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2章
16話 保身
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気が付いた時には家だった。
俺は、強いと思っていた。
今も心の片隅で、強いと、信じている。
だって、、だってそうだろ!
俺は勝ったんだよ!
あいつに!
俺の方が強いから!
だから俺が勝ったんだよ!
、、、
「・・・でも、殺しちゃダメだった・・・。」
涙が流れる
何への涙かわからない
それでも
止まらない
「ぅ、あぁ、あぁぁぁあぁあ、、あぁあぁ、、、、、」
「、、、ごめん。ごめん。ごめん、ごめんごめんごめん。
、、ごめんなさい。
ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい。」
あやまらないと、、
許してもらえない。
謝って謝って謝ってあやまってあやまってあやまってあやまって
「・・ひぐっ・・・っぐっ・・・・ひぐっ・・・」
「ごめん、なさい。」
「本当に、ほんとうに、、ごめんなさい。」
「ゆる、して、、ください、、、、」
「ゆるして、ゆるして、ゆるして、おねがい、
、、ゆるして、おねがい、、だから、、ゆるして、」
・・・
気が付けば朝だった。
「あぁ、たしか今日も行かないと行けないんだよな。
もう行こぉ。早く行きたい。」
何故か無性に、早く行きたかった。
走って行った。
霧はなかった。
魔女のもとへ行くことも。野原を見ることも。
気が付いたころには、死んだ荒野にいた。
昨日と同じように一本の木がある。
そこにいるだろうか。
魔人の長
「・・・なんだ。もう来たのか。」
あぁ、なんでこんなにここに来たかったか、わかったよ。
「お前に俺を殴ってほしい。」
魔人の長
「・・・何故?」
「痛みを知るために。」
そうだ。
ここでボコボコに潰されて、痛みを知ろうとしたんだ。
あいつの感じた苦しみを、俺も受ける
魔人の長
「痛みを知って何になる。」
「ガレンに報いる。」
魔人の長
「・・・殺せということか?」
「いや、そうじゃない。
あいつの苦しみを理解するんだよ。」
魔人の長
「何のために?」
「何って、ガレンのためにだろ。」
魔人の長
「どうしてそれがあの餓鬼のためになる。」
「いや、あいつの苦しみを理解しようと思っ─」
魔人の長
「違う!
違う違う違う!
誰がお前に苦しめと言った⁉
ガレンがそう言ったのか⁉
いや、そんなことは言われていないだろう!」
「っ、、
で、でもお前は昨日俺に、あいつの苦しみを想像したかって言った。」
魔人の長
「あぁ、、
・・・お前は、本当に、どうしようもない奴だな。
この期に及んでまだ保身に動くか!
哀れにも程度があると知れ!」
「そ、それはどういう・・・」
魔人の長
「自覚しろ!!
お前は人を殺したんだ!!
お前は、人殺しだ!!」
「、っ、、、や、やめて、くれ、、」
魔人の長
「わかったらさっさと帰れ!」
魔人の長
「お前がそのくだらない保身をやめない限り、ここへ来ることはできないだろう!
・・・お前が己を知ったとき、もう一度ここへ来い。
それが最後だ。」
「っはぁ、はぁ、、はあぁッ、、」
意識が戻った時、昨日と同じ場所で倒れているのに気付いた。
「ど、どういうこと、だ。」
「俺は、悪いことをしたと思っている。
ガレンには聞こえないだろうが、謝りもした。
償いたいとも思っている。」
「これの何がいけないっていうんだよ!」
「・・・もう、何がダメなのか分かんねえよ。」
ちょっとだけ泣いた。ちょっとだけ。
「己を知るまで来るなってか・・・。」
微かな体力を使い、あの村へ足を動かす。
足が重い。
一歩がしんどい。
歩く意味も分からない。
体力の全てを使い切り、次の足が出なくなって、途中で倒れた。
芝、草原の生暖かさを感じた。
魔女
「・・・無様だね。
死にそうじゃないか。」
「、、ッハァ、ハァッ、、、ッ、、」
魔女
「まぁそう焦らないで良いさ。
君と彼は同じようで違うからね。
まぁ、彼はそんなことを気にしたりしないと思うんだけど。」
この時には既に、もう何もかもどうでもよかった。
俺は、強いと思っていた。
今も心の片隅で、強いと、信じている。
だって、、だってそうだろ!
