骸の王～異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

１章

11話

オークの砦に続く森の道を進む一郎と監視員一同、道中の森の中は不気味なほど静かである。

一郎は移動中にも森の中に放ったアンデッドを指揮してた。遠隔指揮は音声操作と宙に浮かぶ画面のタッチ操作で行う。

その画面は一郎にしか見えない為、はたから見ると異様な光景であった。

時折、道端に無造作に倒れているオークやらフォレストウルフや小型のモンスターをバックに詰め込みながら一郎は砦に向けて進んで行く。

監視員一同は途中からこの異常な状況に驚くと共に深く考えることをやめた。

今回の彼らの仕事は一郎が依頼を放棄して逃走しないかを監視することである。

一郎は実際に依頼達成の為動いているの問題ない。彼の周りにいればモンスターに襲われることもないので淡々とついていけば良いのだ。

そして定期的に一郎の依頼遂行の状況を上司に報告すれば良いのだと・・・

日が空を赤く始めた頃、一郎一同は森を抜け以前観戦していた丘の上に向かう。

ここからだと砦の様子がよく見えるので観察すると相変わらずオークが占領していた。

兵の規模は見えるだだけでざっとで３００体程確認できる。

建物内にもいるだろうからあれからまた増えているようだ。

そして砦の周りには見せしめに前回の戦争に参加で命を落とした兵が砦の周りに貼り付けられていた。

幸いなことに門は以前と変わらず木材を縄で縛った簡易的なもの今回はオークの斥候による報告がない為か壁の上は最低限の見張りしかいない。

これは好機と一郎は早速砦奇襲の下準備を整える。


闇が砦を飲み込頃、一郎は砦に奇襲を試みる。

まず初めにアンデット化したスモールボム持ち神風特攻ネズミと毒入りホーンラビットを門近くの草むらに配置する。
次に通常のスケルトンを砦を囲む様に待機させた。

そして今回主役のブラックスケルトンを召喚、オークの気づかれないよう闇に紛れと静かに前進させる。

今回の奇襲の鍵になる大樽を両手に持たせている。

最後に一郎は先日倒したオークの斥候とフォレストウルフをアンデット化させ砦に前進させる。

同時進行でブラックスケルトンに大樽を門に向かって投げさせる。

爆発音とともに異様な匂いと煙が発生する。

樽の中身はスモールボムの詰め合わせに以前ミアに採取してもらった「イオウダケ」入れてある。このキノコは熱や衝撃を与えると胞子が煙の様に飛び散り強烈な匂い発生させる。

２つ目の大樽も門に投げたことにより、木でできた扉は破壊され砦内は強烈な匂いと煙が立ち込める。

次に壊れた門に小動物アンデット集団及ゾンビオーク集団を突撃させた。

小動物アンデッドの集団煙に乗じて砦の建物内部に侵入し物陰に隠れさせた。

ゾンビオークの集団とゾンビフォレストウルフは砦内に侵入近くのオークに襲いかかる。奇襲第一段階は成功である。

小動物アンデット集団の索敵からわかる敵の動きはバラバラで統率感がない。

一郎が用いたイオウダケの胞子によって嗅覚と視覚が低下し周囲の状況がわからず混乱している様だ。

ここで一郎はゾンビオークの集団に指示を出し建物の扉を壊しオークに襲わせゾンビフォレストウルフの群れで見張りのオークを殲滅させた。

一部のオークは砦から逃走を試みるが門の外で待ち構えているスケルトンの集団に退路をたたれ数を減らしていく。

奇襲から一時間ほどでオークの軍勢はその数を半数も減らし砦の建物の中に立てこもった。

砦はオークの死体がそこかしこに横たわっているのを確認し、一郎は奇襲の成功にニヤリと口角をあげて喜ぶのであった。