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10.回想1(ブラッド)
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今日の公務を思い出す。王都に建てた二校目の学校の視察は満足できるものだった。シンシアの友人だというドリスは自信を持って堂々と授業を行なっていた。小さなクラスの子供たちも元気に学べている。平民のための学校は国営とし無料で学べる。各領地にもその方向で予算を与え建設を促している。維持費も予算に組み込めた。
だが病院の建設については計画がなかなか進まない。貴族だけが使える病院はあるが平民は使うことを許されていない。そこを解放すればいいのだが貴族の反発で説得できていない。だからこそ平民が利用できる病院を建設したいのだ。ただ建設してからの方が問題が大きい。学校と違い病院を無償化することは難しい。かかる費用が大きすぎるし大きな財源が必要だ。診療費を徴収するとしても平民が利用することを想定すると高額には出来ない。現在、平民は町医者にかかるが、それすらも一定の収入がない者は諦める。平民は病になると自生の薬草で対応するだけ。このままでは駄目だ。
病院の建設には貴族の協力が必要だ。財源はもちろん人材を確保する意味でも無視できない。だが貴族にはお抱えの医者と貴族専用の病院があるので、わざわ自分たちが利用しない平民のための病院を建てることを反対する。自分たちに恩恵がないことには金を出したがらない。
そもそも貴族たちは平民の命を軽んじる傾向にある。我が国はまだましだが国によっては顕著だ。他国では平民を奴隷同然に扱うところもある。そして平民もそれを当然と受け止めてしまっている。同じ血の通った人間同士なのに生まれた出自、たったこれだけで立場が大きく異なる。支配する者とされる者に。
ブラッドは苦笑いを浮かべた。自分こそが支配する頂点に位置している。きっと王族として生まれた人間はこの階級制度に疑問を持たない。だが自分には前世の記憶がある。
自分の前世――。
名前をコンラッドと言った。エッジ伯爵家の四男。爵位を継げないので騎士を目指した。幸い体も大きく運動神経も良かったので向いていた。愛想がなく貴族としての社交が苦手なのでちょうどよかった。
騎士になって五年ほど経ったとき、突然父に呼び出された。
「ベイトソン公爵令嬢マリオン様の婿に?」
マリオンは正妻との間の一人娘でベイトソン公爵夫妻にはそれぞれ愛人と子供がいる。家を継げるのは公爵家の血を引くマリオンか公爵と愛人との間に生まれた子になる。愛人の子を夫人は認めないだろう。公爵夫妻は政略結婚で二人の仲は最悪だと有名だった。マリオンに関心を抱かず使用人たちに世話を丸投げにしていた。ただマリオンが十六歳になり社交界デビューを控えいい加減婚約者を探そうということになった。あまりにもマリオンに対して冷たすぎる。話を聞いていてコンラッドは不愉快になった。我が家はベイトソン公爵家と遠い親戚になる。親戚筋の中で独身でマリオンに歳が近いのはたまたまコンラッドだけだった。そして父に婚約の打診が来たのだ。実は父はコンラッドの意思を訊かずに了承の返事をしてしまっていた。
「おまえには継げる爵位はない。このまま一騎士として生きていくよりも公爵家に婿入りする方がいいに決まっている。公爵家と縁を深められるなら我が家の利にもなる。これ以上のいい話はもうないだろう。勝手に返事をしてしまったがこれは親心だ」
「……」
コンラッドは喜びよりも面倒なことになってしまったと思った。婿入りに頭が痛くなった。苦手な社交に領地経営。体を鍛え剣を奮って過ごしてきた自分に務まるのか……。早々に騎士の道を決めてしまったので夜会などに出ることもなくマリオンについては何も知らない。公爵令嬢ならさぞ高慢で気が強い女性に違いない。ますます憂鬱になった。それでも逆らえるはずがない。反抗してまで騎士として生きたい訳でもないので腹をくくった。自分に問題があれば公爵家から追い出されるだろう。選ぶのはあちら側だ。コンラッドに拒否権は最初からないのだから。
すぐにベイトソン公爵家に挨拶に向かう。さすが実家の伯爵家と比べようがないほど大きな屋敷だった。煌びやかな調度品は触るのを躊躇うほど高価な物ばかり。果たしてここでの生活に慣れることができるのかと着くなり不安になった。
「初めましてマリオン様。コンラッドと申します。あなたと公爵家のために尽力します」
「こちらこそよろしくお願いします」
失礼がないようにと挨拶をしたが酷く緊張した。騎士団にいるとご令嬢と接することがほとんどない。どうすればいいのか正解が分からない……。マリオンは丁寧に挨拶を返してくれた。想像したような高慢な女性ではなくどちらかといえば真逆だった。控えめで大人しく、自分に自信なさげでいつも不安そうな表情だった。
