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獣人国グエン
228.再会
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「ああ、風が気持ち良いなぁ。」
俺は現在エンドの街に向かって空の旅の最中である。
アントレ侯爵にブラウン公爵の領地であるエンドの様子を確認と手紙の配達を頼まれたのだ。
急ぎの手紙だからすぐに持って行ってくれと言っていたがあれはリーゼちゃんから俺を引き離すために急がせているようにも感じた。
今頃リーゼちゃんに怒られているかもしれないな。
なぜかアントレ侯爵の心配をしながら飛んでいるとエンドの外壁が見えてきた。
な~んか壁にチラホラ傷があるような・・・・。
うん、間違いないね。
最近出来たキズがたくさんあるよ。
もしかしてエンドも魔物に襲われたのかもしれないな。
エレナさんは強いと思うけど実際に戦っているところを見たわけではないので心配だ。
「そこのお前止まれ!」
エンドの壁が見えてきたので地面に降りゆっくりと歩いていると門が閉まったままの城壁から兵士に制止するように言われた。
やはり魔物の襲撃があったのか限界態勢が敷かれているようだ。
アントレ侯爵の依頼でブラウン公爵に手紙を届けに来たことを伝えるが全く信用して貰えなかった。
それはそうだ魔物の襲撃があったときに荷物をほとんど持たずに一人で歩いて来た俺は怪しい人物にしか見えないだろう。
全くその通りである。
兵士の見張り小屋の中でギルド証を見せても信用してもらえなかったので仕方ないのでエレナさんから預かっていた短剣を出したら兵士の顔色が真っ青になる。
上司も出てきて平謝りされてしまって真面目に仕事をしていた兵士に申し訳なかった。
外壁のキズを見て街中は一体どんなことになっているのか不安だったがキズの入った建物はあるが壁が崩れたり倒壊しているような建物はないようだ。
案内してくれた兵士の話してではハーピー大群が襲ってきたらしいが騎士団と冒険者がエレナさん指揮の元一致団結して戦ったらしい。
しかもエレナさんがハーピークィーンを魔法で仕留めたことで残ったハーピーは逃げ出したとのことだった。
空からの襲撃に対応して見せたエンドの冒険者と騎士団はとても優秀なのだろう。
俺が初めてエレナさんと合った騎士団の館の一室で待っているとエレナさんとレイドさんが入ってきた。
「お久しぶりです。エレナさん、レイドさん。」
「お久しぶりです。ソラ殿。」
「久しぶり。」
アントレ侯爵から預かった手紙をエレナさんに差し出す。
なんとエレナさんが手紙を読み始めてしまった。
「あ!」
思わず声を出してしまった。
エレナさんが顔を上げて不思議そうな顔をしている。
「ん?ああ、長い間病に伏せっていた父が今回の襲撃で亡くなったので今は私がブラウン家の当主だ。」
「・・・・、すみません。」
「謝る必要はないよ。知らなくて当然のことだ。」
エレナさんが手紙を読み終わるまで黙って待つ。
手紙を読み終わったエレナさん顔を上げた。
「フォレスの街を2度も救ってくれてありがとう。」
「頭を上げてください。フォレスの街で戦ったのは俺がそうしたかったからです。それにこれで少しでもエレナさんへの恩返しになったのならよかったです。」
頭を下げるエレナさんを慌てて止める。
「やはり団長の目に狂いはなかったですね。」
「ああ、そうだな。」
エレナさんの期待に応えることができたのなら良かった。
手紙に書かれていたのだろうフォレスの街での戦闘やグエン王国での出来事をエレナさんが聞いてきたので出来るだけ詳しく話した。
すべてを語ったわけではないのにたった一年足らずの間に起ったこととは思えない話に終始二人は驚いていた。
「ソラ殿はきっと一門の人物になると思っていたが想像以上の成長に嬉しく思うぞ。そんなソラ殿に相談があるのだが・・・。」
俺は現在エンドの街に向かって空の旅の最中である。
アントレ侯爵にブラウン公爵の領地であるエンドの様子を確認と手紙の配達を頼まれたのだ。
急ぎの手紙だからすぐに持って行ってくれと言っていたがあれはリーゼちゃんから俺を引き離すために急がせているようにも感じた。
今頃リーゼちゃんに怒られているかもしれないな。
なぜかアントレ侯爵の心配をしながら飛んでいるとエンドの外壁が見えてきた。
な~んか壁にチラホラ傷があるような・・・・。
うん、間違いないね。
最近出来たキズがたくさんあるよ。
もしかしてエンドも魔物に襲われたのかもしれないな。
エレナさんは強いと思うけど実際に戦っているところを見たわけではないので心配だ。
「そこのお前止まれ!」
エンドの壁が見えてきたので地面に降りゆっくりと歩いていると門が閉まったままの城壁から兵士に制止するように言われた。
やはり魔物の襲撃があったのか限界態勢が敷かれているようだ。
アントレ侯爵の依頼でブラウン公爵に手紙を届けに来たことを伝えるが全く信用して貰えなかった。
それはそうだ魔物の襲撃があったときに荷物をほとんど持たずに一人で歩いて来た俺は怪しい人物にしか見えないだろう。
全くその通りである。
兵士の見張り小屋の中でギルド証を見せても信用してもらえなかったので仕方ないのでエレナさんから預かっていた短剣を出したら兵士の顔色が真っ青になる。
上司も出てきて平謝りされてしまって真面目に仕事をしていた兵士に申し訳なかった。
外壁のキズを見て街中は一体どんなことになっているのか不安だったがキズの入った建物はあるが壁が崩れたり倒壊しているような建物はないようだ。
案内してくれた兵士の話してではハーピー大群が襲ってきたらしいが騎士団と冒険者がエレナさん指揮の元一致団結して戦ったらしい。
しかもエレナさんがハーピークィーンを魔法で仕留めたことで残ったハーピーは逃げ出したとのことだった。
空からの襲撃に対応して見せたエンドの冒険者と騎士団はとても優秀なのだろう。
俺が初めてエレナさんと合った騎士団の館の一室で待っているとエレナさんとレイドさんが入ってきた。
「お久しぶりです。エレナさん、レイドさん。」
「お久しぶりです。ソラ殿。」
「久しぶり。」
アントレ侯爵から預かった手紙をエレナさんに差し出す。
なんとエレナさんが手紙を読み始めてしまった。
「あ!」
思わず声を出してしまった。
エレナさんが顔を上げて不思議そうな顔をしている。
「ん?ああ、長い間病に伏せっていた父が今回の襲撃で亡くなったので今は私がブラウン家の当主だ。」
「・・・・、すみません。」
「謝る必要はないよ。知らなくて当然のことだ。」
エレナさんが手紙を読み終わるまで黙って待つ。
手紙を読み終わったエレナさん顔を上げた。
「フォレスの街を2度も救ってくれてありがとう。」
「頭を上げてください。フォレスの街で戦ったのは俺がそうしたかったからです。それにこれで少しでもエレナさんへの恩返しになったのならよかったです。」
頭を下げるエレナさんを慌てて止める。
「やはり団長の目に狂いはなかったですね。」
「ああ、そうだな。」
エレナさんの期待に応えることができたのなら良かった。
手紙に書かれていたのだろうフォレスの街での戦闘やグエン王国での出来事をエレナさんが聞いてきたので出来るだけ詳しく話した。
すべてを語ったわけではないのにたった一年足らずの間に起ったこととは思えない話に終始二人は驚いていた。
「ソラ殿はきっと一門の人物になると思っていたが想像以上の成長に嬉しく思うぞ。そんなソラ殿に相談があるのだが・・・。」
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