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激動の二日間
144.孤児院の異変
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「ソラ。次はどうするんだ?」
「次はリーネさんに別れの挨拶と守護のペンダントを渡しに行くよ。ジン達も孤児院の子供達にお別れの挨拶をするんだぞ。」
「分かってるぞ。」
「ブヒブヒ。」(分かった。)
(ワカッタ)
孤児院の子供達は悲しがるだろうな。
ジンやパッシー、ポックルと仲良く遊んでいたからなぁ。
「ソラ、リーネさんってどんな人なの?」
ルシアは初めて会うんだよな。
メアも紹介しないといけないな。
「教会と孤児院の管理をしているシスターだよ。以前孤児院の男の子にリーネさんの病気を治すために精霊草の採取を依頼されたのがきっかけで知り合ったんだ。」
数ヶ月前の話なのにずいぶん昔のことのように思えるな。
この世界に来て前の世界では考えられない経験を沢山してきたんだから当然か。
「精霊草ってことはそのときに『精霊樹の若木』を手に入れたんですね。」
精霊草と精霊樹ってセットなのかな。
どっちも名前に精霊が付くし。
「そうだよ。良く分かったね。」
褒めたのが嬉しいのかルシアはニコニコしながら俺の手を握りながら手をブンブン振ってくる。
孤児院の前についたが俺の《魔力感知》では中にいるのはリーネさん一人のようだ。
「ソラ。なんか変だぞ。気配が一人分しかない。」
ジンも《気配察知》で異変を感じたみたいだ。
「みんな様子がおかしいから十分注意して。」
扉をノックするが全く反応がない。
中にリーネさんがいるのは間違いない。
もしかしてリーネさんに何かあったのか・・・。
「扉を開けるぞ。」
何かあったらすぐ反応できるように身構えながらゆっくり扉を開けた。
日が傾き始めて部屋の中は薄暗くてよく見えないがいつも食事をしているテーブルに人影が見える。
「リーネさん!」
大声で人影に呼びかけるがやはり反応がない。
クソ、嫌な予感しかしない。
《直感》さんがさっきから警告音を鳴らしているがそんなの気にしている場合じゃない。
《魔力感知》でリーネさんが生きているのは確かだ。
しかしコレだけ反応がないのは明らかに普通じゃない。
なにか不味い状況なのかもしれない。
「みんなはここで待っていろ。」
俺は全員に待機を命じて《直感》を無視してリーネさんに駆け寄る。
「リーネさん!大丈夫ですか?」
リーネさんの肩を揺すりながら声をかける。
するとようやくリーネさんがゆっくりと体を起した。
よかった一応無事みたいだ。
しかし、孤児院の子達はどうしたんだ?
それに《直感》さんの警告音が止まない。
早くリーネさんを連れてここを離れないと。
「リーネさん。ここは危険です。すぐに離れましょう。」
リーネさんは体を起してくれたがずっと顔を下に向けたままだ。
いつもはすぐにその綺麗な顔を俺達に向けてくれるのに。
「これは仕方ないんです。あの子達を助ける為です。そうあの子達に罪はありません。この罪は私が背負います。ソラさんは良い人。それに今この瞬間に表れたのはきっと神の思し召しです。きっと許してくれます。ごめんなさい。他に方法がないんです。恨むなら私だけにしてください。どうかあの子達だけは幸せに・・・。」
リーネさんが小さく早口で何かを言っている。
どう考えても普通じゃない。
《直感》さんの警告音がさらに激しく鳴る。
状況が全く分からないがとにかくリーネさんを守らないと。
俺はリーネさんを抱きしめて回りに《プログラム・結界》《プログラム・強化》《プログラム・素粒子操作》で結界を張ってどんな攻撃がきても良いように防御に全力を注いだ。
「次はリーネさんに別れの挨拶と守護のペンダントを渡しに行くよ。ジン達も孤児院の子供達にお別れの挨拶をするんだぞ。」
「分かってるぞ。」
「ブヒブヒ。」(分かった。)
(ワカッタ)
孤児院の子供達は悲しがるだろうな。
ジンやパッシー、ポックルと仲良く遊んでいたからなぁ。
「ソラ、リーネさんってどんな人なの?」
ルシアは初めて会うんだよな。
メアも紹介しないといけないな。
「教会と孤児院の管理をしているシスターだよ。以前孤児院の男の子にリーネさんの病気を治すために精霊草の採取を依頼されたのがきっかけで知り合ったんだ。」
数ヶ月前の話なのにずいぶん昔のことのように思えるな。
この世界に来て前の世界では考えられない経験を沢山してきたんだから当然か。
「精霊草ってことはそのときに『精霊樹の若木』を手に入れたんですね。」
精霊草と精霊樹ってセットなのかな。
どっちも名前に精霊が付くし。
「そうだよ。良く分かったね。」
褒めたのが嬉しいのかルシアはニコニコしながら俺の手を握りながら手をブンブン振ってくる。
孤児院の前についたが俺の《魔力感知》では中にいるのはリーネさん一人のようだ。
「ソラ。なんか変だぞ。気配が一人分しかない。」
ジンも《気配察知》で異変を感じたみたいだ。
「みんな様子がおかしいから十分注意して。」
扉をノックするが全く反応がない。
中にリーネさんがいるのは間違いない。
もしかしてリーネさんに何かあったのか・・・。
「扉を開けるぞ。」
何かあったらすぐ反応できるように身構えながらゆっくり扉を開けた。
日が傾き始めて部屋の中は薄暗くてよく見えないがいつも食事をしているテーブルに人影が見える。
「リーネさん!」
大声で人影に呼びかけるがやはり反応がない。
クソ、嫌な予感しかしない。
《直感》さんがさっきから警告音を鳴らしているがそんなの気にしている場合じゃない。
《魔力感知》でリーネさんが生きているのは確かだ。
しかしコレだけ反応がないのは明らかに普通じゃない。
なにか不味い状況なのかもしれない。
「みんなはここで待っていろ。」
俺は全員に待機を命じて《直感》を無視してリーネさんに駆け寄る。
「リーネさん!大丈夫ですか?」
リーネさんの肩を揺すりながら声をかける。
するとようやくリーネさんがゆっくりと体を起した。
よかった一応無事みたいだ。
しかし、孤児院の子達はどうしたんだ?
それに《直感》さんの警告音が止まない。
早くリーネさんを連れてここを離れないと。
「リーネさん。ここは危険です。すぐに離れましょう。」
リーネさんは体を起してくれたがずっと顔を下に向けたままだ。
いつもはすぐにその綺麗な顔を俺達に向けてくれるのに。
「これは仕方ないんです。あの子達を助ける為です。そうあの子達に罪はありません。この罪は私が背負います。ソラさんは良い人。それに今この瞬間に表れたのはきっと神の思し召しです。きっと許してくれます。ごめんなさい。他に方法がないんです。恨むなら私だけにしてください。どうかあの子達だけは幸せに・・・。」
リーネさんが小さく早口で何かを言っている。
どう考えても普通じゃない。
《直感》さんの警告音がさらに激しく鳴る。
状況が全く分からないがとにかくリーネさんを守らないと。
俺はリーネさんを抱きしめて回りに《プログラム・結界》《プログラム・強化》《プログラム・素粒子操作》で結界を張ってどんな攻撃がきても良いように防御に全力を注いだ。
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