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11.妻が夫を好きな理由
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子供の頃のエルシィはとにかく活発だった。兄と一緒に馬に乗り剣も習った。川に入って魚を取り、鳥や蝶を追いかけた。木にも昇って仔猫を助けたこともある。
家族は大らかに見守りつつもちょっと心配していた。幼いうちはともかく成長しても女の子らしいことに興味を示さない。でも唯一ピアノは好きだった。お祖母様がピアノを弾くのを物心つく前から聴いて過ごしていたからかもしれない。他の遊びは飽きてしまうのにピアノだけは飽きなかった。ずっとお祖母様に指南してもらっていた。エルシィが十歳のときにお祖母様が亡くなると両親がエルシィの才能を伸ばしてやりたいと王都から高名なピアノの教師を招いた。ところがエルシィとは合わなかったのだ。その教師は気位が高く辺境を下に見ていた。
最初にエルシィの演奏を聴いての感想に呆然となった。
「なんて野蛮な音なのでしょう。まったく洗練されていませんわ。一から学び直す必要があります。こんな酷い音、聴いていられません。王都では通用しないでしょう。あなたより幼い子の演奏の方がよほど美しいですわ。まだまだ人に聞かせられるレベルには程遠いと言わざるを得ません」
お祖母様は遊ぶように楽しく教えてくれた。誉めて伸ばしてくれたのだがこの教師は厳しく育てるのが信条だった。エルシィはショックを受け……なかった。それよりも腹が立った。エルシィの演奏はお祖母様と似ていて優しく楽しいものだと家族が言っていた。すなわちお祖母様を馬鹿にされたも同然だ。ところがエルシィ以上に両親が激怒した。そのまま教師を王都に追い返した。
「エルシィ。あんな王都かぶれの教師の言うことなど気にするな」
「そうよ、エルシィの演奏は本当に素晴らしいわ」
両親はエルシィが傷ついたと心配したが――。
「当然よ。お祖母様から教えてもらったのだから上手に決まっているわ。あのおばさんの言うことが間違っているのよ」
傷つくどころか勝ち誇ったような偉そうな態度のエルシィに両親は胸を撫でおろした。お祖母様は誰かを喜ばせるために弾いていた。一番はお祖父様、そして家族。エルシィが目指していたのはピアニストではなく自分の演奏で誰かに笑って欲しかっただけだ。
王都でピアノのアルバイトを紹介された時、一瞬躊躇った。昔、あの教師に言われた言葉を思い出してしまった。田舎臭い? 馬鹿にされるかしら? でもこれが私の演奏なのだから仕方がないわ。幸いいいお客ばかりで帰り際に「いい演奏だった」と言ってくれる人もいた。でもメイナードに言われた言葉が一番胸に響いた。
「今まで聴いたどの曲よりも清らかで素晴らしかった」
その言葉は心に滲み込んでいった。それまではエルシィにとってメイナードは美丈夫で女性関係が派手な人だった。見た目の美しさでつい見てしまうが恋はしていなかったはずだ。それなのに急に意識するようになってしまった。彼はお客様だから軽口を叩くことは出来ない。でも会話をすることがなくても彼はいつも優しく目を細め静かに演奏を聴いてくれる。それこそがエルシィにとってご褒美だった。
メイナードがバーに同伴者を伴なわないで一人で来ている時は白いカンパニュラの花を一輪、言葉もなくそっとピアノの側に置いてくれる。花言葉は「感謝」だ。自分の演奏を喜んでくれていると思うと無性に嬉しかった。
一度、酷く酔ったお客に絡まれたことがある。バーナードが運悪く不在で店専属の護衛の男性が止めに入ってくれたが酔った男性は身分が高く高圧的で怒声を浴びせられた。
「ピアノはもう飽きた。お前! 酒の相手をしろ!」
「お客様。ここはそういった店ではありません。だいぶお酔いになっております。お帰りの馬車を手配しましょう」
護衛の言葉に男は怒り出した。
「私を誰だと思っているんだ。追い返すつもりか? そんなことをしたらどうなると思っているんだ!!」
もし自分だけの問題ならこの男を投げ飛ばすことが出来るが、仮にもお客様だ。バーナードやオーナーに迷惑をかけてしまう。少しだけ話し相手をすれば何とかなるだろう。そう諦めたとき――。
「どうなるのか、お聞かせ願おうか。ボイエット侯爵」
その声はメイナードのものだった。彼は目元を覆う仮面を外していた。
「オ、オールストン公爵。あ、これは、その……」
途端に酔った男は狼狽えだした。一気に顔色が悪くなった。
「だいぶ酔われている。帰った方がいいだろう。おい、馬車を呼べ。それとも夫人に連絡をしましょうか?」
「ま、待ってくれ。帰る。帰るから妻は呼ばないでくれ」
真っ青な顔で慌てて店を出て行った。
「ありがとうございます。助かりました」
「当然のことをしたまでだ」
メイナードとの会話はそのくらいだったがエルシィの前に庇うように立ち、酔っ払いの視線を遮ってくれた。大きな背中が頼もしくそして格好良く、助けてもらったことで増々彼が気になってしまった。きっとこの頃には恋は始まっていたのだ。
後日、バーナードに聞いたがボイエット侯爵は入り婿で夫人の尻に敷かれているらしい。鬱憤晴らしで飲みに来て悪酔いしたのだろう。普段は気の小さい人らしい。反省したのか謝罪の手紙が届いたと言っていた。
エルシィは結婚して屋敷を案内してもらった時にグランドピアノがある部屋を見せてもらった。素晴らしいものだった。思わずうっとりと魅入られ鍵盤に触れた。調律されていていつでも弾ける。正直言えば弾きたい。ピアノは練習を止めればすぐに指が動かなくなる。実家では毎日弾いていたが結婚してからは一度も引いていない。
「先代の公爵夫人がよく弾いておられました。もしよかったら奥様も弾いてくださいませ。弾き手がいないときっとピアノも寂しいでしょうから」
ジャスミンの言葉に曖昧に頷いた。彼の前で演奏をしてバーのピアノ弾きがエルシィと発覚しては困る。困窮したわけでもない貴族令嬢が高級バーで遅い時間に働いていたなどバレたら醜聞になる。下手をすれば夜遊びをするふしだらな女だと思うかもしれない。もし世間に広まればメイナードに迷惑をかけてしまう。かつらをかぶって変装していたとはいえメイナードは勘がいいから気付くかもしれない。危険は冒せない。
メイナードが留守の時にでも練習しようかと思ったがジャスミンや執事が報告するだろう。そうすると目の前で弾いてみてくれと言われアルバイトをしていたことがバレてしまうかもしれない。
ところがピアノを我慢して彼との結婚生活を送っていたのに、まさかの浮名は健在でエルシィは密かに傷ついていた。
メイナードを好きになって自分は独占欲が強いことを知った。彼を誰にも渡したくない。
家族は大らかに見守りつつもちょっと心配していた。幼いうちはともかく成長しても女の子らしいことに興味を示さない。でも唯一ピアノは好きだった。お祖母様がピアノを弾くのを物心つく前から聴いて過ごしていたからかもしれない。他の遊びは飽きてしまうのにピアノだけは飽きなかった。ずっとお祖母様に指南してもらっていた。エルシィが十歳のときにお祖母様が亡くなると両親がエルシィの才能を伸ばしてやりたいと王都から高名なピアノの教師を招いた。ところがエルシィとは合わなかったのだ。その教師は気位が高く辺境を下に見ていた。
最初にエルシィの演奏を聴いての感想に呆然となった。
「なんて野蛮な音なのでしょう。まったく洗練されていませんわ。一から学び直す必要があります。こんな酷い音、聴いていられません。王都では通用しないでしょう。あなたより幼い子の演奏の方がよほど美しいですわ。まだまだ人に聞かせられるレベルには程遠いと言わざるを得ません」
お祖母様は遊ぶように楽しく教えてくれた。誉めて伸ばしてくれたのだがこの教師は厳しく育てるのが信条だった。エルシィはショックを受け……なかった。それよりも腹が立った。エルシィの演奏はお祖母様と似ていて優しく楽しいものだと家族が言っていた。すなわちお祖母様を馬鹿にされたも同然だ。ところがエルシィ以上に両親が激怒した。そのまま教師を王都に追い返した。
「エルシィ。あんな王都かぶれの教師の言うことなど気にするな」
「そうよ、エルシィの演奏は本当に素晴らしいわ」
両親はエルシィが傷ついたと心配したが――。
「当然よ。お祖母様から教えてもらったのだから上手に決まっているわ。あのおばさんの言うことが間違っているのよ」
傷つくどころか勝ち誇ったような偉そうな態度のエルシィに両親は胸を撫でおろした。お祖母様は誰かを喜ばせるために弾いていた。一番はお祖父様、そして家族。エルシィが目指していたのはピアニストではなく自分の演奏で誰かに笑って欲しかっただけだ。
