骸の王~異世界勇者召喚に巻き込まれました。骸を使ってしたたかに生きていきます。

パブロフ

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1章

8話

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一郎が用意したのはサンドイッチと色々な野菜の入ったスープだった。

普通モンスターの徘徊する森の中ではこんなに悠長に食事はできない。

見張りを立たせ交代で食事を取るのが普通である。

しかし一郎は公園でピクニックをするかの如くリラックスして食事をとっている。

ミアが索敵で探って見てもモンスターの気配が感じられなかった。

それどころかこの森に入ってから一度も一郎のスケルトン以外モンスターの気配が感じられない。

ミアはサンドイッチをほうばる一郎に対して質問する。
「色々と聞きたいことがあるんだけど、一郎の戦い方は異常だよ?
5~10人位でPT組んで森の中を索敵しながら行うのに、一郎は一人でモンスター倒してるよね?
しかも当の本人はその場からほとんど動かず使役したスケルトンの軍団が倒していくって今まで聞いたことないんだけど・・・
スケルトンの残骸ないし恐ろしく殲滅スピード早いし、私が来た時もあらかじめわかってたよね?
てか私PTにいる意味ある?索敵もせず永遠と耳と貴金属の回収って・・・」

「まぁゴブリン殲滅の際はいつもこんな感じなので慣れていただければ・・・
私のスケルトンは物の価値がわからないのと手先が器用ではありません。
耳や貴金属の判別ができませんので、ミアさんと組んだおかげで随分と助かってます。
今まで指揮しながら回収していたので効率が悪かったんですよ。
おかげでいつもより良いペースで倒せてます」

「そ…そうそれは良かったわね。この後はどうするの?このまま討伐終わるとなんか悪い気がする・・・」

「そうですね。ではこの辺のモンスターは狩り尽くしたので、このキノコと木ノ実を2時間ほど採取お願いしてもよろしいですか?私は試したいことがあるのでそれ終わったら早めに街に戻りましょう」

一郎が毒々しいキノコと赤い木ノ実の見本を見せて来た。

「わかったわ。こちらも戦闘なしで楽させてもらってるし採取しておくわ」

食事の終わった。ミアは一郎から手渡された袋を持って森の中に入っていった。

一郎はミアが森で採取をしているのを遠隔指揮で確認し早速実験行う。

今までは一つの屍に対して一体のアンデットであったが、闇魔法が中級に上がったことにより鑑定の結果から複数の屍を使って中級のアンデットを使役できるようになっていた。

早速ゴブリンの死体を5体を生贄に一体のアンデットを作るようにクリエイティブアンデットを行うと全身が赤い黒いスケルトンが現れた。
ゴブリンのように小柄でわなく、一般男性並みの大きさと手には片手斧と楕円形の小柄のバックラー装備している。

鑑定を行うと

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
氏名 無し
種族 スケルトン(ブラッドスケルトン)
HP 200
MP 0
スケルトンの3倍のスピードで動ける高機動スケルトン。戦闘技術も普通のスケルトンとは比べ物にならない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どこぞのロボットアニメのようなスケルトンが使役された。

闇魔法が中級になってから普通のスケルトンも一般男性の駈歩程度の移動速度に上がった。

今までは機動力の遅さで戦術に制限があったが、これからは数にものを言わせた集団戦だけでなく少数の奇襲も可能になった。

その後屍体の数を増やして闇魔法を試したところ50体の屍を生贄にして使役した時に
成人男性の3倍の大きさの黒色全身真っ黒のスケルトンが現れた。

鑑定を行うと

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
氏名 無し
種族 スケルトン(ブラックスケルトン)
HP1000
MP0
スキル自己再生
足が遅いが力が強く頑丈、近くに屍がある場合糧にして自己再生を行う。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

なんかすごいのができた。ちょいとした大型兵器である。

使役するMP消費が50と高いがそれを補う耐久力の高さに笑みを隠せない一郎であった。

闇魔法(中級)の実験をあらかた済ませた時ミアが戻って来た。

まだ日は明るいが一通り外でやることは済んだのでスケルトン達はまた地中に隠して二人は街に戻る。


傭兵ギルドで早速ゴブリン駆逐の報奨金と貴金属の換金を行なった。

今回は山分けなのだったが一人金貨5枚と短時間の狩にしては中々の収入になった。

そして今回の成果でカッパーからブロンズへの昇格できた。

登録してから1ヶ月半くらいなのでかなり早い方らしい普通なら半年から1年かかるそうだ。

これでモンスターの討伐依頼や護衛など受けられるクエストの幅が広がった。

喜ばしい限りである。

そして只今ミアさんと隣の酒場で打ち上げ中~ミアは上機嫌でエールを飲んでいる。

一郎は肉エールをチビチビと飲みながら注文ておいた肉の野菜炒めを食べながら早めの夕食を行う。

「ミアさん本日はありがとうございました。おかげで戦闘に専念できました。それに報酬にならない採取まで行っていただき助かりました」

「いやいや、私も稼がせてもらいました。しかし半日森でゴブリン退治しただけでまさか金貨10枚も貰えるなんて一郎の戦い方はすごわね。
しかもスケルトンだけでゴブリンを倒すなんて・・・スケルトンは遅い脆い弱いの雑魚モンスターのはずなのに一郎が指揮するとなぜかすごいことになるよね・・・」

ミアは自分の戦い方に不思議に思っているようだ。

「確かにスケルトン単体で正面から戦いを挑めば簡単に倒されるだろうけど集団で奇襲・挟み撃ち・待ち伏せを適切なタイミングで行えば結構なんとかなるものだよ。」

「普通それをあの数で行うのがすごいことなんだけどね・・・」

「まぁそこは昔取った杵柄です。あまり悪目立ちしたくないのでなるべく秘密でおねがします。」

「わかったわ。助けてもらった借りもあるので黙っとくわ」

そんなこんなで景気のいい話をしながら夜が更けるまで二人の打ち上げは続くのであった。
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