コンラッドは公爵家で暮らし学ぶことになったのだが、ベイトソン公爵から渡された教育スケジュールに吐きそうになった。
「これは……(無理だ!)」
びっしりと書き込まれた予定には休憩から睡眠時間全てが決められていた。
「マリオンは教育を終え実務をさせている。早く君にも補佐が出来るようになってもらいたい」
「……分かりました」
公爵はそれだけ言うとコンラッドに興味を失った。それはマリオンにも興味がないのと同意だった。ベイトソン公爵は細々した仕事は有能な執事に丸投げにしている。大切な決済と承認だけをしている。まあ、成り立っているならそれでいいのだろうが公爵家の内情を知って呆れた。よく家が傾かないものだ。
数日過ごすと公爵に対して憤りを感じた。同じ屋敷にいても食事も挨拶も碌にかわさない。コンラッドにもそうだがマリオンに対してもだ。そして最低限の仕事を済ますと愛人が住む別邸に行ってしまう。もっと酷いのが公爵夫人だ。常に不在で愛人とその子供たちと住む屋敷にいるらしくコンラッドは会ったことがない。一応、立場的にコンラッドから別邸に挨拶しに行こうと手紙を出したら「マリオンのことは任せる。挨拶は必要ない」と返事が来た。
噂以上に公爵夫妻の仲は険悪だった。マリオンは両親に顧みられることなく大きな屋敷で寂しく一人で暮らしていた。
せめて自分だけはマリオンの側にいてやりたい。これが騎士道精神なのか分からないが本心からそう思った。ところがお互いに口下手で顔を合わせても上手く話をすることも出来ない。しかもコンラッドは勉強で手いっぱいで気が回らない。
「コンラッド様。これを持ってお嬢さまをお茶に誘ってください。それとこのカタログから贈り物を選んで下さい」
若干キレ気味の執事に言われハッとした。そういえばまだ正式に婚約していないとはいえ、同じ屋敷で暮らして実質婚約者なのに花一輪すら彼女に贈ったことがない。もうここに来て1カ月経つのに俺は何をやっているのだ。反省しカタログを受け取る。そういえばこのカタログはだいぶ前から机の上にあったことを思い出す。なぜ置かれているのか考えもしなかった。それで執事は痺れを切らしたのだろう。公爵夫妻はともかく屋敷の使用人にはマリオンが大切に思われているようでホッとした。少しは救われた気持ちになる。
いざカタログをめくるもマリオンと満足に話をしていないので彼女の好みが分からない。それでも自分で選ぶべきだと散々迷いながらうさぎのガラスの置物にした。アクセサリーを選ぶセンスがない自覚はあるし、交流を深めてからの方が彼女に似合う物を選べるようになるはずだと自分に言い訳をした。執事に頼めばどこか不満そうだった。もっといいものを選べということか……。それでも用意してくれたのでマリオンをお茶に誘った。私たちは結婚するのに二人とも仕事を覚えることを優先してお互いを知ることを疎かにしていた。ここは年上のコンラッドがリードするべきだった。
マリオンにプレゼントを渡すと酷くびっくりした顔をされたがすぐに破顔した。いつも緊張して俯いている姿ばかりだったマリオンの笑顔は年相応に可愛らしい。キラキラと瞳を輝かせ喜んでくれている。これほど喜んでくれるのならもっといいものを考えればよかった……。
「かわいい! コンラッド様が選んで下さったのですか?」
胸に抱きしめる姿を見てコンラッドの心に喜びと後悔が押し寄せる。複雑な心境だった。彼女は裕福な公爵家で暮らしながらこんなささやかな贈り物に喜んでくれる。それを知るとプレゼントくらいさらっと選べる男になりたいと痛切に思った。
それにしてもマリオンは笑うとこんなに――。
「ええ。気に入って頂けたならよかった」
彼女の顔が眩しくて急に意識してしまいそれを誤魔化すために低い声になってしまった。顔がにやけないように口を引き結ぶ。すると彼女は悲しそうに下を向いた。
「私の気が利かないばかりに気を遣わせてしまい申し訳ございません。それにこの婚約は公爵家の都合です。コンラッド様にはきっとご迷惑だったのでしょう……」
コンラッドは驚きに目を丸くした。急いで訂正するために首を振った。不愛想なせいで誤解されてる! しかも気が利かないのはコンラッドの方だ。
「迷惑などではない。むしろありがたい話だ。ああ、私の態度が悪くてマリオン様にそう思わせてしまったようだ。すまない。その、私はずっと騎士団にいたので女性に対して不慣れだ。気が利かない自覚はあるのだが……せめて何か贈り物をと思って……」
