22 / 28
2章
22話 未来
しおりを挟む
「ん、朝か・・・」
魔女
「おや、おはよう。
思っていたより早いねぇ。
朝は強い方なのかい?」
「いや、普段はもっと寝てる。
やっぱ緊張とかその辺が関係あるのかもな。」
魔女
「まぁ、いずれにせよ眠れはしたし、ある程度体も回復しているだろう。」
「そういうお前は朝強いのか?」
魔女
「・・・君よりかは遥かにね。」
「そりゃあ凄いな。」
そんな何気ない会話をしているうちに時間は経つ
「それじゃあ、行ってくる。」
魔女
「あぁ。
彼によろしく伝えておいてくれよ。」
「わかったわかった。」
荷物は先に取りに行った。
村の人には魔女のことは明かさずに、やることができたからここを離れるとだけ伝えた。
いきなり押しかけたのに宿や食事まで用意してくれて、感謝しかない。
でも今から、今日のメインイベントが始まる。
行きたくない気持ちもある。
そのくせ足がすんなり運ぶものだからほんの少しだけ皮肉に思った。
すぐに霧を抜け、気が付いたころには地面は割れていた。
「・・・よし!」
奥に見える枯れた木を目指して進む。
きっとそこにあいつはいる。
魔人の長
「・・・なんだ。
もう来たのか。
たったの一日でそんなに変わると思っているのか?」
「・・・・・・・。
魔女が、お前に宜しくって。」
魔人の長
「・・・まあ良い。
・・・・あいつのお陰だろうな。
少しはマシな面になった。」
彼らは人の心が見えるのだろうか。
魔人の長
「良い。
それならこのまま話を続ける。
俺はあまり長話は好きでは無い。
故に詳しいことは魔女に聞け。
俺は手短に話す。」
魔人の長
「これからする話は、いつか起こる未来の話だ。
心して聞け。
何しろ、お前がこれから歩む未来だからな。
お前はこの先、多くの人と戦うことになる。
そこで再び、お前はその力を人に向けることになるだろう。
そこでまた、お前は人を殺すことになるだろうな。
それも一人じゃない、大勢だ。
大勢の命を奪うだろう。
大勢を殺すだろう。
その手で。
その力で。」
「・・・・・・・・・・。」
魔人の長
「・・・・・・話はこれだけだ。
どうだ、思ったよりも面白みがなかったか?」
「・・・は?」
魔人の長
「やはりそれぐらいの心持ちでないと大量殺人はできないか?」
「・・・お、お前、本気で言っているのか?」
魔人の長
「本気も何も、思ったことを言っているだけだが?」
「ッ、、!」
何言ってんだこいつ
魔人の長
「・・・なんだこの手は。」
次の瞬間には胸ぐらを掴んでいた。
「黙れ!
誰が、好き好んで人を殺すんだよ・・・!」
魔人の長
「・・・・・・。
それとこの手には何の関係がある。
どうして俺の胸ぐらを掴んだ?」
「そ、それは・・・。」
魔人の長
「わかっているだろうが一応言っておく。
お前が魔女に何を言われてどう思ったかは知らん。
だが、聞いただけでは人は変わらないぞ。
その手が証拠だ。
この程度の挑発で取り乱すとは・・・。
あの時と何ら変わらんではないか。」
魔人の長
「『知』は所詮、部品に過ぎない。
剣と同じだ。
如何に強力な剣であろうと、不熟な剣士にはそれは扱えん。
お前の『知』。
それを練り上げ、強力な武器としろ。
そのために俺達がいる。」
「・・・・練り上げて、それで人を殺すのか?」
魔人の長
「結果的にはそうなるだろうな。」
「なら、俺にやる義理はあるのかよ・・・。」
やりたくない。
俺でなくても、誰もがそう思うだろう。
大量殺人をするために力を鍛えるなんて。
魔人の長
「義理か。
この戦いは、お前の大切なもののための戦だ。
お前は、お前が守りたいもののために戦う。
その為に多くの人を殺す。
しかし、鍛えなければ守るものも守れずに全て失って死ぬことになるぞ。
それでも良いと思えるお前ではあるまい。」
「・・・・守るものなんてねーよ。」
魔人の長
「これから見つかる。
逆に言えば、お前が必要なものを見つけない限り脅威はやってこないという事だ。」
なんで俺なんだよ。
どうして俺が人を殺し続けなけりゃいけないんだ!
