと一緒の部屋にいる二人もお役所の人なんでしょ」
「あ、そうそう! そういうことなんだよ。だからお役所がここを宿泊出来る建物にする、って決めちゃったら、どうしようもないの」
乙女としては、将来的に待宵屋敷を宿泊施設にするのもアリだな、と考えていたのでこういう事を言ったのである。嘘ではない。
ただ、ミラがどうしても嫌がるのであれば、一緒にミラの気が済むように考えてやるつもりではあった。
……のだが、
「……わかった。じゃあ、私とお友達になって」
ミラはあっさりと自らの要望を翻した。
「と、友達……?」
「そう」
一気にグレードが下がったので、聞き間違いかと思い問い返したのだが、合っていたようである。
「うんまあ……いいよ。友達になるくらい」
「ほんと?!」
ミラは目尻を下げ、乙女に顔を近づける。
「いいの? 私のいう〝友達〟って〝本当の友達〟だよ?」
「別にいいよ。本当だろうがなんだろうが」
乙女の答えを聞き、ミラはにんまりと笑った。……いつのまにか宙に浮き、ますます顔が近づいている。もうちょっとで、鼻の頭が触れそうだった。
「じゃああらためて……私はミラ。よろしく」
「あたしは武音乙女。こっちこそよろしくな」
ミラはクスクスと笑いながら、より高いところに行き、距離を取る。
「〝本当の友達〟は、ずーっと一緒の友達、だから。ね?」
念を押すように言うと、掻き消えるようミラは姿を消してしまった。
『あれ? これもしかしてなんかマズいやつかな?』
ふと、乙女は持ち前のカンで不吉な予兆を感じたが、取りあえず今は心の底にしまっておくことにした。
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