15 / 22
15.変装は意味がありませんでした
しおりを挟む
「エルシィに事情を一切話さなかったから自業自得か。結婚した時に話すべきだったのだろうな。ただ義父上に止められたこともあったし私もそうしたほうがいいと判断してしまった。エルシィなら自分から首を突っ込みそうだから黙っておいたほうがいいと」
父、余計なことを!
「それは……」
首は突っ込みたいので否定はできない。
「そもそもエルシィが辺境から王都に出てきたのはエアロン様の役に立つためだろう? 私のしていることはそのことに関係している」
「な、なんでそれを。あっ、どうして変装していたのに私だと分かったのですか?」
「変装しても妻ぐらい分かる。といっても最初から知っていたので信憑性がないか。『ミッシェル』のオーナーは私だからな。義父上に頼まれてエルシィを雇った」
「はっ?!」
そうしてメイナードから聞かされた話に父を恨みたくなった。王都に諜報活動しに行こうとするエルシィを心配してそれらしい仕事を紹介してくれと頼まれてピアノ弾きとして雇ったそうだ。
(お父様――!!)
「『ミッシェル』はもともと私の息抜きの場所として作った。結果的に情報を集めるのにも役に立っていた。私たちはどうしてもビンガム侯爵を失脚させたい。今はその証拠を集めている。私が女性たちと懇意にしているのは情報収集のためだ。昔から女たらしと言われているから誰も不自然に思わない。結婚後も続けているのは悪いと思っている。せめて夜会だけで外で会うのは止めたがエルシィが嫌がっているのも分かっていた。だがまだ侯爵を断罪できるだけの証拠が集まっていない以上仕方がなかった。すまない。エルシィ。」
謙虚にそう言われてしまうと怒れない。
「オールストン公爵家はどこの派閥にも属していないと思っていました」
エアロン様のお手伝いをしているということは、現在は王家についているということだ。
「先の王ライアンが即位するまでは確かに中立派だった」
メイナードは憎々し気に吐き捨てる。仮にも王だった人を呼び捨てにするのはそれだけ嫌悪しているのだろう。
「何がきっかけで?」
「ライアンは即位するなり金を湯水のように使い国庫を空にした。税を上げざるを得なくなりそれを憂いた宰相閣下とエアロン様、そして義父上……アスカム辺境伯が話しあったときだ。私の両親が呼ばれ協力を求められた。両親は了承したが公にすれば勢力のバランスが急激に変わるから伏せることにした。そのほうがビンガム侯爵も油断するしな」
先々代の王は女にはだらしなかったが政務はしっかりとしていた。当時王太子だったライアンは国政に対する発言や予算に口を出すことが許されていなかった。息子が金銭に奔放で国庫に影響を及ぼすと分かっていたのだろう。それを危惧し密かにライアンを排除しエアロン様を王太子にしようとしていた。息子贔屓はしていなかった。それを王太子妃の父であるビンガム侯爵に気付かれ先手を打たれた。先々代の王は殺された。本当は病死ではなかった。ライアンがその手で毒を盛って弑したらしい。だがその証拠を見つけられず罪を問えなかった。証拠不十分のままライアンを王の座から下ろせない。だから表向きは落馬ということにして毒で暗殺した。
「宰相はエアロン様を簒奪者にさせたくなかった。だから穏便な方法を取った」
「穏便……」
そういっていいのか微妙だが、民衆を巻き込まない最善の方法だったとは思う。ビンガム侯爵の関与の証拠もなかったらしい。ただ宰相閣下はビンガム侯爵が王妃の父である権限を利用して国庫に手をつけた証拠だけは集められたのでその罪を問うことは出来た。連座で連なる貴族も罪に問えた。ただ横領した金の返金と罰金に留まってしまったことが悔やまれる。現在の法律は貴族に甘く作られている。いずれ改める必要がある。
元王妃であるルアンナが王宮に残ると厄介なので無理やり侯爵家に戻した。ただその前に妊娠していないことは検査したそうだ。それなのに最近になって子を産んだという。そしてその子は前王の子だと言い張っている。本当は誰の子なのか。
