前世の悲しい記憶を思い出しましたが、今世の幸せは揺るぎません。

沙橙しお

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17.二人だけの夜※

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 ブラッドは蕩けるような顔でシンシアを見下ろしている。
 ドキドキしながら見つめ返すと再びブラッドが唇を重ねてくる。柔らかい感触が触れては離れてを繰り返す。少しくすぐったくて口を開くとそこから厚い舌がシンシアの口内に侵入してきた。

「っん」

 ゆっくりとブラッドの舌が歯列をなぞる。どうしていいか分からずされるがままにしていると舌を絡めてきた。

「?!」

 驚きつつも自分も同じように真似てみる。しばらく戯れるようにゆっくりとこすり合わせた。息が苦しくなった頃そっと解放してくれた。今のうちに空気を取り入れるために大きく息を吸うと彼がふっと息で笑った。こんな深い口付けは初めてなのだから下手でも仕方ないと思う。眉を寄せ少し抗議するように彼を見ると、嬉しそうに笑っていた。今のは馬鹿にしたわけではなさそうだ。

 今度はシンシアが苦しくならないように呼吸のタイミングをくれながらも、深い口付けが続いていく。だからいつの間にか彼の手でガウンが剥かれ夜着姿になっていることに気付いていなかった。

 シンシアは口付けだけでうっとりと酔いしれていた。さっき飲み干したワインで酔っているのかもしれない。ブラッドが身を起こす姿をぼんやりと眺めていると彼は嬉しそうに破顔した。首を傾げると彼の大きな手はシンシアの体をまさぐり出した。

「シンシア。よく似合っている。脱がすのがもったいないな。綺麗だよ」

「あっ!」

 侍女曰く官能的な夜着を着ていたことを思い出して両手で体を隠すように覆った。彼はその手をやんわりと掴むと外し、シンシアの体をじっくりと眺める。

「そんなに見ないで」

 きっと顔が真っ赤になっている。スタイルは悪くない方だけれど改めて見られるのは恥ずかしい。

「いやだ。見たい」

 まるで子供みたいな言い方にくすりと笑ってしまう。ブラッドの手は夜着の上からシンシアの両胸を覆いやわやわと揉む。彼の手に少しあまる大きさの胸が形を変える様がいやらしく感じ恥ずかしい。するとブラッドの指が不埒な動きを始めた。シンシアの胸の先端を絶妙な力加減で擦り出す。

「はあっ……」

 そこはすぐに固く尖りコロコロと転がされる。その度にぞくりとした感覚がする。

(気持ちいい……)

 ブラッドは夜着をずらすとまろび出た乳房に顔を寄せ尖端を口に含んだ。彼の舌は先端を嬲ったり吸いついたりした。反対側は指が慰めている。

「ああん」

 指よりも強い刺激と彼が自分の胸を愛撫しているという現実に高揚してくる。それに比例して足の間から何かが溢れてくる感覚がした。お腹の奥がむずむずして膝をこすり合わせてしまう。すると足の間に彼の手が静かに侵入してくる。反射的に閉じようとしたが彼の手はささやかな抵抗を無視して奥へと進んでいく。そしてとうとう秘裂に触れた。そこはいつのまにか愛液でたっぷりと潤っていて指はそれを纏い入り口をゆっくりとなぞる。花弁に触れられるとはっきりとした快感が走り腰が揺れる。ツプリと指がシンシアの中に入って来た。違和感が凄い。でもやめて欲しいとは思わない。この先を期待する気持ちもあるから。もちろん閨教育は受けているが未知の経験だ。それでもブラッドが自分を傷つけないと知っているから恐怖はない。

 ブラッドは胸の愛撫を続けながら秘所を解し始めた。胸から与えられる快感で体の力が抜け秘所の中の指が一本、また一本と増えていく。その指がぐるりと中をかき回し、ある一点を強く押したそのとき――。

「あ、あああ!!」

 ビリビリとした何かが脊髄を駆け抜けた気がする。

「ここだ……」

 ブラッドは嬉しそうに声を弾ませるとそこを執拗に解す。

「あ……あん……あ、ふぁ……」

 シンシアの腰は何度も跳ね愛液を溢れさせる。ブラッドの指は滑らかに膣内をかき回し刺激を与え続ける。

「感じているんだね。もう手がびしょびしょだよ」

 そんな恥ずかしいこと言わないでって言いたいのに甘い嬌声が口から出るだけだった。執拗な指の動きに腰が大きくガクガクと震え出したころには、押さえられない何かが体の奥から爆発しようとしている。

「だめ、ブラッド、なにか、く……る……」

 シンシアは弱弱しく訴えるがブラッドの目は弧を描き、容赦なく追いつめる。すると背中が弓なりになり真っ白な世界に放り出された。初めての絶頂は暴力的なほどのものだった。

「あっ、やああああ――――」

 痙攣が治まらない。

「可愛いよ。シンシア。ああ、愛している」

 はあはあと呼吸を整えてブラッドを見ると、嬉しくて仕方がないという顔でシンシアを見ている。

「脱がすのはもったいないけれど直接触れ合いたいんだ……」

 少し残念そうな声でそう言うとシンシアの夜着をスルスルと脱がす。自分も直接彼と触れ合いたい。さっきの絶頂で羞恥心は消えていた。ブラッドは自分もガウンを脱いでその素肌をさらけ出した。初めて見るブラッドの素肌は滑らかで、体はしっかりと鍛えられ腹筋は割れている。忙しいのにいつの間にこれほどの体を造っていたのだろう。腹筋から目線を下げるとそこには硬くそそり立った性器が目に入った。

(わっ! 大きいし、なんだかグロテスクだわ)

