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3章
89話
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昼過ぎにようやく解放軍はジェノサイド傭兵団と合流し廃村に向けて移動する。
移動の際、解放軍のリーダーカインに「一緒に馬車の中で飲もう」と誘われたが、一郎は丁重に断った。
無能な指揮官と時間を共にするなど無駄でしかない。
一郎は移動中により建設的な話をする為、ジェノサイドの馬車に乗せてもらうことにした。
馬車の中にはジェノサイドの頭脳であるエレナとジャンヌそしてジェノサイドの傭兵達がいる。
馬車の外の騎兵が交代で守りを固め、更に一朗が鳥を用いた広範囲索敵を行っている為、廃村までの行軍の日程の確認や奪還後防衛の計画を立てていた。
移動中でもやることは色々ある。酔っ払いながら移動など以ての外である。
一郎はもはや解放軍のリーダーのカインにはなんの期待もしていなかった。
彼はリバーウッドの後ろ盾を手にしてから、甘え精進を怠った。
今では方針の違いから解放軍の中でもカイン派とジャンヌ派で分かれている。
ジャンヌ派は戦闘に向いている者がジャンヌ以外いないが、セントフリーで働きながら活動資金や人脈を作り、新しい国の立ち上げの為に活動しているそうだ。
一方カイン派は街の中の広場で自分達の活動資金を演説によって寄付金を手に入れることに力を入れていた。
そしてその資金は彼らの生活資金になっているそうだ。
ジャンヌ派の計画は自国で作物を育て加工品を輸出することにより金と食料を増やし、セントロイスから亡命してきた民を受け入れられる体制を作る計画であった。
リバーウッドへの協力内容は国が安定するまでの防衛に必要な戦力とギルドの設立であった。
地道ながら地に足のついた計画に一郎は感心した。
正直はところ内政について良し悪しは判断できないが彼らは将来のことを考え着実に進んでいる様な気がする。
「ジャンヌさん報告が遅れましたが、盆地の湖の主は無事倒せましたよ?」
「えっどうやってあの巨大なモンスター倒せたのですか?」
「それはですね……」
一郎は規格外の作戦内容に目を点にして馬車内の人は聞いていた。
「……ということで盆地で国作れるんですよね。まぁこの依頼はジャンヌと私の間で行われたものなのでカインには話してません」
一郎の口角が上がる。
「ちなみに先ほどの計画表の一部に孤児院を立ててくださればジェノサイドは協力を惜しみませんよ?」
エレナは一郎の意図を理解しジャンヌに話を持ちかける。
「それはこれから向かう廃村で行う計画を盆地でも行うということですか?」
「今の解放軍は腐敗してますからね。新しい国を立ち上げても腐敗の根は残るでしょう。志が違うのであれば距離を置くのも一つの手かと…」
一郎の提案に拳を口にあて考えるジャンヌであった。
移動の際、解放軍のリーダーカインに「一緒に馬車の中で飲もう」と誘われたが、一郎は丁重に断った。
無能な指揮官と時間を共にするなど無駄でしかない。
一郎は移動中により建設的な話をする為、ジェノサイドの馬車に乗せてもらうことにした。
馬車の中にはジェノサイドの頭脳であるエレナとジャンヌそしてジェノサイドの傭兵達がいる。
馬車の外の騎兵が交代で守りを固め、更に一朗が鳥を用いた広範囲索敵を行っている為、廃村までの行軍の日程の確認や奪還後防衛の計画を立てていた。
移動中でもやることは色々ある。酔っ払いながら移動など以ての外である。
一郎はもはや解放軍のリーダーのカインにはなんの期待もしていなかった。
彼はリバーウッドの後ろ盾を手にしてから、甘え精進を怠った。
今では方針の違いから解放軍の中でもカイン派とジャンヌ派で分かれている。
ジャンヌ派は戦闘に向いている者がジャンヌ以外いないが、セントフリーで働きながら活動資金や人脈を作り、新しい国の立ち上げの為に活動しているそうだ。
一方カイン派は街の中の広場で自分達の活動資金を演説によって寄付金を手に入れることに力を入れていた。
そしてその資金は彼らの生活資金になっているそうだ。
ジャンヌ派の計画は自国で作物を育て加工品を輸出することにより金と食料を増やし、セントロイスから亡命してきた民を受け入れられる体制を作る計画であった。
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地道ながら地に足のついた計画に一郎は感心した。
正直はところ内政について良し悪しは判断できないが彼らは将来のことを考え着実に進んでいる様な気がする。
「ジャンヌさん報告が遅れましたが、盆地の湖の主は無事倒せましたよ?」
「えっどうやってあの巨大なモンスター倒せたのですか?」
「それはですね……」
一郎は規格外の作戦内容に目を点にして馬車内の人は聞いていた。
「……ということで盆地で国作れるんですよね。まぁこの依頼はジャンヌと私の間で行われたものなのでカインには話してません」
一郎の口角が上がる。
「ちなみに先ほどの計画表の一部に孤児院を立ててくださればジェノサイドは協力を惜しみませんよ?」
エレナは一郎の意図を理解しジャンヌに話を持ちかける。
「それはこれから向かう廃村で行う計画を盆地でも行うということですか?」
「今の解放軍は腐敗してますからね。新しい国を立ち上げても腐敗の根は残るでしょう。志が違うのであれば距離を置くのも一つの手かと…」
一郎の提案に拳を口にあて考えるジャンヌであった。
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