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抱き枕
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自分に抱きついているものがなんなのか、それが気になってすっかり目が覚めてしまった。しかも肩甲骨のあたりだろうか、なにか触れてはいけないやわらかなものが当たっている気がする。彼女いない歴イコール年齢であるのはもちろんのこと、幼稚園の遠足以来女の子という生き物に触れたことすらない。なので自分に抱きついてくる人に心当たりなどなかったし、自分の家の自分の部屋のなかに入ってこれる人などいなかったはずだ。自分に抱きついている手は片方が首の下のくぼみに収まっていて、もう片方の手は脇腹の上あたりに軽く置かれているような感じだった。脇腹の上の手を後ろにどけてみると、驚くほど手が冷たかった。幽霊かと言われればそんな気は全くしなかったが、健康な体温かと言われればそうでも無いような気がした。
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