あぁ、いっそ・・・
「あぁッ、あァあああぁあああぁアッ」
魔人の長
「・・・何をしている。」
日数にすればさほどでもないが、体感ではとても久しいこの頭痛。
頭が勝ち割れそうになる。
「ず、頭痛が・・・。」
魔人の長
「頭痛・・・あぁ、そうか。」
「・・・・・何だお前。
この頭痛のこと何か知ってるみたいな言い方しやがって。」
魔人の長
「あぁ、知っているがそれがどうした?
知っていても伝えるとは言ってないがな。」
「何で知ってるんだよ。」
魔人の長
「どうして言わなければいけない?」
「・・・・・何なんだよ、本当に。」
魔人の長
「・・・話はこれだけだが、まだそこで屯するのか?」
「出て行けってか?」
魔人の長
「そう聞こえないのか?
お前に戦う意思がないのなら、ここにいる必要はもうないぞ。」
・・・・・・・・いつから俺は、周りに自分を支配されだしたのだろう。
断るなんて、できない。
「・・・・・どうすれば強くなれる?」
魔人の長
「・・・フン。
その理解の速さだけは褒めてやるよ。」
魔女
「おや、おはよう。
思っていたより早いねぇ。
朝は強い方なのかい?」
「いや、普段はもっと寝てる。
やっぱ緊張とかその辺が関係あるのかもな。」
魔女
「まぁ、いずれにせよ眠れはしたし、ある程度体も回復しているだろう。」
「そういうお前は朝強いのか?」
魔女
「・・・君よりかは遥かにね。」
「そりゃあ凄いな。」
そんな何気ない会話をしているうちに時間は経つ
「それじゃあ、行ってくる。」
魔女
「あぁ。
彼によろしく伝えておいてくれよ。」
「わかったわかった。」
荷物は先に取りに行った。
村の人には魔女のことは明かさずに、やることができたからここを離れるとだけ伝えた。
いきなり押しかけたのに宿や食事まで用意してくれて、感謝しかない。
でも今から、今日のメインイベントが始まる。
行きたくない気持ちもある。
そのくせ足がすんなり運ぶものだからほんの少しだけ皮肉に思った。
すぐに霧を抜け、気が付いたころには地面は割れていた。
「・・・よし!」
奥に見える枯れた木を目指して進む。
きっとそこにあいつはいる。
魔人の長
「・・・なんだ。
もう来たのか。
たったの一日でそんなに変わると思っているのか?」
「・・・・・・・。
魔女が、お前に宜しくって。」
魔人の長
「・・・まあ良い。
・・・・あいつのお陰だろうな。
少しはマシな面になった。」
彼らは人の心が見えるのだろうか。
魔人の長
「良い。
それならこのまま話を続ける。
俺はあまり長話は好きでは無い。
故に詳しいことは魔女に聞け。
俺は手短に話す。」
魔人の長
「これからする話は、いつか起こる未来の話だ。
心して聞け。
何しろ、お前がこれから歩む未来だからな。
お前はこの先、多くの人と戦うことになる。
そこで再び、お前はその力を人に向けることになるだろう。
そこでまた、お前は人を殺すことになるだろうな。
それも一人じゃない、大勢だ。
大勢の命を奪うだろう。
大勢を殺すだろう。
その手で。
その力で。」
「・・・・・・・・・・。」
魔人の長
「・・・・・・話はこれだけだ。
どうだ、思ったよりも面白みがなかったか?」
「・・・は?」
魔人の長
「やはりそれぐらいの心持ちでないと大量殺人はできないか?」
「・・・お、お前、本気で言っているのか?」
魔人の長
「本気も何も、思ったことを言っているだけだが?」
「ッ、、!」
何言ってんだこいつ
魔人の長
「・・・なんだこの手は。」
次の瞬間には胸ぐらを掴んでいた。
「黙れ!