誤解を解きたくて必死に言い訳をした。贈り物は執事に催促されてからなどよく考えれば情けない。お茶に誘うのだってもっと早く気付くべきだった。そうすればさっきの笑顔をもっと早く見ることができたのに。勉強が大変だったという理由も言い訳にならない。マリオンはこれをこなしているのだから。これからは積極的に交流を持とうと決意した。
だが病院の建設については計画がなかなか進まない。貴族だけが使える病院はあるが平民は使うことを許されていない。そこを解放すればいいのだが貴族の反発で説得できていない。だからこそ平民が利用できる病院を建設したいのだ。ただ建設してからの方が問題が大きい。学校と違い病院を無償化することは難しい。かかる費用が大きすぎるし大きな財源が必要だ。診療費を徴収するとしても平民が利用することを想定すると高額には出来ない。現在、平民は町医者にかかるが、それすらも一定の収入がない者は諦める。平民は病になると自生の薬草で対応するだけ。このままでは駄目だ。
病院の建設には貴族の協力が必要だ。財源はもちろん人材を確保する意味でも無視できない。だが貴族にはお抱えの医者と貴族専用の病院があるので、わざわ自分たちが利用しない平民のための病院を建てることを反対する。自分たちに恩恵がないことには金を出したがらない。
そもそも貴族たちは平民の命を軽んじる傾向にある。我が国はまだましだが国によっては顕著だ。他国では平民を奴隷同然に扱うところもある。そして平民もそれを当然と受け止めてしまっている。同じ血の通った人間同士なのに生まれた出自、たったこれだけで立場が大きく異なる。支配する者とされる者に。
ブラッドは苦笑いを浮かべた。自分こそが支配する頂点に位置している。きっと王族として生まれた人間はこの階級制度に疑問を持たない。だが自分には前世の記憶がある。
自分の前世――。
名前をコンラッドと言った。エッジ伯爵家の四男。爵位を継げないので騎士を目指した。幸い体も大きく運動神経も良かったので向いていた。愛想がなく貴族としての社交が苦手なのでちょうどよかった。
騎士になって五年ほど経ったとき、突然父に呼び出された。
「ベイトソン公爵令嬢マリオン様の婿に?」
マリオンは正妻との間の一人娘でベイトソン公爵夫妻にはそれぞれ愛人と子供がいる。家を継げるのは公爵家の血を引くマリオンか公爵と愛人との間に生まれた子になる。愛人の子を夫人は認めないだろう。公爵夫妻は政略結婚で二人の仲は最悪だと有名だった。マリオンに関心を抱かず使用人たちに世話を丸投げにしていた。ただマリオンが十六歳になり社交界デビューを控えいい加減婚約者を探そうということになった。あまりにもマリオンに対して冷たすぎる。話を聞いていてコンラッドは不愉快になった。我が家はベイトソン公爵家と遠い親戚になる。親戚筋の中で独身でマリオンに歳が近いのはたまたまコンラッドだけだった。そして父に婚約の打診が来たのだ。実は父はコンラッドの意思を訊かずに了承の返事をしてしまっていた。
「おまえには継げる爵位はない。このまま一騎士として生きていくよりも公爵家に婿入りする方がいいに決まっている。公爵家と縁を深められるなら我が家の利にもなる。これ以上のいい話はもうないだろう。勝手に返事をしてしまったがこれは親心だ」
「……」
コンラッドは喜びよりも面倒なことになってしまったと思った。婿入りに頭が痛くなった。苦手な社交に領地経営。体を鍛え剣を奮って過ごしてきた自分に務まるのか……。早々に騎士の道を決めてしまったので夜会などに出ることもなくマリオンについては何も知らない。公爵令嬢ならさぞ高慢で気が強い女性に違いない。ますます憂鬱になった。それでも逆らえるはずがない。反抗してまで騎士として生きたい訳でもないので腹をくくった。自分に問題があれば公爵家から追い出されるだろう。選ぶのはあちら側だ。コンラッドに拒否権は最初からないのだから。
すぐにベイトソン公爵家に挨拶に向かう。さすが実家の伯爵家と比べようがないほど大きな屋敷だった。煌びやかな調度品は触るのを躊躇うほど高価な物ばかり。果たしてここでの生活に慣れることができるのかと着くなり不安になった。
「初めましてマリオン様。コンラッドと申します。あなたと公爵家のために尽力します」
「こちらこそよろしくお願いします」
失礼がないようにと挨拶をしたが酷く緊張した。騎士団にいるとご令嬢と接することがほとんどない。どうすればいいのか正解が分からない……。マリオンは丁寧に挨拶を返してくれた。想像したような高慢な女性ではなくどちらかといえば真逆だった。控えめで大人しく、自分に自信なさげでいつも不安そうな表情だった。
コンラッドは公爵家で暮らし学ぶことになったのだが、ベイトソン公爵から渡された教育スケジュールに吐きそうになった。
「これは……(無理だ!)」
びっしりと書き込まれた予定には休憩から睡眠時間全てが決められていた。
