2 / 22
2.奥様はご機嫌ななめ
しおりを挟む
エルシィのいる場所から声が聞こえる程度の距離で女性たちが談笑している。扇子で口元を隠しながら視線をエルシィに向けてくすくすと笑っている。夫に放置されたエルシィを馬鹿にしているのだ。「お気の毒ねえ」と楽しそうな声が聞こえる。
メイナードがロレインや他の女性と踊るのは今夜だけではない。何なら夜会の度に踊っている。それでもファーストダンスだけは必ずエルシィと踊ってくれていた。だから一応問題はないといえなくもない。気分はよくないが社交だからと言われてしまえば文句も言いづらい。
また、エルシィが周りの言葉を一蹴できない理由もある。この結婚は政略で恋愛結婚ではない。ゆえに相思相愛ではないからだ。愛されている根拠がなければ言い返せない。
オールストン公爵家は小麦の生産量国内一で品種改良にも優れている。その技術とノウハウを辺境にも取り入れたいと考えていた父はエルシィとの婚約を打診した。そのときメイナードは投資に失敗し少なくない負債を抱えていたので、多額の持参金と支援金をチラつかせた。結果的に彼は婚約を受け入れた。
エルシィは政略結婚だからといって愛のある夫婦になることを諦めていない。さらに浮気や愛人を容認するつもりもない。社交と思われる範囲での女性との付き合いは仕方ないがそれ以上は絶対に駄目だ。だから初夜の時にある要求をした。
もし愛人を作ったり浮気をしたら持参金の十倍を慰謝料として私に一括で支払うこと! という内容の誓約書にサインをさせた。もしかしてこれがいけなかったのかしら。男としてのプライドを傷つけた? でも本人は文句も言わずにサインしていた。
現在のメイナードにこの金額を払うことは絶対に無理だと思われる。持参金は全て負債の返済に充てたと聞いているからだ。メイナードは普段エルシィを大切にしてくれている。でも夜会に限っては違う。毎回これは酷くない?
世間にはメイナードが負債を抱えていたことは秘されている。そのため社交界ではエルシィがメイナードに恋焦がれてその思いを汲み取った父親が強引に結婚を捻じ込んだと思われている。エルシィのことを押しかけ妻で愛されていないと嘲笑している。メイナードと結婚を望む女性は今でも多いので離婚間近という噂まで出ている。きっと隙あらばその座を奪いたいと思っているのだ。高位貴族が結婚して三カ月で離婚するなんて、余程のことがなければあり得ないのにもかかわらず。
ちなみに私たちの離婚を望んでいる最たる女性はロレインだろう。メイナードと踊るロレインを眺める。肩が出たタイトなドレスを色っぽく着こなしている。いや、本当にセクシーだわ。ロレインと彼女の夫とメイナードは同じ歳で学生からの付き合いだ。結婚したばかりのエルシィよりもはるかに長い時間を共有してきたロレインに対して冷静でいられない。
「何がいい子で待っていて、よ! 私を馬鹿にしているわ。あ――。もう、帰っちゃおうかな~」
二人は親密そうに体を寄せて会話をしながら踊っている。やけに時間が長く感じる。一曲ってこんなに長かった? 誰か引き延ばした?