ビンガム侯爵は国政に返り咲くために手段を選ばないつもりのようだ。そのために金を集めている。それも違法な手段で。隣国から禁止薬物を手に入れて国内に高値で売りさばいているらしい。その話は三年前からあって調査をしていたがまだ流通ルートが明らかになっていないそうだ。
「最近のビンガム侯爵は警戒して薬を流していない。だから証拠を押さえられていないんだ。イレーナはそれを探すためにビンガム侯爵領に伝手を使って自ら潜入すると言い張っている。あの領地では行方不明になっている使用人が多くいる。危険だから手を引くように説得していた所をエルシィが踏み込んできた」
そういえばお願いとか言っていたのはそのことなのか。
「でもどうしてイレーナ様はそこまでしようとするの?」
「姉の復讐……だな。イレーナの姉ハリエットはルアンナと王太子妃の立場を争っていた。本人は望んでいなかったようだが年齢や家格を考えると一番釣り合っていた」
イレーナの実家はアクトン公爵家で確かにルアンナより爵位が高い。年齢もライアンの三歳年下でちょうどいい。ルアンナはライアンより十歳年下だ。
「王太子妃が決定する直前にハリエットは失踪した」
「失踪?」
「外出した後行方が分からなくなった。一か月後に先々代の王の後宮にいることが分かった。ビンガム侯爵の仕業だ。誘拐し王の愛妾とされてしまっては王太子妃にはなれない。そうやってハリエットを追い落とした」
「ひどい……そのあとハリエット様は?」
メイナードの話だとアクトン公爵が娘を返すように訴えたが叶わなかった。面会すら許可が下りなかったのでどうしているのかは彼女からの手紙でしか分からない。「ここにいるのは自分の意志なので大丈夫です」と書かれていたがとういてい真実だとは思えない。脅されていたのかもしれない。当時、先々代王は密かにハリエットに執心していた。最後まで彼女を手放さなかった。そして後宮を完全に支配していたので宰相閣下ですら関与できず助けられなかった
王は女性を思いのままにするためにビンガム侯爵から違法薬物を受け取って便宜を図っていた。それならずっと前から中央の国政は腐っていたことになる……。
でもさすがに先々代の王が亡くなったらその時は後宮にいた女性たちは解放される。人それぞれだが修道院に行く人もいる。王の妾という名誉を名分に再婚する人もいる。彼女なら実家に戻ることもできたはず。
「それは叶わなかった。ハリエットは薬漬けにされていたようだ。きっと被害者は彼女だけではない。ビンガム侯爵はそれを明るみにさせないためにライアンが即位する直前に後宮に火を放ち証拠を葬った」
「そんな……」
そのときにハリエットは亡くなった。イレーナは姉の仇を討つために証拠集めに協力している。もちろん夫であるエイデン侯爵も一緒に。
「その火事の証拠集めをしていた両親はライアンの指示で殺された。実行を指示したのはビンガム侯爵だろう。まだ証拠は見つかっていないがそうとしか考えられない」
「!! メイナード様のご両親。お義父様とお義母様を……」
お二人は旅行に行く途中に夜盗に襲われ亡くなったと聞いていた。
「ああ」
メイナードは奥歯を食いしばり耐えるように拳を握っている。エルシィはその手を両手で包み込んだ。彼の痛みや苦しみは計り知れない。自分には何も出来ない。でも寄り添いたい。私に出来ること……それは。
「私も協力します! まずはビンガム侯爵家にメイドに変装して潜入しましょうか?」
メイナードは目を丸くした後、呆れたように天を仰いだ。なんで?
父、余計なことを!
「それは……」
首は突っ込みたいので否定はできない。
「そもそもエルシィが辺境から王都に出てきたのはエアロン様の役に立つためだろう? 私のしていることはそのことに関係している」
「な、なんでそれを。あっ、どうして変装していたのに私だと分かったのですか?」
「変装しても妻ぐらい分かる。といっても最初から知っていたので信憑性がないか。『ミッシェル』のオーナーは私だからな。義父上に頼まれてエルシィを雇った」
「はっ?!」
そうしてメイナードから聞かされた話に父を恨みたくなった。王都に諜報活動しに行こうとするエルシィを心配してそれらしい仕事を紹介してくれと頼まれてピアノ弾きとして雇ったそうだ。
(お父様――!!)
「『ミッシェル』はもともと私の息抜きの場所として作った。結果的に情報を集めるのにも役に立っていた。私たちはどうしてもビンガム侯爵を失脚させたい。今はその証拠を集めている。私が女性たちと懇意にしているのは情報収集のためだ。昔から女たらしと言われているから誰も不自然に思わない。結婚後も続けているのは悪いと思っている。せめて夜会だけで外で会うのは止めたがエルシィが嫌がっているのも分かっていた。だがまだ侯爵を断罪できるだけの証拠が集まっていない以上仕方がなかった。すまない。エルシィ。」
謙虚にそう言われてしまうと怒れない。
「オールストン公爵家はどこの派閥にも属していないと思っていました」
エアロン様のお手伝いをしているということは、現在は王家についているということだ。
「先の王ライアンが即位するまでは確かに中立派だった」
メイナードは憎々し気に吐き捨てる。仮にも王だった人を呼び捨てにするのはそれだけ嫌悪しているのだろう。
「何がきっかけで?」
「ライアンは即位するなり金を湯水のように使い国庫を空にした。税を上げざるを得なくなりそれを憂いた宰相閣下とエアロン様、そして義父上……アスカム辺境伯が話しあったときだ。私の両親が呼ばれ協力を求められた。両親は了承したが公にすれば勢力のバランスが急激に変わるから伏せることにした。そのほうがビンガム侯爵も油断するしな」
先々代の王は女にはだらしなかったが政務はしっかりとしていた。当時王太子だったライアンは国政に対する発言や予算に口を出すことが許されていなかった。息子が金銭に奔放で国庫に影響を及ぼすと分かっていたのだろう。それを危惧し密かにライアンを排除しエアロン様を王太子にしようとしていた。息子贔屓はしていなかった。それを王太子妃の父であるビンガム侯爵に気付かれ先手を打たれた。先々代の王は殺された。本当は病死ではなかった。ライアンがその手で毒を盛って弑したらしい。だがその証拠を見つけられず罪を問えなかった。証拠不十分のままライアンを王の座から下ろせない。だから表向きは落馬ということにして毒で暗殺した。
「宰相はエアロン様を簒奪者にさせたくなかった。だから穏便な方法を取った」
「穏便……」
そういっていいのか微妙だが、民衆を巻き込まない最善の方法だったとは思う。ビンガム侯爵の関与の証拠もなかったらしい。ただ宰相閣下はビンガム侯爵が王妃の父である権限を利用して国庫に手をつけた証拠だけは集められたのでその罪を問うことは出来た。連座で連なる貴族も罪に問えた。ただ横領した金の返金と罰金に留まってしまったことが悔やまれる。現在の法律は貴族に甘く作られている。いずれ改める必要がある。
元王妃であるルアンナが王宮に残ると厄介なので無理やり侯爵家に戻した。ただその前に妊娠していないことは検査したそうだ。それなのに最近になって子を産んだという。そしてその子は前王の子だと言い張っている。本当は誰の子なのか。
ビンガム侯爵は国政に返り咲くために手段を選ばないつもりのようだ。そのために金を集めている。それも違法な手段で。隣国から禁止薬物を手に入れて国内に高値で売りさばいているらしい。その話は三年前からあって調査をしていたがまだ流通ルートが明らかになっていないそうだ。
「最近のビンガム侯爵は警戒して薬を流していない。だから証拠を押さえられていないんだ。イレーナはそれを探すためにビンガム侯爵領に伝手を使って自ら潜入すると言い張っている。あの領地では行方不明になっている使用人が多くいる。危険だから手を引くように説得していた所をエルシィが踏み込んできた」
そういえばお願いとか言っていたのはそのことなのか。
「でもどうしてイレーナ様はそこまでしようとするの?」
「姉の復讐……だな。イレーナの姉ハリエットはルアンナと王太子妃の立場を争っていた。本人は望んでいなかったようだが年齢や家格を考えると一番釣り合っていた」
イレーナの実家はアクトン公爵家で確かにルアンナより爵位が高い。年齢もライアンの三歳年下でちょうどいい。ルアンナはライアンより十歳年下だ。
「王太子妃が決定する直前にハリエットは失踪した」
「失踪?」
「外出した後行方が分からなくなった。一か月後に先々代の王の後宮にいることが分かった。ビンガム侯爵の仕業だ。誘拐し王の愛妾とされてしまっては王太子妃にはなれない。そうやってハリエットを追い落とした」
「ひどい……そのあとハリエット様は?」
メイナードの話だとアクトン公爵が娘を返すように訴えたが叶わなかった。面会すら許可が下りなかったのでどうしているのかは彼女からの手紙でしか分からない。「ここにいるのは自分の意志なので大丈夫です」と書かれていたがとういてい真実だとは思えない。脅されていたのかもしれない。当時、先々代王は密かにハリエットに執心していた。最後まで彼女を手放さなかった。そして後宮を完全に支配していたので宰相閣下ですら関与できず助けられなかった
王は女性を思いのままにするためにビンガム侯爵から違法薬物を受け取って便宜を図っていた。それならずっと前から中央の国政は腐っていたことになる……。
でもさすがに先々代の王が亡くなったらその時は後宮にいた女性たちは解放される。人それぞれだが修道院に行く人もいる。王の妾という名誉を名分に再婚する人もいる。彼女なら実家に戻ることもできたはず。
「それは叶わなかった。ハリエットは薬漬けにされていたようだ。きっと被害者は彼女だけではない。ビンガム侯爵はそれを明るみにさせないためにライアンが即位する直前に後宮に火を放ち証拠を葬った」
「そんな……」
そのときにハリエットは亡くなった。イレーナは姉の仇を討つために証拠集めに協力している。もちろん夫であるエイデン侯爵も一緒に。
「その火事の証拠集めをしていた両親はライアンの指示で殺された。実行を指示したのはビンガム侯爵だろう。まだ証拠は見つかっていないがそうとしか考えられない」
「!! メイナード様のご両親。お義父様とお義母様を……」
お二人は旅行に行く途中に夜盗に襲われ亡くなったと聞いていた。
「ああ」
メイナードは奥歯を食いしばり耐えるように拳を握っている。エルシィはその手を両手で包み込んだ。彼の痛みや苦しみは計り知れない。自分には何も出来ない。でも寄り添いたい。私に出来ること……それは。
「私も協力します! まずはビンガム侯爵家にメイドに変装して潜入しましょうか?」
メイナードは目を丸くした後、呆れたように天を仰いだ。なんで?
21
お気に入りに追加
1,773
あなたにおすすめの小説
彼の子を身篭れるのは私だけ
月密
恋愛
『もう一度、触れさせて欲しい』『君にしか反応しないんだ』
***
伯爵令嬢のリーザは、一年前に婚約者に浮気された挙句婚約破棄され捨てらて以来、男性不信に陥ってしまった。そんな時、若き公爵ヴィルヘルムと出会う。彼は眉目秀麗の白銀の貴公子と呼ばれ、令嬢の憧れの君だった。ただ実は肩書き良し、容姿良し、文武両道と完璧な彼には深刻な悩みがあった。所謂【不能】らしく、これまでどんな女性にも【反応】をした事がない。だが彼が言うにはリーザに触れられた瞬間【反応】したと言う。もう自分に一度触れて欲しいとリーザは迫られて……。
【完結】妖精姫と忘れられた恋~好きな人が結婚するみたいなので解放してあげようと思います~
塩羽間つづり
恋愛
お気に入り登録やエールいつもありがとうございます!
2.23完結しました!
ファルメリア王国の姫、メルティア・P・ファルメリアは、幼いころから恋をしていた。
相手は幼馴染ジーク・フォン・ランスト。
ローズの称号を賜る名門一族の次男だった。
幼いころの約束を信じ、いつかジークと結ばれると思っていたメルティアだが、ジークが結婚すると知り、メルティアの生活は一変する。
好きになってもらえるように慣れないお化粧をしたり、着飾ったりしてみたけれど反応はいまいち。
そしてだんだんと、メルティアは恋の邪魔をしているのは自分なのではないかと思いあたる。
それに気づいてから、メルティアはジークの幸せのためにジーク離れをはじめるのだが、思っていたようにはいかなくて……?
妖精が見えるお姫様と近衛騎士のすれ違う恋のお話
切なめ恋愛ファンタジー
人質姫と忘れんぼ王子
雪野 結莉
恋愛
何故か、同じ親から生まれた姉妹のはずなのに、第二王女の私は冷遇され、第一王女のお姉様ばかりが可愛がられる。
やりたいことすらやらせてもらえず、諦めた人生を送っていたが、戦争に負けてお金の為に私は売られることとなった。
お姉様は悠々と今まで通りの生活を送るのに…。
初めて投稿します。
書きたいシーンがあり、そのために書き始めました。
初めての投稿のため、何度も改稿するかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。
小説家になろう様にも掲載しております。
読んでくださった方が、表紙を作ってくださいました。
新○文庫風に作ったそうです。
気に入っています(╹◡╹)
【R18】王と王妃は側妃をご所望です。
とらやよい
恋愛
王太子妃になるべく厳しく育てられた侯爵令嬢イエリンだったが、努力の甲斐なく彼女が王太子妃選ばれることはなかった。
十代で夢破れ第二の人生に踏み出しても、見合いすら断られ続け結婚もできず六年が経過した。立派な行き遅れとなったイエリンにとって酒場で酒を飲むことが唯一の鬱憤の捌け口になっていた。
鬱々とした日々の中、ひょんなことから酒場で出会い飲み友になったアーロン。彼の存在だけが彼女の救いだった。
そんな或日、国王となったトビアスからイエリンを側妃に迎えたいと強い申し入れが。
王妃になれなかった彼女は皮肉にも国王トビアスの側妃となることになったのだが…。
★R18話には※をつけてあります。苦手な方はご注意下さい。
【完結】貴方を愛するつもりはないは 私から
Mimi
恋愛
結婚初夜、旦那様は仰いました。
「君とは白い結婚だ!」
その後、
「お前を愛するつもりはない」と、
続けられるのかと私は思っていたのですが…。
16歳の幼妻と7歳年上23歳の旦那様のお話です。
メインは旦那様です。
1話1000字くらいで短めです。
『俺はずっと片想いを続けるだけ』を引き続き
お読みいただけますようお願い致します。
(1ヶ月後のお話になります)
注意
貴族階級のお話ですが、言葉使いが…です。
許せない御方いらっしゃると思います。
申し訳ありません🙇💦💦
見逃していただけますと幸いです。
R15 保険です。
また、好物で書きました。
短いので軽く読めます。
どうぞよろしくお願い致します!
*『俺はずっと片想いを続けるだけ』の
タイトルでベリーズカフェ様にも公開しています
(若干の加筆改訂あります)
愛されていたのだと知りました。それは、あなたの愛をなくした時の事でした。
桗梛葉 (たなは)
恋愛
リリナシスと王太子ヴィルトスが婚約をしたのは、2人がまだ幼い頃だった。
それから、ずっと2人は一緒に過ごしていた。
一緒に駆け回って、悪戯をして、叱られる事もあったのに。
いつの間にか、そんな2人の関係は、ひどく冷たくなっていた。
変わってしまったのは、いつだろう。
分からないままリリナシスは、想いを反転させる禁忌薬に手を出してしまう。
******************************************
こちらは、全19話(修正したら予定より6話伸びました🙏)
7/22~7/25の4日間は、1日2話の投稿予定です。以降は、1日1話になります。
クーパー伯爵夫人の離縁
桃井すもも
恋愛
クーパー伯爵夫人コレットは離縁を待つ身である。
子を成せず夫からの愛も無い。
夫には既に愛を覚える女性がいる。
離縁された後、独り身になっても生家との縁は切れており戻る場所は無い。
これからどう生きようか。
コレットは思案する。
❇相変わらずの100%妄想の産物です。
❇妄想遠泳の果てに波打ち際に打ち上げられた妄想スイマーによる寝物語です。
疲れたお心とお身体を妄想で癒やして頂けますと泳ぎ甲斐があります。
❇座右の銘は「知らないことは書けない」「嘘をつくなら最後まで」。
❇例の如く、鬼の誤字脱字を修復すべく激しい微修正が入ります。
「間を置いて二度美味しい」とご笑覧下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる