骸の王~異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

パブロフ

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2章

36話

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セントロイス王国からの侵略戦に一区切りがついて気の緩みがあったとはいえ不覚を取ったものだ……

召喚に巻き込まれる前の一郎は根っからの戦略ゲームオタクではあり、恋愛には疎遠であった。

恋愛=ハニートラップに結びつけることはあってもまさかそれが自分の身におこるとは……

ちょいちょいと事あるごとにアルビーが妾の婿発言をしていたのは何かの冗談だと思っていたが本気だったらしい……

しかし、まさか当のアルビー本人が飛び込んでくるとは思わなかった。

アルビーは外見絶世の美女の超肉食系?

自分には勿体無い女性だと思う、前回の戦闘時も積極的に協力してくれた彼女に恋愛感情を向けられるのは悪い気はしない。

まぁなんとかなるだろう。

一郎は考えるの半ば放棄し服を着替えて村を散歩する。

隣にはしっかりと腕に巻きつくラミアの族長を連れて……

散歩中の二人を見たラミア達は「族長グッジョブ」とか「族長おめでとうございます」など声をかけられている。

外堀は確実に埋まっている様だ。

「ところでアルビーさんあなたのお子さんは何人いるのかな?」

「妾はまだ未婚の生娘ですよ。子はこれから作る予定ですよ」

「婿発言が度々あったからてっきりいるのかと……」

「妾の集落はみんな家族の様なものですから……
初めは集落の若い者を当てようと思ったのだがあまりに一郎が魅力的だったので妾がいただくことにしたのよ」

「なるほどそうでしたか…まぁなんというかアルビーさん。
これからもよろしくお願いします」

「いえいえこちらこそ末長くよろしくお願いします」

ふわっとした会話をしながら一郎とアルビーは散歩しているとネイガー村長に呼び止められる。

「おっ、いちゃついているところ悪いが一郎に相談がある時間もらえるかな?」

相談の内容はネイガー村長が若かりし頃に住んでいた村から来た依頼であった。

なんでも最近村の近くの山から煙が出ておりそれと共に周囲の植物が枯れはじめモンスターの動きも活発になり村の危険度が増したことから集団で移住することになったそうだ。

そしてモンスターの被害が少ないリバーウッドに仮の住まいにし近くの山で新たな村を立ち上げるのだそうだ。

「どうせならそのままリバーウッドに住めばいと思うのですが……」

「あそこの村は採掘と鍛治が生き甲斐の住民が多いのでここでは手を弄ぶだろう。なんせ住民ほとんどがドワーフだからな」

ネイガー村長の戦闘スタイルに納得のいった一郎であった。

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