この光景にイライラする自分も許せない。女性に人気の男を夫にすると妻は気苦労が絶えない。エルシィは明らかに嫉妬していた。
ようやくロレインとのダンスが終わった。と思ったら新たな女性がメイナードに声を掛けた。そしてその手を取り踊り出す。メイナードに断ると言う選択肢はないのだろうか。
いつもはメイナードの社交が終わるまで壁の花となって待っているのだが今日は我慢する気分になれない。エルシィは帰ることにした。メイナードに伝言すら残さずに踵を返し今来た通路を一人で引き返し屋敷に戻る。
「どうせ私がいなくなっても問題ないでしょう。むしろ喜ぶんじゃないかしら。素敵な女性たちと楽しめるものね!」
馬車の中でヒールを脱ぎながらぶつぶつと文句をこぼした。お行儀が悪くても誰も見ていないので問題なし。
「もうちょっと夜会で私を優先してくれてもいいと思うの! あ――。もう、離婚したい!!」
本当は嘘。離婚なんかしたくない。私たちはまだ新婚なのに夫を独占出来ないことが悔しい。
屋敷に着くと靴を手に持ってツカツカと玄関に向かう。さすがオールストン公爵家。玄関前を靴なしで歩いても足の裏が傷つくことはない。使用人が素晴らしい仕事をしている。
玄関の扉を開け屋敷に入れば老齢の執事バッカスが飛んできて目を丸くする。予定よりかなり早く帰ってきてしまったからだ。しかもエルシィ一人で。
「奥様。夜会はどうされたのですか? 旦那様は? もしかして体調を崩されたのですか? それならばすぐに医師を手配しましょう」
冷静沈着なバッカスらしくなく慌てる姿にくすりと笑ってしまった。彼が心配してくれていると思うとやさぐれた気持ちが少しだけ温かくなった。
「バッカス、心配してくれてありがとう。でも大丈夫よ。具合が悪くなったわけじゃないの。なんだか馬鹿馬鹿しくなって帰って来ただけ。メイナード様はきっと今頃お楽しみの最中よ。私は湯浴みをして休ませてもらうわ」
バッカスはエルシィの言葉を聞くと悲し気に眉を下げる。頭を下げすぐに湯浴みの準備を指示するために下って行った。自室のソファーに座り重たいため息を吐く。
「奥様。支度が出来ましたよ」
「ありがとう。ジャスミン」
侍女のジャスミンの手を借りドレスを脱ぐ。湯浴みを済ませさっぱりとして部屋に戻った。ベッドサイドのテーブルにはエルシィのお気に入りのホットワインが一杯置いてあった。ジャスミンがぐっすり眠れるように用意してくれていた。さすが有能な侍女だ。それをゴクリと飲んでからベッドに潜り込んだ。
大きな天蓋付きのふかふかの寝心地の良いベッド。筆頭公爵家の物は全て一流品だ。徐々にイライラも収まり微睡み始めた。
メイナードがロレインや他の女性と踊るのは今夜だけではない。何なら夜会の度に踊っている。それでもファーストダンスだけは必ずエルシィと踊ってくれていた。だから一応問題はないといえなくもない。気分はよくないが社交だからと言われてしまえば文句も言いづらい。
また、エルシィが周りの言葉を一蹴できない理由もある。この結婚は政略で恋愛結婚ではない。ゆえに相思相愛ではないからだ。愛されている根拠がなければ言い返せない。
オールストン公爵家は小麦の生産量国内一で品種改良にも優れている。その技術とノウハウを辺境にも取り入れたいと考えていた父はエルシィとの婚約を打診した。そのときメイナードは投資に失敗し少なくない負債を抱えていたので、多額の持参金と支援金をチラつかせた。結果的に彼は婚約を受け入れた。
エルシィは政略結婚だからといって愛のある夫婦になることを諦めていない。さらに浮気や愛人を容認するつもりもない。社交と思われる範囲での女性との付き合いは仕方ないがそれ以上は絶対に駄目だ。だから初夜の時にある要求をした。
もし愛人を作ったり浮気をしたら持参金の十倍を慰謝料として私に一括で支払うこと! という内容の誓約書にサインをさせた。もしかしてこれがいけなかったのかしら。男としてのプライドを傷つけた? でも本人は文句も言わずにサインしていた。
現在のメイナードにこの金額を払うことは絶対に無理だと思われる。持参金は全て負債の返済に充てたと聞いているからだ。メイナードは普段エルシィを大切にしてくれている。でも夜会に限っては違う。毎回これは酷くない?
世間にはメイナードが負債を抱えていたことは秘されている。そのため社交界ではエルシィがメイナードに恋焦がれてその思いを汲み取った父親が強引に結婚を捻じ込んだと思われている。エルシィのことを押しかけ妻で愛されていないと嘲笑している。メイナードと結婚を望む女性は今でも多いので離婚間近という噂まで出ている。きっと隙あらばその座を奪いたいと思っているのだ。高位貴族が結婚して三カ月で離婚するなんて、余程のことがなければあり得ないのにもかかわらず。
ちなみに私たちの離婚を望んでいる最たる女性はロレインだろう。メイナードと踊るロレインを眺める。肩が出たタイトなドレスを色っぽく着こなしている。いや、本当にセクシーだわ。ロレインと彼女の夫とメイナードは同じ歳で学生からの付き合いだ。結婚したばかりのエルシィよりもはるかに長い時間を共有してきたロレインに対して冷静でいられない。
「何がいい子で待っていて、よ! 私を馬鹿にしているわ。あ――。もう、帰っちゃおうかな~」
二人は親密そうに体を寄せて会話をしながら踊っている。やけに時間が長く感じる。一曲ってこんなに長かった? 誰か引き延ばした?
この光景にイライラする自分も許せない。女性に人気の男を夫にすると妻は気苦労が絶えない。エルシィは明らかに嫉妬していた。
ようやくロレインとのダンスが終わった。と思ったら新たな女性がメイナードに声を掛けた。そしてその手を取り踊り出す。メイナードに断ると言う選択肢はないのだろうか。
いつもはメイナードの社交が終わるまで壁の花となって待っているのだが今日は我慢する気分になれない。エルシィは帰ることにした。メイナードに伝言すら残さずに踵を返し今来た通路を一人で引き返し屋敷に戻る。
「どうせ私がいなくなっても問題ないでしょう。むしろ喜ぶんじゃないかしら。素敵な女性たちと楽しめるものね!」
馬車の中でヒールを脱ぎながらぶつぶつと文句をこぼした。お行儀が悪くても誰も見ていないので問題なし。
「もうちょっと夜会で私を優先してくれてもいいと思うの! あ――。もう、離婚したい!!」
本当は嘘。離婚なんかしたくない。私たちはまだ新婚なのに夫を独占出来ないことが悔しい。
屋敷に着くと靴を手に持ってツカツカと玄関に向かう。さすがオールストン公爵家。玄関前を靴なしで歩いても足の裏が傷つくことはない。使用人が素晴らしい仕事をしている。
玄関の扉を開け屋敷に入れば老齢の執事バッカスが飛んできて目を丸くする。予定よりかなり早く帰ってきてしまったからだ。しかもエルシィ一人で。
「奥様。夜会はどうされたのですか? 旦那様は? もしかして体調を崩されたのですか? それならばすぐに医師を手配しましょう」
冷静沈着なバッカスらしくなく慌てる姿にくすりと笑ってしまった。彼が心配してくれていると思うとやさぐれた気持ちが少しだけ温かくなった。
「バッカス、心配してくれてありがとう。でも大丈夫よ。具合が悪くなったわけじゃないの。なんだか馬鹿馬鹿しくなって帰って来ただけ。メイナード様はきっと今頃お楽しみの最中よ。私は湯浴みをして休ませてもらうわ」
バッカスはエルシィの言葉を聞くと悲し気に眉を下げる。頭を下げすぐに湯浴みの準備を指示するために下って行った。自室のソファーに座り重たいため息を吐く。
「奥様。支度が出来ましたよ」
「ありがとう。ジャスミン」
侍女のジャスミンの手を借りドレスを脱ぐ。湯浴みを済ませさっぱりとして部屋に戻った。ベッドサイドのテーブルにはエルシィのお気に入りのホットワインが一杯置いてあった。ジャスミンがぐっすり眠れるように用意してくれていた。さすが有能な侍女だ。それをゴクリと飲んでからベッドに潜り込んだ。
大きな天蓋付きのふかふかの寝心地の良いベッド。筆頭公爵家の物は全て一流品だ。徐々にイライラも収まり微睡み始めた。
56
お気に入りに追加
1,770
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。

王太子殿下はきっと私を愛していない。
haruno
恋愛
王太子殿下の婚約者に選ばれた私。
しかし殿下は噂とは程遠い厳しい人で、私に仕事を押し付けてくる。
それでも諦めずに努力をするも、殿下の秘書が私を妬んでいるようで……
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
「あなたの好きなひとを盗るつもりなんてなかった。どうか許して」と親友に謝られたけど、その男性は私の好きなひとではありません。まあいっか。
石河 翠
恋愛
真面目が取り柄のハリエットには、同い年の従姉妹エミリーがいる。母親同士の仲が悪く、二人は何かにつけ比較されてきた。
ある日招待されたお茶会にて、ハリエットは突然エミリーから謝られる。なんとエミリーは、ハリエットの好きなひとを盗ってしまったのだという。エミリーの母親は、ハリエットを出し抜けてご機嫌の様子。
ところが、紹介された男性はハリエットの好きなひととは全くの別人。しかもエミリーは勘違いしているわけではないらしい。そこでハリエットは伯母の誤解を解かないまま、エミリーの結婚式への出席を希望し……。
母親の束縛から逃れて初恋を叶えるしたたかなヒロインと恋人を溺愛する腹黒ヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:23852097)をお借りしております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる