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004 銃撃戦
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「おえ!本田っ!出てこんかえっ!おるんは分かっとるんやぞっ!」
高槻市に隣接する枚方市にある、築30年の文化住宅「青春荘」の二階。
電話はやばいとの合意の元、健太郎と藤原は車で直接、高校時代からの悪友である本田明の家に来ていた。
「だ……騙されへんぞ……お、お前ら石像人間なんやろ、絶対家には入れへんぞ……む、向こうに行けっ!ぼ、僕を怒らしたら怖いぞ……」
家の中から、本田の屁たれた声が聞こえる。
「おえ本田!俺や、健太郎や!藤原もおる!大丈夫や、この辺にはまだ石像はおらん。ええからここを開けいっ!」
「う、嘘や……嫌や……向こうに行けっ」
本田の屁たれた声が、だんだんと泣き声に変わっていく。
「おえ藤原あかんわ、こんガキほんまにびびっとる。このクソ寒い中、アホみたいに外に立たしやがってからにこのボケ……こんままやったらきりない、管理人のとこ行ってマスターキーもろてきてくれ」
「分かった。そやけど健、ええな、言うとくけど切れるなよ」
「わぁっとるわぁっとる」
「ほんだらちょっと待っとけや」
そう言って藤原が、一階の管理人室に走っていった。
「そやのぉ……この窓叩き割ったらなんとか……」
そう言って、健太郎が台所の小窓に顔を寄せた。
その様子を中から見ていた本田が、手にしたトカレフを躊躇なくぶっぱなした。
ボンボンボンッ!
窓が砕け、健太郎が慌てて身を屈めた。
「くっ……こ……このガキ……」
粉々になったガラスの破片が、健太郎の頭に降ってくる。
健太郎のこめかみがピクピクと脈打ちだした。
「おらあっ!このど腐れ屁たれ!おんどれええ加減にさらさんと、ほんまにいわしたるぞっ!」
健太郎が大声で吠えた。
近所の連中も、銃声と怒声に何事かと集まってきた。
「うりゃああああああっ!」
健太郎がドアに蹴りを入れた。
「……ったくこのエテ公が……おお藤原、来たか来たか。よっしゃ鍵よこせ。こんガキ、中入ったら叩っ殺したる」
「おい健、分かってるな、切れんなよ」
「わぁっとる……おらっ!この石鹸顔の……」
ボンボンッ!
健太郎の言葉が終わる前に、本田のトカレフが火を噴いた。
健太郎と藤原が慌てて伏せる。
見ると木製のドアに穴が開いていた。
「くっ……こ、こんガキ……」
本田は正気に戻らない。
充血した目をギラギラさせて、扉に向けて発砲を続ける。
「ひ……ひひっ……お、お前らなんか怖ないぞ……まだまだ弾はあるからな……絶対中には入れへんからな……」
ボンボンボンボンッ!
「…………え、ええ加減にさらせやこのボケが……」
一発が健太郎のこめかみをかすり、破れた血管から真っ赤な血が勢いよく吹き出した。
プッシュウウウウウウウッ……
「あかん……健が切れた……」
藤原が頭を抱えた。
「こ…………この屁たれがああああああああああっ!うりゃあああああああああっ!」
健太郎がドアを蹴り破った。
本田は見境なくトカレフを乱射する。
銃弾飛び交う中、健太郎がゴロゴロと転がって中に入った。
「クソガキッ……!」
巨漢に似合わぬ身軽さで銃弾をかいくぐり、健太郎が本田に突進していく。
トカレフの弾が切れた。
マガジンチェンジをしようとする本田に健太郎は一気に飛びかかり、タックルをかました。
「ぐえっ……」
90キロのタックルをまともに受けた本田が思わずそう、うなった。
殺気を感じる本田がトカレフを健太郎の額に押し付け、そして躊躇なくトリガーをひいた。
しかしマガジンチェンジの済んでいない銃口から、弾が出る事はなかった。
健太郎がニタリとする。
「おえ本田……久しぶりやのぉ……久しぶりに会うた親友様に向かっておどれ、なかなかおもろい真似しくさりよるやないかえ……どや、これでも俺が石像に見えるか……よおぉ目ん玉見開いて見てみろや……」
ペンペンと本田の頬を叩きながら、健太郎がささやく様にそう言った。
健太郎の熱い鼻息が本田にかかる。
薬莢の散乱する部屋の中で、健太郎が本田の首を握り締め、起き上がるとそのまま持ち上げた。
「え……あ……も、もじがじで……健ぢゃん……」
「やっと気ぃついてくれたんかえ、嬉しいのぉ……おえ本田、中々おもろい歓迎の仕方やないかえ……俺にこないな真似してお前、ただで済むとは思てへんよな……」
こめかみからはだくだくと血が流れている。
健太郎の妙に優しく、ゆっくりとした口調に藤原が再び頭を抱えた。
「……おもろい真似しくさりよってからに……やっぱし俺様の親友っつうだけの事はあるわい…………のぉ、本田……」
本田の顔面が蒼白となった。
「げ……健ぢゃん……ごめん……ごめんごめんごめんっ!謝るがら、謝るがら堪忍じでっ!」
「ほおぉっ、ここまできての命乞いかえ……みっともない真似すんなや、なぁ本田……さぁ、もっと武器持ってこいや……もっときばって、かかってこいや……」
そう言って、健太郎が首を絞めていた手を離した。
本田が畳の上に落ち、首を押さえながらゴホゴホとむせる。
健太郎は素早く本田の上に馬乗りになり、顔面を殴りだした。
「おどれ……おどれっちゅうやつわああああああああっ!」
「ぶっ……ぶっ……ぶっ……」
そのリンチは、藤原が必死になって押さえ込むまで延々と続いた。
高槻市に隣接する枚方市にある、築30年の文化住宅「青春荘」の二階。
電話はやばいとの合意の元、健太郎と藤原は車で直接、高校時代からの悪友である本田明の家に来ていた。
「だ……騙されへんぞ……お、お前ら石像人間なんやろ、絶対家には入れへんぞ……む、向こうに行けっ!ぼ、僕を怒らしたら怖いぞ……」
家の中から、本田の屁たれた声が聞こえる。
「おえ本田!俺や、健太郎や!藤原もおる!大丈夫や、この辺にはまだ石像はおらん。ええからここを開けいっ!」
「う、嘘や……嫌や……向こうに行けっ」
本田の屁たれた声が、だんだんと泣き声に変わっていく。
「おえ藤原あかんわ、こんガキほんまにびびっとる。このクソ寒い中、アホみたいに外に立たしやがってからにこのボケ……こんままやったらきりない、管理人のとこ行ってマスターキーもろてきてくれ」
「分かった。そやけど健、ええな、言うとくけど切れるなよ」
「わぁっとるわぁっとる」
「ほんだらちょっと待っとけや」
そう言って藤原が、一階の管理人室に走っていった。
「そやのぉ……この窓叩き割ったらなんとか……」
そう言って、健太郎が台所の小窓に顔を寄せた。
その様子を中から見ていた本田が、手にしたトカレフを躊躇なくぶっぱなした。
ボンボンボンッ!
