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その後の勇者と魔王(短編)
9.すれ違い
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「…なんか隠した?」
「か、か、か、か、か、隠してねぇよ!」
「嘘だ!俺の鞄から何か取ったでしょ!?」
真央は、ポケットに突っ込んだままの大和の腕を引っ張った。
「ちょっ、真央!引っ張るな…!あっ!!」
ポト…。
2人の足元にコンドームの箱が落ちた。
「何これ?」
真央は見覚えのない箱を不思議に思いながら拾おうとした。
「み、見ちゃだめっ!!」
真央が拾うより早く大和は手を伸ばし、箱を拾おうとした。
しかし真央に蹴飛ばされ、大和は勢いよくソファに倒れ込んだ。
「いってー。蹴るなよ!…あ。」
大和が顔を上げた時、真央は箱を手に持ち固まっていた。
「これ…大和の?」
真央の冷ややかな目が大和を見下ろす。
「違うっ!たぶん弟の…かな?床に落ちてたんだ!」
(なんか真央の目が怖いっ!!すげぇ怒ってる?)
なぜか大和の方が焦ってしまい、しどろもどろと答えた。
「大和の弟が来たのは先月だったよね。俺、毎日リビングの掃除してるけど、こんなのどこにも落ちてなかったけど。大和のでしょ。」
「違うってば!俺のじゃない!つか、それ…。」
真央の鞄から出てきたんだ、と言おうと思って真央を見ると、真央の大きな瞳から涙がポタポタと流れ出していた。
「…嘘つかなくていいよ。恋人でもできたの?」
真央は悔しそうに涙を拭いながら聞いた。
「はぁ!?出来るわけないだろ!真央がいるのに!」
大和は真央の手を握ろうとしたが、真央は大和の手を振り払った。
「俺がいるから何?大和にとって俺って何?どうせ異世界から連れてきて責任感じて世話してるだけの居候でしょ。」
「は?居候?」
真央の言葉に大和はショックを受けた。
真央の事を居候なんて思ったことは一度もない。
もちろんこの世界へ連れて来てしまった事に責任を感じている。
しかし責任を感じて世話をしているのではなく、真央を愛しているから、幸せにしてやりたいから世話も焼きたくなるのだ。
大和は初めて真央に会った瞬間から今でもずっと真央に恋をしている。
本音を言えば、すぐにでも恋人にしたかった。
しかしこの世界に戻ってくると、真央は子供になってしまった。
いくら百年以上生きている魔王だと分かっていても、流石に子供に手を出すことはできなかった。
なにより、この世界をまだ知らない真央には、いろんな経験をしたり、いろんな人と出会ったりして心を豊かにしてほしいと思った。
だから自分の欲を殺して、真央の成長を見守っていたのに…。
そんな自分の思いは、真央に全く伝わらず、むしろ居候だと思わせてしまっていたのか。
大和は真央の腕を引っ張り、抱き寄せた。
「か、か、か、か、か、隠してねぇよ!」
「嘘だ!俺の鞄から何か取ったでしょ!?」
真央は、ポケットに突っ込んだままの大和の腕を引っ張った。
「ちょっ、真央!引っ張るな…!あっ!!」
ポト…。
2人の足元にコンドームの箱が落ちた。
「何これ?」
真央は見覚えのない箱を不思議に思いながら拾おうとした。
「み、見ちゃだめっ!!」
真央が拾うより早く大和は手を伸ばし、箱を拾おうとした。
しかし真央に蹴飛ばされ、大和は勢いよくソファに倒れ込んだ。
「いってー。蹴るなよ!…あ。」
大和が顔を上げた時、真央は箱を手に持ち固まっていた。
「これ…大和の?」
真央の冷ややかな目が大和を見下ろす。
「違うっ!たぶん弟の…かな?床に落ちてたんだ!」
(なんか真央の目が怖いっ!!すげぇ怒ってる?)
なぜか大和の方が焦ってしまい、しどろもどろと答えた。
「大和の弟が来たのは先月だったよね。俺、毎日リビングの掃除してるけど、こんなのどこにも落ちてなかったけど。大和のでしょ。」
「違うってば!俺のじゃない!つか、それ…。」
真央の鞄から出てきたんだ、と言おうと思って真央を見ると、真央の大きな瞳から涙がポタポタと流れ出していた。
「…嘘つかなくていいよ。恋人でもできたの?」
真央は悔しそうに涙を拭いながら聞いた。
「はぁ!?出来るわけないだろ!真央がいるのに!」
大和は真央の手を握ろうとしたが、真央は大和の手を振り払った。
「俺がいるから何?大和にとって俺って何?どうせ異世界から連れてきて責任感じて世話してるだけの居候でしょ。」
「は?居候?」
真央の言葉に大和はショックを受けた。
真央の事を居候なんて思ったことは一度もない。
もちろんこの世界へ連れて来てしまった事に責任を感じている。
しかし責任を感じて世話をしているのではなく、真央を愛しているから、幸せにしてやりたいから世話も焼きたくなるのだ。
大和は初めて真央に会った瞬間から今でもずっと真央に恋をしている。
本音を言えば、すぐにでも恋人にしたかった。
しかしこの世界に戻ってくると、真央は子供になってしまった。
いくら百年以上生きている魔王だと分かっていても、流石に子供に手を出すことはできなかった。
なにより、この世界をまだ知らない真央には、いろんな経験をしたり、いろんな人と出会ったりして心を豊かにしてほしいと思った。
だから自分の欲を殺して、真央の成長を見守っていたのに…。
そんな自分の思いは、真央に全く伝わらず、むしろ居候だと思わせてしまっていたのか。
大和は真央の腕を引っ張り、抱き寄せた。
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