 ブラッドに似つかわしくないそれは恐怖すら抱きそうなほど大きく固そうだ。好奇心に抗えずついまじまじと見てしまう。
 これは彼がシンシアに向ける欲望の証だと思うと誇らしく感じる。思わず手を伸ばしそっと触れるとびくりと更に大きくなった。

「くっ」

「あっ! ごめんなさい。痛かった?」

 ブラッドが苦しそうに唸る。あれほど張り詰めているのだから触れるだけでも痛いのかもしれないと手を引っ込めた。

「シンシア。駄目だよ。不用意に触れられると爆発してしまいそうだ。それはさすがに情けない」

「ばくはつ?」

 ブラッドはシンシアの両足を大きく開くそと猛った性器を花弁にあてがい腰を動かした。

「あ、あ、あああ、ああん」

 剛直が花弁を強く愛撫するように行き来する。それは直接神経に触れるような強い快感を与えた。再び腰がガクガクと震えた。

「ああ、気持ちいいよ。シンシア」

 ブラッドが恍惚とした表情で呟く。彼も気持ちいいんだということがたまらなく嬉しい。ブラッドの腰の動きが早くなくなるにつれお腹の奥が熱く何かを求めている。ブラッドの動きに合わせ無意識にシンシアも腰を揺らしていた。強い衝撃がまた来る。

「あ、あ、ああ――」

 その直前ブラッドは奥歯を食いしばり腰の動きを止めた。弾ける直前に取り上げられる。少し責めるようにブラッドを見ると彼は懇願するように呟いた。

「シンシア。すまない。今すぐ君の中に入りたい」

「……きて」

 シンシアは笑みを浮かべ頷いた。
 こんな大きなものが自分の中に入るのか実のところ不安だ。きっと痛いに違いない。それでも……彼とひとつになりたい。今はそれしか考えられなかった。ブラッドは入り口に剛直をあてがうとゆっくりと中に挿入していった。メリメリとシンシアを征服しようとしている。

(やっぱり大きい! お願いだから小さくして――)

 その願いは叶わないようだがシンシアが苦しそうなことに気付いたブラッドは腰を止めた。まだ全部入っていないのにもしかして止めてしまうのかと不安になると、ブラッドは乳房へと手を伸ばしまだ固くなったままの先端を指で転がした。その快感でふっと力を抜くと彼が腰を進めてきた。どうしても圧迫感がある。途中で何かが切れるような感覚があったが、顔から汗を零し眉を寄せて何かに耐えている必死なブラッドを見ていると、自分の痛みや苦しみなんかどうでもよくなった。ようやくブラッドの動きが止まったとき二人の体はこれ以上にないほど重なった。

「すまない。痛いか?」

「大丈夫よ。私たち一つになれた?」

「ああ、なれたよ」

 本当は少し痛む。でも心配をしてくれる彼を安心させたくて微笑んだ。今は痛みよりもひとつになれた喜びが勝った。ブラッドはシンシアの薄いお腹を撫でた。その場所には彼がいる。胎内にブラッドがいると感激して無意識に剛直を締め付けた。うねうねと絡みつく蠕動にブラッドは、はあと熱いため息を吐く。

「……シンシア、動くよ」

「あ……」

 待ってと返事をするよりも早くブラッドは腰を揺らし出した。奥だけじゃなくシンシアが感じる浅い場所を硬いものが擦り上げる。段々と穏やかな律動が早く激しくなっていく。愛液の音がくちゅくちゅと淫らな音を奏でシーツを汚していく。シンシアの乳房が律動に合わせ揺れるとブラッドは楽しそうにそれを眺めている。恥ずかしい、でも彼から与えられる快楽が恥ずかしさを打ち消していく。

(気持ちいい)

「ああ、ああん……あ……」

(また来る。あの衝撃が……)

 そう予感するとお腹の奥から強い快感が押し寄せ腰が震え出す。すぐにシンシアの背中が反り絶頂を迎えた。体が抱くガクガクと震えているのにブラッドは止まらない。シンシアの腰を掴んでいるから逃げることも出来ない。

「もう、む、り……あ、あ」

 絶頂が治まらない間の行為は大き過ぎる快感を与える。逆らうことも我慢も出来ない。絶頂から下りれずに揺さぶられ続ける。ブラッドは動きを止めるどころか増々激しく揺すり奥を何度も突いてくる。

(こんなの、おかしくなっちゃう!)

 とうとう彼が熱い息を吐き出し動きを止めた。そして腰を押し付け剛直を奥に押し込んだ。するとシンシアの胎内に熱い飛沫がドクドクと放たれる。ブラッドは注ぎ終わると体を屈めてシンシアに口付ける。それは最初から深く舌を絡ませるようなもので官能的だった。彼が愛しくて一生懸命応えるとシンシアの膣内はさらに蠕動しブラッドを締め付ける。するといつの間にか剛直が復活していた。

(うそ……)

 そのまま律動が再開されると快感が増大されどうにかなりそうになる。ブラッドが放ったものと愛液が混ざり動きはさらに滑らかになる。絶頂を迎えたばかりの体はすぐにそこに舞い戻ってしまう。上で口内を舌で扱かれ、下で胎内をかき回されると理性は粉々だ。ブラッドが口を離した途端、抑えきれない嬌声を上げてしまう。

「いい、もっと……あっあっ……」

 激しく腰を打ち付けられ快楽に溺れる。真っ白な世界がすぐそこにある。シンシアが絶頂を迎えると呼応するようにブラッドが腰を押し付け再び白濁を放った。

(もう……む……り)

 私初めてなのに激し過ぎない? 手加減は――? という疑問を口にすることは出来なかった。何故ならシンシアはそのまま目を閉じると意識を失ったように眠ってしまったのだ。





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