麗しい夫を持った妻の苦悩。押しかけ妻の自覚はありますが浮気は許しません。

沙橙しお

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19.お仕置き?!※

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「さて、話は終わった。これからは夫婦の時間だ」

「ん?」

 メイナードは早業でエルシィをベッドに押し倒した。あれ~? 今そんな空気じゃなかったはずなのに。気付けばガウンをひん剥かれて丹念に全身を愛撫され準備をされた。そして気付けばエルシィは横になっているメイナードの上に跨っていた。彼の硬い腹筋に手をついて途方に暮れている。

「さあ、頑張って挿れて」

 いつもなら気持ち良くなったところで彼と繋がるのにお預けをされた。ひ、ひどい……。

「む、むりぃ~」

 メイナードはじっとエルシィを見上げている。彼の剛直は臨戦態勢なのだが自分で挿れるのって難しい。たぶんここだという場所に宛がうのだけど恐怖心からか腰が引けて剛直がつるんと逃げる。早く欲しいのにじれったい!!

「エルシィ。一人で楽しまないで私も気持ちよくしてくれ」

 メイナードにお仕置として気持ち良くしてくれと言われた。いつも気持ち良くしてもらっているから私とてやぶさかではない、のだが……。

「いま頑張っているからもう少し待ってて……」

 再び剛直を優しく掴み腰を浮かせる。そして今度こそ――。

「あん」

「くっ」

 また逃げられた。しかも花弁をかすめて感じてしまった。これはもう、どうやったら挿れられるのか分からない。足が疲れたよお。
 メイナードを見れば眉を寄せ歯を食いしばっている。彼も苦しいらしい。それならばと甘えた声で懇願する。

「お願い。メイナード」

「……これは宿題にする」

 そう言うと彼は体を起こしエルシィ―を横たえた。そして片足を肩に担ぐと剛直をズブンと勢いよく入れた。

「ああああああーーーーー!」

 エルシィは背を仰け反らした。白い世界に放りこまれる。待ち焦がれた熱い圧迫感に胎内が歓喜する。

「エルシィ!」

 メイナードはすぐに激しく腰を打つ付ける。彼は冷静さを失っているのではと思うほど夢中なのに、角度を微調整しながらエルシィの感じるところを責める。まさに匠の技!

「あっあっあ……あああん……」

 再び快感に腰を震わせる。大きいものがくる。足先が丸まり体が仰け反るとメイナードも低くうなりながら腰を押し付けエルシィの中に熱い飛沫を放つ。ドクドクと聞こえるような勢いでお腹の中が満たされる。

 エルシィがビクンビクンと震えているとメイナードは大きな胸を両手で包み込んで優しく揉む。指が器用な動きで固くなった先端をあやす。それが気持ち良くて胎内のメイナードをぎゅっと締め付けたのが自分でも分かった。メイナードは深い息を吐いた。

 ――ああ、この人が好き――。

「メイナード。愛してるわ」

 メイナードはまさに驚愕という表情を浮かべたがすぐに泣き笑いのような顔になった。もっと早く素直になって彼に伝えればよかった。エルシィは彼の首に手を伸ばし顔を引き寄せた。そして自ら口付けを強請る。

「エルシィ。私もだ。愛してる」

 唇が優しく重なる。角度を変えふにふにと触れ合う。

「ふふふ」

 少しくすぐったくて笑ってしまった。

「余裕だな?」

 メイナードは不敵に口角を上げると口付けを再開した。それは深くなり舌を絡ませていく。エルシィも拙いながらに必死に応えた。息が苦しくて角度を変えながらも夢中になっていた。だって今二人は上も下も繋がってひとつになっている。彼の心も手に入れたと実感するといつもよりもずっと全身の感度がよくなった気がする。

(ああ、嬉しい)

 彼は私のものだ。そして私も彼のもの。
 唇を離すとメイナードは再び腰を揺らし始めた。今度はゆっくりとエルシィを味わうように、そしてエルシィを高めるように。甘い快感に浸り切なく啼けば再びメイナードの腰遣いが激しくなる。ベッドがギシギシと荒々しく悲鳴をあげている。

「あっあっ、もっと、メイナード」

「いいよ、私のエルシィ。君の望むだけあげよう」

「あああっあああ…………」

 彼の低くて色気のある声が耳を犯すとあっという間に高みに昇る。再び白い世界に包まれエルシィの意識は飛んだ。

 遠ざかる意識の中でメイナードを満足させられるお仕置の宿題ってどうすればいいのかしらと頭の中をよぎったのだった。





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