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18.危機に陥る
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目を覚ますと目の前には紺碧色の瞳が自分をうっとりと見ていた。ツヤツヤの彼の美貌は朝日よりも眩しい……。幸せそうに微笑むブラッドにつられ自分も笑顔になる。
「お、けっほ………」
爽やかにおはようと挨拶をしようとしたら喉が痛くて声が出ない。ついでに体が痛い。特に股関節とかあらぬところがなんというか……。
初夜、まさに初めての夜なのに激しすぎでは? 眉を寄せ抗議の視線を送ると、ブラッドははっと起き上がり水を用意しシンシアの体を起こして飲ませてくれた。
「ごめん……」
しょんぼりと項垂れる姿が可哀想になってしまった。嫌だったわけではなく、翌日これほどダメージを引きずることになるとは思わなかったのでちょっと拗ねただけなのだ。
「べつに怒ってないわ。でも今日はもう何もしたくない」
シンシアは嘘偽りなく何にもしたくない。時計を見れば昼近く、寝坊しているにもかかわらず疲れが取れていない。むしろ疲れが増している。何だか想像していた結婚一日目の目覚めと違うことに微妙な気持ちになりついぼやいてしまった。
「もちろん! シンシアは何もしなくしていい!」
嬉々として頷くブラッドはその日から結婚休暇中、ずっとシンシアにつきっきりで世話を焼いた。食事を食べさせ湯浴みのために浴室に抱いて運ぶ。準備をする侍女たちの生温い視線が痛い……。食事くらい自分で食べられるのに、なぜかブラッドの膝の上に座り「あ~ん」をされている。
(まあ、いいか。結婚休暇が終われば忙しくなるし、今くらい彼を独占しても許されるでしょう。ブラッドは嬉しそうだし侍女の視線さえ気にしなければいいのよ……)
そういえば小さい頃にもこんな風に彼の膝の上でおやつを食べさせてもらったことがあった。懐かしくて思わず笑ってしまう。結局、シンシアもこの状況が楽しいのだ。一週間の結婚休暇は甘々で幸せな時間を堪能して過ごすことが出来た。
――シンシアの人生は順風満帆だ。
愛する人と結婚し公務も忙しいなりに結果を出し充実した生活を送っている。
夜も毎日のように彼に求められている。(ほどほどにしてもらっているが)恥ずかしさはまだ消えないけれど幸せだ。まだまだ二人で新婚気分を味わいたくもあるが早く彼の子供が欲しいとも思う。王太子妃として世継ぎを産むという責務よりも単純に彼に似た子供をこの手に抱きたい。
現在、王太子夫妻として着手している最優先の案件は病院建設に係る事業だ。あらかためどは立った。建設もじきに始まる。そこまでの資金は確保できたのだが、運営後の資金の財源が不足している。これをどこから引っ張って来るか……。
「新しい地下資源でも出てくれば手っ取り早いけれど、そんな簡単にはいかないわね」
それでも確保した財源から医師や薬師、看護師の手配をしている。病院はブラッドがメインだが、学校はシンシアが運営のフォローを担っている。
今日は学校に視察に行く日だ。一人で向かうので護衛が多い。心配性のブラッドが護衛を増やしてしまいぞろぞろと引き連れて行くことになってしまった。我が国は平和で経済的にも豊かで貧民はいない。悪い人が全くいないとは思わないがそんなに護衛をつけなくても大丈夫だと説得したが納得してもらえなかった。
護衛を従え学校を見学する。子供たちは元気でなによりだ。校長先生や教師と不足や不満がないかを確認する。
「問題なさそうでよかったわ。ブラッドにいい報告が出来そうね」