誰が、好き好んで人を殺すんだよ・・・!」
魔人の長
「・・・・・・。
それとこの手には何の関係がある。
どうして俺の胸ぐらを掴んだ?」
「そ、それは・・・。」
魔人の長
「わかっているだろうが一応言っておく。
お前が魔女に何を言われてどう思ったかは知らん。
だが、聞いただけでは人は変わらないぞ。
その手が証拠だ。
この程度の挑発で取り乱すとは・・・。
あの時と何ら変わらんではないか。」
魔人の長
「『知』は所詮、部品に過ぎない。
剣と同じだ。
如何に強力な剣であろうと、不熟な剣士にはそれは扱えん。
お前の『知』。
それを練り上げ、強力な武器としろ。
そのために俺達がいる。」
「・・・・練り上げて、それで人を殺すのか?」
魔人の長
「結果的にはそうなるだろうな。」
「なら、俺にやる義理はあるのかよ・・・。」
やりたくない。
俺でなくても、誰もがそう思うだろう。
大量殺人をするために力を鍛えるなんて。
魔人の長
「義理か。
この戦いは、お前の大切なもののための戦だ。
お前は、お前が守りたいもののために戦う。
その為に多くの人を殺す。
しかし、鍛えなければ守るものも守れずに全て失って死ぬことになるぞ。
それでも良いと思えるお前ではあるまい。」
「・・・・守るものなんてねーよ。」
魔人の長
「これから見つかる。
逆に言えば、お前が必要なものを見つけない限り脅威はやってこないという事だ。」
なんで俺なんだよ。
どうして俺が人を殺し続けなけりゃいけないんだ!
あぁ、いっそ・・・
「あぁッ、あァあああぁあああぁアッ」
魔人の長
「・・・何をしている。」
日数にすればさほどでもないが、体感ではとても久しいこの頭痛。
頭が勝ち割れそうになる。
「ず、頭痛が・・・。」
魔人の長
「頭痛・・・あぁ、そうか。」
「・・・・・何だお前。
この頭痛のこと何か知ってるみたいな言い方しやがって。」
魔人の長
「あぁ、知っているがそれがどうした?
知っていても伝えるとは言ってないがな。」
「何で知ってるんだよ。」
魔人の長
「どうして言わなければいけない?」
「・・・・・何なんだよ、本当に。」
魔人の長
「・・・話はこれだけだが、まだそこで屯するのか?」
「出て行けってか?」
魔人の長
「そう聞こえないのか?