俺は勝ったんだよ!
あいつに!
俺の方が強いから!
だから俺が勝ったんだよ!
、、、
「・・・でも、殺しちゃダメだった・・・。」
涙が流れる
何への涙かわからない
それでも
止まらない
「ぅ、あぁ、あぁぁぁあぁあ、、あぁあぁ、、、、、」
「、、、ごめん。ごめん。ごめん、ごめんごめんごめん。
、、ごめんなさい。
ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい。」
あやまらないと、、
許してもらえない。
謝って謝って謝ってあやまってあやまってあやまってあやまって
「・・ひぐっ・・・っぐっ・・・・ひぐっ・・・」
「ごめん、なさい。」
「本当に、ほんとうに、、ごめんなさい。」
「ゆる、して、、ください、、、、」
「ゆるして、ゆるして、ゆるして、おねがい、
、、ゆるして、おねがい、、だから、、ゆるして、」
・・・
気が付けば朝だった。
「あぁ、たしか今日も行かないと行けないんだよな。
もう行こぉ。早く行きたい。」
何故か無性に、早く行きたかった。
走って行った。
霧はなかった。
魔女のもとへ行くことも。野原を見ることも。
気が付いたころには、死んだ荒野にいた。
昨日と同じように一本の木がある。
そこにいるだろうか。
魔人の長
「・・・なんだ。もう来たのか。」
あぁ、なんでこんなにここに来たかったか、わかったよ。
「お前に俺を殴ってほしい。」
魔人の長
「・・・何故?」
「痛みを知るために。」
そうだ。
ここでボコボコに潰されて、痛みを知ろうとしたんだ。
あいつの感じた苦しみを、俺も受ける
魔人の長
「痛みを知って何になる。」
「ガレンに報いる。」
魔人の長
「・・・殺せということか?」
「いや、そうじゃない。
あいつの苦しみを理解するんだよ。」
魔人の長
「何のために?」
「何って、ガレンのためにだろ。」
魔人の長
「どうしてそれがあの餓鬼のためになる。」
「いや、あいつの苦しみを理解しようと思っ─」
魔人の長
「違う!
違う違う違う!
誰がお前に苦しめと言った⁉
ガレンがそう言ったのか⁉
いや、そんなことは言われていないだろう!」
「っ、、
で、でもお前は昨日俺に、あいつの苦しみを想像したかって言った。」
魔人の長
「あぁ、、
・・・お前は、本当に、どうしようもない奴だな。
この期に及んでまだ保身に動くか!
哀れにも程度があると知れ!」
「そ、それはどういう・・・」
魔人の長
「自覚しろ!!
お前は人を殺したんだ!!
お前は、人殺しだ!!」
「、っ、、、や、やめて、くれ、、」
魔人の長
「わかったらさっさと帰れ!」
魔人の長
「お前がそのくだらない保身をやめない限り、ここへ来ることはできないだろう!
・・・お前が己を知ったとき、もう一度ここへ来い。
それが最後だ。」
「っはぁ、はぁ、、はあぁッ、、」
意識が戻った時、昨日と同じ場所で倒れているのに気付いた。
「ど、どういうこと、だ。」
「俺は、悪いことをしたと思っている。
ガレンには聞こえないだろうが、謝りもした。
償いたいとも思っている。」
「これの何がいけないっていうんだよ!」
「・・・もう、何がダメなのか分かんねえよ。」
ちょっとだけ泣いた。ちょっとだけ。
「己を知るまで来るなってか・・・。」
微かな体力を使い、あの村へ足を動かす。
足が重い。
一歩がしんどい。
歩く意味も分からない。
体力の全てを使い切り、次の足が出なくなって、途中で倒れた。
芝、草原の生暖かさを感じた。
魔女
「・・・無様だね。
死にそうじゃないか。」
「、、ッハァ、ハァッ、、、ッ、、」
魔女
「まぁそう焦らないで良いさ。
君と彼は同じようで違うからね。
まぁ、彼はそんなことを気にしたりしないと思うんだけど。」
この時には既に、もう何もかもどうでもよかった。
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