視察が終わり城に戻るために馬車に乗り込んだ。
「妃殿下。お疲れ様です」
「確かに疲れたけど充足感があるわ」
お付きの侍女の労いに頷く。馬車が動き出ししばらくすると、突然馬の嘶きと大声が聞こえて来た。そして馬車の扉が乱暴に開かれた。
「妃殿下。お逃げ下さい。襲撃です。馬車に火が!!」
馬車の後方に火が付いている。矢が当たってそこから火が広がり始めている。どうやら火矢が何本も放たれたようだ。
「分かったわ」
シンシアは馬車を降りると侍女と一緒に護衛の騎士の先導で安全な場所へ移動する。一体だれが何の目的で? シンシアが狙われた理由が分からない。馬車から離れると目の前に黒い服に黒いフードで顔を隠した男たちが現れ護衛騎士たちと交戦になった。
「妃殿下! こちらに」
一人の騎士が強引にシンシアの腕を引っ張る。緊急事態とはいえ強引すぎる気がした。まるで……他の騎士と離そうとするかのようだ。後ろを振り返りながら引きずられるように移動した。気付けば側にいるのはその騎士一人だ。嫌な違和感を抱いた。
「待って。侍女も一緒に移動するわ。あと他の騎士と合流したほうがいい。ここで一旦待ちましょう」
怪しい男たちは多くない。そう時間がかからずに捕縛できそうだ。ここで待っていれば大丈夫だろう。そう思ったのだが、騎士はハンカチを取り出すとシンシアの口をふさいだ。
「うっ~~!!」
声を出して助けを求めたかったが無理だった。騎士の腕を振り解けない。苦しい。塞がれたまま呼吸をしたらすぐに意識が遠くなった。ハンカチに薬が滲み込ませてあったのだ。
(ブラッド……)
シンシアはそのまま意識を失った。
ぼんやりと意識が戻ってくる。
ガタゴトと揺れている。これは馬車の揺れのようだ。体が痺れている。まだ頭が覚醒しきっていない。全身を強く拘束されているような感覚があった。
(そうだ。襲われて意識を失って……)
さっきの出来事を思い出し目を開くと――。
(ひっ!!)
目の前に男の顔がある。心の中で驚き悲鳴を上げた。
「ああ、マリオン。目を覚ましたんだね」
声は出ないし体は動かせない。薬が効いているのか体の感覚が鈍い。最悪なことに目の前の男の膝の上に抱きかかえられていた。男はクラム王国の王太子ハリスンだった。ブラッド以外の男性に触れられ嫌悪感から鳥肌が立つ。
(気持ちが悪い、嫌だ。離してよ)
必至にしゃべろうとするが口が動かせない。かろうじて目だけを開くことができた。まるで自我を持った人形のようだ。
「マリオン、いや今はシンシアだったね。目を覚ましたのかい? まだ薬が効いているようけどじきに切れるよ。そんな不安そうな顔をしなくても大丈夫。君は本来いるべき場所に戻るんだ」
(私の居場所はブラッドのところよ! 放せー! 馬鹿―!)
「急に言われても分からないね。君にも前世の記憶があれば話が早いのに残念だ。君はね。前世でマリオンという名の女性で私の婚約者だった。私たちは愛し合っていたのに不運にも一緒になれなかった。でも今世こそは一緒になろう。そのために神は私に前世の記憶を下さったのだ。当時の私はクリフトンだ。覚えていないかい? そうか。残念だ」
ハリスンは金色の瞳を曇らせ嘆息する。
(何一人芝居で話を完結しているのよ。前世なら覚えているわ。でもクリフトンと愛し合った覚えはないし、不運で一緒になれなかったなんて、嘘をつかないで。あなたがマリオンの死を願ったのでしょう。前世の記憶を勝手に捏造しないでよ――!)
「今度こそ、一緒になろう。愛してるよ。マリオン」
ハリスンはシンシアの頬を撫でながらうっとりと夢見るように囁く。
(この人にはクリフトンの記憶がある。神様、どうして余計なことを!!)