「マリオンは教育を終え実務をさせている。早く君にも補佐が出来るようになってもらいたい」
「……分かりました」
公爵はそれだけ言うとコンラッドに興味を失った。それはマリオンにも興味がないのと同意だった。ベイトソン公爵は細々した仕事は有能な執事に丸投げにしている。大切な決済と承認だけをしている。まあ、成り立っているならそれでいいのだろうが公爵家の内情を知って呆れた。よく家が傾かないものだ。
数日過ごすと公爵に対して憤りを感じた。同じ屋敷にいても食事も挨拶も碌にかわさない。コンラッドにもそうだがマリオンに対してもだ。そして最低限の仕事を済ますと愛人が住む別邸に行ってしまう。もっと酷いのが公爵夫人だ。常に不在で愛人とその子供たちと住む屋敷にいるらしくコンラッドは会ったことがない。一応、立場的にコンラッドから別邸に挨拶しに行こうと手紙を出したら「マリオンのことは任せる。挨拶は必要ない」と返事が来た。
噂以上に公爵夫妻の仲は険悪だった。マリオンは両親に顧みられることなく大きな屋敷で寂しく一人で暮らしていた。
せめて自分だけはマリオンの側にいてやりたい。これが騎士道精神なのか分からないが本心からそう思った。ところがお互いに口下手で顔を合わせても上手く話をすることも出来ない。しかもコンラッドは勉強で手いっぱいで気が回らない。
「コンラッド様。これを持ってお嬢さまをお茶に誘ってください。それとこのカタログから贈り物を選んで下さい」
若干キレ気味の執事に言われハッとした。そういえばまだ正式に婚約していないとはいえ、同じ屋敷で暮らして実質婚約者なのに花一輪すら彼女に贈ったことがない。もうここに来て1カ月経つのに俺は何をやっているのだ。反省しカタログを受け取る。そういえばこのカタログはだいぶ前から机の上にあったことを思い出す。なぜ置かれているのか考えもしなかった。それで執事は痺れを切らしたのだろう。公爵夫妻はともかく屋敷の使用人にはマリオンが大切に思われているようでホッとした。少しは救われた気持ちになる。
いざカタログをめくるもマリオンと満足に話をしていないので彼女の好みが分からない。それでも自分で選ぶべきだと散々迷いながらうさぎのガラスの置物にした。アクセサリーを選ぶセンスがない自覚はあるし、交流を深めてからの方が彼女に似合う物を選べるようになるはずだと自分に言い訳をした。執事に頼めばどこか不満そうだった。もっといいものを選べということか……。それでも用意してくれたのでマリオンをお茶に誘った。私たちは結婚するのに二人とも仕事を覚えることを優先してお互いを知ることを疎かにしていた。ここは年上のコンラッドがリードするべきだった。
マリオンにプレゼントを渡すと酷くびっくりした顔をされたがすぐに破顔した。いつも緊張して俯いている姿ばかりだったマリオンの笑顔は年相応に可愛らしい。キラキラと瞳を輝かせ喜んでくれている。これほど喜んでくれるのならもっといいものを考えればよかった……。
「かわいい! コンラッド様が選んで下さったのですか?」
胸に抱きしめる姿を見てコンラッドの心に喜びと後悔が押し寄せる。複雑な心境だった。彼女は裕福な公爵家で暮らしながらこんなささやかな贈り物に喜んでくれる。それを知るとプレゼントくらいさらっと選べる男になりたいと痛切に思った。
それにしてもマリオンは笑うとこんなに――。
「ええ。気に入って頂けたならよかった」
彼女の顔が眩しくて急に意識してしまいそれを誤魔化すために低い声になってしまった。顔がにやけないように口を引き結ぶ。すると彼女は悲しそうに下を向いた。
「私の気が利かないばかりに気を遣わせてしまい申し訳ございません。それにこの婚約は公爵家の都合です。コンラッド様にはきっとご迷惑だったのでしょう……」
コンラッドは驚きに目を丸くした。急いで訂正するために首を振った。不愛想なせいで誤解されてる! しかも気が利かないのはコンラッドの方だ。
「迷惑などではない。むしろありがたい話だ。ああ、私の態度が悪くてマリオン様にそう思わせてしまったようだ。すまない。その、私はずっと騎士団にいたので女性に対して不慣れだ。気が利かない自覚はあるのだが……せめて何か贈り物をと思って……」
誤解を解きたくて必死に言い訳をした。贈り物は執事に催促されてからなどよく考えれば情けない。お茶に誘うのだってもっと早く気付くべきだった。そうすればさっきの笑顔をもっと早く見ることができたのに。勉強が大変だったという理由も言い訳にならない。マリオンはこれをこなしているのだから。これからは積極的に交流を持とうと決意した。
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