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その後の勇者と魔王(短編)
6.魔王様は反抗期
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動物園で真央を幸せにすると誓ってから3年の月日が経った。
あの日から真央は少しずつ明るい子供になっていった。元々寡黙で引っ込み思案だった性格も中学に上がった頃には友達も増え、同じクラスの子ともよく遊びに出かけるようになった。
今の真央は、この世界の普通の中学生として違和感なく暮らしている。
そう、普通の中学生らしく、普通に反抗期がやって来た。
「まーおっ!起きろ!学校に遅れるぞ!」
大和は布団を剥がし真央を叩き起こす。
「…うるさい。まだ寝る。」
すっかり体も大きくなり力もついた真央に布団を奪い返された。大和はバランスを崩し、布団と一緒に真央の上に覆い被さった。
「うわっ!あ、ごめん!真央潰れてないか?」
あ…。
真央の固くなった下半身が大和の太ももが当たった。
「…っ!!俺に触るなっ!」
「いてっ!!」
真央に蹴飛ばされて大和はベッドから勢いよく落ちた。真央は真っ赤になりながら部屋を出て行った。
「真央!ごめん!」
ー…真央、心も体もちゃんと成長してるんだなぁ。良かった、良かった。
大和は嬉しさもありつつ、そっけなくなってしまった真央の態度に寂しくなりつつ感慨深く腕を組んで頷いた。
朝ごはんを用意していると、制服に着替えた真央が食卓についた。
「真央の学ラン姿も、もうすぐ見納めだな。卒業式は来週からだろ?なんかちょっと寂しいよなー。」
「…は?大和、学ランが好きなの?きもっ。」
真央は冷たい目で大和を睨む。
「ばっ、ばか!そういう意味じゃないよ!なんつーか、雛の巣立ち?みたいな寂しさだよ。」
「…雛?」
真央はさらに冷たい目をした。
あ、やべ。地雷踏んだ…。
最近の真央は子供扱いをするとかなり機嫌が悪くなる。
「例え話じゃん!それより卒業式の後はクラス会やるんだろ。いいなー、楽しそう!」
「みたいだな。俺は行かないけど。」
「えっ、なんで!?もう会えなくなる子とかもいるだろ?行った方がいいんじゃねぇの?」
「なんでって、店の予約。団体で入ってるんだろ。…手伝う。」
「ああ、それか。それは気にすんなよ。今日は春樹も手伝いに来てくれるしな。」
春樹は近所の大学生で、大和の弟の幼馴染だ。昔から春樹も弟のように世話していた事もあり、カフェの手伝いにもすぐに来てくれる。
ただ、真央と春樹はあまり馬が合わないようだ。
「春樹なんかに頼む必要ない。俺が手伝う。」
「いいって。大学はもう春休みで暇だって言ってたし、真央はちゃんと青春謳歌してこい。若いうちにしか出来ない事なんだぞ。」
バンッー!!
真央は机を叩き、立ち上がった。
「俺が手伝うっていってんだろ!青春謳歌ってバカじゃないの?年寄りかよ。春樹なんか呼んだからこの家出てくからな。」
真央は吐き捨てるように言って玄関に向かった。
ああー、また地雷踏んだか?
大和は慌てて真央の後についていった。
「ちょっと、待て待て、分かったから!ごめん!じゃあ真央に手伝ってもらうから、春樹には断りの連絡入れとくからな。その代わり、真央こそドタキャンするなよ!」
「ん。」
「いってらっしゃい!」
大和が笑顔で手を振りながら見送ると、真央はチラッと大和を見て出て行った。
あの日から真央は少しずつ明るい子供になっていった。元々寡黙で引っ込み思案だった性格も中学に上がった頃には友達も増え、同じクラスの子ともよく遊びに出かけるようになった。
今の真央は、この世界の普通の中学生として違和感なく暮らしている。
そう、普通の中学生らしく、普通に反抗期がやって来た。
「まーおっ!起きろ!学校に遅れるぞ!」
大和は布団を剥がし真央を叩き起こす。
「…うるさい。まだ寝る。」
すっかり体も大きくなり力もついた真央に布団を奪い返された。大和はバランスを崩し、布団と一緒に真央の上に覆い被さった。
「うわっ!あ、ごめん!真央潰れてないか?」
あ…。
真央の固くなった下半身が大和の太ももが当たった。
「…っ!!俺に触るなっ!」
「いてっ!!」
真央に蹴飛ばされて大和はベッドから勢いよく落ちた。真央は真っ赤になりながら部屋を出て行った。
「真央!ごめん!」
ー…真央、心も体もちゃんと成長してるんだなぁ。良かった、良かった。
大和は嬉しさもありつつ、そっけなくなってしまった真央の態度に寂しくなりつつ感慨深く腕を組んで頷いた。
朝ごはんを用意していると、制服に着替えた真央が食卓についた。
「真央の学ラン姿も、もうすぐ見納めだな。卒業式は来週からだろ?なんかちょっと寂しいよなー。」
「…は?大和、学ランが好きなの?きもっ。」
真央は冷たい目で大和を睨む。
「ばっ、ばか!そういう意味じゃないよ!なんつーか、雛の巣立ち?みたいな寂しさだよ。」
「…雛?」
真央はさらに冷たい目をした。
あ、やべ。地雷踏んだ…。
最近の真央は子供扱いをするとかなり機嫌が悪くなる。
「例え話じゃん!それより卒業式の後はクラス会やるんだろ。いいなー、楽しそう!」
「みたいだな。俺は行かないけど。」
「えっ、なんで!?もう会えなくなる子とかもいるだろ?行った方がいいんじゃねぇの?」
「なんでって、店の予約。団体で入ってるんだろ。…手伝う。」
「ああ、それか。それは気にすんなよ。今日は春樹も手伝いに来てくれるしな。」
春樹は近所の大学生で、大和の弟の幼馴染だ。昔から春樹も弟のように世話していた事もあり、カフェの手伝いにもすぐに来てくれる。
ただ、真央と春樹はあまり馬が合わないようだ。
「春樹なんかに頼む必要ない。俺が手伝う。」
「いいって。大学はもう春休みで暇だって言ってたし、真央はちゃんと青春謳歌してこい。若いうちにしか出来ない事なんだぞ。」
バンッー!!
真央は机を叩き、立ち上がった。
「俺が手伝うっていってんだろ!青春謳歌ってバカじゃないの?年寄りかよ。春樹なんか呼んだからこの家出てくからな。」
真央は吐き捨てるように言って玄関に向かった。
ああー、また地雷踏んだか?
大和は慌てて真央の後についていった。
「ちょっと、待て待て、分かったから!ごめん!じゃあ真央に手伝ってもらうから、春樹には断りの連絡入れとくからな。その代わり、真央こそドタキャンするなよ!」
「ん。」
「いってらっしゃい!」
大和が笑顔で手を振りながら見送ると、真央はチラッと大和を見て出て行った。
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