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3章

79話

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国立ち上げの支援はリバーウッドの全面的な協力を漏れ得ることによりことを進めることにした。

ジャンヌは順調な滑り出しに戸惑っていたがこれからが大変である。

彼女は新しい国を率いてもらう為の仕事が山ほどあるからだ。

一郎は細かい支援体制の話し合いをネイガー学長に任せてセントロイス解放軍のリーダーに会いに行く。

リーダーはセントロイスから解放された街「セントフリー」にいる様でジャンヌの領地の騎士団長を務めていた男だ
そうだ。 

今回会いに行くメンバーはリバーウッド代表としてレウスとアルビーと一郎の3人そして案内役のセントロイス解放軍のメンバー3人である。

「一郎さん徒歩でセントフリーまで移動するおつもりですか?」

ジャンヌは街中の格好のままでる一郎に質問を投げかける。

「これから移動手段を出しますので問題ありません。この辺なら展開して問題なさそうですね」

一郎は肩掛けのバッグから無数の骨を取り出す。

そして無数の骨が黒い霧に覆われたのち恐ろしいモンスターが姿を表す。

その大きさブラックスケルトンの数倍もあり何よりその姿はこの世界では天災と言われるほど強力なモンスターの姿をしていた……ドラゴンである。

「何度見ても驚きを隠せませんね」

苦笑いしながら呟くレウス。

「まぁ流石妾の夫です。妻として鼻が高いです」

自分のことの様に自慢するアルビー。

解放軍のメンバーの中には腰を抜かして地面に倒れこんでいる者もいた。

周りの様子に特に気にすることもなく一郎は黙々と召喚した骨のドラゴンの肋骨の空洞にソファー付きの土台をつけて防寒具を取り出し始める。

「人数分の毛布とゴーグルがあるので皆さん取りにきてくださいね」

「一郎さんあなたは何者ですか?」

「私は傭兵です。趣味で時々バーテンダーしてますが・・・」

「いやいやどこの傭兵が骨のドラゴン召喚するんですか聞いたことないですよ」

「あぁこれはドラゴンもどきです。ワイバーンの骨を100体ほど触媒にして魔法かけた産物です。

ドラゴン特有のブレスも吐く事もできませんし無駄に巨体で維持する為のMPも高いので集団戦では使い勝手が悪いんですよね。

正直スケルトンゴブリンの方が使い勝手がいいですよ」

一郎は1年前に闇魔法は上級に上がっていた。

上級に上がった当初色々と実験を行い、触媒の種類と量で上位のアンデッドが召喚可能になったのである。

召喚できる種類が増えたことにより一郎の戦術の幅が一気に上がった。

今までは陸上での物理攻撃が中心だったが上空戦力に初級の魔法を使うこともできるアンデッドを召喚することもできる様になったのである。

傭兵の中には一郎を骸の上に立つものとし「骸の王」という二つ名が広まりつつあった。

一同は骨のドラゴンに乗り込みセントフリーに向けて移動を開始する。

ジャンヌはじめ解放軍のメンバーははじめのうちはおっかなびっくりしていたが上空から見る光景に心を奪われていた。

セントフリーまでは街道が整備され、今では馬車で3日の距離である。

当然空を飛ぶ骨のドラゴンならばほんの数時間の道のりあっという間にセントフリーの近くに降り立ちそこから徒歩で街に向かう。

「しかしあんなドラゴンが空を飛んでたら騒動になると思うのですが不思議なものですね」

未だ初めての空の旅に若干興奮しているジャンヌが質問してきた。

一郎は骨の山をマジックバッグにしまい込みながら答える。

「案外人は空を見上げることは少ないですからバレないものですよ。

この幻影の杖でカモフラージュしてますし双眼鏡でよく見ないと発見されることはないんですね」

一郎は幻影の杖を見せてにこやかに微笑む。

その後一郎達はセントロイス解放軍のリーダーと面会する。

解放軍のリーダーは騎士風の男年は一郎とあまり変わらないようである。

「初めまして私は解放軍のリーダーカインと申します。今回は以来を受けていただきありがとうございます。
このセントフリーの解放した英雄達の力を貸していただければ必ずしやセントロイスの悪き女王を倒すことができましょう」

「お初にお目にかかります。今回の調整役できましたレウスです。
今回の依頼はこちらの一郎さんが代表で依頼を受けることになりました」

カインは一郎を見て笑い出す。

「いやはや英雄殿は冗談がお上手ですね。
私達はあなた方英雄とともに戦って欲しいのです。
線の細い執事さんが依頼を受けるのであればこちらの戦力は上がりませんよ」

あらあらやはり誤解されてしまった様だ。

ここで話がこじれると進まない為大人の対応をしよう。

一郎は蔓延の笑みで答えた。

「どうも初めましてリバーウッドの代表できました一郎と申します。こんな見た目ですがシルバークラスの傭兵ですよ。口で言ってもなんですので外で実力でも見せましょうか?」

「いやはやご冗談のお上手な執事さんですね。それでは英勇様に我々解放軍の力を見てもらうべく町の外でひと勝負しましょうか?」

ジャンヌと一緒に来た解放軍の数人は必死に解放軍のリーダーカインを止めようとしていたが、己の力をアピールしたいのだろう聞く耳を持たなかった。

解放軍の戦力の確認ができる思わぬ機会に喜ぶ一郎であった。
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