自分が前世を知っているなら他にも知っている人がいてもおかしくない。けれどよりによって何故この人なのだ。しかも妄執に囚われ他国の王太子妃を攫うなんて愚かしい。このままどこに連れて行かれてしまうのか……。
(ブラッド。助けて)
シンシアは心の中で悲痛な声を上げた。
「お、けっほ………」
爽やかにおはようと挨拶をしようとしたら喉が痛くて声が出ない。ついでに体が痛い。特に股関節とかあらぬところがなんというか……。
初夜、まさに初めての夜なのに激しすぎでは? 眉を寄せ抗議の視線を送ると、ブラッドははっと起き上がり水を用意しシンシアの体を起こして飲ませてくれた。
「ごめん……」
しょんぼりと項垂れる姿が可哀想になってしまった。嫌だったわけではなく、翌日これほどダメージを引きずることになるとは思わなかったのでちょっと拗ねただけなのだ。
「べつに怒ってないわ。でも今日はもう何もしたくない」
シンシアは嘘偽りなく何にもしたくない。時計を見れば昼近く、寝坊しているにもかかわらず疲れが取れていない。むしろ疲れが増している。何だか想像していた結婚一日目の目覚めと違うことに微妙な気持ちになりついぼやいてしまった。
「もちろん! シンシアは何もしなくしていい!」
嬉々として頷くブラッドはその日から結婚休暇中、ずっとシンシアにつきっきりで世話を焼いた。食事を食べさせ湯浴みのために浴室に抱いて運ぶ。準備をする侍女たちの生温い視線が痛い……。食事くらい自分で食べられるのに、なぜかブラッドの膝の上に座り「あ~ん」をされている。
(まあ、いいか。結婚休暇が終われば忙しくなるし、今くらい彼を独占しても許されるでしょう。ブラッドは嬉しそうだし侍女の視線さえ気にしなければいいのよ……)
そういえば小さい頃にもこんな風に彼の膝の上でおやつを食べさせてもらったことがあった。懐かしくて思わず笑ってしまう。結局、シンシアもこの状況が楽しいのだ。一週間の結婚休暇は甘々で幸せな時間を堪能して過ごすことが出来た。
――シンシアの人生は順風満帆だ。
愛する人と結婚し公務も忙しいなりに結果を出し充実した生活を送っている。
夜も毎日のように彼に求められている。(ほどほどにしてもらっているが)恥ずかしさはまだ消えないけれど幸せだ。まだまだ二人で新婚気分を味わいたくもあるが早く彼の子供が欲しいとも思う。王太子妃として世継ぎを産むという責務よりも単純に彼に似た子供をこの手に抱きたい。
現在、王太子夫妻として着手している最優先の案件は病院建設に係る事業だ。あらかためどは立った。建設もじきに始まる。そこまでの資金は確保できたのだが、運営後の資金の財源が不足している。これをどこから引っ張って来るか……。
「新しい地下資源でも出てくれば手っ取り早いけれど、そんな簡単にはいかないわね」
それでも確保した財源から医師や薬師、看護師の手配をしている。病院はブラッドがメインだが、学校はシンシアが運営のフォローを担っている。
今日は学校に視察に行く日だ。一人で向かうので護衛が多い。心配性のブラッドが護衛を増やしてしまいぞろぞろと引き連れて行くことになってしまった。我が国は平和で経済的にも豊かで貧民はいない。悪い人が全くいないとは思わないがそんなに護衛をつけなくても大丈夫だと説得したが納得してもらえなかった。
護衛を従え学校を見学する。子供たちは元気でなによりだ。校長先生や教師と不足や不満がないかを確認する。
「問題なさそうでよかったわ。ブラッドにいい報告が出来そうね」
視察が終わり城に戻るために馬車に乗り込んだ。
「妃殿下。お疲れ様です」
「確かに疲れたけど充足感があるわ」
お付きの侍女の労いに頷く。馬車が動き出ししばらくすると、突然馬の嘶きと大声が聞こえて来た。そして馬車の扉が乱暴に開かれた。
「妃殿下。お逃げ下さい。襲撃です。馬車に火が!!」
馬車の後方に火が付いている。矢が当たってそこから火が広がり始めている。どうやら火矢が何本も放たれたようだ。
「分かったわ」
シンシアは馬車を降りると侍女と一緒に護衛の騎士の先導で安全な場所へ移動する。一体だれが何の目的で? シンシアが狙われた理由が分からない。馬車から離れると目の前に黒い服に黒いフードで顔を隠した男たちが現れ護衛騎士たちと交戦になった。
「妃殿下! こちらに」
一人の騎士が強引にシンシアの腕を引っ張る。緊急事態とはいえ強引すぎる気がした。まるで……他の騎士と離そうとするかのようだ。後ろを振り返りながら引きずられるように移動した。気付けば側にいるのはその騎士一人だ。嫌な違和感を抱いた。
「待って。侍女も一緒に移動するわ。あと他の騎士と合流したほうがいい。ここで一旦待ちましょう」
怪しい男たちは多くない。そう時間がかからずに捕縛できそうだ。ここで待っていれば大丈夫だろう。そう思ったのだが、騎士はハンカチを取り出すとシンシアの口をふさいだ。
「うっ~~!!」
声を出して助けを求めたかったが無理だった。騎士の腕を振り解けない。苦しい。塞がれたまま呼吸をしたらすぐに意識が遠くなった。ハンカチに薬が滲み込ませてあったのだ。
(ブラッド……)
シンシアはそのまま意識を失った。
ぼんやりと意識が戻ってくる。
ガタゴトと揺れている。これは馬車の揺れのようだ。体が痺れている。まだ頭が覚醒しきっていない。全身を強く拘束されているような感覚があった。
(そうだ。襲われて意識を失って……)
さっきの出来事を思い出し目を開くと――。
(ひっ!!)
目の前に男の顔がある。心の中で驚き悲鳴を上げた。
「ああ、マリオン。目を覚ましたんだね」
声は出ないし体は動かせない。薬が効いているのか体の感覚が鈍い。最悪なことに目の前の男の膝の上に抱きかかえられていた。男はクラム王国の王太子ハリスンだった。ブラッド以外の男性に触れられ嫌悪感から鳥肌が立つ。
(気持ちが悪い、嫌だ。離してよ)
必至にしゃべろうとするが口が動かせない。かろうじて目だけを開くことができた。まるで自我を持った人形のようだ。
「マリオン、いや今はシンシアだったね。目を覚ましたのかい? まだ薬が効いているようけどじきに切れるよ。そんな不安そうな顔をしなくても大丈夫。君は本来いるべき場所に戻るんだ」
(私の居場所はブラッドのところよ! 放せー! 馬鹿―!)
「急に言われても分からないね。君にも前世の記憶があれば話が早いのに残念だ。君はね。前世でマリオンという名の女性で私の婚約者だった。私たちは愛し合っていたのに不運にも一緒になれなかった。でも今世こそは一緒になろう。そのために神は私に前世の記憶を下さったのだ。当時の私はクリフトンだ。覚えていないかい? そうか。残念だ」
ハリスンは金色の瞳を曇らせ嘆息する。
(何一人芝居で話を完結しているのよ。前世なら覚えているわ。でもクリフトンと愛し合った覚えはないし、不運で一緒になれなかったなんて、嘘をつかないで。あなたがマリオンの死を願ったのでしょう。前世の記憶を勝手に捏造しないでよ――!)
「今度こそ、一緒になろう。愛してるよ。マリオン」
ハリスンはシンシアの頬を撫でながらうっとりと夢見るように囁く。
(この人にはクリフトンの記憶がある。神様、どうして余計なことを!!)
自分が前世を知っているなら他にも知っている人がいてもおかしくない。けれどよりによって何故この人なのだ。しかも妄執に囚われ他国の王太子妃を攫うなんて愚かしい。このままどこに連れて行かれてしまうのか……。
(ブラッド。助けて)
シンシアは心の中で悲痛な声を上げた。
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