王都でピアノのアルバイトを紹介された時、一瞬躊躇った。昔、あの教師に言われた言葉を思い出してしまった。田舎臭い? 馬鹿にされるかしら? でもこれが私の演奏なのだから仕方がないわ。幸いいいお客ばかりで帰り際に「いい演奏だった」と言ってくれる人もいた。でもメイナードに言われた言葉が一番胸に響いた。
「今まで聴いたどの曲よりも清らかで素晴らしかった」
その言葉は心に滲み込んでいった。それまではエルシィにとってメイナードは美丈夫で女性関係が派手な人だった。見た目の美しさでつい見てしまうが恋はしていなかったはずだ。それなのに急に意識するようになってしまった。彼はお客様だから軽口を叩くことは出来ない。でも会話をすることがなくても彼はいつも優しく目を細め静かに演奏を聴いてくれる。それこそがエルシィにとってご褒美だった。
メイナードがバーに同伴者を伴なわないで一人で来ている時は白いカンパニュラの花を一輪、言葉もなくそっとピアノの側に置いてくれる。花言葉は「感謝」だ。自分の演奏を喜んでくれていると思うと無性に嬉しかった。
一度、酷く酔ったお客に絡まれたことがある。バーナードが運悪く不在で店専属の護衛の男性が止めに入ってくれたが酔った男性は身分が高く高圧的で怒声を浴びせられた。
「ピアノはもう飽きた。お前! 酒の相手をしろ!」
「お客様。ここはそういった店ではありません。だいぶお酔いになっております。お帰りの馬車を手配しましょう」
護衛の言葉に男は怒り出した。
「私を誰だと思っているんだ。追い返すつもりか? そんなことをしたらどうなると思っているんだ!!」
もし自分だけの問題ならこの男を投げ飛ばすことが出来るが、仮にもお客様だ。バーナードやオーナーに迷惑をかけてしまう。少しだけ話し相手をすれば何とかなるだろう。そう諦めたとき――。
「どうなるのか、お聞かせ願おうか。ボイエット侯爵」
その声はメイナードのものだった。彼は目元を覆う仮面を外していた。
「オ、オールストン公爵。あ、これは、その……」
途端に酔った男は狼狽えだした。一気に顔色が悪くなった。
「だいぶ酔われている。帰った方がいいだろう。おい、馬車を呼べ。それとも夫人に連絡をしましょうか?」
「ま、待ってくれ。帰る。帰るから妻は呼ばないでくれ」
真っ青な顔で慌てて店を出て行った。
「ありがとうございます。助かりました」
「当然のことをしたまでだ」
メイナードとの会話はそのくらいだったがエルシィの前に庇うように立ち、酔っ払いの視線を遮ってくれた。大きな背中が頼もしくそして格好良く、助けてもらったことで増々彼が気になってしまった。きっとこの頃には恋は始まっていたのだ。
後日、バーナードに聞いたがボイエット侯爵は入り婿で夫人の尻に敷かれているらしい。鬱憤晴らしで飲みに来て悪酔いしたのだろう。普段は気の小さい人らしい。反省したのか謝罪の手紙が届いたと言っていた。
エルシィは結婚して屋敷を案内してもらった時にグランドピアノがある部屋を見せてもらった。素晴らしいものだった。思わずうっとりと魅入られ鍵盤に触れた。調律されていていつでも弾ける。正直言えば弾きたい。ピアノは練習を止めればすぐに指が動かなくなる。実家では毎日弾いていたが結婚してからは一度も引いていない。
「先代の公爵夫人がよく弾いておられました。もしよかったら奥様も弾いてくださいませ。弾き手がいないときっとピアノも寂しいでしょうから」
ジャスミンの言葉に曖昧に頷いた。彼の前で演奏をしてバーのピアノ弾きがエルシィと発覚しては困る。困窮したわけでもない貴族令嬢が高級バーで遅い時間に働いていたなどバレたら醜聞になる。下手をすれば夜遊びをするふしだらな女だと思うかもしれない。もし世間に広まればメイナードに迷惑をかけてしまう。かつらをかぶって変装していたとはいえメイナードは勘がいいから気付くかもしれない。危険は冒せない。
メイナードが留守の時にでも練習しようかと思ったがジャスミンや執事が報告するだろう。そうすると目の前で弾いてみてくれと言われアルバイトをしていたことがバレてしまうかもしれない。
ところがピアノを我慢して彼との結婚生活を送っていたのに、まさかの浮名は健在でエルシィは密かに傷ついていた。
メイナードを好きになって自分は独占欲が強いことを知った。彼を誰にも渡したくない。
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