お前に戦う意思がないのなら、ここにいる必要はもうないぞ。」
・・・・・・・・いつから俺は、周りに自分を支配されだしたのだろう。
断るなんて、できない。
「・・・・・どうすれば強くなれる?」
魔人の長
「・・・フン。
その理解の速さだけは褒めてやるよ。」
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
前世の記憶で異世界を発展させます!~のんびり開発で世界最強~
櫻木零
ファンタジー
20XX年。特にこれといった長所もない主人公『朝比奈陽翔』は二人の幼なじみと充実した毎日をおくっていた。しかしある日、朝起きてみるとそこは異世界だった!?異世界アリストタパスでは陽翔はグランと名付けられ、生活をおくっていた。陽翔として住んでいた日本より生活水準が低く、人々は充実した生活をおくっていたが元の日本の暮らしを知っている陽翔は耐えられなかった。「生活水準が低いなら前世の知識で発展させよう!」グランは異世界にはなかったものをチートともいえる能力をつかい世に送り出していく。そんなこの物語はまあまあ地頭のいい少年グランの異世界建国?冒険譚である。小説家になろう様、カクヨム様、ノベマ様、ツギクル様でも掲載させていただいております。そちらもよろしくお願いします。
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
身バレしないように奴隷少女を買ってダンジョン配信させるが全部バレて俺がバズる
ぐうのすけ
ファンタジー
呪いを受けて冒険者を休業した俺は閃いた。
安い少女奴隷を購入し冒険者としてダンジョンに送り込みその様子を配信する。
そう、数年で美女になるであろう奴隷は配信で人気が出るはずだ。
もしそうならなくともダンジョンで魔物を狩らせれば稼ぎになる。
俺は偽装の仮面を持っている。
この魔道具があれば顔の認識を阻害し更に女の声に変える事が出来る。
身バレ対策しつつ収入を得られる。
だが現実は違った。
「ご主人様は男の人の匂いがします」
「こいつ面倒見良すぎじゃねwwwお母さんかよwwww」
俺の性別がバレ、身バレし、更には俺が金に困っていない事もバレて元英雄な事もバレた。
面倒見が良いためお母さんと呼ばれてネタにされるようになった。
おかしい、俺はそこまで配信していないのに奴隷より登録者数が伸びている。
思っていたのと違う!
俺の計画は破綻しバズっていく。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~
ぐうのすけ
ファンタジー
高校生で18才の【黒野 速人】はクラス転移で異世界に召喚される。
城に召喚され、ステータス確認で他の者はレア固有スキルを持つ中、速人の固有スキルは呪い扱いされ城を追い出された。
速人は気づく。
この世界、俺がやっていたエロゲ、プリンセストラップダンジョン学園・NTRと同じ世界だ!
この世界の攻略法を俺は知っている!
そして自分のステータスを見て気づく。
そうか、俺の固有スキルは大器晩成型の強スキルだ!
こうして速人は徐々に頭角を現し、ハーレムと大きな地位を築いていく。
一方速人を追放したクラスメートの勇者源氏朝陽はゲームの仕様を知らず、徐々に成長が止まり、落ちぶれていく。
そしてクラス1の美人【姫野 姫】にも逃げられ更に追い込まれる。
順調に強くなっていく中速人は気づく。
俺達が転移した事でゲームの歴史が変わっていく。
更にゲームオーバーを回避するためにヒロインを助けた事でヒロインの好感度が限界突破していく。
強くなり、ヒロインを救いつつ成り上がっていくお話。
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
カクヨムとアルファポリス同時掲載。
【完結】腐ったお姉様。伏してお願い奉りやがるから、是非とも助けろくださいっ!?
月白ヤトヒコ
ファンタジー
腹違いだという妹の、
『あぁ・・・生シエロたん、しかも無垢なショタバージョン、マジ尊い♥』
その意味不明な筈の言葉を聞いた途端、『俺』は前世で姉貴から頼まれたBLゲームを買う道中で死んだことを思い出した。
しかも、生まれ変わった先は件のゲーム。ヤンデレ好きご用達レーベルの、最良でメリバしかない鬼畜BLゲームに転生していたっ!?
鬼畜、ヤンデレ、執着監禁親父、ストーカー、メンヘラ、拷問好きサイコパスという攻略対象達から命と貞操と尊厳を守るため……
『腐ったお姉様。伏してお願い奉りやがるから、是非とも助けろくださいっ!?』
メリバ、バッドエンド、死亡フラグを回避して、俺は普通の恋愛がしたいんだっ!!
※BLゲームの世界に転生という設定ですが、BLを回避する目的の話なので男性同士の絡みはありません。あしからず。
会話メイン。設定はふわっと。
【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。
飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。
ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。
そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。
しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。
自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。
アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる