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11 お待たせしてしまった
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ほんの一瞬目を閉じた位の感覚だったのに、気が付いたら薄っすらとカーテンから光が漏れていた。
少し寝た事で多少体を動かす位の体力は戻って来た様で、僕は体を起こすとベッド脇のワゴンの上に用意されていた水を飲む。
すっかり生温くなってはいたけど、碌に飲食をしていない今の僕の体には、何処の清水よりも美味しく感じた。
水と一緒に置かれていた一口サイズの果物を一つ口に含み、使用人部屋へと繋がるベルの紐を引く。これで、使用人達へ僕のヒートが明けた事は伝わった。もうすぐしたら、新しいシーツや掃除道具、軽い食事などを持って使用人がやって来るだろう。
その前に、見るに堪えないまでに己の吐き出した物でドロドロに汚れた身を清める為、部屋に備え付けられている小さな浴室へと、力の入らない足でヨタヨタと向かった。
軽く体を洗い流し、どうせ誰にも会わないだろう、とヒート明けでまだまだ気怠い体にロングシャツ一枚だけを羽織り部屋に戻ると、あれほど荒れていたベッドも綺麗に整えられ、軽食も用意されていた。
ヒートの度に使用人達が綺麗にしてくれるが、毎回どうも申し訳ない気持ちになる。
「ウォレン様、どこかお辛い所などございませんか?」
「ありがとう、大丈夫だよ」
僕がベッドの縁に腰掛けると、一人だけ残っていた老齢の使用人が暖かい紅茶を手渡してくれ、ゆっくりと一口飲む。たっぷりのミルクと砂糖が入った暖かい紅茶が体に沁み渡って行き、ほぅ、と体の力が抜ける。
「僕、何日部屋に籠ってたの?」
「今日で六日目でございます」
突発的なヒートだったし、もう少し短いかも、と思ったけど平均的な長さだったんだな。
そっか、六日か……六日………………………六日目だって!!??
イサーク様は一週間以内に迎えに来る、と言っていた。 それなのに六日もヒートで籠っていたとなると……まさか、来て頂いたのに、ずっとお待たせしてしまったんじゃ!? それとも兄様の事だから連絡をして領地で……いや、それでもお待たせした事には変わりがない。
大変じゃないか! どうしよう。
「あのっ、イサーク様は」
「その事なのですが」
「ウォレン!!」
僕が使用人にイサーク様が今どうされているのか確認しようとした瞬間。バン!!! と派手な音を立てて部屋の扉が開いた。
突然の事に手に持った紅茶のカップを取り落としそうになったのを寸での所で持ち直し顔を上げると、そこには目を大きく見開き焦燥感を露にした表情のイサーク様が立っていた。
「え? え!?……」
「……………………」
イサーク様!!???
やはり迎えに来て下さっていたのを、お待たせしてしまっていたんだ。お忙しいのに、とんだご迷惑をお掛けしてしまった。早急に謝罪をしなければ……とは思うのだが。
今はそれ以上の問題がっ……
今の僕の格好はイサーク様に見られるには問題があり過ぎた。この後もベッドの住人になるつもりだったからシャツ一枚というだらけた格好。しかも、あろう事か裸足だなんて!!
素足は子供でも無い限り家族ですら滅多に見せる事の無い場所。それを……
これ以上、お見苦しい姿をお見せする訳にはいかない、とベッドの中に潜り込むなり、何か羽織るなり、せめて裸足の足だけでも隠したいのに、手にカップを持っているせいで下手に動けず何一つ隠せない。
そうやって僕が情けなくオロオロしていると、扉を開けた姿で唖然と僕を姿凝視したまま凍り付いた様に動きを止めていたイサーク様が、突如僕の足元に転がる様に走り寄り膝を付いた。
「ウォレン、大丈夫か? すまない、ヒートの君を一人にしてしまって。ファリオンから連絡があってすぐに来たんだが……あ、いや、言い訳は良くない。辛かっただろう? 本当にすまなかった」
「え? え? イサーク様!?」
「イサーク! 勝手にウォレンの部屋に行く奴があるか!! αが結婚前のΩの部屋に行くなんて、どれだけ非常識か分かっているのか!?」
「兄様!?」
今度は兄様が僕の部屋に駆け込んで来てイサーク様の首根っこを掴み上げた。
色々な事が目の前で起こり過ぎて目が回りそうだ。特に、イサーク様がなんで僕に跪き、謝って来るのかが分からない。
「ちょ、ちょっと、そんな、謝らないで下さい。僕がヒートを一人で過ごしたのは当然なんですから。それよりも、イサーク様をお待たせしてしまって、申し訳ございません!」
「当然? なぜだい!? 僕は結婚するのならヒートを共に過ごしたいと」
「まだ結婚してないんだから当然なんだよ! ウォレン、こいつは俺が連絡するまで領地で待て、と言っているのを無視して勝手に来て勝手に待っていただけだから気にしなくていいぞ。まったく、なんの為に鳥を飛ばしたと思っているんだ」
イサーク様の言葉を遮った上に睨み付けながら言う兄様の、相も変わらず貴族を貴族とも思わぬ態度にもビックリするけど、その内容にもビックリだ。思わず目の前のイサーク様をマジマジと見てしまった。
兄様の言葉を受けてか、イサーク様は少し決まりの悪そうな顔をされながら僕のカップを持ったままの手を取り、見上げて来た
「私が領地に戻ってすぐにファリオンから君がヒートに入った、と手紙が来たんだ。確かに手紙にはヒートが明けたら連絡する、と書かれてはいたんだが……私は、君が辛いヒートを一人で過ごすのかと思うと居ても立っても居られなくて。翌日には、馬車に乗ってしまっていたんだ…………情けない男と思うかも知れないが、私は君の事が心配で堪らなかったんだ」
まるで愛しい相手に言う様な甘さを含んだ声と眼差しに、なんとも尻こそばゆい感じで落ち着かない。だいたい、こんな眼差しも声も、掛けられる事なんて生まれて初めての事でどんな顔をすれば良いのか。
それに、折角忘れようと頭の片隅に追いやっていたのに、ヒートでイサーク様を求めてしまった事まで思い出されてしまい、居心地が悪すぎて足が勝手にモゾモゾと動いてしまう。
絶対に赤くなっているだろう顔を隠したいのに、僕の両手は依然イサーク様に取られ、裸足の足だって隠せないままで恥ずかし過ぎる。
恥ずかしいから離れて下さい! と叫びたいのを我慢して言葉を選ぶ。
ここは穏便に。僕の動揺を悟られない様に意識して口を開く。
「情けない男だなんて。イサーク様が僕なんかを、そこまで気に掛けて下さった事に感謝こそすれ、不満なんてある訳無いじゃないですか。僕は、イサーク様が本当に迎えに来て下さっただけで、十分嬉しいです」
間違いなく僕の本心からの返答だったにも係わらず、イサーク様は「駄目だよ、ウォレン」とかぶりを振って立ち上がると、どういう訳か僕の隣に腰を降ろした。そして、腕を僕の肩に回すと、そのまま強く抱き寄せられてしまい、僕の体がガチンと凍りついた様に固まる。
今の僕の発言のどこに、こんなに密着しなきゃいけない要因があった!?
突然の事に目を白黒させて戸惑う僕の鼻には、またあのスターアニスの香りが掠めた気がして、それだけ体が触れ合い密着しているんだ、という事実にさっきよりも更に顔も体も熱くなってくる。
「僕なんか、ってまた言ってる。ウォレン、自分の事をそんな風に貶める様に言わないで。私は君だからこそ心配するし、こうして君の元に来たんだから。でも、そうだね……私が迎えに来たのを嬉しい、と言ってくれるなら早く私の領地へ行こう。今日はゆっくりして、明日の朝出立でも大丈夫かな?」
「え? え、あ……はい」
密着した姿勢のまま耳元で言い含める様に言われ、僕は壊れた絡繰り人形の様に首を縦に振る事しか出来なかった。
折角、ヒートが終わったというのに、また始まってしまうんじゃないかという程に心臓がうるさく鳴り響いている。
こんな事で本当にイサーク様の元に嫁いで大丈夫だろうか、と僕が一抹の不安を抱えている横で、イサーク様と兄様は明日の話を進めていたが、自分の事で精一杯だった僕はそれどころでは無かった。
「ファリオンも、それで問題ないよね」
「ああ、父様達にもそう伝えて準備しておく……イサークの事は信頼しているが、あまり俺の弟に無茶はしてくれるなよ。結構箱入りなんだ、押し過ぎると引くぞ」
「まかせてくれ、でろでろに甘やかして絶対に幸せにしてみせるさ」
「はぁ……これだからαは」
片手で頭を押さえた兄様がガックリと肩を落としていた。
少し寝た事で多少体を動かす位の体力は戻って来た様で、僕は体を起こすとベッド脇のワゴンの上に用意されていた水を飲む。
すっかり生温くなってはいたけど、碌に飲食をしていない今の僕の体には、何処の清水よりも美味しく感じた。
水と一緒に置かれていた一口サイズの果物を一つ口に含み、使用人部屋へと繋がるベルの紐を引く。これで、使用人達へ僕のヒートが明けた事は伝わった。もうすぐしたら、新しいシーツや掃除道具、軽い食事などを持って使用人がやって来るだろう。
その前に、見るに堪えないまでに己の吐き出した物でドロドロに汚れた身を清める為、部屋に備え付けられている小さな浴室へと、力の入らない足でヨタヨタと向かった。
軽く体を洗い流し、どうせ誰にも会わないだろう、とヒート明けでまだまだ気怠い体にロングシャツ一枚だけを羽織り部屋に戻ると、あれほど荒れていたベッドも綺麗に整えられ、軽食も用意されていた。
ヒートの度に使用人達が綺麗にしてくれるが、毎回どうも申し訳ない気持ちになる。
「ウォレン様、どこかお辛い所などございませんか?」
「ありがとう、大丈夫だよ」
僕がベッドの縁に腰掛けると、一人だけ残っていた老齢の使用人が暖かい紅茶を手渡してくれ、ゆっくりと一口飲む。たっぷりのミルクと砂糖が入った暖かい紅茶が体に沁み渡って行き、ほぅ、と体の力が抜ける。
「僕、何日部屋に籠ってたの?」
「今日で六日目でございます」
突発的なヒートだったし、もう少し短いかも、と思ったけど平均的な長さだったんだな。
そっか、六日か……六日………………………六日目だって!!??
イサーク様は一週間以内に迎えに来る、と言っていた。 それなのに六日もヒートで籠っていたとなると……まさか、来て頂いたのに、ずっとお待たせしてしまったんじゃ!? それとも兄様の事だから連絡をして領地で……いや、それでもお待たせした事には変わりがない。
大変じゃないか! どうしよう。
「あのっ、イサーク様は」
「その事なのですが」
「ウォレン!!」
僕が使用人にイサーク様が今どうされているのか確認しようとした瞬間。バン!!! と派手な音を立てて部屋の扉が開いた。
突然の事に手に持った紅茶のカップを取り落としそうになったのを寸での所で持ち直し顔を上げると、そこには目を大きく見開き焦燥感を露にした表情のイサーク様が立っていた。
「え? え!?……」
「……………………」
イサーク様!!???
やはり迎えに来て下さっていたのを、お待たせしてしまっていたんだ。お忙しいのに、とんだご迷惑をお掛けしてしまった。早急に謝罪をしなければ……とは思うのだが。
今はそれ以上の問題がっ……
今の僕の格好はイサーク様に見られるには問題があり過ぎた。この後もベッドの住人になるつもりだったからシャツ一枚というだらけた格好。しかも、あろう事か裸足だなんて!!