窓が砕け、健太郎が慌てて身を屈めた。
「くっ……こ……このガキ……」
粉々になったガラスの破片が、健太郎の頭に降ってくる。
健太郎のこめかみがピクピクと脈打ちだした。
「おらあっ!このど腐れ屁たれ!おんどれええ加減にさらさんと、ほんまにいわしたるぞっ!」
健太郎が大声で吠えた。
近所の連中も、銃声と怒声に何事かと集まってきた。
「うりゃああああああっ!」
健太郎がドアに蹴りを入れた。
「……ったくこのエテ公が……おお藤原、来たか来たか。よっしゃ鍵よこせ。こんガキ、中入ったら叩っ殺したる」
「おい健、分かってるな、切れんなよ」
「わぁっとる……おらっ!この石鹸顔の……」
ボンボンッ!
健太郎の言葉が終わる前に、本田のトカレフが火を噴いた。
健太郎と藤原が慌てて伏せる。
見ると木製のドアに穴が開いていた。
「くっ……こ、こんガキ……」
本田は正気に戻らない。
充血した目をギラギラさせて、扉に向けて発砲を続ける。
「ひ……ひひっ……お、お前らなんか怖ないぞ……まだまだ弾はあるからな……絶対中には入れへんからな……」
ボンボンボンボンッ!
「…………え、ええ加減にさらせやこのボケが……」
一発が健太郎のこめかみをかすり、破れた血管から真っ赤な血が勢いよく吹き出した。
プッシュウウウウウウウッ……
「あかん……健が切れた……」
藤原が頭を抱えた。
「こ…………この屁たれがああああああああああっ!うりゃあああああああああっ!」
健太郎がドアを蹴り破った。
本田は見境なくトカレフを乱射する。
銃弾飛び交う中、健太郎がゴロゴロと転がって中に入った。
「クソガキッ……!」
巨漢に似合わぬ身軽さで銃弾をかいくぐり、健太郎が本田に突進していく。
トカレフの弾が切れた。
マガジンチェンジをしようとする本田に健太郎は一気に飛びかかり、タックルをかました。
「ぐえっ……」
90キロのタックルをまともに受けた本田が思わずそう、うなった。
殺気を感じる本田がトカレフを健太郎の額に押し付け、そして躊躇なくトリガーをひいた。
しかしマガジンチェンジの済んでいない銃口から、弾が出る事はなかった。
健太郎がニタリとする。
「おえ本田……久しぶりやのぉ……久しぶりに会うた親友様に向かっておどれ、なかなかおもろい真似しくさりよるやないかえ……どや、これでも俺が石像に見えるか……よおぉ目ん玉見開いて見てみろや……」
ペンペンと本田の頬を叩きながら、健太郎がささやく様にそう言った。
健太郎の熱い鼻息が本田にかかる。
薬莢の散乱する部屋の中で、健太郎が本田の首を握り締め、起き上がるとそのまま持ち上げた。
「え……あ……も、もじがじで……健ぢゃん……」
「やっと気ぃついてくれたんかえ、嬉しいのぉ……おえ本田、中々おもろい歓迎の仕方やないかえ……俺にこないな真似してお前、ただで済むとは思てへんよな……」
こめかみからはだくだくと血が流れている。
健太郎の妙に優しく、ゆっくりとした口調に藤原が再び頭を抱えた。
「……おもろい真似しくさりよってからに……やっぱし俺様の親友っつうだけの事はあるわい…………のぉ、本田……」
本田の顔面が蒼白となった。
「げ……健ぢゃん……ごめん……ごめんごめんごめんっ!謝るがら、謝るがら堪忍じでっ!」
「ほおぉっ、ここまできての命乞いかえ……みっともない真似すんなや、なぁ本田……さぁ、もっと武器持ってこいや……もっときばって、かかってこいや……」
そう言って、健太郎が首を絞めていた手を離した。
本田が畳の上に落ち、首を押さえながらゴホゴホとむせる。
健太郎は素早く本田の上に馬乗りになり、顔面を殴りだした。
「おどれ……おどれっちゅうやつわああああああああっ!」
「ぶっ……ぶっ……ぶっ……」
そのリンチは、藤原が必死になって押さえ込むまで延々と続いた。
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