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48.ジルド現る
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「ジルドが?だったら丁度いい。私はあの者だけは許せない。待ち伏せして戦う。」
ルイに険しい表情が戻り、拳を握った。
「今のルイじゃ無理だって!まだ万全じゃないんだろ?とにかく今は逃げよう!!お願いだからっ!!」
グレイはルイの腕を掴み、額をルイの腕に当て訴えた。
ルイは少し悩み、グレイの頭を優しく撫でた。
「…分かった。またグレイを困らせてしまったな、ごめん。」
「ううん、ありがとう。とりあえず外に出よう。ルイの飛行の早さなら地上まで10分もかからないだろ?」
2人は手を繋ぎ、階段を駆け上った。
グレイが外に出ようとした瞬間、ルイに急に引っ張られたと思ったらルイはすぐに結界を張った。
すると目の前に飛んで来た炎の攻撃魔法が弾かれた。
何が起こったのか、すぐに理解できなかったグレイだったが目の前にはジルドが現れた。
蛇の頭と大柄な人間の体をしたジルドは相変わらず不気味な迫力がある。
二つに分かれた真っ赤な舌を出し、黄色く鋭い目がグレイとルイを捉え、ニタリと笑った。
「おう、バカコウモリ。その竜人は俺の獲物だ。何勝手に触ってんだよ!!」
ジルドは大剣をグレイに向かって振りかざした。
ルイはグレイを後ろに隠し、氷の攻撃魔法をジルドに向かって放った。
おびただしい数の氷の矢がジルド目がけて飛んでいく。
ジルドもすぐに炎で結界を作り、氷を溶かした。
溶けた氷の水蒸気が立ち込み、辺りは真っ白になる。
ルイが次の攻撃を仕掛けるため構えようとすると、グレイは慌てて地下牢の扉を閉めた。
頑丈な扉は、そう簡単には開けられないほど頑丈な造りになっている。しかし外からジルドが攻撃してくる音が聞こえ、石造りの地下牢はミシミシと揺れている。
「何をするんだ!!」
ルイは思わずグレイを睨んだが、グレイの平手打ちが飛んで来た。
「こっちのセリフだ、馬鹿!!魔力使いすぎだろ!」
グレイに指摘されてルイは自分が大量の汗をかいていることに気付いた。息も随分上がっている。
魔力が急激に減った時に出る症状だ。
あと少し攻撃を続けていたら魔力枯渇になっていただろう。
「逃げる約束だろ!」
「…すまない。」
「…外から逃げるのは無理だ。遠回りになるけど地下水路を使う。付いて来て。」
グレイは地下牢へ戻り、廊下の突き当たりにある小さな扉を開けた。
「ここは城の中へ繋がっている。ドグライアス城の中は迷路のようになっているから、ジルドでも簡単には見つけられないはずだ。」
水路の中は真っ暗だったが、グレイが火の玉を出して足元を照らし、2人は走り出した。
「グレイはよく知っているな。」
「何十年も城の掃除をしているからな。そこらへんの魔族よりは詳しいんだ。しばらく走るけど体力は大丈夫?」
「ああ、問題ない。でも残っていた魔力をほとんど使ってしまった。さっきは止めてくれてありがとう。」
「うん、でも叩いてごめん。」
「いや、馬鹿な私にはあれぐらいが丁度いいさ。」
ルイがクスクス笑った。
「…ルイ、もしかして馬鹿って言った事、根に持ってる?」
「まさか。愛を感じた。」
「…きも。」
ルイの返答にグレイはちょっと引いてしまった。
ルイに険しい表情が戻り、拳を握った。
「今のルイじゃ無理だって!まだ万全じゃないんだろ?とにかく今は逃げよう!!お願いだからっ!!」
グレイはルイの腕を掴み、額をルイの腕に当て訴えた。
ルイは少し悩み、グレイの頭を優しく撫でた。
「…分かった。またグレイを困らせてしまったな、ごめん。」
「ううん、ありがとう。とりあえず外に出よう。ルイの飛行の早さなら地上まで10分もかからないだろ?」
2人は手を繋ぎ、階段を駆け上った。
グレイが外に出ようとした瞬間、ルイに急に引っ張られたと思ったらルイはすぐに結界を張った。
すると目の前に飛んで来た炎の攻撃魔法が弾かれた。
何が起こったのか、すぐに理解できなかったグレイだったが目の前にはジルドが現れた。
蛇の頭と大柄な人間の体をしたジルドは相変わらず不気味な迫力がある。
二つに分かれた真っ赤な舌を出し、黄色く鋭い目がグレイとルイを捉え、ニタリと笑った。
「おう、バカコウモリ。その竜人は俺の獲物だ。何勝手に触ってんだよ!!」
ジルドは大剣をグレイに向かって振りかざした。
ルイはグレイを後ろに隠し、氷の攻撃魔法をジルドに向かって放った。
おびただしい数の氷の矢がジルド目がけて飛んでいく。
ジルドもすぐに炎で結界を作り、氷を溶かした。
溶けた氷の水蒸気が立ち込み、辺りは真っ白になる。
ルイが次の攻撃を仕掛けるため構えようとすると、グレイは慌てて地下牢の扉を閉めた。
頑丈な扉は、そう簡単には開けられないほど頑丈な造りになっている。しかし外からジルドが攻撃してくる音が聞こえ、石造りの地下牢はミシミシと揺れている。
「何をするんだ!!」
ルイは思わずグレイを睨んだが、グレイの平手打ちが飛んで来た。
「こっちのセリフだ、馬鹿!!魔力使いすぎだろ!」
グレイに指摘されてルイは自分が大量の汗をかいていることに気付いた。息も随分上がっている。
魔力が急激に減った時に出る症状だ。
あと少し攻撃を続けていたら魔力枯渇になっていただろう。
「逃げる約束だろ!」
「…すまない。」
「…外から逃げるのは無理だ。遠回りになるけど地下水路を使う。付いて来て。」
グレイは地下牢へ戻り、廊下の突き当たりにある小さな扉を開けた。
「ここは城の中へ繋がっている。ドグライアス城の中は迷路のようになっているから、ジルドでも簡単には見つけられないはずだ。」
水路の中は真っ暗だったが、グレイが火の玉を出して足元を照らし、2人は走り出した。
「グレイはよく知っているな。」
「何十年も城の掃除をしているからな。そこらへんの魔族よりは詳しいんだ。しばらく走るけど体力は大丈夫?」
「ああ、問題ない。でも残っていた魔力をほとんど使ってしまった。さっきは止めてくれてありがとう。」
「うん、でも叩いてごめん。」
「いや、馬鹿な私にはあれぐらいが丁度いいさ。」
ルイがクスクス笑った。
「…ルイ、もしかして馬鹿って言った事、根に持ってる?」
「まさか。愛を感じた。」
「…きも。」
ルイの返答にグレイはちょっと引いてしまった。
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