素足は子供でも無い限り家族ですら滅多に見せる事の無い場所。それを……
これ以上、お見苦しい姿をお見せする訳にはいかない、とベッドの中に潜り込むなり、何か羽織るなり、せめて裸足の足だけでも隠したいのに、手にカップを持っているせいで下手に動けず何一つ隠せない。
そうやって僕が情けなくオロオロしていると、扉を開けた姿で唖然と僕を姿凝視したまま凍り付いた様に動きを止めていたイサーク様が、突如僕の足元に転がる様に走り寄り膝を付いた。
「ウォレン、大丈夫か? すまない、ヒートの君を一人にしてしまって。ファリオンから連絡があってすぐに来たんだが……あ、いや、言い訳は良くない。辛かっただろう? 本当にすまなかった」
「え? え? イサーク様!?」
「イサーク! 勝手にウォレンの部屋に行く奴があるか!! αが結婚前のΩの部屋に行くなんて、どれだけ非常識か分かっているのか!?」
「兄様!?」
今度は兄様が僕の部屋に駆け込んで来てイサーク様の首根っこを掴み上げた。
色々な事が目の前で起こり過ぎて目が回りそうだ。特に、イサーク様がなんで僕に跪き、謝って来るのかが分からない。
「ちょ、ちょっと、そんな、謝らないで下さい。僕がヒートを一人で過ごしたのは当然なんですから。それよりも、イサーク様をお待たせしてしまって、申し訳ございません!」
「当然? なぜだい!? 僕は結婚するのならヒートを共に過ごしたいと」
「まだ結婚してないんだから当然なんだよ! ウォレン、こいつは俺が連絡するまで領地で待て、と言っているのを無視して勝手に来て勝手に待っていただけだから気にしなくていいぞ。まったく、なんの為に鳥を飛ばしたと思っているんだ」
イサーク様の言葉を遮った上に睨み付けながら言う兄様の、相も変わらず貴族を貴族とも思わぬ態度にもビックリするけど、その内容にもビックリだ。思わず目の前のイサーク様をマジマジと見てしまった。
兄様の言葉を受けてか、イサーク様は少し決まりの悪そうな顔をされながら僕のカップを持ったままの手を取り、見上げて来た
「私が領地に戻ってすぐにファリオンから君がヒートに入った、と手紙が来たんだ。確かに手紙にはヒートが明けたら連絡する、と書かれてはいたんだが……私は、君が辛いヒートを一人で過ごすのかと思うと居ても立っても居られなくて。翌日には、馬車に乗ってしまっていたんだ…………情けない男と思うかも知れないが、私は君の事が心配で堪らなかったんだ」
まるで愛しい相手に言う様な甘さを含んだ声と眼差しに、なんとも尻こそばゆい感じで落ち着かない。だいたい、こんな眼差しも声も、掛けられる事なんて生まれて初めての事でどんな顔をすれば良いのか。
それに、折角忘れようと頭の片隅に追いやっていたのに、ヒートでイサーク様を求めてしまった事まで思い出されてしまい、居心地が悪すぎて足が勝手にモゾモゾと動いてしまう。
絶対に赤くなっているだろう顔を隠したいのに、僕の両手は依然イサーク様に取られ、裸足の足だって隠せないままで恥ずかし過ぎる。
恥ずかしいから離れて下さい! と叫びたいのを我慢して言葉を選ぶ。
ここは穏便に。僕の動揺を悟られない様に意識して口を開く。
「情けない男だなんて。イサーク様が僕なんかを、そこまで気に掛けて下さった事に感謝こそすれ、不満なんてある訳無いじゃないですか。僕は、イサーク様が本当に迎えに来て下さっただけで、十分嬉しいです」
間違いなく僕の本心からの返答だったにも係わらず、イサーク様は「駄目だよ、ウォレン」とかぶりを振って立ち上がると、どういう訳か僕の隣に腰を降ろした。そして、腕を僕の肩に回すと、そのまま強く抱き寄せられてしまい、僕の体がガチンと凍りついた様に固まる。
今の僕の発言のどこに、こんなに密着しなきゃいけない要因があった!?
突然の事に目を白黒させて戸惑う僕の鼻には、またあのスターアニスの香りが掠めた気がして、それだけ体が触れ合い密着しているんだ、という事実にさっきよりも更に顔も体も熱くなってくる。
「僕なんか、ってまた言ってる。ウォレン、自分の事をそんな風に貶める様に言わないで。私は君だからこそ心配するし、こうして君の元に来たんだから。でも、そうだね……私が迎えに来たのを嬉しい、と言ってくれるなら早く私の領地へ行こう。今日はゆっくりして、明日の朝出立でも大丈夫かな?」
「え? え、あ……はい」
密着した姿勢のまま耳元で言い含める様に言われ、僕は壊れた絡繰り人形の様に首を縦に振る事しか出来なかった。
折角、ヒートが終わったというのに、また始まってしまうんじゃないかという程に心臓がうるさく鳴り響いている。
こんな事で本当にイサーク様の元に嫁いで大丈夫だろうか、と僕が一抹の不安を抱えている横で、イサーク様と兄様は明日の話を進めていたが、自分の事で精一杯だった僕はそれどころでは無かった。
「ファリオンも、それで問題ないよね」
「ああ、父様達にもそう伝えて準備しておく……イサークの事は信頼しているが、あまり俺の弟に無茶はしてくれるなよ。結構箱入りなんだ、押し過ぎると引くぞ」
「まかせてくれ、でろでろに甘やかして絶対に幸せにしてみせるさ」
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