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竜人嫌いの魔族、竜人の子供を育てる
18.イノシシ魔族のキバ
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シロの学校もいよいよ明日から夏休みを迎え、最後の授業終了のベルが鳴った。
「よっしゃーっ、終わった終わった!明日から夏休みだなーっ!シロっ、夏祭りは一緒に行こうぜ!」
ルカは嬉しそうにシロの肩を組んだ。
「夏祭り?」
「そうっ、年に一度のミール王国の城下町の夏祭り!美味いもんの出店や射的や輪投げの出店もいっぱいあるんだぜ!あと仮装する人も多いし、最後には花火が打ち上がるんだ!」
楽しそうに身振り手振りで話すルカの元にアリスもやって来た。
「それにダンスや美男美女コンテストもあるのよ!あと力比べや大食いバトルもあるの。とにかく色んなイベントがあるから毎年大盛り上がりですごく楽しいわよ。私も一緒に行きたい!」
ルカはアリスの肩も組んで「もちろん3人で行こうぜ!」と笑った。
「へぇー、楽しそうだね。でも僕、夏休み中はルーフさんと魔力の特訓をしなきゃいけないから残念だけど行けないや。ごめんね」
シロは教科書を鞄に入れながら2人に謝ると、アリスはシロの頬をムニっとつねった。
「…顔、ニヤけてるわよ。全然残念だと思ってないじゃない。夏休み中はずっとルーフと一緒に過ごすから嬉しいくせに」
「本当だよ。友情を大事にしない男は嫌われるぜ?」
ルカも呆れながらため息をついた。
「えへへ、ごめんごめん。だってルーフさんて本当に忙しい人で一緒に過ごせる事が少ないんだ。でも夏休み中は僕のために特訓に付き合ってくれるって約束してくれたから嬉しくて」
「あらら、惚気ちゃって。まあ、魔力の特訓ならしょうがないわね。でももし来れそうなら一緒に行きましょうよ」
「ちぇっ、シロに城下町の案内をしたかったのに」
「2人ともありがとう。一応ルーフさんに聞いてみるね」
3人が話していると勢いよく教室の扉が開いた。
「おいっ!竜人のシロって奴はいるか!?」
現れたのは、つい先日ルカの胸ぐらを掴みシロの魔力によって気を失ったイノシシ魔族の少年だった。
しかしルカとアリスはアリーの忘却の魔法によってその時の出来事は覚えていない。
魔族の少年も忘れているはずなのに、とシロが不思議そうに彼を見ているとバチっと目が合った。
「いたー!!お前がシロだろっ!!」
少年はシロを指差し、勢いよくシロ目掛けて突進して来た。
「うわ、5年のキバじゃん。あいつ乱暴で有名なんだよ」
ルカは嫌そうな顔をしてアリスを庇うように前に立った。
「シロ、面識あるの?」
アリスはルカの肩から顔を出し聞いた。
「んー…まぁ、少しね。でもあまり関わりたくないなぁ」と言ってシロは苦笑いをした。
「あいつ、シロに子分になれって言う気じゃないか?とにかく怒らせないように気を付けろよ」
ルカにそっと耳打ちされたが、すでにキバは目の前までやって来た。
「おいっ、何ごちゃごちゃ話してんだ!それより俺はイノシシ魔族のキバだ。シロ、俺の親分になれ!!」
キバは腕を組み自信に満ちた笑顔で顎を上げた。
意味の分からないセリフに、シロとルカとアリスはぽかんと口を開けた。
「よっしゃーっ、終わった終わった!明日から夏休みだなーっ!シロっ、夏祭りは一緒に行こうぜ!」
ルカは嬉しそうにシロの肩を組んだ。
「夏祭り?」
「そうっ、年に一度のミール王国の城下町の夏祭り!美味いもんの出店や射的や輪投げの出店もいっぱいあるんだぜ!あと仮装する人も多いし、最後には花火が打ち上がるんだ!」
楽しそうに身振り手振りで話すルカの元にアリスもやって来た。
「それにダンスや美男美女コンテストもあるのよ!あと力比べや大食いバトルもあるの。とにかく色んなイベントがあるから毎年大盛り上がりですごく楽しいわよ。私も一緒に行きたい!」
ルカはアリスの肩も組んで「もちろん3人で行こうぜ!」と笑った。
「へぇー、楽しそうだね。でも僕、夏休み中はルーフさんと魔力の特訓をしなきゃいけないから残念だけど行けないや。ごめんね」
シロは教科書を鞄に入れながら2人に謝ると、アリスはシロの頬をムニっとつねった。
「…顔、ニヤけてるわよ。全然残念だと思ってないじゃない。夏休み中はずっとルーフと一緒に過ごすから嬉しいくせに」
「本当だよ。友情を大事にしない男は嫌われるぜ?」
ルカも呆れながらため息をついた。
「えへへ、ごめんごめん。だってルーフさんて本当に忙しい人で一緒に過ごせる事が少ないんだ。でも夏休み中は僕のために特訓に付き合ってくれるって約束してくれたから嬉しくて」
「あらら、惚気ちゃって。まあ、魔力の特訓ならしょうがないわね。でももし来れそうなら一緒に行きましょうよ」
「ちぇっ、シロに城下町の案内をしたかったのに」
「2人ともありがとう。一応ルーフさんに聞いてみるね」
3人が話していると勢いよく教室の扉が開いた。
「おいっ!竜人のシロって奴はいるか!?」
現れたのは、つい先日ルカの胸ぐらを掴みシロの魔力によって気を失ったイノシシ魔族の少年だった。
しかしルカとアリスはアリーの忘却の魔法によってその時の出来事は覚えていない。
魔族の少年も忘れているはずなのに、とシロが不思議そうに彼を見ているとバチっと目が合った。
「いたー!!お前がシロだろっ!!」
少年はシロを指差し、勢いよくシロ目掛けて突進して来た。
「うわ、5年のキバじゃん。あいつ乱暴で有名なんだよ」
ルカは嫌そうな顔をしてアリスを庇うように前に立った。
「シロ、面識あるの?」
アリスはルカの肩から顔を出し聞いた。
「んー…まぁ、少しね。でもあまり関わりたくないなぁ」と言ってシロは苦笑いをした。
「あいつ、シロに子分になれって言う気じゃないか?とにかく怒らせないように気を付けろよ」
ルカにそっと耳打ちされたが、すでにキバは目の前までやって来た。
「おいっ、何ごちゃごちゃ話してんだ!それより俺はイノシシ魔族のキバだ。シロ、俺の親分になれ!!」
キバは腕を組み自信に満ちた笑顔で顎を上げた。
意味の分からないセリフに、シロとルカとアリスはぽかんと口を開けた。
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